泣きゲー

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泣きゲーなきげー)とは、正確には、アダルトゲームギャルゲーにおいて、プレイすることで感動を呼び起こされる(泣かされる)ゲーム、もしくはゲームのジャンルの一群のことである。泣きゲーと他のゲームジャンルとの区別は曖昧であり、主観的である場合も多い。


概要・歴史[編集]

長い間、アダルトビデオと同列の商品であるアダルトゲームでは性的快楽の描写が好まれ、ストーリー性を重視した作品は限られていた。しかし、1996年から発売されたLeaf制作の小説風作品群 「リーフビジュアルノベルシリーズ (LVNS) 」の中の1作である 『To Heart』 のマルチシナリオの成功により、恋愛アドベンチャーゲームはシナリオ重視の方向へ大きく踏み出した。

その流れの中で、それまでのシナリオ重視のゲームの中でも、感動させる要素をストーリーに多く取り入れた、新たなジャンルが出現した。その奔りは、1998年Tacticsから出された 『ONE~輝く季節へ~』 で、「心に届くADV」として製作され 「せつなさ」を前面に押し出した作品であった。 その難解とも言われるストーリー性ゆえ、『ONE~輝く季節へ~』の販売本数は振るわなかったが、その当時のインターネットや口コミ等でじわじわと話題となり、各種アダルトゲーム雑誌でも大きく取り上げられるようになり、新しいジャンルの存在を世間に知らしめた。

そして、『ONE~輝く季節へ~』の製作チームの一部が Tactics から移籍して立ち上げた ゲームブランド・Key より、1999年に出された 『Kanon』 は大ヒット作品となり、これによって 感動させるストーリーに重きを置いた作品が、一つのゲームジャンルとして完全に確立した。このような、感動させるシナリオに重きを置くゲームジャンルを、泣きゲー と呼ぶ。

最近では、それほど感動できるシナリオでなくとも、性的描写以外に シナリオ性にも重点が置かれたゲーム全般のことを 泣きゲー と呼ぶような誤用法も増加している。

これらのゲームの特徴として、シナリオの完成度の高さもさることながら、感動すべき場面でその効果を増強するために挿入されるゲームミュージックも無視できない。泣きゲーの出現に伴って、それまでは単調だったゲームミュージックも躍進を遂げて、完成度の高いものになってきている。

また、『Kanon』の主題歌を担当したI'veはゲーム音楽専門の集団として人気を博し、その後の同様の専門家集団やゲーム専門音楽クリエイターの発展を促した。

プレイヤーの「感動」を呼び起こすことを目的とした 泣きゲー のシナリオにおいて、性的な描写の多用は馴染まなく、アダルトゲームとして必須であった性的な描写は大きく後退することとなった。このことはKeyから2004年に発売された 『CLANNAD』 が発売当初から全年齢対象の作品として発売されたことからも言えよう。この経過は、泣きゲーとしての当然の帰結であった。

一方で、性的描写にのみ重点の置かれた従来のアダルトゲームとは異なるが、それほどの感動を呼び起こすことの無い、いわゆる誤用法の「泣きゲー」においては、逆に性的描写においても充実が図られるようになった。これらのゲームでは、ストーリー性にも若干の重点が置かれているが、感動できるとは言いがたく、これらのゲームの魅力を維持するためにはやはり、性的描写に頼らざるを得ないことによる。

また、シナリオを重視するゲームは、性的描写を削除するだけで、簡単にギャルゲーとして再構成できるということから、アダルトゲームとして販売すると同時にコンシューマーゲーム市場への参入を図ることが容易である。そのため、このようなゲームを制作するブランドは増加し、現在ではパソコンゲームの主要ジャンルのうちの一つを確立している。

しかし、シナリオを重視するゲームといっても、設定が煩雑化していたり 不可思議な要素が混ざっていたりなどするだけで、感動できるシナリオとは言いがたいゲームが大半で、本当の意味でプレーヤーを感動させることの出来る 狭義の「泣きゲー」は、数は少ないといえる。

主な作品[編集]

主に泣きゲーと呼ばれるゲームを挙げる。

関連項目[編集]

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