羽入
羽入(はにゅう)は、『ひぐらしのなく頃に』に登場する架空の人物である。(声:堀江由衣)
概要
皆殺し編から登場した主要人物であり祭囃し編の主人公の一人でもある。困った時に、口癖の「あぅあぅ」と言う言葉を発する。祭囃し編では、実体化して古手梨花の親戚と言う事で存在している。DS版のひぐらしのなく頃に絆 第四巻 言祝し編ではハィ=リューン・イェアソムール・ジェダという名で登場。
人物
古手梨花の遠縁の親戚に当たる人物として登場する。頭に角が2本(本人から見て左側には傷がある)生えており、それがコンプレックスである。好きなものは甘い物(特にシュークリーム、初出は綿流し編)で、嫌いなものはキムチなどの辛いものと酒。(梨花と味覚などの感覚を共有しているため、梨花が辛いものを食べることを嫌がる。梨花自身がおしおきや、嫌がらせとして楽しむために食べることもある。)体格は梨花と同じ位のため、レナに狙われている。祭囃し編では学校に転校生として登場し、部活メンバーの一人としても活躍する。
その正体は村で崇拝されている「オヤシロさま」。本来は姿と声は、オヤシロ様の生まれ変わりと称される梨花にのみ知覚できる存在。(古手家では、八代続いて第一子が女子であったならばその八代目がオヤシロ様の生まれ変わりだという言い伝えがある)梨花の相談役として100年共に惨劇に挑戦してきた。沙都子が寝静まった後に梨花と相談をし、今後の方針を決めている。梨花にからかわれることが多いが、誰よりも彼女を心配している。
また梨花以外にも、L3以上の発症者にはその存在が知覚できる。これは羽入が雛見沢症候群(ひなみざわしょうこうぐん)L3以上の感染者に積極的に関わろう(謝ろう)とするためであり、L3以上の患者は見ることはできなくとも羽入の気配を感じられることがある。以上のことを踏まえれば、羽入は鬼隠し編や目明し編でも登場していることになる。 ちなみに「目明し編」で梨花が詩音に注射をされ、よろけている時「はっ、はにゅー、はにゅー」と言っていた事がある。 圭一や詩音、悟史が作中で聞いた謎の足音は羽入のものであり、鬼隠し編以降の物語でも同じ現象が見られるが、全て羽入の足音であり実在するものである。人の足音にあわせて自分の足音を消す遊びは羽入の趣味であり、詩音の背後に立った梨花が同じ遊びをしてみせる場面もある。「綿流し編」「目明し編」の祭具殿での足音も羽入によるものである。このように、羽入があいまいな形で自身の存在を感じさせ続けたことが、部活メンバーたちをL5に追いやった間接的な要因のひとつになったと言えるが、彼女自身には悪意は無かった。
皆殺し編では、彼女がずっと傍観して何もしなかったから敵に勝てなかったと指摘され、物語に積極的に関わろうと考えを改める。そして、傍観を止め、彼女自身も表舞台に上がり惨劇に挑戦する一つの存在として現世に現れたのが、祭囃し編から転校してきた古手羽入である。その際、普段着ている巫女服とは違い制服の姿で現われ、梨花以外にも知覚でき触れることも可能となる。
能力
雛見沢村の村人たちが崇拝する神様だけあって、不可視の障壁や透明化、時空を越えるといった超能力を有する。「祭囃し編」では時間を止めた。また、梨花が100年の魔女として何度も同じ時を繰り返してこれたのも、彼女の力によるものである。しかし、「皆殺し編」で、時間をさかのぼらせる力がすっかり落ちてしまったことが明らかとなった。
性格
内気で気の弱そうな部分が多いが、梨花同様に油断ならない部分も存在する(梨花には自分以上の狸と言われている)。基本的に梨花と同じ喋り方で、一人称は「僕」で口癖には「〜なのです」「あぅあぅ」などがある。
梨花の項でも触れているが、梨花の喋り方は、羽入の普段の喋り方を真似たものである。梨花と少しでも共に居るために時間のループを作り出した。ループを脱してその先へ進もうと悩み、そのうちに繰り返す日常に無関心になっていった梨花とは正反対に、100年間のループを楽しんでいた。しかしその反面、ループを超えて未来へ進むことについては、梨花よりも先に簡単に諦めてしまっていた部分もある。普段は、上のような子供じみたやや頼りない喋り口調で話すが、「オヤシロさま」として話すときは上からものを見るような話し方になる。
家族構成
上述の通り、彼女の正体はオヤシロさまであるが、このことは部活メンバーにも秘密にされており、表向き古手家の遠縁の親戚ということになっている。古手家同様御三家に名を連ねる魅音も彼女の存在は知らなかったが、家系が複雑であるなどとして自然に納得させている。なお、普段は梨花と共に生活しており、集会所の裏にある倉庫が住居になる。
古手家の先祖で「鬼狩柳桜」を用いて鬼を討ったとされる古手桜花は羽入の娘にあたる。古手家に伝わる古文書によれば、彼女らは一族とともに、雛見沢ではないどこか遠い場所から来たとある。人の世に満ちた罪を贖うために自ら罪を背負って娘の桜花に討たれた。ただし、伝説上のオヤシロさまに関する記述はむしろ桜花に関するものが多い。 祭囃し編、賽殺し編、澪尽し編では彼女の過去の話が語られており、梨花の先祖である古手桜花との交流が語られているが、原作の祭囃し編とCS版の澪尽し編ではそれぞれ異なる設定、立ち位置、背景になっている。 なお、澪尽し編では彼女の夫の名前は「古手陸」とされているが、このシナリオ以外では登場していない。彼の名前やキャラ設定を考案したのは原作者の竜騎士07ではなくCS版盥回し編、憑落し編、澪尽し編の新規オリジナルシナリオを担当しているシナリオライターの叶希一である。
ゲームスタイル
転校早々自ら部活に入部希望をする。圭一は、新入部員への洗礼として彼女に罰ゲームを受けさせようと企んだが、何故か圭一が他のメンバーに陥れられる結果となったため、その実力は未知数。だが、彼女の性格から部活のダークホースになる逸材だと注目されている。
外見
作画の竜騎士07は羽入の外見制作に当たり、長髪と頭部に角が2つ生えていることを決めていた。羽入登場前はその存在の可否さえ不明だったが、オヤシロさまは物語当初から重要な位置を占めていた。そのため公式HPのお絵かき掲示板にて、オヤシロさまがもし存在したらということで、いつからかファンによって「尾八白様」(おやしろさま)としてオヤシロさま擬人化がされるようになった。竜騎士07はファンとの交流のため、上記の設定に加え、羽入の髪の色をあえて紫にした[1]。巫女服を着ている点でも、尾八白様と設定を同じくする。尾八白様成立の経緯については下記にある「リンク」先も参照。
その他
- 原作の最終話である祭囃し編とコンシュマー版の最終話、澪尽し編では立ち回りが大幅に変わっている。
- DS版で羽入が初登場するのは皆殺し編が収録される3巻以降だが、羽入役の堀江由衣は1巻の時点から各章の冒頭に流れるナレーションを担当していた。
- 実写映画版第1作目は鬼隠し編がベースとなっているが、羽入も意外な形で登場している。