鏝絵

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鏝絵(こてえ)とは、日本で発展した漆喰を用いて作られるレリーフのことである。左官職人で仕上げていくことから名がついた。

特徴

題材は福を招く物語、花鳥風月が中心であり、着色された漆喰を用いて極彩色で表現される。これは財を成した豪商や網元が母屋や土蔵を改築する際、富の象徴として外壁の装飾に盛んに用いられたからである。

芸術への昇華

江戸時代中期から徐々に盛んになり、静岡県松崎町出身の名工、入江長八が鏝絵として芸術の域にまで昇華させたが、戦後、在来工法の衰退と共に腕利きの左官職人が減少。一時は幻の技巧となったが、近年、建築の分野で再評価が進んでいる。長八の故郷の松崎町では、毎年「全国漆喰鏝絵コンクール」が開催されている。