准教授
准教授(じゅんきょうじゅ、英:Associate ProfessorまたはAssistant Professor)は、高等教育機関において教授に次ぐ教員の職階のこと、または、その職階にある者のことである。従前は、代わりに助教授(じょきょうじゅ)の職階が設けられていた。
概要
准教授は、「優れた知識、能力及び実績を有する者であって、学生を教授し、その研究を指導し、または研究に従事する」ことを職務としている。対して、現在の日本で廃止された職階である助教授は、「教授の職務を助ける」ことを職務としていた。
よく勘違い・混同されることであるが、「助教授」が「准教授」に変わったのではない。その最たる違いは学校教育法に定めるそれぞれの職務である。助教授の職務は研究への従事ではなく教授の補佐であって、教授から協力の要請があれば自分の研究よりもそちらを優先しなければならない。従って、英語圏で言う「Research Associate」あるいは「Lecturer」に職務に相当する。一方准教授の職務は教授と同等であり、研究に従事することを優先させることができる。
日本においては、2007年(平成19年)4月1日施行の「学校教育法の一部を改正する法律」(平成17年法律第83号)により「助教授」の職階が廃止され、代わりに「准教授」が置かれることになった。
かつては、「Associate Professor」という単語が「助教授」と翻訳される場合もあるなどその定義的統一性が問われる事も多く、2007年(平成19年)4月1日をもって准教授という訳語が積極的に使われるようになった。
旧来の「準教授」と「准教授」の二階級が、国際学会では、英語圏の「Associate Professor」のことを示すとされるが、 法的には「准教授」という漢字表記を推奨されることとなった(罰則はない)。しかし、英語圏における「Assistant Professor」は、直訳が「助教授」にも関らず職務や待遇は日本で言う「准教授」に相当するという矛盾もおきている。従って、日本の現在の「助教」は、英語圏で言う「Assistant Professor」ではなく「Lecturer」及び「Research Associate」などに当たるとされる。
こういった意味では「教授」と「助教授」の間に準教授(「准教授」ではない)という職階を置いていた国際基督教大学の制度が英語圏の教員職階システムに最も忠実なものであったと思われる。しかし、法改正後は学校教育法改正に伴い「助教授」を「准教授」に、「準教授」を「上級准教授」にそれぞれ名を改めている。
順天堂大学では、「准教授」を「先任准教授」に、「講師」を「准教授」にそれぞれ名を改めている。
日本の准教授の資格
日本における准教授の資格は、法令に基づく形がとられている。例えば、大学の准教授については、次の通り定められている。
学校教育法 (昭和22年法律第26号)
- 第92条
- 7 准教授は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の優れた知識、能力及び実績を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。
大学設置基準 (昭和31年文部省令第28号)
- (准教授の資格)
- 第15条 准教授となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。
関連項目
外部リンク
- 大学設置基準(第15条を参照)
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