レバ刺
レバ刺とは、レバーを生のまま刺身状にスライスし、塩と胡麻油などにつけて食べる料理である。ただし、2012年7月から飲食店での提供は禁止となった。
概要[編集]
他の部位と同様にと殺・精肉加工される以前に動物が感染していた病原体および、と殺以降の流通過程で付着した病原体がレバー中にも存在するものがあり、非加熱のレバーを食用にする事により感染症を発症する恐れがある。鶏、牛、豚の生レバーの一部は中にカンピロバクターなどの食中毒の原因となる病原体を含んでいる。
特に、豚の生レバーにおいては豚自体が保有しているE型肝炎ウイルスなどの病原体により豚肉の生食と同等の危険性がある。危険性については豚肉#生食の危険を参照。またそれ以外に無鉤条虫などの寄生虫に侵されているものもあり、特に個人が家庭で調理する際には十分注意する必要がある。
日本での規制[編集]
日本の厚生省は1996年にO157の感染多発を受けてレバーなどの食肉の生食を避けるよう通達し、1998年に生食用のレバー及び食肉の加工基準を策定した。日本各地の自治体や保健所は、レバ刺しには生食用基準に沿って加工されたレバーを用いるよう指導した。
2012年3月30日、厚生労働省は飲食店や販売業者が「牛」のレバーを生食用で提供することを禁止する方針を打ち出し、内閣府の食品安全委員会においても「提供禁止は妥当」とする見解が出たことを受け、同年7月1日から食品衛生法に基づき提供禁止とすることとなった。違反すれば2年以下の懲役か200万円以下の罰金の刑事罰が科される。また、厚労省は「豚」のレバーについても加熱して食べるよう注意を喚起した。
生レバーの提供禁止に反対する消費者も多かったこともあり、一部の飲食店では「焼きレバー」用として生レバーの提供が行われていたが、2013年8月に生レバーの提供が原因とみられる食中毒事件が発生。同年10月15日、牛の生レバーを提供したとして食品衛生法違反の疑いで京都府の焼き肉店の経営者らが逮捕され、同月26日に京都簡易裁判所は社長に罰金100万円、店長に罰金50万円の略式命令を出した。
生レバー提供、客の職業を「直感」で見極め指示(2014年10月)[編集]
京都・祇園の焼き肉店で牛の生の肝臓を客に出したとして経営者の小田篤志容疑者(29)らが食品衛生法違反容疑で逮捕された事件で、店では客が警察官や保健所職員でないかを外見などから判断、生レバーを勧めていたことが京都府警への取材でわかった。
府警は29日、新たに同店料理長・大槻善之容疑者(44)を同容疑で逮捕。23日に逮捕した同店責任者・大西亮太容疑者(28)ら2人を含む全員が容疑を認め、小田容疑者は「客からの要望が多く、喜んでもらえる店にしたかった」と供述している。
大西容疑者らの供述では、来店した客を観察して警察官などではないと「直感」で判断した場合、店員に無線機で「生レバーを紹介してよい」と指示していた。提供から30分過ぎても皿に残っていると、回収して廃棄したという。