かませ犬
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かませ犬(噛ませ犬、咬ませ犬)とは、本来は闘犬において調教する犬に噛ませて自信を付けさせるためにあてがわれる弱い犬のことである。
若い闘犬には、まず弱い犬をあてがい、その犬を十分に噛ませることで勝つ味を教える。もちろん若い犬は戦い方がわからないのでうまく噛めない場合があるから、そういう場合にはかませ犬をあらかじめ弱らせたり、口を縛ったりする例もあるという。往々にして、闘犬を引退した老犬がかませ犬として使われる。
ここから転じてスポーツにおいて選手やチームの調整のためや華々しい勝利を観客に見せつけるために意図的に対戦させる弱い相手を指すようになった(映画『ロッキー』におけるチャンピオンのアポロに対するロッキー・バルボアのような立場)。かつて、プロレスラーの長州力が藤波辰爾に対して言い放った「オレは藤波のかませ犬じゃない!」と言う発言は余りにも有名である。
さらに漫画・アニメに関するネットなどのコミュニティにおいては、主人公や敵の強さを際立たせるため使われる「一見派手で強そうだが、簡単に負ける弱いキャラクター」を指す。強いが相手がより強いために負けるキャラクターは本来は「引き立て役」と呼ぶべきだが、同様にかませ犬と呼ばれることが多いようである。
文学
- 『かませ犬』戸川幸夫 ― 彼は、他にもかませ犬にかかわる小説をいくつか書いている。