プレデター (架空の生物)

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プレデターPredator, Yautja, Hish[1])は、映画『プレデター』及び『エイリアンVSプレデター』シリーズに登場する架空の異星人地球外生命体。コミック、小説、ゲーム等にも登場した。

登場作品[編集]

概説[編集]

宇宙の様々なを渡り歩き、その星に生息する猛獣生物を獲物として狩猟することを種族的な趣味にもつ人型知的生命体である。名称の由来は、1作目において獲物を一体ずつ殺す様が、捕食動物(プレデター)を想起させたことから。高度な科学技術を持つにもかかわらず、驚異的な身体能力を生かしての肉弾戦を好む[2]。また、戦場が放つ熱気に引き寄せられて出現する傾向がある。これは、彼らが銃器を持った危険な獲物を仕留めることにより大きな意義を感じていることと、故郷の生息環境が高温であることによるらしい。独自の文字体系を持っており、(あくまで作中外の設定ではあるが)人類の使用するアルファベット・数字に置き換える事が出来るようだ。

身体能力[編集]

プレデターは、人類よりも遥かに高い身体能力・耐久力を有する。1作目・2作目の映画において、樹木から樹木、または高層ビルから高層ビルへと跳び回って移動しており、非常に高い跳躍力を示している。二作目においては、地上から街路樹へ跳び移り、瞬く間にビルを駆け上り、ビルの上を跳び歩く姿が描かれている事からも、脚力は相当強いと考えられる。

また、かなりの高所から落下してもダメージ無く着地できるようだ(しかし、主人公によってビルから落されそうになった時には、壁につかまって落下を逃れようとしたり、自爆装置の起爆コードの入力を行うなどの行動をとっている)。脚力以外の筋力も総じて高いようで、人を片手で投げ飛ばす程度は軽々とやってのける。『エイリアンズVSプレデター』には、エイリアンの二段顎を引きちぎって見せる者、エイリアンをジャイアントスイングで投げ飛ばす者も登場した。

耐久力に関しては、作品や場面によって相違が見られる。1作目では人間の発射した軽機関銃弾丸によって、2作目では散弾銃のスラッグ弾で負傷しているが、2作目で至近距離から腹部に数発のスラッグ弾を受けたものの致命傷に至らず、そのまま戦闘行為を続けられたことから、生命力は非常に高いと考えられる(ただし銃創の止血は行った)。3作目にいたっては目前でアサルトライフルを乱射されたにも拘らず無傷であり、人間側の武器を全く寄せ付けていない(おそらく装着している装甲でガードしたものと思われる)。個人差はあるものの、基本的に銃弾が当たれば血を流し、ダメージを受けるようではあるが、近距離からの銃撃が致命傷とはならない程度の耐久力を持っている。

身体的特徴[編集]

身体はヒトよりも一回り以上大きく(設定では身長:230cm 体重:200kgという事になっている)、筋肉質。体表には、爬虫類や水棲生物、昆虫類を思わせる模様が見受けられる。顕著な身体的特徴として、口の部分が挙げられる。顔の下半分には、皮膜に覆われた4本の爪状の器官が、正面から見て四角形を描くように配置されている。これはそれぞれ独立して可動し、4本全てを大きく開く(下の2本は上の2本よりも可動域が大きいため、この状態を正面から見ると、上辺の短い台形を描く)と、その奥に、ヒトと同様の上下に開く(正確にはと歯茎)が剥き出されるという二重構造となっている。その動きはカニ等の甲殻類を思わせる。頭部には、一見ドレッドヘアーのように見える黒色で先細りの管が数十本生えている。意識的に動かす事は出来ないようなので、恐らく頭髪に近い物と思われる(製作陣からは”ドレッド蟹”と呼ばれていた時期もあったらしい)。血液は蛍光を発する緑色。

装備[編集]

体に装着しているスーツから発生する特殊なフィールドによって人間の目には見えないようにすることが出来る。ただし条件によっては型板ガラスを通してみるように、その存在が人間に目視されてしまう、基本的には周りの風景に同化させる光学迷彩装置。[3]

そのメカニズムは2作目では光を曲げると科学者によって説明されていたが、単なる擬態(情報をレコーダーに記録し擬態能力を高めていく)という説もある(公式HPより)。だが体臭が強く、2作目では特殊なフェロモンセンサーにより人間に行動パターンを把握されてしまっている。 なお、この光学迷彩装置は耐水性が無い。1作目では渓流に飛び込んだことで不具合を起こして姿が露見し、岸辺に上陸後スイッチを切っている。2作目ではスプリンクラーを浴びてやはり故障している。また同じく2作目では放射線を発する細かい塵が舞う空間に紫外線を放射した状態では人間のセンサーに存在を確認されてしまい、放射線を発する塵と、戦闘中に起動したスプリンクラーの水滴で機能不良を起こしていた。

各作品によって形状、大きさが異なる多種多様の接近戦向け、飛び道具などの武器を装備している。装備の威力や細部の違いは、それを使用していたプレデター個人個人の装備品の質の違いによるものと考えることもできる。

ショルダー・プラズマキャノン
左肩に装着している自動制御キャノン砲。海外ではPlasma・Caster(プラズマ・キャスター)と表記されている場合が多い。ヘルメットから照射される3本の赤いレーザーで狙いを定め、発射されるプラズマ弾で対象を撃ち抜く(2作目の終盤に登場したプレデターのキャノン砲はそれ自体にレーザーが取り付けられていた)。砲身は背中のアームに接続されており、ヘルメットの視覚システムと連動して照準の方向へ自動的に向きを変える。エイリアン(ウォーリアー)を一撃で葬るほどの威力を誇る反面、ヘルメットのシステムに照準機構を依存している為、ヘルメットが何らかの異常に陥った場合は命中精度が低下する(4作目でのクリーナーは発電所内での戦闘中、電磁波の影響で視覚システムに不具合が発生し、エイリアンをロックオンしたにもかかわらず命中しなかった)。弾数は無限だが撃った直後はエネルギーチャージの時間が若干ながら必要なため、マシンガンのように間断なく連射することは不可能。各作品ごとに大きさ、デザイン共に異なり、4作目では両肩に1門づつ装着したり砲身にグリップを取り付けて手持ちの火器として使用するなど特殊な使用法も登場した。手持ちの火器として使用する場合(海外では別媒体に先行して登場していたScatter gunと言う武装をこの状態の呼称として採用している)はショットガンのポンプアクションのように一射ごとのエネルギーチャージを必要とする(その際には砲身上部に象形文字が電子音と共に表示され、全て表示されればチャージ完了)。また、成人の儀式の際にはピラミッド内部に隠されているこのキャノン砲を取ることによって儀式が始まる。『AVP』シリーズにおいては最後の敵(エイリアン・クィーンやプレデリアン)にたどり着く前には必ずこのキャノン砲は敵によってむしりとられる(簡単に勝負がつかないようにするためであると思われる)。
ヘビー・プラズマキャスター
肩に付けた巨大なミサイル銃。コミックエイリアンVSプレデター: デュエル』で使用している。
リスト・ブレイド
右腕ガントレットに装着している長さ約50cmの二枚の鍵爪状の刃物。状況に応じて伸縮させたり、刃の向きを変える事での裏拳も可能。敵に向け発射することも出来(3作目でエイリアン・クイーンに対して使用。)、各プレデターの基本装備である。3作目ではエイリアンの酸性血液が付着して刀身が溶解するシーンがあったが、4作目に登場したザ・クリーナーが装備していたものは材質が異なるのか、エイリアンの血液が付着しても溶けることはなかった。また、装備者によって刃の長さはまちまちである。
ハンド・ブレイド
ナックルダスターの様に拳にはめて使う武器。ギザギザの刃が付いている。コミックの『プレデター: 一族』で使ってるが、同じコミックの『エイリアンVSプレデター: 戦争』でも使ってる。
スピア
両側に鋭利な刃を持つ長さ約250cmの。移動する際には50cmほどの長さに縮める事ができる。2~4作目に登場、3作目以降のものはデザインが変更されており、グリップの両端に小さな刃がついている。海外ではCombiStick(コンビスティック)と表記されている。
ハープーン・スピア
コミック『プレデターVSジャッジドレッド』でプレデターが使用した槍。
ソード
ダークホースコミックの『プレデター: 1718』(ダークホース10年のコミック)で、プレデターが使っていた刃の部分が伸縮出来るで、プレデターは背中に背負い、海賊及び海賊の船長と闘った時にこの剣を使用していた。船長との剣と剣を使った一対一での闘いの真最中、後から別の海賊船員に船長がフリントロック式の銃で射殺されたため、船長死後、船長の勇者としての尊重して船長の死体の上にこの伸縮剣を投げ渡した。
レイザー・ディスク
刃が付いた円盤状の武器で、投げると相手を一定距離ホーミングし、ブーメランのように戻ってきて回収することが出来る(その場合はディスクを反転させるほどの空間がなければならない)。またそのまま手に持って使用することも可能。不使用の際は腰に装備している。2作目では円盤状の刃であったが、3作目以降のものはグリップの周りに6枚の鋭いブレードがついており、この刃はグリップ自身に収納可能。海外ではこの3作目以降のものを「シュリケン」と呼んで区別している。どちらにせよ、人体を切断出来るほどの力を持っている。
シミター・ブレイド
両腕に装備される大型の一枚刃の刃物。不使用時は半分程度の長さに縮めることができる。3作目に登場したチョッパー・プレデターのみが装備。
儀式用短剣
エイリアンの外殻を削り出して作られた短剣。そのためエイリアンの強酸性血液でも溶けることがない。儀式中に仕留めたエイリアンを解体する際や他の武器を全て失った時などに使用される。3作目で少なくとも二体のプレデターが装備しており、4作目ではザ・クリーナーが地球へ飛び立つ前に装備を選ぶシーンで、壁にかけられているのが確認できる。
スピアガン
2作目に登場した武装だが登場したのは二股の槍の穂先の形をした弾体(この形状が名称の由来である。)のみで発射機本体は映画作品では未登場である。PCゲーム『エイリアンVSプレデター』シリーズ及び『プレデター・コンクリート・ジャングル(ゲーム)』でそれぞれオリジナルの発射機が設定されている。
ネット・ランチャー
相手を包み込んで拘束したり壁面へ貼り付ける形で拘束する際に用いる、2作目のは手にはめて使用するタイプの発射機を用い、ネットを構成するワイヤーは非常に細い単一ワイヤーで人肌を容易く切り裂く。不用時は左脛に装着する。3作目のは左腕部ガントレットコンピュータの上に専用のランチャーを追加装着するものでワイヤーはワイヤーソー等に見られる鋸歯を持つ、壁面固定用のアンカーには巻き取り機構が追加されおり拘束から逃れようとするほど拘束力が強まるものであり軍用ナイフをも折る。だが、エイリアンの酸血にはあまり耐性はないためエイリアンは容易に脱出できる。
スラッシャー・ウィップ
4作目で登場したプレデター「ザ・クリーナー」が使う鞭。鞭自体がカミソリ状であり、エイリアンの身体ですら簡単に切断するほどの切れ味を誇る。エイリアンの尾を元に作られており、酸性血液が付着しても溶けることはない。なお、この武器はクリーナーが独自に作成したものと思われる。
エネルギー・グレネード
ピストルの様なエネルギーのグレネード。コミックの『プレデター: 4次元からの侵略者』で登場。
エネルギー・ボラ
ロープの様な物で結んだエネルギー状の輪で出来ており、投げ縄の様にターゲットに投げ付けるとエネルギー状の輪が身体を捕らえ身動きが取れない様に出来る。更に皮膚など破壊し白目になり、身体から煙が出るほど強力な電流が流れ、感電死させる。コミックの『プレデター: ビッグ・ゲーム』でプレデターが使用。
ハープーン・ガン
コミック『プレデター: ヘル・アンド・ホット・ウォーター』で水中で使用した鋭い刃が付いた大きな矢。
シープ・ロケータ
ビーコン装置の様な装置。コミック『プレデター: 悪い血』で登場した。
シュリケン・ダーツ
首から手首の甲冑。コミック『プレデター: スターリング・ルー』で使用。
ワイヤー
3作目より登場、光学迷彩をかけた状態で相手の首に巻きつけ絞殺したり樹木や蔓が無い場所で獲物を逆さ吊りにする際に用いる。
溶解液
2作目と4作目に登場。2作目の若者が使っていたものは救急セットに付属されており、物質をある程度溶解させて自身の肉体と一体化させて傷口をふさぐために使用されるものであるが、4作目のクリーナーが使っていたものは完全に証拠隠滅用であり、消したいものに数量かけることで跡形もなく消滅させる強力な効力を持っている。
擬態能力付ヘルメット
最大の特徴とも言える装備品。サーモグラフィー等の視覚補助装置と射撃武装用のレーザーサイト・記憶媒体を取り付けられており、様々な戦闘を経験するほど擬態能力は蓄積・強化されていく。ヘルメットは可視光線をプレデターの視認しやすい赤外線に変換し、彼らの視覚を強化するが、ヘルメットを外すとサーモグラフィー、ズーム等の機能は失われてしまい、赤外線のみを可視領域とする真っ赤な視界になる(しかし、2作目以降ではヘルメットを外した状態でもしっかりと敵を視認している。ここには少し疑問が残るが人間の可視光域と同じ視覚も持ちあわせているとも考えられる)。
温度差で生物と無機物を区別しているため、攻撃目標が外気温と同じ温度のもので体を覆うと視認できなくなるという弱点があった。このため1作目ではを体表に塗りつけた人間を、2作目では断熱素材製の防御服を着た人間を認識することが出来なかった。但し2作目で、可視光線のレンジを変える機能を使っている(人間の暗視スコープの機能に相当)、他、女性の体内の胎児をスキャンしたり、3作目では病人の肺癌やエイリアンが寄生した人間を走査する事で見破っている(X線やCTMRI等に相当すると考えられる)。
視覚システムには通常の熱探知の他にも、エイリアンの姿を浮かび上がらせる『エイリアン・ビュー・モード』(PCゲーム版エイリアンVSプレデターにてEM〔電磁〕ビジョンと説明)や、『プレデター・ビュー・モード』などの機能を持つことがノヴェライズ版AVP2に記されている。また、前述の通りエイリアン・ビューモードは電磁ビジョンである為強い電磁波を発生する発電所などでは視覚機能に不調をきたす。
視覚システムに記録された映像はヘルメット内部に蓄積されており、たとえ他者のメットであっても左腕のコンピューターガントレットに接続することで、記録された過去の映像を見ることが可能(4作目の劇場未公開シーンではザ・クリーナーが墜落した同族の宇宙船内部で死亡していたプレデターのメットを取り外して自身のガントレットと接続し、記録された映像からプレデリアンの姿を確認する場面がある)。
またこの視覚システムに付随した機能として音声解析システムも有り対象となる獲物の特定や録音した音声を利用したかく乱等に使用する。
特に強い獲物には敬意をはらい、ヘルメットを外して挑む。また、3作目ではエイリアンの血液で自らに印をつける際、フェイスハガーの直接攻撃を受けている。 ヘルメットを装着しなくても地球の大気下で活動できるがメットの呼吸装置を外した状態ではやはり息苦しいのか、2作目では間隔を置いて緊急時用のマスクを口に当てて呼吸をしている。なお、ヘルメットのデザインは各プレデターによって異なり、一個体で複数のメットを持つ者もいる。
コンピューターガントレット
左腕に装着しており、このガントレットを操作することでヘルメットの視覚装置・光学迷彩装置の調整や各種情報の取得(3作目でピラミッド内部の情報を立体映像で確認)が出来る。またこのガントレットに各種装備を増設する事も可能で2作目では小型ランチャー、3作目ではネット・ランチャー、4作目ではパンチ力を増幅する手甲型の装置とエイリアン追跡用生体情報分析装置を内蔵している。また三角形の装置もこのガントレットで操作する。最終手段として自爆用の小型核爆弾も存在し、使用時にはコンピュータのパネルを開き特定のコードを入力する事で自爆シークェンスが起動する。
1作目ではグレネードの弾頭の付いた弓矢で光学迷彩装置の制御部が破壊され、4作目では強力なプレデリアンの尾の打撃によってコンピュータ全体が破壊された。
応急処置キット

海外では「Medicomp(メディコンプ)」と表記されている。 戦闘で負傷した際に使用する。内容物は外傷に対応する為の外科用品で構成されている。(作品毎に内容物は変わってはいる。) プレデターの応急処置キットには鎮痛剤の類は入っておらず、そのまま応急処置(この際、苦痛のあまり大きな叫び声を出している)を行う。これは主に止血と化膿防止のみを目的としたもの要出典と思われる。

この他チャージエミッター、リモコンボム等ゲーム版やコミック等が出典の装備が半公式的に存在している。

ファッション[編集]

地球で言う変温動物、つまり爬虫類に近い存在であるためか、温度調節機能のある網状の服を着ている。編みタイツ(?)の様な模様が機能的なものなのか、おしゃれであるのかは不明である。ヘルメットのデザインも個人差があり、首にはネックレスを下げている場合もある。したがって服装はいわゆる、支給された軍服・戦闘服ではなく、個人的な裁量が許されている活動着である可能性もある。



注意以降に核心部分が記述されています。

登場したプレデターの種類[編集]

プレデターは地球人などと同じく独自の文化を持つ知的生命体であるため、各個体による個人差も人類と同じように顕著である。以降は各作品に登場したプレデターの種類である。

プレデター・ウォーリアー(一作目)
一作目に登場したプレデター。ジャングルで米軍の特殊部隊ダッチらを相手に狩りを行った。
武装はプレデターとして知られている中で最もオーソドックスであり、肩部プラズマキャノン、腕に装備されたリストブレイドのみと思われる。狩った相手の生皮を剥いで木に吊るす、一度に狩る相手は一人ずつ、などプレデターの習性(流儀)を護っており、女性の捕虜も殺さなかった。
なお本来名称は未設定であるがフィギュア等の商品展開での区別の都合上「ウォーリアー」の名称を与えられている。
また、『AVP』の監督の話によれば、この個体はまだ成人にも達していない若者である。
しかし、『AVP2』の小説版によると、治療に伴う痛みは若い個体には耐えられないと書かれている。一作目のプレデターは治療の激痛にうめくシーンもあり、この設定を真とするなら、このプレデターは成体である。しかし、『AVP2』のメイキングブックを著したアレッグ・ギリス&トム・ウッドラフ・Jrは最年少としており、制作に関わった人間が共通の見解を持っているとは限らないようである。
なお、通過儀礼の一つと推測される前歯の抜歯は行なっていることは素顔を見れば、明らかである。
プレデター・ハンター(二作目)
二作目、ハリガンと死闘を繰り広げたプレデター。
武装はプラズマキャノン、リストブレイド、スピアガン、スピア、レイザーディスクと一作目のプレデターよりも多彩である。武器(銃)を持たない者、妊婦は殺さない、戦場の熱気に惹かれて現れるなど、後のプレデターというキャラクターの方向性を決定付けたといえる。
1作目の個体同様こちらも名称は本来未設定だが「ハンター」と言う呼称を区別の都合上与えられている。
『AVP』の監督によれば、彼もまた成人には達していない若者であり、ウォーリアーと同じような設定の矛盾が見られる。なお、通過儀礼の一つと推測される前歯の抜歯は行なっていることは素顔を見れば、明らかである。
エルダー・プレデター
プレデターの長老。2作目と『AVP』で登場、役職的な名称でもあるため特定の個体を指すものではない。
他のプレデターと違い、髪が蒼いが、これが年齢によるものなのか族長の証であるのかは定かではない。
2作目では同族を倒したハリガン刑事に敬意を表して1715年製造(地球製)のフリントロック式銃を渡した。グレイ・ベックと言う非公式な製作スタッフの愛称がある。スーツは1作目に登場したプレデター・ウォーリアーのスーツを改良したものである。
『AVP』でも登場し、生き残った女性冒険家レックスにエイリアンを倒した印を認め、自らのスピアを渡した。
彼の戦闘シーンは明らかにされてないがフィギュアは販売されており、装備しているリストブレイドがシミターブレイドよりも長い。
スカー・プレデター
『AVP』に登場した、成人前の年若いプレデターの一体。
地球の神殿で成人の儀式を受けるため、南極に二体の仲間とともに降下する。劇中では、女性冒険家のレックスと共に、エイリアンと戦っていた。そしてレックスが彼の目の前で不意に現れたエイリアンを倒した事で彼女を戦士と認め、行動を共にする事になった。その際、レックスの倒したエイリアンの死体の一部を槍と盾に加工し、これを提供した。
三体のプレデターの中で恐らく最も腕の立つプレデターであり、ケルティック、チョッパーの2体が見落とした人間を始末したり、背後からこっそり忍び寄るエイリアンをディスクで一刀の元に斬り捨て、ラストシーンではエイリアンクイーンにも勇敢に立ち向かった。
名前の由来は、エイリアンの血で自らの顔に刻み込んだ印であると思われる。『AVP』で物語中盤にフェイスハガーに襲われた(寄生された)ために、ラストシーンで彼の腹部からプレデターの牙を持ったチェスト・バスターが誕生した。これが後に『AVP2』で登場する強敵、「プレデリアン」に成長する。
なお、映画シリーズの素顔を見せたプレデター達の中で有一、前歯の抜歯を行なっていない事が確認されている。明らかに成体であるAVPのエルダーやAVP2のクリーナーも既存のプレデターシリーズのプレデター達と同様、前歯の抜歯を行なっており、抜歯は通過儀礼の一つと推測される。この事からも、プレデター・ウォリアー及びプレデター・ハンターが未成年と言う設定は矛盾が生じてしまう。
ケルティック・プレデター
『AVP』に登場した、成人前の年若いプレデター。
マスクのデザインが古代ケルト人の兜に酷似しているため、この名称で呼ばれる、元々は製作スタッフ内での愛称である。
エイリアンと一対一で対決し、激しい肉弾戦を見せるも一瞬の隙を突かれ、頭部を隠し顎で貫かれて殺害される。が、エイリアンをタックルで吹き飛ばす、ジャイアントスイングで豪快に投げ飛ばすなど、プレデター種の怪力と勇猛さをファンに印象づけたキャラクターでもある。
チョッパー・プレデター
『AVP』に登場した年若いプレデターの一人。3体の中でもこのプレデターのみ背中にトロフィー(頭蓋骨)を背負っている。
チョッパーとは“切り刻む者”を意味し、両腕に装備したシミター・ブレードが名前の由来であるが、こちらも前述のケルティック同様本来は製作スタッフ内での愛称である。劇中ではその切れ味を披露することなくエイリアンに背後から尾で胴体を突き刺され、さらに頭部を隠し顎で貫かれて投げ捨てられるという悲惨な最期を遂げた。
プレデター・ザ・クリーナー
『AVP2』に登場したエイリアン駆除・具体的かつ自分達に都合の悪い存在証拠の抹消を専門とする新プレデター。ザ・クリーナー(掃除人)とも呼ばれる。製作スタッフ内での愛称はウルフ。
前作に登場した成人前の若者達とは違い、成人を経た後に特殊な戦闘経験を積んでおり、エイリアンの駆逐とその過程で発生した証拠物の隠滅を生業としている。そのため目撃者は武器を持たない者であっても容赦なく殺害するなど、純粋に強い獲物を狩ることを至上目的とする他のプレデターとは一線を画す、特異な存在である。マスクには無数の傷があり、顔はエイリアンの酸血を顔面左に浴びた為か左目が失明(眼球自体は存在している)し、上外顎の左側が溶け落ちているなど、経験してきた闘いの熾烈さを覗わせる傷跡が残っている。両肩にプラズマキャノン、腰にはエイリアンの尾で作られた鞭、酸性血液でも溶けないリストブレイド、多数のレーザーを発し沸酸溶解液を散布する三角型の対エイリアン用指向性地雷(ザ・クリーナーはこの装置を下水道内の壁面に3つ設置し、エイリアンの退路を断つと同時に、そこに向かってエイリアンを投げ飛ばして切り裂く戦法を披露している)等の対エイリアン戦に特化した多彩な装備を持ち、アーム部分が破損したプラズマキャノンにパーツを追加し手持ちのハンドガンの様に扱うなど、戦法においてもこれまでの作品で登場したプレデターとは異なる一面を持つ。また、ザ・クリーナーの名を象徴する装備として証拠物を溶かして消滅させる謎の青い液体も備えている。これは溶かしたい物に少量かけるだけで跡形もなく溶解させてしまう。
今まで登場したプレデター達とは桁外れの身体能力を誇り、襲い掛かってきたエイリアンを二体同時に抑えて持ち上げる等、肉弾戦においても奇襲以外ではエイリアン(プレデリアン以外)を寄せ付けてない。身体能力にて勝るプレデリアンとも優れた戦闘技術により互角に戦っており、プレデリアンの隠し顎を引きちぎる荒業も見せた。
だが作中においてはプレデリアンに不意打ちされることが多く、(これはプレデターのマスクのヴィジョンのエイリアンモードではプレデリアンの姿は認識されないため)このためエイリアン抹殺に苦戦をしいられ本来の目的を果たし切れなかった。プレデリアンと戦い瀕死の状態に陥るが、最後は軍の核爆弾の爆発に巻き込まれ死亡した。
ダチャンデ・プレデター
別名、“壊れた牙”を意味するイエインデと言うニックネームも持つ。小説の『AVP、AVP: 戦争』に登場したプレデター。
スプリングヒーレッドジャック・プレデター
スプリングヒーレッドジャック(“ばね足ジャック”)とも呼ばれた。コミック『プレデター: ネメシス』に登場したプレデターで、1896年イギリスロンドンに現れた。巨大な剣の様な刃物を持つ。1896年当時イギリスロンドンを震撼させた謎の切り裂き魔、切り裂きジャックか、その数十年前のバネ足ジャックが元となっている。エドワード・ソームズ船長に倒された。
ドラゴン・プレデター
コミック『AVP: アニュアル』に登場したプレデター。12世紀キリスト教聖人セント・ジョージドラゴン退治の伝説に基づき、セント・ジョージが倒した野獣のドラゴンは実はプレデターだったと言う設定となっている。
12世紀頃の東欧ブルガリアのbradilovo村にドラゴンを退治しに来たセント・ジョージは村付近の森で野獣ドラゴン(プレデター)を見つける。激しい怒りの闘いの末、セント・ジョージの剣がプレデターの胸を貫きセント・ジョージに倒された。このプレデターの遺体及び宇宙船の残骸は後にブルガリア工学アカデミーのエレナや科学者らに発掘されるまで、bradilovo村の教会で秘密に守られながら保存されていた。

習性[編集]

獲物の頭蓋骨(あるいはそれに該当する部分)をトロフィーとして収集する。 その狩猟方式の性質もあって基本的には観察活動を行った上でトロフィーとなりうる獲物を選別している。 また、収集するに及ばない獲物を逆さに吊るし上げ、さらに皮を剥ぐケースもある。 2作目では、彼らの宇宙船の内部に、様々な生物の頭蓋骨が陳列されていた。そのなかにエイリアンそっくりの頭蓋骨が混ざっていたことがファンの間では有名。

名称はプレデター(捕食者)であるが、捕らえた人間を食べる事は無い(捕食目的で狩を行っていない為)ので、何を糧に生きているかは描れていない。2作目で牛肉を食べるために食肉解体工場に行くことは確認されているので、少なくとも菜食主義者でないことは確かなようだ。ただし、プレデターという言葉には「天敵」という意味もあるので、獲物を摂食するかどうかは問題とはならない。

獲物である人間達のセリフをしばしば真似る。(人間の狩猟で使用される鹿笛等の器具に相当する用法)1作目では狩猟対象者をおびき寄せるために、その仲間の「来い」という声を真似たり、2作目では子供がプレデターに話しかけてきた、「飴食べる?」という言葉を狩猟対象に対して発言した。

彼らは自分達のハイテク武器が人間の手に渡ることを極度に嫌う(2作目では人間にレイザー・ディスクを取り上げられ、これにより片手を失い、最終的には腹部を切り裂かれ死亡に至っている)が、『AVP』では奮戦した人間の主人公を戦士と認め、スピアを渡している。

また、獲物の力を認め命を賭して戦う相手と認識した場合は各種武装、及びマスクを捨て去り、腕のリストブレイドのみで決戦を挑む(1作目、『AVP2』)。

彼らにも一応掟があり、判明しただけでも

  • 弱い獲物(武器を持たない者、子供や年老いた者、癌などの深刻な病気を患っている者)は基本的に狩らない。だが武器を所持し攻撃に当たる行動を取っていたり、戦闘意欲を持っていれば除外されるべき弱者でも狩の対象にするらしく、2作目で地下鉄内で護身用にを携帯していた一般人(使用しなかった者が大多数だが)であれ多数虐殺している他、子供が銃を向けた際、実はそれがオモチャと判明するまで「狩の対象」と見なしていたフシが有る。
  • また妊娠している女性は、たとえ武装していても狩の対象から除外される。2作目では妊娠した人間を「女性」と認識し殺さなかったことから繁殖方法は人間と同じか、極めてそれに近いと推測される[4]。外見上で男女を区別しているわけではないようでこのことは2作目で女性に襲い掛かった際、「妊娠」している事をヘルメットのスキャナー機能によって察知し「女性」と認識した(と思われる)ことから想像できる。もしくは妊娠中の女性の胎内の生命を無防備の存在と見なしたとも考えられる。何れにせよ単なる虐殺目的で「狩」を行ってるわけでは無く、強い獲物を狩猟したいという考えに基づいていると考えられる。
  • 同胞を倒すほどの強い獲物に対しては「勇者」と呼ぶなど、騎士道的な敬意を表する
  • 成人式では通過儀礼としてエイリアン(彼ら曰く「虫」)と闘う

等があり、彼らはちゃんとこの掟を守っている。(4作目に登場したザ・クリーナーは例外) また3作目『AVP』では、彼らは一定周期(地球時間で100年)置きに多数の惑星で成人式を行うとされた。これはまずあらかじめ目をつけた惑星の原住民(地球では古代アステカ文明人など)に自分たちの技術を教え、エイリアンの繁殖施設を備え内部が可変する迷宮を建造させる。そして周期ごとに原住民を媒体にしたエイリアンを繁殖させておき、ある一定の年齢に達したプレデター達はその迷宮に数匹で進入してエイリアン狩りを行う。その際火器類は迷宮に置いてある物を使用しなければならず、儀式に持っていけるのはスピアなどの白兵戦用の武器に限定される。最終的にエイリアンをすべて倒せば無事儀式終了となるが、この儀式に参加したプレデターは自身に振りかかかるあらゆる困難を自分達で克服しなければならない。たとえばなんらかの原因でエイリアンが異常繁殖したり、何者かが迷宮に進入して火器を奪ったりしても戦いをやめてはならない。もし負けそうになれば自爆装置を用いて施設ごと爆破し、エイリアンを抹殺することになる。


だがシリーズ1では主人公が自爆用の時限爆弾に気が付き数十秒間疾走しただけで、その爆破の威力から逃れることが出来た。この威力からして周囲にいるエイリアンを全滅させることが可能かどうかは怪しいとも言えよう(『AVP』の劇中では、半径およそ1kmは吹き飛ばせる威力であり、ピラミッドが完全に崩壊している)。この事に関しては、成人式時に使用されるエイリアンと違い増殖能力に優れず、生命体として脅威になりえない人間相手では一掃の必要も無く単なる自己消滅でそれに必要な威力で十分であった、との考えもできる。また、1作目のプレデターは単体での出現であった事から、成人式では無く2作目と同じく本業(?)を行っていた事が分かる。ただし、『AVP』の監督であるポール・W・S・アンダーソンは、同映画のDVD版での音声解説において「僕の考えでは、プレデターの寿命はとてつもなく長く、(1作目、2作目の)彼らはおそらく成人にすら達していない」と発言しており、彼の考えに則るならば、1、2作目のプレデターは未熟であり、成人の儀式のために模擬練習のようなことをしてるとも取れる。エイリアンを自爆によって一掃する行動に関しては、自分達以外の種族にも優れた戦士には敬意を払う事から基本的に異種族への差別意識は無く、成人式に使用した星や生命体(種族?)に対する配慮によるものか、自ら撒いた種は自分で始末すると言う意識からなのかも定かでは無いが、成人式に勝利した場合に関しても自爆では無いが結果一掃と言う形に繋がる為、後始末としての行動と言う見方が強い。どちらにしてもエスノセントリックな思考しかしていないことは確かである。

グレイベックやウルフといった成人戦士に前歯がない一方で、未成年とされるスカープレデターに前歯がある事から、他の通過儀礼として抜歯を行っている可能性がある。


狩りの対象でしかなかった人間との関係はシリーズを追うごとに濃くなっており、3作目においては友情にも近い人間との意思の疎通が為されている(これは勇者と言える人間と過去遭遇していたからである)。

プレデターのオリジナルデザイン[編集]

プレデター (映画)』製作にあたり、プレデターの全体デザインをSFXアーティストでありクリーチャーデザイナーのスティーブ・ウォンが担当している。この際、スタン・ウィンストンが頭部をアレンジした。その経緯において、デザイナーのスティーブよりプレデターは彼個人による創作ではなく、公開二年前に日本で公開された東映の特撮番組『電撃戦隊チェンジマン』(1985年~1986年放送)に登場する、敵組織のクリーチャー(異星人)幹部・ブーバから全体デザインを流用したとの正式なコメントが出されている。

これは公開当初、映画を観た日米の特撮ファンによって出た「両者のデザインが酷似しているのではないか」という話題から発生した公式コメントで、当時よりファンの間では有名な話である。

現在でも購買可能な関連記事によれば、他のデザイナーによって提出されたデザインにインパクトが無かったため、急遽スタン・ウィンストンの工房に話が来た。[5](シェイファー役のシュワルツェネッガーの紹介との事である)しかし代案は出ず、撮影までの時間的余裕がなかったスタン・ウィンストンはスティーブ・ウォンにデザインをまかせた。日本の特撮ファンでもあるウォンは、その時期に偶然放映されていた『電撃戦隊チェンジマン』のブーバ(作中では元宇宙海賊)からデザインを流用したという事になる。最新作の『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』へと至る過程において、そのデザインは次第に変貌を遂げていくが、第一作目であるプレデターでは出渕裕(日本人のクリエーターで、プレデターのオリジナルであるブーバのデザインを描いた人物)によるブーバのスタイルが如実に反映されており、現在でもブーバ自体の設定がプレデターの大まかな基礎設定に組み込まれている(基本の身体的特徴とファッション・顔をマスクで覆っている・強者に対して敬意を示し、弱者は襲わない・腕にコンピューターガントレットがある・ありとあらゆる武器を使いこなすことが出来る等。片手を出す独特の仕草は、ブーバを演じた岡本美登(スーツアクター)の癖からきている)。

脚注[編集]

  1. Yautja, Hishはコミック版で登場する半公式的な種族名称である
  2. これは人により意見の分かれる所である。刃物を使った近接格闘戦は物語の後半に集中しており、全体を平均すると熱線銃器で人間を撃ち仕留めるシーンのほうが多い。
  3. 但し2作目の終盤にはヘルメットもつけていない裸体と思われる数匹のプレデターも透明になったことから、光学迷彩装置がスーツのみで構成される機能であるかどうかは疑わしい。媒体によっては光学迷彩装置専用のジェネレーターを別個に用意してると解釈している場合もある。
  4. ただし有性生殖を行っているかは不明、プレデター自体の外見がオス、メスの区別が付かない可能性もある。
  5. 本節で説明されている前の時点で別なデザインでスーツは試作され特殊効果テストが行われているが各種問題が発生した為一旦白紙に戻してやり直す事になった。1作目の小説版およびメイキング映像でその初期稿版は確認可能。

関連項目[編集]

  • 出渕裕 日本のクリエーター。プレデターとなるオリジナルデザインを描いた人物。
  • 岡本美登 日本のスーツアクター。プレデターのアクションは彼の動きを参考。
  • 電撃戦隊チェンジマン プレデター誕生のきっかけとなる日本の特撮番組。
  • スティーブ・ウォン アメリカのクリエーター。プレデターの全体デザインを担当。
  • スタン・ウィンストン アメリカのクリエーター。プレデターの頭部をアレンジした。

外部リンク[編集]

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