ウド・キアー
ウド・キアー (Udo Kier,1944年10月14日 - )はドイツ出身の俳優。
パンフレットなどの日本語表記ではウド・キールあるいはウド・キアとされることもある。ドグマ95の提唱者で北欧映画の鬼才ラース・フォン・トリアー監督作品の常連として顔を出す事が多い。
来歴[編集]
10代の頃にイギリスに転校し、その学校のクラスで演劇と出会う。1966年、マイク・サーン監督の短編映画『Road to St.Tropez』という作品で生まれてはじめて映画に出演。これを契機に本格的に俳優として活動する。
おもに、ヨーロッパのカルト作品やB級ホラーでの活動が主だったが1970年代、アンディ・ウォーホールに起用され、異色ホラー『悪魔のはらわた』で謎めいた博士、『処女の生血』で体に合わず吸った血を吐いてしまう吸血鬼役をそれぞれ演じ、注目される。
日本では、西村京太郎原作のスリリングなミステリー巨編を、役所広司主演で日本とスイス合作のもと映画化した『アナザー・ウェイ/D機関情報』での工作員役ではじめて顔が知られた他、その独特な風貌を生かし強烈な犯罪者や個性的な変人を演じさせれば右に出るものは無かった。とくに、クリストフ・シュリンゲンズィーフ監督の『ドイツチェンソー大量虐殺』での極右思想に陶酔する軍服男、続く『テロ2000年/集中治療室』ではネオナチ組織の指導者でパラノイア傾向のある神父などが知られる。
一方、ハリウッド映画にも出演することが多く、マイケル・J・フォックス主演の『バラ色の選択』では一転して主人公の上司で紳士的なホテル支配人役を好演したほか、デンマークのTV史上、当時最高の視聴率を記録したカルトドラマ『キングダム』シリーズにおいての存在感は評価が高く、悪の魔王と善の赤ん坊という難役の二役を演じわけるなど確かな演技力を披露した。また1年に平均10数本もの作品に出演するなど作品の多さで有名で、トータルすると200作近くにものぼるとも言われる。
主な出演作品[編集]
- 残酷!女刑罰史 Hexen bis aufs Blut gequält (1970)
- 悪魔のはらわた Flesh for Frankenstein (1973)
- 処女の生血 Blood for Dracula (1974)
- O嬢の物語 Histoire d'O (1975)
- サスペリア Suspiria (1977)
- アナザー・ウェイ/D機関情報 (1987)
- ドイツチェーンソー大量虐殺 Das Deutsche Kettensägen Massaker (1990)
- テロ2000年/集中治療室 Intensivstation Deutschland Terror 2000 (1991)
- マイ・プライベート・アイダホ My Own Private Idaho (1991)
- ヨーロッパ Europe (1991)
- バラ色の選択 For Love or Money (1993)
- カウガール・ブルース Even Cowgirls Get the Blues (1993)
- エース・ベンチュラ Ace Ventura: Pet Detective (1994)
- キングダム The Kingdom (1994)
- JM Johnny Mnemonic (1995)
- バーブ・ワイヤー/ブロンド美女戦記 Barb Wire (1996)
- ユナイテッド・トラッシュ United Trash(1996)
- 奇跡の海 Breaking the Waves (1996)
- キングダム第2章 The Kingdom (1997)
- アルマゲドン Armageddon (1998)
- ブレイド Blade (1998)
- エンド・オブ・デイズ End of Days (1999)
- ポゼスト/狂血 Besat (1999)
- シャドウ・オブ・ヴァンパイア Shadow of the Vampire (2000)
- ダンサー・イン・ザ・ダーク Dancer in the Dark (2000)
- 神に選ばれし無敵の男 Invincible (2001)
- フィアー・ドット・コム fear dot com (2002)
- ドッグヴィル Dogville (2003)
- モディリアーニ 真実の愛 Modigliani (2004)
- マンダレイ Manderlay (2005)
- ブラッドレイン Bloodrayne (2006)
- ハロウィン Halloween (2007)
- G.I.フォース Far Cry (2008)