海の起源
海の起源(うみのきげん,Origin of Sea)は地球上の海の起源を探求する物理学である。
概要[編集]
46億年前に地球ができたとき、地球には海がなかった。地球表面は岩石がとけたマグマの海であったからである。蒸気や窒素、二酸化炭素などのガスでできた「原始大気」が地球を覆っていた。地球の温度が急激に下がると、原始大気中の水蒸気が雨となり、地上にふりそそいだと考えられていた。その頃の年間降水量は10mをこえる。そのままでは、3000メートル級の海になるシミュレーションが得られている。
スノーライン[編集]
スノーラインという境界線が火星と木星の間にあり、その内側では水は気体の水蒸気になり、外側では固体の氷になる。スノーラインの内側では岩石の惑星が、その外側では氷の惑星ができる。地球型と木星型に分ける境界がスノーラインである。地球はスノーラインの内側にあるから地球ができたときは海がなかったのは当然である。
衝突脱ガス[編集]
微惑星が1~2km/秒というスピードで衝突すると、惑星中に含まれていた二酸化炭素や水、窒素などのガス成分が蒸発し、放出される現象をいう。原始大気は水蒸気を主成分とし、二酸化炭素や窒素、一酸化炭素を含んでいたとされる。
海の水の起源[編集]
1986年に東京大学の松井孝典と阿部豊は隕石に含まれる水を起源として分厚い水蒸気を含む大気を形成することを計算により突き止めた。地表が冷えると、水蒸気大気は雨として落下した。しかし地球ができたあと、海があっても、ジャイアント・インパクトにより水や大気も吹き飛んでしまったと考えられている。地球の海の量は地球の0.023%しかない。 レイトベニア説すなわち、地球誕生後、大量に降り注いだ隕石により水がもたらされたする説が生まれた。彗星に含まれる水と地球の水とは、中性子の割合が異なるため、海王星付近の彗星の由来する、とは考えにくい。しかし、 ところが東京工業大学教授の玄田英典はジャイアント・インパクトがあっても地球の海は大部分残ると計算により確かめた。阿部豊は地球形成時に水をもたらせた小惑星に含まれる水の量を計算すると、地球の水は現在の40倍なければならないと計算した。東京大学教授の広瀬敬は実験により、地球の大量の水はコアの中に大量の水素が溶け込んでいることを発見した。圧力がかかると、金属鉄は非常に水素を取り込む性質がある。地球のコアは5000度、360万気圧の鉄があり、そこに水が水素となり金属に入り込み、地球深くに沈んだとするのである。コアに含まれる水素は現在の海の水の量の50倍あると計算された。そうなると、海の水の起源の説明がしやすくなる。