リリアン・フックス

リリアン・フックス（Lillian Fuchs, 1901年11月18日 - 1995年10月5日）は、アメリカのヴィオラ奏者、作曲家。

ニューヨークの出身。幼少期にピアノを学んだが、ヴァイオリンを学ぶ兄ジョゼフの影響でヴァイオリンに興味を持つようになり、フランツ・クナイゼルの主催する弦楽四重奏団でヴィオラを弾いていたルイ・スヴェチェンスキにヴァイオリンの手解きを受けた。音楽芸術研究所に進学してクナイゼルにヴァイオリン、パーシー・ゲチウスに作曲をそれぞれ師事し、1924年にヴァイオリンと作曲で優秀な成績を得て卒業した。1926年でヴァイオリン奏者としてデビューしたが、室内楽に興味を持ち、師のクナイゼルの娘が弦楽四重奏を演奏した際に、師の要望でヴィオラ奏者として参加。1927年から1940年代半ばまでペロール弦楽四重奏団にヴィオラ奏者として在籍。一方で、兄ジョゼフや弟のハリー、ヤッシャ・ハイフェッツ、ミッシャ・エルマンやブダペスト弦楽四重奏団等と共演して室内楽の名手としての名声を確立していった。1940年に兄ジョゼフがミュージシャンズ・ギルドを設立した際には発起人の一人となった。1953年にはプラドのカザルス音楽祭に独奏者として出演。後進の指導にも熱心に取り組み、1962年から1991年までマンハッタン音楽学校、1964年から1990年までアスペン音楽祭の夏期音楽学校、1971年から1993年までジュリアード音楽院で教鞭を執った。

ニュージャージー州エングルウッドにある俳優基金の養老院にて死去。