伝染病

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伝染病(でんせんびょう)とは感染症の一種で、ある個体の感染症が同種の個体に次々と同じ感染症が広がっていきやすい病気の総称である。同時期に短期間で感染症が広がっていきやすい特徴がある。

「伝染病」という言葉は、家畜伝染病予防法や現在は廃法となった伝染病予防法という法律名にも使用されている。また、法定伝染病届出伝染病学校伝染病などのような言葉の一部にも使用されている。

東洋医学では伝染病に類する症として賊風と呼ばれるものがある。

伝染の形式[編集]

この項目では伝染病が広がる原因の中で主な伝染形式の一部を紹介している。すべての伝染形式の記述は感染経路を参照

個体同士の接触[編集]

接触感染と呼ばれる。皮膚同士のふれあい、または手すりや聴診器など物体の表面を通じての間接的なふれあいで病原体が皮膚に付着し感染が成立するもの。疥癬をはじめ、性感染症の多くも含まれる。医療現場ではMRSAなどの薬剤耐性菌の伝染の主要な経路である。

糞から出た微生物を口から摂取[編集]

糞口感染と呼ばれる。感染動物由来の肉や、糞便で汚染された水などの経口摂取により感染が成立する。前者の例としてBSE、後者の例として病原性大腸菌O157やサルモネラが挙げられる。

微生物が付着した飛沫(ほこり)を吸う[編集]

飛沫感染と一般的に呼ばれる。粒子が5マイクロメートル以上と大きく重い微粒子で、3feet未満までしか到達しないものをいう。くしゃみで放出された体液の飛沫が病原体を含んでいて、これが他人の粘膜に付着することで感染が成立する。風疹ウイルスを始め上気道炎症状を伴うウイルス感染症の多くがこの形式をとり、SARSの原因となったコロナウイルスについてもこの経路が主体だと考えられている。

空気中に浮遊した微生物を吸う[編集]

空気感染と呼ばれる。または医学的に飛沫核感染とも呼ばれる。空気中に飛散した病原体が空気中で飛沫の水分が蒸発して5マイクロメートル以下の軽い微粒子(飛沫核)となっても病原性を保ったまま、単体で3feet以上浮遊する。麻疹水痘結核は主にこの形式で伝染し、コロナウィルスでも可能性は示唆されている。

動物を媒介する[編集]

他の動物(特に節足動物)が媒介者(ベクター)となって、伝播することで感染が成立するもの。その病原体の生活環の一環としてベクターの体内で発育、増殖しそこから感染する場合と単にベクターの体表面に付着した病原体が機械的に伝播される場合(機械的ベクター感染)とがある。前者の事例としてはによる日本脳炎マラリアなどの媒介、シラミによる発疹チフスの媒介などが挙げられる。後者の例としてはハエによる病原大腸菌O157や赤痢菌の媒介、鳥インフルエンザの鶏舎間媒介が挙げられる。

ヒトの伝染病[編集]

伝染病と社会[編集]

社会に感染者がいると伝染によって次々と感染者が増える可能性があることから対策には社会的な対応が必要となり、公衆衛生学などにより予防対策なされている。しかし伝染予防を目的として行われる隔離は患者人権を制限するものであるだけでなく、患者への差別が生じて人権が回復しがたい侵害を受けてしまう場合もある。

社会基盤に打撃を与えるほどの被害を及ぼした伝染病は疫病(えきびょう)と呼ばれる。歴史上はペストスペイン風邪などの重大な伝染病が流行して非常に多くの死者を出したことが有名である。また、天然痘は撲滅されるまでのあいだ長期にわたって全世界で死者を出し続けてきた。現代でもSARSの流行によるパニックは記憶に新しい。スマトラ沖地震津波災害では熱帯気候による死体の腐乱により疫病の流行が懸念された。

歴史的に著名な伝染病[編集]

動物の伝染病[編集]

植物の伝染病[編集]

植物病害の名称としての疫病については、植物病理学を参照のこと。

関連した用語[編集]

エンデミック(英 endemic)
一定の地域に一定の罹患率で、または一定の季節的周期で繰り返される状態を示す言葉である。その地域内で流行するため地方性流行とも略される。予測は可能で他の地域に広がってはいかない。感染症が原因の風土病もこの一種、特定の地域に限定される場合をいう(ただし感染病・伝染病に限定した言葉ではないので注意が必要)。
エピデミック(英 epidemic)
伝染病が予想されるエンデミックの範囲を超えて、急激に社会的に広がっていく(流行していく)状態を示す言葉がある。規模が大きくなった場合をout break、さらに多国間にまたがって広範囲に散発的な広がりを示すものをパンデミック(汎発性流行。英 pandemic)という。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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