高町なのは
高町なのは(たかまち なのは)は、テレビアニメ作品『魔法少女リリカルなのは』シリーズに登場する架空の人物であり、同作の主人公である。担当声優は田村ゆかり。
人物像[編集]
第1期・A’s時[編集]
高町家の次女で私立聖祥大附属小学校3年生(9歳)。自称「平凡な小学3年生」。『A’s』時にはAAAクラスの魔導師。左利き[1]。
基本的に明るく優しい性格で強い正義感を持つが、辛い事、悲しい事を抱え込んでしまう癖があり、一時期はそれが原因で彼女を心配する友人・アリサとケンカ寸前にまでなった。なのはの住む世界では非常に珍しく、魔導師として「天才」と呼べる素質があり、ユーノを師として実践を繰り返す中で急速に才能を開花させてゆく。魔力の放出・集束と制御を得意とし、圧縮・縮小は苦手。正式な訓練を受けないまま、実戦の中で「単身でも戦闘を行える砲撃魔導師」としてのスタイルを確立させる。
かつてアリサがすずかをいじめていた時に、なのはが割ってはいり、アリサと喧嘩になったところをすずかに止められた事がキッカケで、なのははアリサとすずかと親友になる。敵対していたフェイトやヴィータなどの人物とも、幾度となく激突を繰り返した結果、最終的には分かり合う事が出来ており、彼女達と良き友となっている。
使用デバイス(魔法の杖)はインテリジェントデバイス「レイジングハート」。性能を持て余していたユーノから譲り受けたものだが、彼がこのデバイスを手に入れた経緯は不明。『A's』におけるヴィータとの戦いで大きく破損し、新システムを組み込んで「レイジングハート・エクセリオン」として生まれ変わる。
StrikerS時[編集]
19歳。時空管理局武装隊に正式に所属し、訓練学校を経て戦技教導官を務めている。魔法術式・ミッドチルダ式/魔導師ランク・空戦S+。
部隊ごとに保有出来る魔導師ランクの総計規模が決まっている為、機動六課の部隊長・隊長・副隊長の魔力には「能力限定」と称する出力リミッターが掛けられている。そのためなのはもAAクラスまで能力を制限されている。この能力限定は、部隊長であるはやての許可がない限り解除できない上、解除の許可は滅多に出ない。
A'sまでは「単独でも戦闘が行える砲撃魔導師」としての戦闘スタイルを確立したが、StrikerSでは、本人曰く「(後方からの援護射撃型である)ティアナと同じポジション」との事。魔力リミッターがかかった状態でも一騎当千の実力は健在だが、実戦では5話など援護に回る事も多くなっている。
教導隊入りしたのは6年前。階級は漫画版(15歳当時)では二等空尉だったが、本編では一等空尉となっている。「エースオブエース」、「誰もが認める無敵のエース」などと呼ばれており、管理局内のみならずミッドチルダでは雑誌に取り上げられるような有名人となっている。
第1期におけるなのは[編集]
とある偶然から傷を負った異世界の少年ユーノを助け、ロストロギア(古代遺産)「ジュエルシード」探索に協力すべく魔法少女(魔導師)となる。そのジュエルシードの探索中、自分と同年代の「寂しげな目」をした女の子・フェイトと出会い、惹かれながらも幾度となく衝突した。戦いを通じて終盤ではフェイトと分かり合う事に成功し、互いにかけがえのない友達になった。
A'sにおけるなのは[編集]
フェイトと離れ離れになりながらも再会を信じて魔法の訓練を続けていた。そんな彼女がヴォルケンリッターの一人、「鉄槌の騎士」ヴィータに襲撃を受けたことから『A's』の物語は幕を開ける。ヴィータとの戦闘でレイジングハートが大きく破損し窮地に陥るが、助けに来たフェイトやユーノ、アースラの面々の手助けを借りて戦闘の場から離脱する。だが離脱直前、ヴィルケンリッターのシャマルに不意をつかれてリンカーコア(魔導師の魔力の源)を奪われる。しかし命に別状はなく、魔力もすぐに回復した。その後、新システムを埋め込んで復活した「レイジングハート・エクセリオン」と共に、ヴォルケンリッター(主にヴィータ)と幾度となく衝突する。またユーノらの調査によって、闇の書の詳細を知る。
物語後半、親友すずかの誘いにより、フェイト、アリサと共に、すずかの友人である八神はやての元へお見舞いへ行き、彼女と友達になる。
A's最終話エピローグ(本編より6年後)では私立聖祥大附属中学の三年に進級する一方で、時空管理局武装隊の戦技教導官にも就任。学業の傍らで管理局の任務に従事している。
StrikerSにおけるなのは[編集]
『A's』から10年経った本作においても主人公の一人。4年前の空港火災時に『StrikerS』の主要人物、スバル・ナカジマを助けており、それ以来スバルにとって憧れの人物でもある。
親友のはやてが設立した本局古代遺物管理部「機動六課」に出向となり、「スターズ分隊」の隊長と六課内の新人魔導師の教育を勤める。優しく面倒見のいい性格は相変わらずで、上司、同僚、後輩を問わず広く信頼されている。
スバル、ティアナ、エリオ、キャロら新人フォワード一同を一人前に育て上げる事に情熱を注いでいる節があり、彼女達を守ると誓っている。
「模擬戦で徹底的にきっちり打ちのめした方が、教えられる側は学ぶことが多い」という戦技教導隊の教育方針に基づいたやり方の訓練を行っている[2]。訓練メニューは基礎と模擬戦が中心で、確実に新人達が強くなるメニューを組んでいるようだ[3]。過去のある経験からか、教え子達を「何があっても壊れないように育て上げる」事を第一としている。
9歳の頃から無茶を続けてきた結果、彼女の体には負担が溜まって行った。当時の技術力ではカードリッジシステムも不安定な物であり、体への負担を無視して自身の限界値を無理やり引き出すエクセリオンモードの使用など負担を溜めていき、闇の書事件終結の2年後、11歳の冬に何者(?)かに襲われ瀕死の重傷を負う。一時は空を飛ぶ事も歩く事すら不可能になる危険性もあったが、半年のリハビリで回復[4]。復帰後にランクS取得。それ故に新人達には無茶をして欲しくないと考えており、スバルとティアナが、なのはの作った訓練メニューを無視して過剰な特訓を繰り返し、なのはとの模擬戦時に無茶な戦法を取った際は、前に語ったようにティアナを「徹底的にきっちり打ちのめした」[5]。その際のなのはの表情は、普段の穏やかな物とは大きく異なり、怒りとも悲しみとも取れる物だった。なのは自身、模擬戦の後もティアナの事をかなり気にかけており、周りからは「不器用」と評されている。
原作との相違点[編集]
原作『とらいあんぐるハート3』では、なのはの兄である高町恭也が主人公であり、原作のなのはは基本的にサブヒロインとして登場する。とらハ3本編では攻略不可能。本編の隠しシナリオ『花咲くころに会いましょう』や、ファンディスク「リリカルおもちゃ箱」の中編『魔法少女リリカルなのは』(アニメとは別物)で主人公を務める。
原作のなのはは、アニメに比べて機械に強いという設定が強調されている。また原作のなのはもアニメのなのはも恭也の影響を感じさせ、根源的な信念は共通していると思われる。原作はアニメのような戦闘シーンはないため、バリアジャケットに変身することはなかった[6]。
人間関係はアニメ版とは大幅に異なり、原作の高町家の事情は複雑な物となっている[7]が、アニメ同様、家族の絆は強い。妖狐の久遠が親友。アリサは「ローウェル」という姓で、自縛霊として登場し、なのはと久遠と友達になるが、最終的にはなのは達に見守られつつ成仏。彼女との別れはなのはに大きな影響を与える。
ミニシナリオ版「魔法少女リリカルなのは」では、妖精の姿をしたリンディ・ハラオウンと出会い、彼女からレイジングハートを貰って、久遠と共に記憶を糧として発動する「イデアシード」を集めるようになる[8]。その際、イデアシードを巡ってクロノ・ハーヴェイと対立。それとは別に日常でクロノと出会い、イデアシードを集めている少年と同一人物とは気づかないまま、クロノと「友達」になり、最終的になのはとクロノは恋に落ちる。[9]。
脚注[編集]
- ↑ ほとんどの場合はレイジングハートを左手で持っているが、第1期には右手に持っているカットが存在する。
- ↑ それを聞いたヴィータ曰く「おっかねぇなぁ」とのこと。
- ↑ しかし一時期のティアナには自分が強くなっている自覚が無く、それが彼女の焦りと無茶を招いてしまう一因となってしまった。
- ↑ StrikerSサウンドステージ01では温泉へ入るシーンがあるが、その際、一緒に入ったスバルやティアナが特に何も触れていない事から、少なくとも目に見える形での後遺症は無いようだ。
- ↑ なのはの訓練用魔法弾は優秀なのでティアナの肉体に傷をつける事はなかった(シャマル談)。
- ↑ 単に私立聖祥大附属小学校の制服に着替えているだけである。なお制服のデザインも若干異なっている。
- ↑ 詳しくは魔法少女リリカルなのはシリーズの登場人物を参照。
- ↑ レイジングハートの形状はアニメと異なっており、また意思はあるがアニメのようにしゃべることはない。魔法は借り物の力で技術的には素人同然だが、なのはが属する「祈願実現型」の魔法特性のためかその力はとても強く、パワー型である。最終的に大いなる災厄から世界を守る為、レイジングハートは力を失う。
- ↑ だが、アニメではそのような関係になっていない。第1期にはファンサービス的にそれをにおわすシーンがあるが、『A's』以降は一切なくなった。詳細はクロノ・ハラオウンを参照のこと。
このページはウィキペディア日本語版のコンテンツ・高町なのはを利用して作成されています。変更履歴はこちらです。 |