エンリコ・プッチ

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エンリコ・プッチ(ロベルト・プッチ[1])は、荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第6部「ストーンオーシャン」に登場する架空の人物。

ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』における声優速水奨[2]

人物[編集]

part6『ストーンオーシャン』に登場する。

G.D.st刑務所の教誨師。1972年6月5日生まれ。39歳。生まれた時、左足の指が歩くのに苦労するくらいに変形していた。素数を愛し、素数を数える事で自分を落ち着かせる。貝類アレルギーがある。運命を克服することになによりも拘る。

聖職者らしく物腰は穏やかだが目的達成の為なら他人を犠牲にし、自分の行いは正しい事であると信じて疑わない。親友のDIOを崇敬しているが、DIOの息子達に対しては自分を守るための道具のように思っておりヴェルサスが自分を出し抜こうとしていることを知った際は彼を激しく罵っている。そのため双子の弟であるウェザー・リポート(ドメニコ・プッチ)には「自分が『』だと気付いていない、最もドス黒い『』だ」と言い放たれる。プッチ神父の非道な行いは、過去に起きた事故のトラウマによる決意から来ているものである。


名門とつながっている裕福な家の出身であり、生まれた時に死別した双子の弟の存在から、運命や幸福について幼くして考えるようになり聖職者を目指していた。修行時代の15歳の時に、当時手伝いをしていた教会でジョースター家の宿敵「DIO」と偶然出会い、「太陽アレルギー」だという彼の言葉を信じてそのままにした礼として生まれつき変形していた左足の指を元通りに治して貰うと共に「矢」の鏃を受け取った。

1年後の16歳の時に、手伝いをしていた教会の懺悔室で神父が不在であったこと、懺悔をする対象を求めているだけの人を放置するのも偲びないとプッチが思った偶然により、死んだはずの自分の双子の弟ドメニコがすり替えられて他人の家で生きていることを知ってしまう。懺悔を誰にも語ってはいけないという掟により両親に告げることも出来ず悩んでいたプッチだったが、妹のペルラに彼氏が出来たことを告白されて彼の素性を調べたことで実の弟が実の妹と兄妹であることを知らずに交際していることを知ってしまう。ただ独り真実を知った苦悩の果てに、妹が傷つくのを何としても避けるために、多少の荒事になってでも真実を伏せた上で二人を別れさせようと、街の何でも屋に2人を別れさせるように依頼する。

しかしその依頼した男は差別主義者であり、ドメニコが黒人の家にすり替えられていたことで彼を黒人の血筋と勘違いし、ペルラの目の前で彼にリンチをし、ドメニコは仮死状態で生き延びたがペルラは絞首刑の状態にされたドメニコが生きていることに気づかず飛び降り自殺してしまう。後日妹の死を目の当たりにしたエンリコは、自分ではなく弟がすり替えられた偶然、自分の行動が招いた悲劇に激しく後悔と絶望するが、それがきっかけとなってDIOが以前語った人間の間の「引力」という言葉への共感と、鏃が勝手に刺さりスタンド能力『ホワイトスネイク』を得る事になる。そして目覚めた後は本編のように目的のためになんでもする性格となりヘビー・ウェザーで街を壊滅させようとしていた弟を倒して記憶を奪った。

その後、DIOに「引力」や「力」について話を聞くために会いに行き、よく会う親友となる。彼から人類が進化し行きつく所の「天国へ行く方法」の存在を知る。それを記した文書があったが、DIOを倒した後に承太郎が処分したことから彼を呼び寄せる謀略を考える。そして、彼の記憶のディスクを読むことによって「天国へ行く方法」を知りそれを実行させることに。父の記憶を取り戻すため追ってきた徐倫らに対し、ディスクでスタンド使いとした刺客を差し向ける。更に「天国へ行く方法」の手順を進める事により、スタンドが進化する。

「DIO」の骨から生まれた緑色の赤子との合体により、その背中にはかつてDIOが奪ったジョナサン・ジョースターの肉体と同様の星型のアザが現れ、ジョナサンの子孫にあたるジョースター家の血を引く人間(徐倫や承太郎)の「存在」を感じる能力を身につけた。さらに、スタンドも重力を操る『C-MOON』に進化、最終的に時を加速させる『メイド・イン・ヘブン』に進化する。

ケープ・カナベラルにおける最終決戦では、メイド・イン・ヘブンの時の加速によりエルメェス、アナスイ、徐倫、時を止められる承太郎をも抹殺する。エンポリオには逃げられてしまうが、プッチが時を極限まで加速させたことにより宇宙は終焉と新たな開闢を迎え、時の加速を体験した全ての生命体(人間のみならず蟻の一匹をも含む)はパラレルワールド「一巡後の世界」に到達する。一巡した間に全ての生物は未来にいつ何が起こるかを体験しており、それを変えられない運命として事前に何が起きるかを知ることが出来る。すべての人類があらゆる悲劇や絶望にも事前に「覚悟」が出来る世界こそが『覚悟こそが幸福』という価値観のプッチの求めた「天国」であった。

ケープ・カナベラルではエンポリオは「プッチから逃れる運命」があった。そこでプッチは時の加速開始の数ヶ月前の世界で加速を止め刑務所に辿り着き、エンポリオをかつての彼の部屋まで追い詰める。しかしプッチが運命に干渉できることを利用してウェザー・リポートの能力を得たエンポリオにより、プッチは酸素中毒により体の自由を奪われたのちウェザー・リポートに頭部を潰され死亡した。時の加速が開始したケープ・カナベラル以前でプッチが死んだ事により宇宙の一巡は完遂されず、完成しかけていた「天国」もなかったことになった。

続編となる part7『スティール・ボール・ラン』に直接の登場は無いが、舞台となった世界はプッチのスタンド「メイド・イン・ヘブン」により生まれたパラレルワールド「一巡後の世界」であると説明されている[3]

スタンド[編集]

ホワイトスネイク[編集]

声 - 桐本琢也[2](ASB版)

【破壊力 - ? / スピード - D / 射程距離 - ? / 持続力 - A / 精密動作性 - ? / 成長性 - ?】

人型のスタンド。塩基配列の描かれた包帯状のラインが全身に走っており、顔の上半分と肩、腰の辺りは紫色の装飾品のようなもので覆われている。半径20m以内の遠隔操作で、人の記憶とスタンド能力を「ディスク」化させて奪い取ったり読んだりすることができ、またディスクを介して人や物を操ることもでき、「10m吹っ飛んでから破裂する」という物理的に不可能なことでも実行させることが可能。生物の行動だけでなく、物の状態をもディスクに込めた命令通りにする事も出来る。劇中では少ないが、プッチの命令に返答する場面もあり、自意識を持っていると思われる。

ディスク化には以下2通りの方法が確認されている。

  1. 幻覚を見せてディスク化する
    スタンドから一定の範囲にいる者にプッチ任意の「幻覚」を見せ、その間に対象者の心と肉体を「溶かす」ことによってディスクを得る。承太郎がこの方法でディスクを抜き取られている他、エンポリオの母親もこの方法で殺害されたとする描写がある。また、幻覚の能力を単体で使うことも可能。安全な場所から能力を行使できるが、溶けるまで時間がかかり、幻覚だと見破られる場合もある。
  2. 本体が直接触る
    対象者に直接触れることでディスクを抜き取ることができる。ただし、接近しなければならないため、正体を知られたり、本体が攻撃を受ける危険がある。

シー・ムーン(C-MOON)[編集]

声 - 桐本琢也(ASB版)

【破壊力 - ゼロ / スピード - B / 射程距離 - ? / 持続力 - ? / 精密動作性 - ? / 成長性 - ?】

緑色の赤ん坊と合体したプッチが、重力の影響を受けにくいケープ・カナベラルに到達した事でホワイトスネイクが進化した姿。外見はホワイトスネイクと緑色の赤ん坊双方の特徴を受け継ぎ、体のあちこちから能力を象徴するように矢印のようなものが突き出ている。重力に影響を与える力を持ち、本体の周囲3kmに存在する物体はプッチを上にして落下するようになり、攻撃した物体の引力を逆転させ、内と外を裏返しにする。この裏返りの作用でダメージを与えることも出来るが、裏返った物が再度攻撃を受けると能力が相殺されて元に戻り、メビウスの輪クラインの壺のように表裏の概念が無い物体に対しては効力を発揮できない。スタンド像自体にパワーがない遠隔操作型であるが、単純な破壊力ではなく重力の影響によってダメージを与えるため、まともに攻撃すると近距離パワー型並の破壊力を持ち、本体から離れることによる破壊力低下の影響を受けない。

メイド・イン・ヘブン[編集]

【破壊力 - B / スピード - 無限大 / 射程距離 - C / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - A】

プッチが重力を最も軽減できる位置に到達したことで進化した、プッチのスタンドの完成形。それまでのプッチのスタンドとは全く異なる外見であり、前半身だけの馬に人が跨った姿をしており、顔の中心や手の甲には能力を象徴するかのように時計(或いは計器)のマークが描かれている。時を無限に加速させるスタンドであり、「天国へ行く方法」実現の鍵となる。プッチ以外の全生物は時の加速についていけず、傍目から見るとプッチが高速移動しているように見える。また、時に影響を与える能力を得たためか、この能力の発現前後から「スタープラチナの能力によって止まった時」を認識できるようになる。スタンド自体の破壊力はスタープラチナ等と比較するとそれ程高くないが、時の加速による凄まじいスピードが加わることにより恐るべき攻撃力を生む。単行本17巻掲載のスタンドパラメータでは時間の加速の原理について「全宇宙の「引力」を利用して加速しているようだ」と説明されている。

このスタンドの真の能力は、時間を無限大に加速し続けることで世界を一巡させることである。一巡した間に全ての人間や生物は未来にいつ何が起こるかを体験しており、その運命を変えることは出来ない(多少の違いはあっても運命に変更は無い。例えば紙を踏んで転ぶと言う出来事を体験している人間が、紙を踏むまいと回避したとしても別の物に躓き転んでしまう)が、プッチ本人のみは自身や他者の運命に干渉、変更することが出来る。雑誌連載時は呼称がステアウェイ・トゥ・ヘブン(天国への階段)であった。

脚注[編集]

  1. 雑誌連載時における一部の呼称
  2. 2.0 2.1 (2013-07-19) [ {{{title}}} ] ウルトラジャンプ 8月号 集英社 2013-07-19
  3. 青マルジャンプ』(2004年)荒木飛呂彦ロングインタビュー

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