専門チャンネル

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専門チャンネル(せんもんチャンネル)とは多チャンネル放送であるCS衛星放送ケーブルテレビ(CATV)、光放送IP放送で放送されている地上波放送やBS衛星放送ではない番組チャンネルのことである。広義ではBS衛星放送の有料放送も含まれるが当記事では狭義の説明を行う。類義語はCSチャンネルペイチャンネル

概説[編集]

番組のジャンルは地上波テレビ放送やBS無料放送のように総合的な編成ではなく、一部のジャンルに絞った番組編成となっている。世にいうテレビの「多チャンネル化」とは通常、専門チャンネルの拡大を指す。

専門チャンネルのCS衛星放送においての日本での法的位置づけは衛星役務利用放送、またはCS委託放送である。番組内容に対する責任はこれらの放送事業者である衛星役務利用放送事業者、委託放送事業者が負う。

これらの放送事業者はチャンネル運営会社でもあることが多い。有線テレビジョン放送(CATV)、有線役務利用放送(光放送、IP放送)において、地上波放送やBS衛星放送のサービスは「放送の再送信」となるが、専門チャンネルサービスは「自主放送」ということになり、番組内容に対する責任はCATV局(有線テレビジョン放送事業者)や有線役務利用放送事業者が負う。

CS衛星放送で標準チャンネルパック[1]の参加チャンネルはCATV等それ以外の放送形態ではベーシックコースに入り、月額視聴基本料金に含まれる事が多い。標準チャンネルパック以外のチャンネルは各放送形態で単独チャンネル契約のオプションチャンネル(各々のチャンネルごとに契約する。一部セット適用あり)になることが多い。また、スカパー!・スカパー!e2では、原則として毎月第1日曜日(当該日午前0時から翌月曜午前4時までの28時間)に、無料のノースクランブル放送「スカパー!・スカパー!e2大開放デー」を開催しているが、ケーブルテレビ・IP放送ではシステム上の問題で無料放送ができない場合がある。

日本での歴史[編集]

ケーブルテレビへの配信[編集]

日本での専門チャンネルはケーブルテレビ (CATV) で始まった。

  • 当初の各CATV局への配信はビデオテープで行われていた(スター・チャンネル等)。「テープネット」、「物ネット」と呼ばれていた。しかしながら番組表掲載のガイド誌を全国の局で共用化するために同じスケジュールで放送されていた。
  • 1989年、通信衛星SUPERBIRD等によるアナログCS(通信衛星)配信がはじまる(スター・チャンネル、スペースシャワーTV等)。
  • 1992年、通信衛星SUPERBIRD Bを使用した「スカイポート通信サービス」(株式会社スカイポートセンター)、通信衛星JCSAT-2を使用したCS BAANによるアナログCS配信が始まる。CATV以外にもマンション文化住宅アパート等のいわゆる集合住宅やホテル等の共同受信設備を通しての視聴向けの配信も行われた。
  • 1996年、通信衛星JCSAT-3を使用してパーフェクTV!(現スカパー!)のデジタルCS放送電波を使っての配信が始まる。各戸への送信はまだアナログ波で行われていた。
  • 1997年、通信衛星SUPERBIRD Cを使用してディレクTVのデジタルCS放送電波を使っての配信が始まる。
  • 1998年、通信衛星JCSAT-4Aを使用してスカパー!スカイサービスのデジタルCS放送電波を使っての配信が始まる。
  • 2002年、通信衛星N-SAT-110デジタルCS放送電波を使っての配信が始まる。
  • 2002年、デジタルCATV向けに変調された信号を衛星によって各CATV局へ配信を行うi-HITS(5月サービス開始)、J-HITS(現JC-HITS)のデジタル配信事業者の一形態HITS事業者が事業を開始。これらデジタル配信事業者を使った場合、送信もデジタル波となる。
  • 2002年5月、日本デジタル配信 (JDS) 等では上記HITS事業者のCS衛星からの信号やCSデジタル放送を受信し変調方式をCATV向けに変調して光ファイバーで周辺のCATV局で配信を行うデジタル配信事業を開始。
  • 2005年10月、JDS は光ファイバーでの配信を全国に広げたネットワークを構築した。このネットワークは伝送路に衛星を使わず天候障害の発生しない配信サービスとなっている。同時にハイビジョンチャネル(ディスカバリー HD等)の配信も開始。

個人向け放送[編集]

  • 1980年代、従来、地上波テレビ放送の難視聴対策設備であったCATVで専門チャンネルの送信が始まる。アナログ波によるものであった。
  • 1989年、放送法改正で通信衛星を使って個人宅向けの直接放送ができるようになる。
  • 1992年7月、通信衛星SUPERBIRD Bを使用した「スカイポートTV」(宇宙通信株式会社)、同年、通信衛星JCSAT-2を使用したCS BAANによるアナログCS放送がはじまる。CATVよりもチャンネル数は限られていた。
  • 1996年10月1日、通信衛星JCSAT-3を使用してパーフェクTV!(現スカパー!)のデジタルCS放送始まる。
  • 1997年12月1日、通信衛星SUPERBIRD Cを使用してディレクTV等のデジタルCS放送始まる。
  • 1998年3月31日、CS BAAN 放送終了。
  • 1998年9月30日、スカイポートTV 放送終了。
  • 1998年4月、通信衛星JCSAT-4Aを使用してスカイパーフェクTV!(現スカパー!)スカイサービスのデジタルCS放送始まる。
  • 2000年10月7日、ディレクTV廃局。
  • 2002年3月1日、通信衛星N-SAT-110を使用してプラットワンの110度CSデジタル放送始まる。
  • 2002年、一部ケーブルテレビ局でデジタル波放送による送信が始まる。
  • 2002年7月1日、通信衛星N-SAT-110を使用してスカイパーフェクTV!2(現 スカパー!e2)の110度CSデジタル放送始まる。
  • 2002年、広義のケーブルテレビである有線役務利用放送が始まる。ビー・ビー・ケーブル株式会社による BBTV (IPマルチキャスト方式)等。
  • 2003年11月21日、標準テレビジョン方式の有線役務利用放送が始まる。K-CAT eo T.V. (現 K-CAT eo光テレビ、役務提供ケイ・オプティコム、役務利用ケイ・キャット)等。
  • 2004年3月1日、スカイパーフェクTV!2 とプラットワンが統合、スカイパーフェクTV!110(現スカパー!e2)に。
  • 2004年9月、スカイパーフェクTV!110 で、専門チャンネル初のハイビジョンチャンネル「スター・チャンネル ハイビジョン」が始まる。
  • 2004年10月20日、通信衛星MBSatを使用してモバHO!のモバイル受信向けCSデジタル放送始まる。
  • 2008年10月1日、スカパー!においてハイビジョンチャンネルの放送が始まる。

用語としての問題点[編集]

類義語を含め、名実不一致の例外的なチャンネルがあるなど用語としてそれぞれ問題点がある。そのためにどの呼び方もなかなか定着していない。

CSチャンネル
日本のCATV局ではデジタル配信事業者日本デジタル配信全国光ネットワーク等でデジタル配信を受けている場合、伝送路を光ファイバーを主とし、通信衛星(CS)をまったく使っていない。また、FOXlife HDディスカバリー HDTV5MONDE等の様にCS衛星放送では実施されていないチャンネルも存在する。
ペイチャンネル
ショッピングチャンネルなどいくつか有料(ペイ)ではない無料チャンネルも存在する。また、この言葉はCATVにおいては「オプションチャンネル」の意として使われることがある。
専門チャンネル
2つのチャンネルのセットではあるが、フジテレビONE+TWOは様々なジャンルの番組を網羅する総合的な番組編成となっている。また、かつてはCS★日テレ(無料放送)等、総合的な番組編成の単独チャンネルが存在した。

脚注[編集]

  1. 2008年10月現在のスカパー!では「スカパー!よくばりパック」、スカパー!e2の場合は「e2基本パック」相当。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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