ダイナシティ

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株式会社ダイナシティDynacity)は、かつて存在したマンションの分譲をはじめとする不動産事業をおこなう日本の不動産会社、不動産デベロッパー

当社は、新興の不動産会社であった。マンション分譲を中心に不動産流動化ブームに乗り、急成長を遂げた企業だった。しかし、ライブドアグループ入りしようとして失敗したり、インボイスグループに入ってみたりと経営方針がコロコロ変わる企業で、経営は安定化せず。また、社長が覚せい剤で捕まる、子会社の社長がレイプ事件を起こすなど、経営陣がDQN犯罪者であり、上が上なら下も下で現場では社員への暴力も日常的。そもそも存在してはいけない企業が上場していたというIPOブームの落とし子だった。

倒産の経緯は、高騰する不動産への警戒感が強まる中、サブプライムローン問題で世界的な信用収縮が発生。投資資金も運転資金も借り入れで調達するということをしていた新興不動産会社が次々倒産する中、当社もご多分に漏れず銀行からの融資がストップし、平成20年に民事再生申し立て。バブル紳士の夢と欲望が詰まった企業であった。

概要

バブル経済崩壊後の平成不況期に中山諭が創業し、不動産仲介業に乗り出す。

1997年可処分所得が多い独身者DINKS世帯をターゲットにした1DK・1LDKクラスの小規模マンション「スカーラ」「デュオ・スカーラ」「ダイナシティ」シリーズの自社展開を開始し、東京都心を中心に高価格で分譲するなど業容を拡大。2001年12月にジャスダック上場し、不動産ベンチャー企業の一角を占め、後にJ-Stock銘柄となった。

2004年頃からは都心のマンションに暮らすイメージを持たせたテレビCM深夜番組を主体に出稿していた。2005年1月には民事再生法を申請して競売にかけられた「成田カントリークラブ」を落札し、ゴルフ場運営(ダイナシティゴルフ倶楽部成田)にも乗り出した。

2005年5月に創業者である中山諭社長が覚醒剤所持により逮捕され、取締役会で解任。その後、同年12月に創業者一族が保有するダイナシティ株式をライブドアファイナンスへ売却するとともに、同社との資本業務提携(転換社債型新株予約権付社債の新規発行・引受)によってライブドアグループの一社となった。しかし、2006年1月発覚のライブドア事件の影響から、同年8月にインボイスが株式とMSCBを取得し、同社の子会社となった。

2008年に入ると、サブプライムローン危機の影響による不動産販売の低迷と、銀行融資が受けられず資金繰りがショートしたため、同年10月に東京地裁へ民事再生法を申請した。ダイナシティゴルフ倶楽部は後にパシフィックゴルフグループインターナショナルホールディングスローンスター)が買収し、「成田の森カントリークラブ」へ改称した。このためインボイスはダイナシティに対する貸付金や保証が焦げ付き特別損失が発生したが、ダイナシティを連結対象から外し、子会社売却などを実施したため2009年3月期決算では純利益を確保している。

2009年5月27日付けで再生計画が東京地裁で認可された。これにより、同年6月29日付で発行済み株式全てを0円で強制取得のうえ償却(全額減資)され、ダイナシティは清算会社へ移行することになる。

沿革

会社の現況 (2008年3月31日現在)

  • 会社が発行する株式総数 - 4,157,856
  • 発行済株式総数 - 2,088,201.44
  • 株主数 - 21,578

大株主

株主名 持株数(千株) 議決権比率(%)
株式会社インボイス 1,048,737 50.79

主な借り入れ先

2009年3月期有価証券報告書による。貸出額順。

短期債権

  1. SF不動産クレジットSFCGグループ)
  2. インボイス
  3. 新生プロパティファイナンス新生銀行グループ)
  4. ファーストクレジット
  5. 三菱UFJリース
  6. 日本抵当証券
  7. ダイナシティコミュニケーションズ(不動産仲介部門子会社)
  8. 京葉銀行

長期借入金

  1. インボイス
  2. 関西アーバン銀行
  3. 商工組合中央金庫
  4. 東日本銀行
  5. 三菱東京UFJ銀行
  6. 三洋電機クレジット
  7. みずほ銀行
  8. 東京海上日動火災保険
  9. 近畿大阪銀行
  10. 横浜銀行

一年以内返済長期借入金

  1. ダイヤモンドアセットファイナンス
  2. みずほ銀行
  3. 日本抵当証券
  4. 東日本銀行
  5. オリックス
  6. 横浜銀行
  7. インボイス
  8. 新生プロパティファイナンス
  9. 関西アーバン銀行
  10. 紀陽銀行
  11. りそな銀行
  12. みなと銀行

従業員

従業員数 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年)
222 33.6 3.5

関連会社

会社名 資本金(千円) 議決権比率(%) 事業内容
株式会社ダイナシティコミュニケーションズ 10,000 100.0 不動産賃貸の仲介・管理事業及び管理組合事業
インボイス出身の丹野智幸MBOを実施し、AKIコミュニケーションへ改称。
株式会社ダイナミックス 95,000 100.0 不動産担保融資事業

スポンサード契約

創業者の不祥事(逮捕)によって2005年までに終了したもの。創業者はエイベックス系(松浦勝人)をはじめとする芸能界・スポーツ界と交流があったとされる。

関連書籍

  • 「ダイナシティの挑戦 不動産業界に新たな市場を創った男達」(IN通信社 著者:鶴蒔靖夫