キヤリア (会社)

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キヤリアCarrier Corporation、キャリア)は、アメリカ合衆国エア・コンディショナー冷凍庫の製造を行うメーカー。複合企業であるユナイテッド・テクノロジーズの一部門で世界最大の空調機器メーカーである。社名の「キヤリア」は創業者で近代エア・コンディショナーの発明者とされるウィリス・キャリア (Willis Carrier) に因んでいる。

現在、本社はコネチカット州ファミングトンにある。また、テキサス州タイラーの工場では家庭用のパッケージ・ユニットと商業用のコンデンシング・ユニット、ノースカロライナ州シャルロットの工場では付属品や付属機器を、インディアナ州インディアナポリスの工場では家庭用および商業用暖房機器とエア・ハンドラーを、テネシー州コリアービルでは家庭用コンデンシング・ユニットとヒートポンプを製造している。

歴史[編集]

キヤリアは、ウィリス・キャリアによって1930年代にニュージャージー州からニューヨーク州中央部にあるシラキューズに移転し、以降そこを拠点としてきた。 1950年代に家庭用のエア・コンディショナーで成功を収めた。それは都市部から、アメリカ南西部の人が少なかった地域に住宅地が進出する革命をおこした。 1979年、プラット・アンド・ホイットニーなどを傘下に持つ巨大工業コングロマリットである(ニューヨークの巨大メーカーであった)ユナイテッド・テクノロジーズに買収された。 近年は工場のアジア移転や、運営組織がユナイテッド・テクノロジーズ本社のあるコネチカット州近くに移ったことにより、シラキュースでの存在感は縮小傾向にある。これはシラキュースの地域経済にとって難問となっている。

2016年、キヤリアのケンタッキー州の工場は、従業員1,400人を削減し、メキシコへ国外移転することが決まっていたが、2016年アメリカ合衆国大統領選挙に立候補したドナルド・トランプは選挙戦通じて、また、当選後もキヤリア側へ国外移転阻止の働きかけを行った[1]


日本における法人および合弁企業[編集]

東芝キヤリア[編集]

東芝キヤリア

キヤリアの日本法人は、東洋キヤリア工業株式会社(Toyo Carrier Engineering Co., Ltd)として1930年に設立された(設立当初は三機工業との合弁だった)。日本で初めてエア・コンディショナーを製造し、霞ヶ関ビルや皇居などに空調施設を納めた。工事部門は1969年に新日本空調株式会社(のち三井物産傘下へ)として分離独立した。

東芝キヤリア株式会社
Toshiba Carrier Corporation
種類 株式会社
市場情報
略称
本社所在地  
東京都港区高輪3丁目23番17号
電話番号
設立 2008年4月1日(東芝キヤリア、東洋キヤリア工業、東芝キヤリア空調システムズの統合)
業種 製造業
事業内容 空調機器、冷凍設備などの開発設計、製造
代表者
資本金
売上高
総資産
従業員数
決算期
主要株主 Global Confort Solutions LLC:55%
Carrier HVACR Investments B.V(オランダ法人):40%
株式会社コロナ:3%
株式会社東芝:2%
主要子会社
関係する人物
外部リンク
特記事項:

1999年2月1日にキヤリアは東芝の空調部門と合弁で東芝キヤリア空調システムズ株式会社を設立し、同年4月1日、東洋キヤリア工業をその傘下に入れ東芝キヤリア株式会社(Toshiba Carrier Corporation)となった。東芝キヤリアは家庭用など小型空調設備を担当し、東洋キヤリアは大型空調設備を担当していたが、2008年4月1日東芝キヤリア空調システムズ東洋キヤリア工業東芝キヤリアが統合し、東芝キヤリア空調システムズを存続会社として他の二社を吸収合併、商号を東芝キヤリア株式会社に改めた。また、親会社も東芝本社から東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス(白物家電部門を統括する中間持株会社)に変わった。

2010年5月を目処に、東芝キヤリアの家庭用エアコンの企画、開発、販売事業を東芝ホームアプライアンスに移管した。なお、製造は引き続き東芝キヤリアにて行われる。

2014年1月1日付で、当社に出資していた東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングスが東芝に吸収合併されたことにより、再び東芝からの直接出資になった。 2017年7月1日付で東芝の社会インフラ事業が東芝インフラシステムズとして分社化されたのに伴い、同社が親会社となったが、2019年4月1日付で再び東芝からの直接出資に戻っていたものの昨今は東芝の業績不振の影響でコロナと接触する機会が多くなっていた。

2022年2月7日、東芝は、保有株式60%のうち55%をキヤリア、3%をコロナ側へ売却することに合意し、それを2022年9月30日までに完了させる予定で、それに伴い東芝キヤリアは東芝グループから除外される(保有株式はわずか2%となる)ことを発表した。同年8月1日にキヤリア子会社のGlobal Confort Solutions LLCに株式が売却[2]され、「東芝キヤリア」のまま(東洋キヤリア工業以来となる)キヤリアの日本法人と化した。

なお、両社とも「キ“ャ”リア」ではなく「キ“ヤ”リア」である。(キヤノンキユーピーシヤチハタなどと同じ)

主要事業[編集]

関連事項[編集]

その他[編集]

ニューヨーク州シラキューズ大学にあるスタジアム「キャリアドーム」はキヤリヤの命名権使用料を一部当てて建設された。だが、シラキューズの気候とこのドームの使用シーズンの関係で、空調設備は設置されていない。

脚注[編集]

  1. トランプ氏:キヤリア米工場のメキシコ移転阻止で「前進しつつある」ブルームバーグ(2016年11月25日)2016年12月4日閲覧
  2. (2022-08-01) (開示事項の経過)空調事業を担う当社子会社の異動に関するお知らせ PDF 東芝 [ arch. ] 2020-08-24

外部リンク[編集]