インターステラテクノロジズ

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インターステラテクノロジズ(INTERSTELLAR TECHNOLOGIES、略称:IST)とは、ライブドア事件有価証券報告書の虚偽記載等の悪質な金融商品取引法違反事件)で服役し、出獄した堀江貴文[1]が創業に関与している、「国内初の民間企業による宇宙圏に到達するロケット打ち上げ」などの「壮大な夢へのチャレンジ」[2]に共感した人からクラウドファンディングを募ったり、打上げを見に来た人から入場料を徴収したり、ファンクラブの会員から会費を徴収したり、協賛企業から出資を受けるなどして資金を集めている会社である。

ロケットの打上げに失敗しても、打上げ見学会場への入場料や、ファンクラブの会費、出資金が返還されることはない。「壮大な夢」だといえば、技術が伴わず、ほとんど実現の見込みがなくても、投資詐欺だと批判されることもない。そのうち本当に民間宇宙開発に成功しそうな競合先が現れたら、「先鞭をつけたのは我々だ」とエラそうに言ってみたりして。真面目バカのTBSなど、マスゴミも面白がって取り上げてくれるので、メディアに露出する機会も多く、お金が簡単に集まる。そんな素敵な商売をしている会社である。

SKY-HILLS

SKY-HILLSは、IST社が北海道大樹町に設置した、有料の打上げ見学会場である。入場には、IST社のWebサイトで事前の予約が必要で、当日の受付は受け付けていない。[3]

2018年4-5月の「打上げ」見学の場合、入場料は大人(18歳以上)が4,900円、小人が2,300円(小学生未満は無料)[4]。塚本(2018)によると、このほかに駐車料が普通車で1,000円、二輪車で500円。予定人数は500人とされていた[5]。例えば大人400人(うち半数は普通車利用)が会場入りした場合、IST社には216万円の収入がある計算になる。

会場はなだらかな丘で、座席等は用意されておらず、芝生が生えていない土の上で観覧することになる、とのことであるが、宣伝用には芝生のイメージが使用されている。[6]

2018年4-5月の「ロケット打上げ」の際は、大樹町の町内で唯一、打上げの発射地点を直接見ることができる公式の打上げ見学特設会場とされていたが[3]、同年6-7月の「ロケット打上げ」の際は、大樹町多目的航空公園[map 1]でも打上げを観覧することができるとされている。こちらは無料である。[7]

IST社の提携先の日本旅行社は、SKY-HILLS以外で射点が望める場所は、私有地または町有地であり、無断で立ち入ると罰せられる可能性があり、特に近隣牧場、農場等への立ち入りは伝染病予防の観点からも絶対に行わないように、と警告している[3]。大樹町によると、指定の場所以外での観覧は、厳しく取り締まられており、観覧場所の周辺で観覧しようと駐車したりした場合、警察に通報され、退場させられる場合があるという[7]

「打上げ」応援ツアー

2018年4-5月のゴールデンウィーク期間中には、日本旅行社と業務提携して、「MOMO2打上げを応援する、ISTオフィシャルツアー」を企画した。[3]

IST応援隊sola旅コース
SKY-HILLSの入場料、「打ち上げ見学証明書」の交付、種子島などで打ち上げを経験したベテラン添乗員の同行などを含め、2泊3日で、旅行代金は北海道外発13.4万円前後、札幌10万円前後。
トムソーヤクラブ宇宙キャンプin大樹
子供だけが参加可能。ロケット打上げ見学のほか、帯広での「様々な体験プログラム」を企画、添乗員が同行し、2泊3日で旅行代金は羽田12万円前後、帯広発7.3万円前後。

注意事項

ツアー申込の際の注意事項には下記のような記載がある[6]

3. 打上げが延期した場合の打上げ協力金の返金は一切ございません。期間中にSKY-HILLSを一度も開場できずに打上げが延期した場合には、ご登録を頂いたご住所へ記念品をお送りさせて頂きます。
4. 協力金のご入金後は、SKY-HILLSにご入場いただかない場合でも、一切の返金はできかねますので予めご了承下さい。
14. 気象条件によっては、SKY-HILLSからロケットが視認できない状態で打上げられる可能性がございます。その場合の協力金の返金等は一切ございませんので、予めご了承ください。
17. SKY-HILLSの開場は予備日の7月1日までとなります。予備日までに打上げが実施できない場合においても、協力金の返金等は一切ございませんので、予めご了承ください。

なお、2018年4-5月のゴールデンウィーク期間に予定されていた「打上げ」が延期されたことについて、「株式会社日本旅行 sola旅クラブ SKY-HILLS運営事務局」からはお詫びのコメントが出ているが[6]、IST社は「打上げ」延期についてプレスリリースを行なっていない[8]

クラウドファンディング

  • 2016年6月1日から同年7月31日に「みんなの力で宇宙にロケットを飛ばそう」と称してクラウドファンディングサイト・Campfireで出資を募り、734人から約2,271万円の資金を集めた[9]
  • 2017年12月3日から2018年2月10日にかけて、「今度こそ宇宙へ! MOMO2号機をみんなで飛ばそう」と称してCampfireで出資を募り、924人から約2,843万円の資金を集めた[10]
  • 2018年8月11日から同年10月29日にかけて、「続ける。宇宙への挑戦。みんなの力でMOMO3号機を飛ばそう!」と称してCampfireで出資を募り、1,173人から約1,981万円の資金を集めた[11]

出資受入

  • 2017年12月27日、北海道銀行および道内信用金庫が共同で設立した「ほっかいどう地方創生ファンド(ほっかいどう地方創生投資事業有限責任組合)」を通じて「北海道ベンチャーキャピタル(株)」から出資を受入れた。受入額は不明。[12]
  • 2017年12月3日に、レオスキャピタルワークスと、ロケット機体への広告掲載、本社工場見学ツアーの実施などを条件に、打上げロケットのスポンサー契約を締結。レオス社は、ひふみ投信等のファンドからは1円も拠出せず自己資金で支援するとしており、出資金額は明らかにしていない。[13]
  • 2017年10月31日、北洋銀行が組成した「北洋イノベーションファンド」と帯広信用金庫から約2,000万円の出資を受入れた[14]
  • 2016年夏に株式会社DMM.comの協賛を受けた。[15]

ファンクラブ

会費は、

  • 学生会員 500円/月
  • レギュラー会員 1,000円/月
  • プレミアム会員 10,000円/月

会員になると、会員限定情報の配信、会員証の発行、オリジナルステッカー・オリジナルTシャツなどのプレゼント、限定イベントへの招待などが受けられる。オリジナルTシャツと限定イベントへの招待は、学生会員とプレミアム会員には提供されるが、レギュラー会員には提供されない。[2]

FAQ

IST社は、WebサイトのFAQのページに、いわゆる普通のFAQ(よくある質問)ではなく、講演のサービスや、工場見学ツアー、グッズの販売情報などを掲載している。

講演

会社代表・稲川貴大の講演を、1回につき講演料50万円以上(消費税、交通費、宿泊費)で引き受けている[16]

工場見学

本社工場・射場の見学ツアーを不定期で募集しており、見学料は1名あたり4,000円(消費税)で最低募集人数10人。所要時間は2時間程度である。[16]

  • 2018年6月頃までは所要時間1-1.5時間程度で見学料は1名あたり2,000円(消費税別)だったが、2018年6-7月頃に値上げしたようである。[16]

グッズの販売

打上げに失敗しているロケットの模型の貸し出しも行っている。実物大で貸出価格10万円、1/8スケールの模型が貸出価格2万円など。ただし、実物大の模型はIST社の社員が設置作業を行い、作業費は別途請求される。また貸出価格に輸送費は含まれていない[16]

打上げ失敗

この写真は、2018年6月30日に産経デジタルが打上げ失敗を確認している人として報じたもの(目線を消去)。
  • 2018年4-5月のゴールデンウィーク期間中に予定されていた「ロケットの打上げ」は、「打上げ準備の状況から、今回の打上げ予定期間での実施を見送る」ことになり、同年4月28日(予備日・29日)に予定されていた「カウントダウン」イベントは、予定通り同年4月29日の予備日をもって終了したことが日本旅行社の予約サイトで発表された[17]
  • 2018年6月30日午前5時30分に、同年のゴールデンウィーク期間中に打上げるとしてツアー客を集めた上で中止・延期されていた「観測ロケット」の「打上げ」が実施され、「発射」直後に機体が炎上した[18][19]
    • 見物人が少なさそうな早朝の打上げだったが、ウジ新聞によると、打上げ失敗の状況を双眼鏡や望遠鏡で確認している人もいたという(写真)[20]
  • これで暫くIST社はロケットの「打上げ」をしなくてよいだろう。次の「打上げ」に向けてまたクラウドファンディングが行われたが、失敗直後だったせいか目標額の73%しか資金が集まらなかった。お金を集めらなければロケットを打上げる意味がないので、また資金集めが行なわれるのかもしれない。同社の「壮大な夢へのチャレンジ」は、お金を出してくれる人が居なくなったり、公取の視界に入るようになって関係者が刑務所に入れられたり自殺したりするなどの問題が生じたりしない限り、半永久的に続けられるのであろう。

宣伝媒体

  • 十勝毎日新聞 - 大樹航空宇宙基地構想 - 夢を煽るために、いいように利用されている地元のマスゴミ。そろそろ、何かおかしいと気付いて調査報道してもよさそうなものだが…。

外部リンク

関連項目

付録

地図

脚注

  1. 日本経済新聞 > ライブドア事件 認定された犯罪事実 2011年4月26付、2018年6月11日閲覧
  2. 2.0 2.1 INTERSTELLAR TECHNOLOGIES > FANCLUB 2018年6月11日閲覧
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 日本旅行 トップ > こだわりのテーマで探す旅 > sola旅クラブ 宇宙体感ツアー > MOMO2打上げ応援隊 2018年6月11日閲覧
  4. インターステラテクノロジズ株式会社・株式会社日本旅行、宇宙エンターテインメント事業を推進する業務提携契約を締結、2018年3月30日
  5. 塚本直樹 宇宙(そら)へのポータルサイト sorae > 「MOMO2号機」打ち上げ、見学席「SKY-HILLS」や応援ツアー情報が公開2018年3月28日、2018年7月21日閲覧
  6. 6.0 6.1 6.2 日本旅行 > SKY-HILLS(公式打上げ見学特設会場)予約サイト 2018年7月21日閲覧
  7. 7.0 7.1 大樹町トップページ > 航空宇宙 > 航空宇宙 > インターステラテクノロジズ社による観測ロケット「MOMO」2号機打ち上げについて 2018年7月21日閲覧
  8. インターステラテクノロジズ > PRESS RELEASE 2018年7月21日閲覧
  9. CAMPFIRE > みんなの力で宇宙にロケットを飛ばそう! 2018年7月21日閲覧
  10. CAMPFIRE > 今度こそ宇宙へ! MOMO2号機をみんなで飛ばそう 2018年7月21日閲覧
  11. CAMPFIRE > 続ける。宇宙への挑戦。みんなの力でMOMO3号機を飛ばそう! 2018年11月20日閲覧
  12. インターステラテクノロジズ株式会社「出資受け入れに関するお知らせ」2017年12月28日、2018年6月11日閲覧。北海道ベンチャーキャピタル株式会社「『インターステラテクノロジズ(株)』へほっかいどう地方創生ファンドより投資を実行しました。」2017年12月27日、2018年6月11日閲覧
  13. インターステラテクノロジズ株式会社 代表取締役社長 稲川貴大・レオス・キャピタルワークス株式会社 代表取締役社長 藤野英人 観測ロケット「MOMO」2号機スポンサー決定のお知らせ 2017年12月3日 報道関係各社宛プレスリリース
  14. インターステラテクノロジズ株式会社「出資受け入れに関するお知らせ」2017年12月8日、2018年6月11日閲覧
  15. インターステラテクノロジズ > NEWS > トークイベント「ロケットナイト」開催! 2016年6月21日 ニュースリリース
  16. 16.0 16.1 16.2 16.3 INTERSTELLAR TECHNOLOGIES > FAQ 2018年6月11日、同年7月21日閲覧
  17. INTERSTELLAR TECHNOLOGIES > MOMO2 公式打上げ見学特設会場「SKY-HILLS」予約サイト
  18. 民間ロケット失敗、打ち上げ後に炎上 日本経済新聞 電子版 2018年6月30日 6:58
  19. インターステラテクノロジズ > NEWS > 観測ロケット「MOMO」2号機の打上げ実験結果について 2018年7月3日
  20. 「民間ロケットの打ち上げまた失敗 発射直後に爆発炎上 北海道大樹町のベンチャー企業」産経デジタル、2018年6月30日