マスゴミ
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マスゴミとは、マスメディアを批判的に扱う際に用いられる蔑称(俗語・スラング)であり、インターネットスラングの一種である。
概要
マスコミを批判・卑下する際に使用される用語であり、『マスコミ』と『ゴミ』のかばん語である。マスコミは一般的に「社会の公器」として報道を行う事を建前としており、特に大手のマスコミはそう表明するが故にある種特権的な立場に立っている。だが、同時に企業活動としては激しい視聴率競争に常時晒されている一面があり、社内・業界内での評価の対象となる高視聴率やスクープを目当てに取材活動やパフォーマンス表現がエスカレート・暴走する結果として特にモラル面の問題を半ば恒常的に抱えており、マスコミ自身が様々な不祥事という形で社会的話題を提供してきた事も事実である。 「マスゴミ」とは、この様な、
- 自称・他称している「社会の公器」としての理念に反した行為や不祥事
- 過去の問題の反省を生かす事ができない報道体制
- 自らも権力という責任ある立場であることに自覚的でない態度
などから、もはや存在が社会の利益にならないと信用を置かれず、特権を与えるに値しない存在=「ゴミ」同然の集団であるという揶揄の表現である。 問題として使われる事象としては次のようなものがある。
- 宮崎勤事件におけるおたくバッシングや椿事件などに代表される意図的な偏向報道やネガティブ・キャンペーンによる報道の公平性・中立性を無視した報道姿勢
- TBS不二家捏造報道問題や朝日新聞珊瑚記事捏造事件、毎日デイリーニューズWaiWai問題などに代表される捏造報道
- 自らの思想信条や主義主張と相容れなかったり、敵対勢力と見なす個人・政治家・団体などに対しては徹底的・執拗な批判を展開するが、自身或いは自らが支援する個人・政治家・団体の不祥事に対しては隠蔽・黙殺・開き直りかとも思われるような態度をとる
- 排他的体質を持つ記者クラブの構成(代表的な例としては、信濃毎日新聞の田中康夫に対するバッシングなど)
- 所沢ダイオキシン訴訟や松本サリン事件などの報道被害に見られる人権を無視した報道姿勢
- 新潟県中越地震やJR福知山線脱線事故などの際に見られた、報道ヘリの過剰な使用による救出活動の妨害及び周辺への騒音被害
- 大きな後ろ楯を持たない一般人や有名人に対しては容赦のない報道を行うが、権力やコネを持つと思われる政治家・官僚・大企業・宗教団体や宗教指導者・広告代理店・取次会社・大手事務所所属の芸能人、それに加えてタブーを持つとされる皇室や旧宮家関係者等の、利権・犯罪・不祥事・問題発言等を知りながら故意に報道しないと思われる事案が度を超えて多い(報道におけるタブー)
- フジテレビの王シュレット事件などに代表される意図的な俗悪番組による放送倫理を無視した放送姿勢。
以上のような事例から、ジャーナリズムの精神や理念を、現代のマスコミは軽視・無視、あるいは自ら放棄していると考える者もおり、マスコミと呼ぶに相応しくないと見なす傾向などから生まれた言葉であると思われる。
なお、備考となるが、「マスゴミ」という揶揄的表現がインターネットスラングの成立以前から存在している事も事実であり、古くは1966年の大映映画『野良犬』において、主演の田宮二郎扮する鴨居大介が、「おまえらマスコミやない、マスゴミや!」と怒鳴る場面が存在する。
関連項目
- マスメディア
- マスコミュニケーション
- メディア・リテラシー
- イエロー・ジャーナリズム
- マスコミ不信
- 大本営発表
- 放送利権
- 報道
- 第四権力
- 報道被害
- テレビ離れ
- 偏向報道
- 虚偽報道
- ネガティブ・キャンペーン
- 一億総白痴化
- 東京放送
参考文献
- 日隅一雄『マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのかー権力に縛られたメディアのシステムを俯瞰する』 現代人文社、2008年 ISBN 4877983716
- 黒薮哲哉『新聞があぶない―新聞販売黒書』 花伝社、2006年 ISBN 476340458X
外部リンク
- 「マスゴミ」と呼ばれ続けて ・続篇(友人座談会編)(ITpro)
- ネット時代とジャーナリズム不信の関係を考える(1)―北野誠「永久追放」事件などから見えてきた問題―(NPJ通信「メディアは今何を問われているか」桂敬一)