名古屋中学生5000万円恐喝事件
名古屋中学生5000万円恐喝事件(なごやちゅうがくせいごせんまんえんきょうかつじけん)とは2000年4月に発覚した少年犯罪。
概要
1999年6月頃、名古屋市緑区の公立中学校に通う少年Xは、同級生の少年Aから恐喝された。怖くなった少年Xは自分の預金19万円を引き出して少年Aに渡した。その後、少年Aと少年Bは1999年6月から2000年1月までの8ヶ月間にわたって少年Xから金を脅し取っていた。また恐喝だけではなく、理由も無く殴ったりタバコの火を押しつけるといった暴行行為も行っていた。
2000年2月に少年Xは無理やり連れて行かれたスキー旅行(全員の旅行代金や旅先での滞在費は被害者の少年に負担させて)で少年らに暴行を受けて、名古屋市の病院に入院。少年Xと同室だった男性患者Yが少年Xがいじめを受けていると感じた。少年Aらは少年Xの病室まで入り込んできた。病院の屋上に少年Xを呼びだして金を脅し取ろうとしたが、不審を抱いた男性Yが屋上まで尾行して少年Aらを追い帰した為、その時は事なきを得た。
患者Yはいじめだけでなく恐喝をされていると確信する。少年Xは患者Yに暴行と恐喝のことを話し始めた。恐喝された回数は130回にも及び、多いときには1回の恐喝金額が500万になることもあり、被害総額は5207万円にもなった。5000万円という大金を支払うことのできる少年Xの家庭は裕福そうに見えるが、恐喝されていたXは母に金を要求して暴れたたため、みかねた母が事故死した夫(Xの父)の生命保険や預貯金を取り崩したり親類に借りるなどをして金を工面していた。
2000年4月と5月に少年Aと少年Bを含む少年15人が検挙され、9人が中等少年院送致、6人が保護観察処分となった。
その他
- 事件の解明が進むにつれ、少年Aは出入りしていた暴力団関係者から恐喝をされ、二重恐喝をされていたことが発覚した。
- 2000年2月頃、少年Aらは恐喝事件露見を恐れて、少年Xの殺害計画すら立てていた。
その後
AとBは少年院出所後の2006年2月13日に名古屋市のパチンコ店駐車場で約1200万円を強奪する事件を起こし、同年11月22日に逮捕された。2007年3月30日、名古屋地方裁判所はAに懲役7年6月、少年Bに懲役5年6月の判決が出た。
関連書籍
- 中日新聞社会部・編『ぼくは「奴隷」じゃない 中学生「5000万円恐喝事件」の闇』 (風媒社)