セーマンドーマン
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セーマンドーマンまたはドーマンセーマンとは、三重県鳥羽市及び志摩市の海女が身につける魔除けである。このはっきりとした謂われは伝わっていない。
磯手拭や襦袢などに、星形の印(セーマン)と格子状の印(ドーマン)を貝紫で描くまたは黒糸で記し、海での安全を祈願する。同じく磯ノミには彫刻する。星形は一筆書きで元の位置に戻り始めも終わりもないことから魔物の入り込む余地がなく、格子は多くの目で魔物を見張るといわれる。
陰陽道と関係するのではないか、ともいわれ、星形の印は安倍晴明判紋、格子状の印は九字紋と同じ形状である。このセーマンは安倍晴明、ドーマンは芦屋道満の名に由来するともいわれる。安倍晴明判紋は晴明桔梗とも呼ばれ、五芒星と同じ形をしている。九字紋は横5本縦4本の線からなる格子形(九字護身法によってできる図形)をしている。ただしドーマンの線数は必ずしも9本とは限らない。
ウェットスーツの普及で、この風習は急速に廃れつつある。
関連項目
参考文献
- 季刊悠久 第29号 特集『海人』桜楓社 ISSN-0388-6433(昭和62年4月)