ネットプロレス
ネットプロレスは、PC、もしくは携帯電話を使ったゲームのひとつである。言語プロレス(げんごプロレス)と称することもある。ネット上において、架空のプロレスラーとして、他の架空レスラーとのやりとりを通じて仮想プロレス的な世界を形成し、各々がストーリーを作り上げていくゲームである。定期更新型オンラインゲームの一種と言えるが、更新の頻度は団体によって異なる。
この架空レスラー達を競わせる為の団体も数々存在し、その団体のウェブサイト上には基本的に架空レスラーとしての挑発専用の掲示板と、素の参加者間のやりとり用の掲示板が設置されている。挑発専用掲示板、マイクアピール掲示板の上で、ネットプレーヤーが操るレスラーが自分をアピールしたり、相手と挑発しあったりすると同時に、参加者用掲示板でフォローをしたり、行き過ぎた挑発などに対しての注意なども行われている。
もちろん、ネット上と言えども、団体の仕組み(ベルトの存在、アングルなど)はある程度実在の団体の物に基づいている。
大まかな流れ
- 挑発掲示板においてストーリーを展開し、参加者間である程度次回興業の試合を組むための下地を形成する。
- 団体管理者によって次回興業の試合を決定(開催場所、対戦相手、試合順など)。
- 挑発掲示板において興業までのストーリーを展開する。
- 興業を開催し、試合を行い、勝敗を決める。
- 団体によっては、試合の戦略(主に自分の操るレスラーの試合でどういう行動を起こして欲しいか)を、興業の前に作成して団体管理者に送る事を義務づけている。
- 興業の結果を基に挑発掲示板において新たなストーリーを展開する(→1. に戻る)。
問題点
「架空のレスラーになりきれる」と言えば聞こえはいいが、実際は掲示板上でマイクアピールという名のトーク合戦を繰り広げる程度なので、そのことに楽しみを見出せなければ継続は難しいと思われる。また、うまく振舞えなければ、ただの言葉尻の取り合いになってしまうため、プロレスの知識よりもトークの巧さが重要になり、実際のプロレスを想像して参加すると、面を食らう場合もある。そのため、登録しても想像とのギャップに驚き、そのまま何もしないで去ってしまう参加者は常に存在する。
また、参加者間の意識に差があり、大まかに分けると、『プロレスと名乗っている以上、観客を楽しませるべき』と考える参加者と、『なりきりゲームなのだから選手自身が楽しむ事が第一』と考える参加者の二つに分けられ、意見の衝突も度々発生する。
その他に、団体サイト更新頻度維持の困難さも問題の一つである。管理人の都合により多少更新が遅れることは仕方ないが、団体によっては毎度当然のように更新が遅れ、それにより管理人への不満、不信を募らせた参加者が離れていくという事件もよく起こる。故に管理人には適度に定期的な更新が求められる、しかし現在のネットプロレスの参加者数では人員の確保が困難であり、それを苦に潰れる新興団体も決して少なくはない。このような事柄もネットプロレス参加者減少の理由の一つと思われる。
現状
確認されている最古の団体は1998年設立のSARUまで遡るが、数あった団体も次々と消えていき、2006年現在は少数の団体で少人数の気の合う参加者同士が何とか続けている状態である。新規参加者が望まれている反面、新たに参加するにはとっつきにくい環境になってしまっている面もあり、その存続が危ぶまれている。 携帯電話の普及ではじまった携帯系ネットプロレスでは、最古は「横浜プロレス」と言われる。 かつての爆発的勢いはないものの、地道に活動を続けている老舗団体は少数ながら存在する。 携帯系のネットプロレス参加者達は、主にPC系ネットプロレス団体についてほとんどの者があまり意識したことがなく、別次元の物と捉えている。