ブリーダーズカップ・ワールド・サラブレッド・チャンピオンシップ

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ブリーダーズカップ・ワールド・サラブレッド・チャンピオンシップBreeders' Cup World Thoroughbred Championships)とは1984年に創設されたアメリカ競馬の祭典である。

概要

1970年代後半から始まっていた競馬人気の下降を食い止め、アメリカ競馬サークル内に活気をもたらすために創設された。ケンタッキー州ゲインズウェイ・ファームのオーナージョン・ゲインズが一日で多くのGI競走を行なう競馬の祭典の開催を発案。名称は創設当時は優勝賞金がブリーダーの資本から拠出していたことに由来する。

特筆すべきは全ての競走に世界各国のGI競走と比べても高額の賞金が懸けられることであり、その資金をそれぞれの種牡馬のオーナーに1回の種付け料分の代金を負担させ資金を出した種牡馬の産駒のみに出走権を与えることで資金の多くを賄っている。一方で登録されている種牡馬以外の種牡馬の産駒の出走には多額の追加登録料が課せられるため、特にアメリカ国外からの移籍馬などは有力と目されても出走回避する例も少なくない。

現在ではロンシャンウィークエンドドバイミーティングなどと並んで世界の最強馬が集う競走となっており、下半期の世界最高峰のレースとしてここを目標とする競走馬も多い。

それまでの国際競走で世界の強豪が出走したワシントンDCインターナショナルがブリーダーズカップ創設に伴い1995年に廃止された。

2002年からは全米サラブレッド競馬協会(NTRA)の代表ティム・スミスが多くのスポーツファンに世界でも最高の水準を誇り、最も重要なサラブレッド競走であることをよく理解してもらえるよう名称を「ブリーダーズ・カップ・ワールド・サラブレッドチャンピオンシップ」(Breeders' Cup World Thoroughbred Championships)に変更。それに伴う個々の競走名に変更はない。

2005年からは従来のプログラムを変更して競走の施行順の変更を行った。

2007年より従来の8競走に加えてダートマイル戦「ダートマイル」、牝馬限定のダート短距離戦「フィリー&メアスプリント」、2歳限定の芝「ジュベナイルターフ」が追加されることが発表された。なおこれらの競走の追加によりブリーダーズカップは2日間の開催になりこれらの3競走が1日目、従来から行われている8競走が2日目に行われる。

2008年からはの短距離戦「ターフスプリント」、芝の2歳最強牝馬決定戦の「ジュヴェナイルフィリーズターフ」、ダートの長距離戦「マラソン」の3競走が新たに加わり全14競走、初日5競走、2日目9競走の構成となる。また初日の5競走は全て牝馬限定戦となり、ブリーダーズカップ・ディスタフの名称が「レディーズクラシック」に変更された。

施行競走

1日目
施行 競走名 出走条件 施行コース 総賞金額
第3競走 ブリーダーズカップ・マラソン なし 3歳以上 ダート14f 50万ドル
第4競走 ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズターフ なし 2歳牝馬 芝8f 100万ドル
第5競走 ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ G1 2歳牝馬 ダート8.5f 200万ドル
第6競走 ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ G1 3歳以上牝馬 芝10f 200万ドル
第7競走 ブリーダーズカップ・フィリー&メアスプリント G1 3歳以上牝馬 100万ドル
第8競走 ブリーダーズカップ・レディーズクラシック G1 3歳以上牝馬 ダート9f 200万ドル
2日目
施行 競走名 出走条件 施行コース 総賞金額
第2競走 ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ G2 2歳牡馬騸馬 芝8f 100万ドル
第3競走 ブリーダーズカップ・ターフスプリント なし 3歳以上 芝6.5f 100万ドル
第4競走 ブリーダーズカップ・スプリント G1 3歳以上 ダート6f 200万ドル
第5競走 ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル G1 2歳牡馬騸馬 ダート8.5f 200万ドル
第6競走 ブリーダーズカップ・マイル G1 3歳以上 芝8f 200万ドル
第7競走 ブリーダーズカップ・ダートマイル G1 3歳以上 ダート8f 100万ドル
第8競走 ブリーダーズカップ・ターフ G1 3歳以上 芝12f 300万ドル
第9競走 ブリーダーズカップ・クラシック G1 3歳以上 ダート10f 500万ドル

ターフとクラシックはワールドレーシング・チャンピオンシップの対象競走に指定。施行コースは現在は上記の通りであるが施行コースが設定できない場合、至近距離で施行される場合があり流動的に変更される(ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフは芝11fで行われるケースも多い)。

歴史

  • 1984年 創設。
  • 1988年
    • ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルでダレル・ウェイン・ルーカスが調教師として3連覇。
    • ブリーダーズカップ・マイルでミエスク(Miesque)が連覇。
  • 1990年 ブリーダーズカップ・ディスタフでバヤコア(Bayakoa)が連覇。
  • 1993年 ブリーダーズカップ・マイルでルアー(Lure)が連覇。
  • 1998年 ブリーダーズカップ・マイルでダホス(Da Hoss)で同競走2勝目を挙げる。
  • 1995年 ブリーダーズカップ・クラシックでジェリー・ベイリーが騎手として3連覇。
  • 1996年 初のアメリカ国外であるカナダで開催。
  • 1998年 ブリーダーズカップ・スプリントでコーリー・ナカタニが騎手として3連覇。
  • 1999年 ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフを新設。
  • 2001年 ブリーダーズカップ・クラシックでティズナウ(Tiznow)が連覇。
  • 2003年
    • ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズでジェリー・クローンが女性騎手として初制覇。
    • ブリーダーズカップ・ターフでハイシャパラル(High Chaparral)とジョハー(Johar)が史上初の同着優勝。
    • ブリーダーズカップ・ターフでハイシャパラルが連覇。
  • 2006年 ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフでウィジャボードが同競走2勝目。
  • 2007年 ブリーダーズカップ・ダートマイル、ブリーダーズカップ・フィリー&メアスプリント、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフを新設。
  • 2008年
    • ブリーダーズカップ・ターフスプリント、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズターフ、ブリーダーズカップ・マラソンを新設。
    • 人工馬場敷設のサンタアニタパーク競馬場で開催。ダート設定の各競走がプロライド素材の馬場で施行される。
  • 2009年
    • ブリーダーズカップ・ダートマイル、ブリーダーズカップ・フィリー&メアスプリントがG1に、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフがG2に格付けされる。
    • サンタアニタパークで史上初の2年連続開催。

各年の開催地

関連項目

外部リンク

  • Breeders' Cup - NTRA内のブリーダーズカップサイト
  • Racing Series - ワールドシリーズ・レーシング・チャンピオンシップ
ブリーダーズカップ・ワールド・サラブレッド・チャンピオンシップ
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