長崎・佐賀連続保険金殺人事件
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長崎・佐賀連続保険金殺人事件(ながさきさがれんぞくほけんきんさつじんじけん)とは1999年に発覚した保険金殺人事件。
概要
夫や子供を持つ山口礼子が愛人・外尾計夫と共謀して、夫と次男を保険金に掛けて殺害したことで注目された。
山口は看護士資格を持っていたため、睡眠薬の調合ができた。
一連の事件
- 佐賀県夫殺害事件
- 山口の夫が佐賀県のホステスに浮気。ホステスの夫であったマスターは浮気に逆恨みをし、山口と浮気の関係に迫り、全裸写真を撮影される。写真で山口を脅し、肉体関係を強要。山口はマスターが経営するスナックで働き始めるが、そこで客だった外尾と出会い、愛人関係になる。外尾はマスターとの関係を清算する代わりに、夫に保険金を掛けて保険金殺人をさせられることになる。1992年9月、山口は夫(当時36歳)にカレーライスに睡眠導入剤を混入、佐賀県藤津郡太良町の大浦海岸へ夫を転落させて水死させ、約9000万円の保険金を騙し取った。
- 長崎県次男殺害事件
- 1998年10月27日、当時高校生だった山口の次男(当時16歳)を夜釣りに誘い出し、睡眠薬を飲ませる。そして、山口は外尾と共に寝ている次男を長崎県北高来郡小長井町(現:諫早市)の海に突き落とした。睡眠薬の効き目が切れたのか次男は泳いで岸までたどり着くが、山口は岸辺にしがみつく次男の頭を押さえつけて水死させた。次男には約3500万円の保険金がかけられていた。
裁判
1999年8月30日、警察は外尾と山口を殺人容疑で逮捕。その後の捜査で、山口の長男(当時19歳)や長女(当時10歳)にもそれぞれ4000万円と2500万円の保険金を掛けており、長女には何回か睡眠薬を飲ませていたことが発覚した。
2003年1月31日、長崎地裁で外尾と山口に死刑判決が下る。2人は控訴。山口の長男と長女は山口の助命嘆願書を提出。2004年5月21日、福岡高裁は外尾の死刑判決を維持する一方で、山口を無期懲役判決に減刑。2005年10月25日、最高裁は山口の上告を棄却して無期懲役が確定。2008年1月31日、最高裁は外尾の上告を棄却し、死刑確定。
その他
- ギャンブル依存症だった外尾には多額の借金があり、資産家だった山口の資産や山口の夫の保険金がギャンブル費用に消えていった。また外尾は山口のことを金ズルと第三者に言っており、山口への愛情がなかった。
- 実母に殺害された次男の小学校の卒業文集には、母への感謝の念と中学・高校になっても同じように育ててくれることを母に希望する言葉が綴られていた。