僧形八幡神坐像 (康俊)
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僧形八幡神坐像(そうがたはちまんしんざぞう, The Shintô Deity Hachiman in the Guise of a Buddhist Monk)はアメリカ合衆国ボストン美術館に所蔵される僧侶の姿で表された八幡神像である。
概要
神仏習合思想である本地垂迹説に基づき、八幡神が剃髪し、袈裟を着け、手に錫杖をもち蓮華座にすわる僧侶の姿で現れる。ヒノキ材の寄木造。挿首、錆下地に彩色、玉眼嵌入。頭作者の康俊は運慶のひ孫で、「運慶六代孫」を名乗っている。山中商会からボストン美術館が1936年に購入したものである。
購入の経緯
1936年のボストン美術館の「日本古美術展覧会」に合わせて、山中商会ボストン支店では日本古美術の展覧会を行った。ボストン美術館東洋部長の富田幸次郎は僧形八幡神坐像に注目した。補修のため、頭部を引き抜くと後頭部に銘文を発見した。製作年代も作者も明らかな作品であり、ボストン美術館は紀要に写真入りで公表した。彫刻史で知られる小林剛は「この像は長く奈良の玉井という古美術商の店にあった。墨書銘も一部の人には知られていた」[1]
比較作品
東大寺勧進所八幡殿に快慶作の「僧形八幡神坐像」がある。これを手本にしたと言われるが、美術作品としてみる時は、快慶作を上回る出来とみる。
銘文
南都興福寺 大仏師法眼康俊作 嘉暦三年十一月二十六日
基本データ
摸刻
2018年12月、 東京藝術大学大学院の小林 百代がボストン美術館の許可を得て摸刻を行った[2]。
文献
- 東京国立博物館(2012)『ボストン美術館 日本美術の至宝展図録』NHK
作品紹介
The Shintô Deity Hachiman in the Guise of a Buddhist MonkMusium of fine arts Boston
参考文献
- ↑ 小林剛「畫説」東京美術研究所
- ↑ アメリカ・ボストン美術館僧形八幡神像の構造技法の研究および現状模刻東京芸術大学