妖界ナビ・ルナ

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妖界ナビ・ルナ(ようかい - )は、池田美代子作の児童文学。または、それを原作とした菊田みちよ作画の漫画作品。

概要[編集]

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岩崎書店から、IIも併せ全12巻刊行。フォア文庫による整理番号では「B 小学校中・高学年向き」であるとされている。2007年9月に続編の『妖界ナビ・ルナII』がスタートした。琴月綾がイラストを手がけていたが、IIからはイラスト担当が戸部淑に変更されている。1は愛蔵版も出版されている。

講談社の漫画雑誌『なかよし』2008年8月号から、この作品の漫画版が連載されている。作画は菊田みちよ。なお、連載当初は『サファイア リボンの騎士』に続く、「『なかよし』創刊55周年カウントダウン企画」と銘打たれていた。

2008年9月発売予定だったII期3巻については、一度は2009年1月に発売予定を延期した。しかし、その延期した発売予定月の、岩崎書店ウェブサイトに出版中断のお知らせが掲載され、著者体調不良のために出版中断が決定したことが発表された。

同年3月に講談社青い鳥文庫のウェブサイトにおいて、II期3巻として岩崎書店から発売される予定だった「ガラスの指輪」を、「新 妖界ナビ・ルナ (1) —ガラスの指輪—」として発売することが発表され、5月の新刊一覧に追加された。

その後、刊行月が6月に変更になり、同時に紹介ページが同サイトに掲載され、正式に青い鳥文庫で再スタートすることが発表された。


注意以降に核心部分が記述されています。

あらすじ[編集]

竜堂ルナは小学4年生。赤ちゃんの頃、養護施設・星の子学園の前に置き去りにされて以来、ここで育ってきた。春休みのある夜、幼馴染・サエが何者かに連れ去られるという事件が起こる。そしてこの事件により、ルナは自らの出生の秘密と自身に秘められた力と使命を知り、悪い妖怪を妖界に連れ戻す、妖界ナビゲーターとして旅立ったのだった。

登場人物[編集]

主要登場人物[編集]

竜堂 ルナ(りんどう るな)
本作の主人公。陰陽師の父と妖怪の母の間に生まれたハーフであり、伝説の子の片割れ。赤ちゃんの頃、星の子学園に置き去りにされたとされ(実際は都和子先生によって連れてこられたが)それ以来、そこで平穏に暮らしていたが、スネリやもっけとの出会いをきっかけに人間界に現れた妖怪の邪気を祓い清め、妖界に帰す妖界ナビゲーターとして旅立つ。旅立った当時は小学4年生。うなじに第三の目を持ち、それを開眼させる事でうず目になり、驚異的な身体能力などを得る。うず目の力や超聴力などの妖怪の力、九字呪符といった陰陽道の力などを駆使する。優しく勇気があり、かまちにもっけが傷つけられるまで、怒る事を知らなかった。とても食いしん坊で、一番好きな食べ物はやきそば、二番はお好み焼き。特技は学食のメニューを当てる事。運動オンチでカナヅチだが、初恋相手の幹太郎に教わり泳げるようになった。幼い頃のニックネームはリュナ。誕生日は1月1日
妖怪としての力が目覚めてからは、その寿命の長さゆえ成長速度が著しく遅くなっているが、本人はまだその事には気づいていない。II編からは狐の妖怪の血が目覚め、銀髪となり、狐の尻尾も生えた。
スネリ
ルナを守るため、妖界からやってきた妖怪。レンメイに仕えていた。無口で見た目は怖そうだが、人情に厚い。強い男性が好きで、妖界にはキンカという名の虎に似た恋人がいる模様。姿を消す、人の記憶の一部を消す、毛に念をこめて飛ばす、人間に変化するなどの多彩な妖力をもつが、体力はあまりない。妖怪などの匂いを追う事もできる。本来は普通の人には見えない霧の姿で、ふだんは白猫の姿に変化している。人間に変身すると、黒髪黒服でモデルのようにスタイルのいい女性の姿(作中では「イケテルバージョン」と表記されている)になる。猫姿のスネリは、梨子にとてもかわいがられていた。栄養バランスにうるさい。ルナにすすめてはいるが、納豆の匂いは苦手。寒さが苦手。香りのいいフルーツが食べてみたいらしい。現在ルナがつけているチョーカーはスネリの一族が代々伝説の子に渡すように受け継いできたもの。モデルはスネコスリ
もっけ
ルナを守るため、妖界からやってきた妖怪。レンメイに仕えていた。羽根に念をこめてとばす、大きくなる、といった妖力に、超聴力と高い知能を併せ持つ。鋭い爪での攻撃もできる。本来は光る影の姿で、ふだんはふくろうの姿に変化している。ルナに生き返らせられてからは妖力が強まり、少年の姿に変化できるようになった。泳ぎは苦手だったが、密かに練習し上達。梨子に想いをよせている。TV番組「トリオでビンゴ」が好き。暑さが苦手。コーヒーを飲んでみたいらしい。ルナが持っていたペンダントのリングにぴったり合うメダルは、もっけが幼い頃からずっと口に入れていたもの。モデルはたたりもっけ
レンメイ
ルナとタイの母親で、三百年生きた狐の妖怪。妖界では姫だった。特別大きな妖力を持ち、人間界に結界が張られてもなお、妖界と人間界の行き来ができる唯一の妖怪だった。そのため、時々人間界で暮らさざるをえなかった妹のレンスイ(都和子先生)の様子を見に行っていた。その時ルナの父親と恋に落ち、自らの命と引き換えに、ルナとタイを産んだ。うず目を持つ。出産と同時に命を落としたため、命日は1月1日。
都和子先生 / レンスイ(とわこせんせい)
星の子学園の元・先生。実は銀色の狐の妖怪で、レンメイの妹。つまりルナとタイの叔母に当たる。凄まじい妖力を持つ姉とは対照的に、生まれつき妖力がなかったために人間界に住む事になるが、長命ゆえに住居と仕事を転々としながら暮らしていた。レンスイがルナ達を生むことに対するたった1人の理解者で、お産の際には看護師として立ち合った。ルナには自分との関係を伏せ、置き去りにされていたとして星の子学園につれてきた。星の子学園を去った後は行方不明のタイを探していた。誰かの妖力を増幅させることができる。自らの命と引き換えに、毒に侵されたルナを回復させた。
竜堂清吾(りんどう せいご)
ルナとタイの父親で、陰陽師。妖怪が人間界へ行けなくするために人間界に結界を張ったのは、彼の祖先である。伝説の子として産まれた我が子たちを危険から守るために、悠久の玉を使いルナとタイの第三の目を封印したが、その際に命を落とした。名前は不明だったが、II編にて判明する。命日は1月1日。
タイ
ルナの双子の弟で、同じく人間と妖怪のハーフで伝説の子の片割れ。右手のひらに第三の目を持っており、うず目になれる。ルナとは違うタイプの九字を使う。度々ルナの前に現れる。カザンを使い妖怪の匂いをコントロールしたり、妖怪達に情報を与えたりして、ルナ達に玉を手に入れさせていた。赤ちゃんの頃、都和子先生が目を離した隙に、何者かに雇われた男に連れ去られ、その男と生活をしていたのだが、物心ついた頃に逃げ出す。その後一度は施設にいたのだが、やはり何者かにより連れ去られ、それ以降は盗みなどの犯罪行為で食いつないで生きてきた。孤独で過酷な生活のため、妖力は強くなったが、心は荒み人間不信になった。誕生日は1月1日。都和子先生のことを恨んでいたが、最後はすべてを許し、双子の姉・ルナに看取られ安らかに息を引き取った。
漫画版では最初からルナと出会っている。
カザン
タイといつも共にいる、黒い犬の妖怪。毒を飲み、自らの唾液にその毒を染み込ませたため、カザンに噛まれた者は毒に冒されやがて死んでしまう。見た目は怖いが、実は優しい心の持ち主。土の玉を持っていた。

1巻 解かれた封印[編集]

サエ
星の子学園に住む、小学4年生。太り気味で筋肉質、学校では密かに「女子プロ」と呼ばれていた。学園でも学校でもボス。昔はルナと仲が良かった。最近は人気者であるルナへの嫉妬から彼女に意地悪をしていたものの、本当はルナとまた仲良くなりたいと思っていた。幼い頃のニックネームはチャエ。保育園時代、ルナが虐められていたのをいつも庇っていて、目尻の傷はその時についた。かまちに、ルナと勘違いされて連れ去られた。
漫画版では、きつめではあるが意地悪な性格ではなく、馬鹿にされても何も言い返さないルナに苛立ってはいたが、それがルナの優しさとも認めていた(そのため、「女子プロ」と呼ばれていたり、学園でも学校でもボスであることは漫画版では書かれていない)。
さとし
星の子学園に住む、小学4年生。意地悪な性格だが、2階から飛び降りた(という事になっている)ルナを心配する優しさも持っている。
漫画版では場面によって出てくるものの、名前すら出てこない。
まなみ
星の子学園に住む、小学4年生。サエが連れ去られた際、かまちに襲われた。そのとき、一時的に記憶を喪失した。
漫画版では出番が少なく、襲われてはいない。
ミチ
星の子学園に住む、小学2年生。まなみのことが心配で見舞いに行ったが面会を断られ、帰る途中、トラックにひかれそうになる。
漫画版ではルナのことが心配で見舞いに行ったが、当のルナと行き違いになる。くまのぬいぐるみを持っている(特装版の特別ふろくの漫画ではMICHIKO(ミチコ)と記されている)。
語尾には「なの」や「の」が付く。
かまち
悠久の玉を狙い、妖界からやってきた妖怪。たぬきのような姿をしている。凶暴な性格で、風の刃をつくりだし操ることができる。サエを連れ去った犯人。モデルはかまいたち。ルナが最初に妖界に送り返した妖怪。金の玉を持っていた。
漫画版ではたぬきのような姿ではなく、モデルである鼬の姿をしている。風の刃をつくりだすときは、常に前の両足を大きな鎌に変えている。凶暴な性格ではあるが、心を許した相手には義理堅い意外な一面もある。

2巻 人魚のすむ町[編集]

しずく
ルナ達が訪れた港町で、大道芸をしていた女性でユイの兄・リョウの恋人。水を自在に操る事ができ、ふとした瞬間に緑色に見える目を持つ。実は人魚で、好奇心で人間界に来たのだが、すぐに足で歩くのが困難になってしまう。さらにユイを救うために禁じられていた「火に触れる」ことをしてしまったために、人魚に戻ってしまい、寿命も僅かになってしまった。普段は美しい姿をしているが本当は恐ろしい姿であり、ゆえに人間の姿を保ちリョウと幸せになりたい一心で、「ひいらぎや」に代々伝わる、願いが叶う水晶玉を欲していた。それがしずくが触れた瞬間に融けてしまったため、悠久の玉を欲するようになり、ルナに悠久の玉の在り処を問い、彼女を襲う。だが元々心の優しい性格のため、改心し妖界に戻った。水の玉を持っていた。
漫画版では歌手も勤めている。
ユイ
港町でルナと知り合った、小学4年生の少女。不登校。じっちゃんから不思議な女の伝説を聞いた。ルナには歌手になる事が夢と言うが、リョウには「パパもママも友だちも、あたしのことが一番好きでいてくれますように」という願いを言っている。それを叶えるために金を貯め、願いを叶えるじっちゃんの水晶玉を買おうとしていた。ルナとドーナツを作っていた際に、袖に火が燃え移ってしまい、それを消すためにしずくは火に触れてしまった。リョウの妹。
漫画版では不登校という設定はなく、両親は共働きの為にそばにいてくれる兄を慕い、それゆえしずくと兄の仲を認めておらず、しずくに魔女と罵ったり悪戯を繰り返していた。
じっちゃん
アンティークショップ「ひいらぎや」の主人。願いの叶う水晶玉を守り続けていた。ルナに代々語り継がれてきた不思議な女の伝説を話す。いつも頭にかぶっているニット帽の中には水晶玉が入っていた。
リョウ
しずくの恋人で、ユイの兄。ヒレになったしずくの足を見て声をかけられなかった自分を悔やみ、もう後悔したくないという一心で、自らの命と引き換えにしずくの命を助けるため、水晶玉だった液体を飲もうとするがルナに阻止された。

3巻 黒い森の迷路[編集]

幹太郎(かんたろう)
果南島にある喫茶店「やまびこ」の主人。よく日焼けしていて、がにまた。ルナの初恋の相手。ルナに泳ぎを教えてくれた。実は妖怪で、本来の名はキムナ。昔、果南島の山奥に住んでいて、結界が破られたのを機に再び果南島を訪れたが、テーマパークが建設され山がなくなっていたため、自然を破壊する人間に怒り、人々を木に変えていた。自然を大事にする優しさはあるが、関係のない人間たちや自分を慕ってくれたルナを巻き込むなど、かなり独善的。木に変えられ行方不明になったひろきを探す母親の声を、島の御霊の声と勘違いしていた。最後は、自分の過ちに気付きルナの手で妖界に戻される事を望んだ。モデルはキジムナー。木の玉を持っていた。
ひろきのお母さん
旅行客。行方不明になった息子・ひろきを探していた。
ひろき
旅行客。行方不明になっている少年。幹太郎に木に変えられていた。
島のおじいさん
ルナに島の御霊の話をしたおじいさん。方言で喋る。

4巻 火をふく魔物[編集]

ナミ
東小学校3年生。気が強く、疑り深い少女。いずみとユージのクラスメイトで、ユージを昔からよく知っている。虐められても言い返さないユージを弱虫呼ばわりしていた。ユージが大事にしていたフラヒドリの玉を見つけ、ユージに火事と玉について問い詰め、そのまま玉を持ち帰った。本当はユージと昔のように遊びたくて、ユージが友達と呼んでいた玉をとれば、またユージが友達をつくって、自分と遊んでくれるかも、と思っていた。
いずみ
東小学校3年生。ナミとユージのクラスメイト。大人しめな性格。
ユージ
東小学校3年生。ナミといずみのクラスメイト。苗字は鳥居(とりい)。東小学校の理科教師、鳥居先生の息子。虐められていて、またそれに対して言い返す事のできない性格。友達がいない。神社で見つけたフラヒドリの玉に、学校であった事を話しかけていた。話したその日には、必ず虐めた子の家が火事になり、翌朝には玉が自分のところにあって足も汚れている事から、自分が玉を操って火をつけたのではないか、と思っていた(実際は玉がユージを操っていた)。理科室が好きで、宝物である玉を人体模型の中に隠していた。玉がナミに見つかりそうになったため、猫石のお地蔵様の後ろに隠したが、見つかってしまった。人を遠ざけようとする心がフラヒドリの魂と共振し、玉の封印が解かれた上、フラヒドリに乗っ取られてしまったが、ルナとナミの説得により元に戻った。
フラヒドリ
鳥の妖怪と炎の妖怪が合体した妖怪で、鳥が炎に従う形でいる。その昔、妖力の源である爪を陰陽師によって封印され、妖力のない鳥と玉になってしまった。ユージの魂をのっとり、完全なフラヒドリになった。本来、フラヒドリの炎には、熱かったり、何かを燃やすといった性質はないが、何故か燃やせている。火の玉を持っていた。

5巻 光と影の戦い[編集]

新たな登場人物はなし。

6巻 赤い花の精霊[編集]

もえぎ
日向村の小学5年生。動物や風の声を聞くことができる少女。弟と祖父が、原因不明の病に侵された。聡明で、泣き声の主を確かめ助けようと、原因不明の病気の蔓延している日向村に乗り込む勇気と優しさの持ち主。ルナ達の友達になった。特にルナとは、このまま一緒にいたら親友になれたかもしれないというほど仲良くなった。
朱雀
四神の一人で、南の方角を司る神獣。孔雀に似た赤い鳥。ルナ達の前には、赤い衣におかっぱの黒髪、オレンジ色の瞳を持つ少女の姿で現れた。人々に忘れ去られ、自らが朱雀である事も忘れていたところを紅見草の精霊の魂に捕らえられ、長い間自らが紅見草の精霊であると勘違いしていた。悪しき力の持ち主の存在を感じている。

7巻 青き龍の秘宝[編集]

レン
舞台となる町の子。音楽センスが抜群の少年で、人気者。だがある時期から耳が悪くなってしまう。留茅湖(るちこ)民話に出てくる "青龍に婚約者の村娘を連れ去られ、取り戻すべく立ち向かった青年" の生まれ変わりなのではないか、とルナ・もっけ・スネリは考えている。
朝香
舞台となる町の子。レンに思いを寄せている。留茅湖(るちこ)民話に出てくる "青龍に連れ去られた村娘" の生まれ変わりなのではないか、とルナ・もっけ・スネリは考えている。ルナ達の友達になった。
青龍
四神の一人で、東の方角を司る神獣。青い龍。ルナたちの前には青い龍の姿で現れたが、その後青い髪の青年姿に変わった。

8巻 白銀に光る剣(つるぎ)[編集]

ナツメ
舞台となる町の小学生。子どもが数時間だけいなくなるという神かくし事件の被害者の一人とされる少年。その事件にあった後から性格が一変した。何度も事件にあっている。両手の甲・両足の甲・額にほくろがあり、それらを結ぶと星(白虎は五つ星といっている)ができる。
梨子
ナツメの姉。高校生。神かくし事件に何度もあうナツメを心配している。もっけとよく口論をしていたが、最後にはもっけに優しくなった。
白虎
四神の一人で西の方位を司る神獣。白い虎。ルナたちの前では白い髪の少年の姿で現れた。人間の子どもを見たい、という気持ちがあり、見に行っている間に自分が何者なのかわからなくなった。その時何者かの「五つ星の子を使えばおまえの力は復活される」という言葉を聞き、五つ星の子を探し始めた。そのため白虎は何度もナツメをさらっていた。一連の神かくし事件の犯人である。

9巻 なぞの黒い杖[編集]

舞・笙
双子の姉妹。乙久によく会っている。ルナたちの友達になった。
乙久
「竜宮屋」の店主。夫を亡くした次の日、無意識に伝説の竜宮城への入り口の洞窟に向かい、そこで夫の服と黒い杖を見つける。猫のドングリとオネさんにはとても優しく、話しかけることもある。
玄武
最後に見つかった四神。北の方位を司る神獣。亀と蛇に似た姿。ルナ達の前には酒を飲む老爺で現れた。だがその後、黒い杖が戻り、玄武の姿に。

10巻 黄金に輝く月[編集]

透門沙季(とうもんさり)
闇の陰陽師。すべての謎を知る女性。タイによれば200年以上も生きているらしい。妖界から人間界の道を封鎖する際、竜堂家の祖先の過失により透門家の祖先が死んだこと、竜堂家の祖先はその失敗を闇に葬り、封鎖を自分の手柄にしてしまったことから、その復讐のために竜堂家の血を引くルナたちを付け狙う。タイを連れ去り、彼に過酷な人生をしいらせた張本人でもある。祖先のつぐないを口実に、ルナ達を苦しめた挙句にルナの大切にしている人、タイの命を奪った。ルナをもう少しで殺すというところでタイによって命を落とした。
黄竜
最後に現れた金色の龍。青龍より大きい。

II 1巻 妖界への帰還[編集]

ふうり
ルナ達が書院で出会った愛の妖怪。本来優しく無邪気な女の子だったが兄・シフウが行方不明になって以来、粗暴な性格へと豹変。愛の妖怪は人のために妖力を使わなければならないのだが、私欲のために妖力を使っていたために小さな姿となっていた。実は術をかけられており、ルナの力で本来の自分を取り戻し、その後はルナと行動を共にする。
ソラウ
もっけの友人。ふうりと同じ境遇で兄・ヒュウが行方不明となっている。実は何者かに術をかけられて妖力を封印されていたが、ルナに助けられた。その後ヒュウがカザンではないかという疑惑が浮かんだことから、真相を知るべくルナと行動を共にする。普段は穏やかな雰囲気の人間の姿でいる。
サネル
スネリの妹。両親は他界しているため、スネリが人間界に行っている間はもっけの母親と暮らしていた。温和な性格でルナとすぐに仲良しになった。普段はスネリと同じ猫の姿をしているがルナのために人間の姿でいる。13歳。

作中用語[編集]

1巻〜全体[編集]

第三の目
ルナのうなじ、タイの右手のひらにある目。伝説の子の証。これを開眼させる事で、ルナとタイはうず目になり、妖力を使う事ができる。ルナの第三の目はルナの父により封印され、かさぶたで覆われていたが、人間界に張られた結界が破られた事により、封印が解けた。第三の目が開いていると体力を無駄に使ってしまうため、ルナはスネリの一族に代々受け継がれていたチョーカーで第三の目を塞いでいる。
うず目
レンメイの血をひく者だけが持つ、特別な目。第三の目が開眼する事で現れる。白目の部分はそのまま白いが、黒目の部分が赤くなり、その中は渦を巻いているようになる。うず目は最高の動体視力をもつと言われており、またうず目の神経は脳をも支配し、超運動能力を生み出す。うず目でいると、動物達に警戒されてしまう。
悠久の玉(ゆうきゅうのたま)
ルナの父の祖先が、人間界に結界を張るために使った玉。ルナの父がルナの第三の目を封印する際にも使われた。妖怪が手に入れると、その妖力が最大になるため、妖怪達に狙われている。伝説では、悠久の玉の行方は伝説の子だけが知っている、とあるが、ルナは知らなかった。火の玉、水の玉、金の玉、水の玉、土の玉を、それぞれ対応する島の石板にまつることで現れる。
妖界(ようかい)
妖怪の世界の事。昔は妖界と人間界は自由に行き来する事ができたが、悪い妖怪が人間界を征服しようと企んだため、それを阻止しようとしたルナの父の祖先により、人間界に結界が張られたので、レンメイ以外の妖怪は行き来ができなくなった。悠久の玉をまつっていた五つの祠のうちのひとつ、夜鳴島が地震で島もろとも沈んでしまった事により、再び行き来できるようになった。
ペンダント
ルナが学園に来た時から持っていたペンダント。ペンダントトップは平らなリングとそこにぴったりはまる星の模様のメダルに分かれており、ルナが持っていたのはチェーンと、それに下がったリングだけで、メダルはもっけが持っていた。リングには、ルナの名前が彫られている。このペンダントを使い、ルナは妖界への道を開く。
木箱と巻物
ルナとタイが持っていたもの。木箱を開けるためには第三の目をくぼみに押し付ける必要がある。巻物には伝説の子の伝説が書かれている。巻物はもともと1つだったが、2つに破られ、前半部分がルナの木箱、後半部分がタイの木箱にそれぞれ入っていた。ルナの木箱には鷲の絵と言葉、タイの木箱には獅子の絵とルナのものとはまた別の言葉が書かれていた。
星の子学園
両親がいない子供や、事情により両親と暮らせない子供達がいる、養護施設。本来は赤ちゃんは預かる事ができないのだが、ルナは都和子先生にしか懐かなかったため、特例として育てられる事になったという。
夜鳴島(よなきじま)
レンメイがルナとタイを生んだ島。ルナとタイの父がその島に残った最後の祠を守っていた。地震によって沈んだが、土の玉以外の玉がまわりの島にまつられた事で、島の一部である二剣山の部分が海上に現れた。
九字
ルナが使う9つの印のこと。「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」の9つ。ちなみにタイは「青龍・白虎・朱雀・玄武・空陳・南斗・北斗・三台・玉女(せいりゅう・びゃっこ・すざく・げんぶ・くうちん・なんじゅ・ほくと・さんたい・ぎょくにょ)」という別の印を使用している。

2巻[編集]

港町
ルナ達が訪れた、異国情緒ただよう港町。スネリが妖怪の匂いを感じ取った。モデルは横浜。
コーポ八百八(こーぽやおはち)
港町でルナ達が住んでいたアパート。築30年の木造2階建て。ペット禁止。玄関は新聞紙ほどの広さで、部屋はひとつ。ルナ達は収入がほとんどないので、安いおんぼろアパートに泊まる事が多い。
水晶玉
願いの叶う水晶玉。緑色に光る。実はしずくの母が、人間界に行こうとしていた妹がまた妖界に帰ってこられるようにと、自らの寿命・妖力と引き換えに作ったもの。人魚であるしずくの手に渡った事で融けてしまった。水晶玉の液体を人間が飲めば、その人間の寿命と引き換えにしずくは帰る事ができる。死にそうなしずくのためにリョウは自らこれを飲もうとしたが、ルナに阻止された。
伝説
じっちゃんがルナに話してくれた、不思議な女の伝説。年をとらない不思議な女と、願いを叶える水晶玉の話。実はその女とは、しずくの叔母。

3巻[編集]

果南島(はてなじま)
半分近くの面積を、「楽園」というテーマパークが占めている、小さな島。旅行客の連続行方不明事件が起こっている。
ハイツ海ぼうず
果南島でルナ達が住んでいたアパート。コーポ八百八に負けないおんぼろさ。海を見下ろす高台にある。
島の御霊(しまのみたま)
果南島にある魅惑の森の、洞窟の奥にある玉。住民からは島の神と呼ばれている。
やまびこ
幹太郎が経営する、オープンテラス式の喫茶店。カンタロウケーキとカンタロウジュースのセット「カンタロウセット」が、果南島の旅行客の間で密かなブームになっている。なお、ケーキとジュースはそれぞれ単体で頼む事も可能。

4巻[編集]

風の町
風の強い町。妖怪の匂いを感じ取り、ルナ達はここにやってきた。
カルメラ荘
風の町でルナ達が住んでいたアパート。おんぼろだが、風呂はある。ルナ達の部屋は前の住人がヘビースモーカーだったらしく、ヤニくさい。
フラヒドリの玉
フラヒドリの爪が封印されている玉。しくしくと泣き声を発したり、光ったりする。ユージを操り、火事を起こしていた。

5巻[編集]

北の町
ルナの「雪が見たい」のひとことで、訪れた町。
たつぼしハイツ
北の町でルナ達が住んでいたアパート。小さな商店街の一角にある。隣はラーメン屋。

6巻[編集]

日向村
村民が原因不明の熱におかされ、倒れていく事件が発生している村。戦国時代の武将の秘湯として知られた温泉地に近く、低い山に囲まれた集落で、北の町よりも温暖な気候。
紅見草
マメ科の花で、レンゲに似ている。日向村のある地方にしか咲かない花で、味は食用菊のような味。解毒作用があり、昔は薬の代わりとされていた。昔はたくさん咲いていたが、その数は減少し、今ではまったく見られなくなった。
群集する習性があり、そのさまが「真っ赤に染まった海」のように見えることから「紅海草」と呼ばれ、それが訛り「紅見草」と呼ばれるようになった。

その他[編集]

  • 発売当時、小学校4・5年生だった読者もシリーズ完結時には中学生になり、小学4年生だった主人公・竜堂(りんどう)ルナも成長した。完結記念プレゼントにも中学生の応募が多数あった。現在の読者層は、新規読者と小学生からの中学生に成長した継続読者が混在。小学生からはじまった「ナビ・ルナブーム」は中学生にまで拡大した。
  • フォア文庫版の「妖界ナビ・ルナ」には、1巻を除いてすべてにおまけコーナー「るなてぃっく・ルーム」が連載されている。内容は次回予告、読者からの質問への返答、4コマ漫画などさまざま。9・10巻では読者から寄せられたルナのファッションが載せられた。また、あとがきには「ナビルナ検定」の見出しでクイズが掲載されることもある。
  • II期1巻の解説に、I期のシリーズが累計120万部を突破したと記載された。

作品リスト[編集]

漫画版

外部リンク[編集]

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