秋田キャバ嬢殺人事件
秋田キャバ嬢殺人事件とは、2013年5月に秋田県秋田市のキャバクラ従業員・伊藤理香子さん(22)が店長の神山達也と同僚キャバ嬢の秋元麗奈に殺害された事件である。
目次
事件概要
スナックやキャバクラ、ソープランドなどが並ぶ東北屈指の歓楽街、秋田市・川反(かわばた)がキャバクラ嬢絞殺事件で震え上がっている。殺人の疑いで逮捕されたのは勤め先のキャバクラの店長と同僚ホステス。3人の間に何があったのか。
「川反に勤めている娘が帰ってこないんです」。
2013年5月23日午後、秋田市下新城中野のキャバクラ従業員、伊藤理香子さん(22)の両親から地元の秋田臨港署に相談があった。
伊藤さんが勤めていたのは、川反のビル3階にあるキャバクラ「レジェーラ」。伊藤さんは毎日、家族が運転する車で出勤。帰りは従業員に送ってもらったり客からタクシー代をもらったりしていたが、22日夜に店に出たまま23日午後になっても帰らず、その夜は出勤しなかった。
若い女性が一晩帰宅しないだけで家族が警察に届けたのは理由がある。伊藤さんは膵臓の細胞が破壊されることによって起こる1型糖尿病を患っており、1日数回のインスリン注射が欠かせないのだ。
「娘が死んでしまいます」。両親は訴えた。
秋田臨港署は翌24日、店長の神山達也(26)=秋田市東通=と同僚の秋元麗奈(21)=同市八橋本町=に「伊藤さんの行方を知りませんか」と尋ねたが、2人とも「店が終わった後、1人で帰りましたよ」「きのう出勤しなかったので心配していました」と答えた。
ところが、2人はその日夜に出勤せず失踪。前日の売上金4万650円がなくなっていた。
川反を管轄する秋田中央署がレジェーラの実質経営者からの届け出を受けて神山を「特異行方不明者」として全国に手配していたところ、25日夕、仙台市泉区内で秋元が運転する軽乗用車に神山者が乗っているのを宮城県警の警察官が見つけた。
秋田中央署の捜査員が仙台に急行し、2人を秋田に任意同行。うち神山を26日、売り上げを持ち逃げした業務上横領容疑で逮捕した。
「店長と一緒に里依(りい)ちゃんの遺体を捨てました」。
事情聴取を受けていた秋元の口から29日、衝撃の言葉が飛び出した。里依とは伊藤さんの源氏名「倖月(こうづき)里依」のことだ。秋元は「如月莉々愛(きさらぎ・りりあ)」を名乗っていた。
秋元の供述通り、レジェーラから直線距離で約12キロ離れた秋田市太平八田の山中に伊藤さんの遺体が埋められているのが見つかった。秋田中央署はこの日深夜、死体遺棄容疑で秋元を緊急逮捕。翌30日午後に同容疑で神山を再逮捕。6月8日には両容疑者を殺人容疑で再逮捕した。
伊藤さんの死因はひもで首を絞められたことによる窒息死で、遺体は毛布にくるまれ、接客用のドレス姿で首にはビニールのひもが巻き付いていた。
レジェーラは5月23日午前1時の閉店時は両容疑者と伊藤さんの3人だけで、閉店直後に神山が伊藤さんをビニールのひもで絞殺。秋元は準備段階から共謀したとされる。遺体を毛布にくるんで、早朝に秋元の車に運び込んだ。川反は飲食店が閉店した夜明けから昼ごろにかけてはほとんど人通りがない。山中への遺棄時間は午前10時から正午ごろの間とされる。
その夜、殺害現場であるレジェーラは何事もなかったかのように営業。両容疑者は翌日、警察から伊藤さんの行方を聞かれたため、仙台に逃げた。
「今日はね りりあちゃんとデートしてから一緒に出勤しましたあ(//∀//) 最近毎日一緒! 休みの日も一緒! カップル並みに一緒にいる気がする。笑 にこいちなのです(*´艸`*) ほんとに妹みたいで めんちょこちゃん●」
倖月里依こと伊藤さんは自らのブログ「RII’s BLOG」で1月17日に、1歳下の如月莉々愛こと秋元への親愛の情をそう表現している。
秋元もブログ「りりあタイム☆」で「りいちゃん大好き●てへ」(3月9日)、「安定のふたりです● りいちゃんらぶ~●」(4月22日)などと記述。双方のブログには2人でピースサインをしている写真が何枚も載っている。3月には秋田空港からの直行便で一緒に韓国旅行に行ったほどの仲だ。
レジェーラの元関係者によると、同店は地元で飲食・風俗情報誌を発行するグループがプロデュースして、2012年5月にオープン。伊藤さんは開店間もなく、秋元は10月に入店した。指名ランキングで常に1、2位を争う人気嬢で、情報誌の表紙やグラビアを飾ったこともあった。
「ライバルなのに姉妹のように仲が良かったんです。なぜこんなことに…」と、この元関係者は声を落とした。
神山の知人によると、同容疑者は仙台市出身で「司法書士を目指していたこともあるが、東日本大震災を機に秋田に来たんだ」と話していたという。別の飲食店を経てレジェーラのボーイになり、8月に当時の店長が酒気帯び運転で逮捕されたのに伴って店長に昇格した。2012年、交際していた女性との間に子供ができたが、その後女性と別れている。
「サオ管理って知ってますか?」。
3人を知る川反の同業者が声をひそめた。サオとは男性器を指す隠語。夜の商売で、経営者や店長が男女関係を使って従業員をコントロールすることを、そう言うのだそうだ。
「店長(神山容疑者)と莉々愛ちゃん(秋元容疑者)は親密でした」
と、この同業者は証言する。地元紙も、伊藤さんが秋元に「店の雰囲気が悪くなるから店長と別れたほうがいい」と話したため秋元が不満を抱いていた-と報じているが、同業者は「それだけではありません」と言う。
レジェーラには伊藤さんの親類の女性も働いており、神山はその女性にも接近し、伊藤さんが神山に「親類には手を出さないで」と詰め寄ったのだという。一方、秋元は神山の心をつなぎとめようとしていた。
こうした人間関係のもつれから、神山が伊藤さんをうとましく思い、秋元は親友の伊藤さんより彼氏である神山を優先した可能性がある。事件前には秋元と伊藤さんが激しく言い争う姿が目撃されている。
両容疑者は捜査本部の調べに対し「伊藤さんとトラブルになった」と動機を供述し始めており、捜査本部はトラブルの具体的内容について取り調べや裏付け捜査を続けている。
複数の容疑者が逮捕された場合は合図などで口裏を合わせないよう別々の警察署に分散留置されることが多いが、両容疑者は同じ秋田中央署の留置施設に勾留され、神山容疑者は成人男性居室、秋元容疑者は女性居室にいる。
一つ屋根の下で寝起きしながら決して顔を合わせることのないキャバクラ嬢と店長。冷たい壁を見つめながら何を思っているだろうか。
秋田・女性殺害事件。同僚の女、男女間のもつれ告白するメール
秋田市の飲食店従業員の女性が首を絞められて殺害された事件で、凶器のひもは店長の男が準備し、さらに、被害者の同僚の女は、その店長との男女間のもつれを告白する内容のメールを、知人に送っていた。
伊藤 理香子さん(22)を殺害した疑いで、8日に再逮捕された元従業員・秋元麗奈(21)と、飲食店の元店長・神山達也(26)が10日、身柄を検察庁に送られた。
2人は5月23日、午前1時ごろから未明にかけて、勤めていた飲食店の店内で、伊藤さんの首をビニールひもで絞めて、殺害した疑いが持たれている。神山は「自分が殺害した」と容疑を認めている。さらに、殺害に使用されたビニールひもは、神山容疑者が事前に準備していたことも判明した。
一方の秋元も、「一連の行為に関与した」と供述している。事件前後の秋元の行動を読み解く、携帯メールを入手した。秋元から知人の男性に送られたメールには、「車売るってば、すぐ売れる?」と、書かれていた。日付は、5月23日午後3時27分。
秋元らは、伊藤さんの遺体を同じ日の午前10時から正午までの間に遺棄したとみられていることから、このメールは、犯行直後に送ったものとみられている。その後、男性が、車の売買を急ぐ理由を尋ねると、秋元からの連絡は途絶えた。捜査が身に迫る前に、遺体を運んだ車を売却し、証拠隠滅を図ろうとしたのか。
また、秋元は事件前、交際していた男性について、思い悩んだ様子のメールも送っていた。
そこには、「死んでしまいたいくらい、つらいことあったら、どーしたらいいと思う? いきなりごめん。麗奈、捨てられそう。家も出て行かれちゃった。これしかも、うちの店長のことね」と書かれていた。
秋元は、このメールの中で、交際相手が店長だと打ち明けているが、この店長こそが、神山のことを指しているとみられている。
また、このメールには「今はどーでもいいから戻ってきてほしい。本当は店にも行きたくないし。今、こいつのためにできることは、仕事しかないから」と、つづられていた。
秋元容疑者の揺れる心が読み取れる内容のメール。これらのメールが送られたのは、事件発生5日前のことだった。同じ職場で働いていた3人の男女の間に、いったい何があったのか。
神山は酒が入ると暴力を振るう癖があった。実際、秋元が友人に送った、5月14日のメールには、こんな文言が書かれていた。
《殴られてどうしたらいいかわかんなくて》
《もうこの店にもいたくないしこの男の顔も見たくないよ》
さらに、神山と親しかった人物は、「店の売り上げを持って、仙台で豪遊してきたと本人から何度か聞いた。秋田では周りの目があるからと」そのことも伊藤さんが知っていたら……。
「娘は神山をとても嫌っていました。妻子もちなのに店の子に次々手を出すとか、金銭にルーズだとかボヤいていた。娘は1年前のレジェーラ開店当初からのメンバーで、新人の教育もしながら、売り上げにも貢献していた。それなのに新しく入った子と時給が100円しか違わないと嘆いていました。『店長に話してもラチがあかないから、オーナーさんに直接かけあわないと』とも言っていました。そんな不満や苦言が神山の耳に入って今回の事件に至ったのでしょう。秋元も彼の言いなりになってしまったんじゃないでしょうか」(伊藤さんの父親)
店長の男、着服報告され犯行か
秋田市下新城の飲食店従業員伊藤理香子さん(22)の遺体が同市太平八田の山林で見つかった事件で、死体遺棄で逮捕された同店店長の神山達也(26)=同市東通=は以前にも店の売上金を着服しており、それを伊藤さんが上司に報告していたことが捜査関係者への取材で分かった。
秋田中央署捜査本部は、売上金絡みのトラブルも動機の一つになった可能性もあるとみている。
伊藤さんは、神山の上司から、神山容疑者の売上金の処理について調べて報告するよう指示されていたという。
登場人物
- 死亡:伊藤理香子さん(22)
- レジェーラ(キャバクラ)のナンバー1キャバクラ嬢
- 中年の男性と交際していた(伊藤理香子さん本人は彼氏だと思っていたらしい)
↑上記の情報が多く出回っているが、間違い。 出回っているプロフィールサイトは、事件が起こる何年も前のこと。 当時付き合っていた同年代の彼氏のこと。
- 糖尿病 - 1日数回インシュリンを打っていた
- ネイリストを目指していた - ネイリストになるための学費と糖尿病の治療費のために短時間で稼げるキャバクラで働いていた
- アネゴ肌で正義感が強かった
- 伊藤理香子さんのブログ
- プロフィール
- 神山達也(26)
- レジェーラの雇われ店長
- 妻と子がいる
- 秋元麗奈と付き合っていた - 秋元麗奈は妻ではない
- 秋元麗奈(21)
- レジェーラのキャバクラ嬢
- 神山達也と付き合っていた
- 神山達也から暴力を振るわれていた
- 暴力を振るうDV男に依存する恋愛を繰り返してきた
- [1]
逮捕の同僚女「わたしが1人でやった」
秋田県で飲食店の女性従業員が遺体で見つかった事件で、逮捕された同僚の女が、殺害をほのめかす供述をしている。
秋田市内の山の中で遺体として見つかった飲食店従業員・伊藤 理香子さん(22)のものとみられるブログには、「昨日は『りりあ』とデートしてから一緒に出勤しました。ほんとに大好きだこのかわいこちゃん! 一緒にいると、なぜかおもしろいことしかおきないんですよね」とつづられていた。
その中で、「大好きだ」とつづっている「りりあ」は、伊藤さんの遺体を遺棄した疑いで、29日に逮捕された秋元麗奈(21)。同じ飲食店に勤務し、仲がよかったという2人。
秋元のものとみられるブログにも「お姉ちゃん(伊藤さん)とデートしてきたのだ。安定の2人。2人でしゃぶしゃぶ大量に食べて、出勤しました。よく食べるんですよ私たち。とても仲良しってことです、てへ」とつづられていた。
ブログには、ツーショット写真が数多く掲載されていて、秋元容疑者は伊藤さんのことを「お姉ちゃん」と慕い、2人で韓国旅行に行ったとも書かれていた。
伊藤さんと秋元の2人は、店で1位・2位を争う人気だったという。2012年7月ごろは、伊藤さんの方が人気があったというが、2013年4月ごろからは、秋元が店の人気No.1になっていたという。
秋元は、一緒に遺体を遺棄したとして逮捕された店長・神山達也(26)と交際していた。秋元は、警察の調べに対し、「わたしが1人でやった」と、殺害をほのめかす供述を始めていて、警察は、くわしい犯行の動機について調べを進めている。
2013年6月3日 伊藤 理香子さんの葬儀
3日午後1時半から、秋田・潟上市の会場で、伊藤 理香子さんの葬儀が営まれた。亡くなった伊藤さんをしのび、多くの親族、友人らが弔問に訪れていた。
仲のよさそうな様子で、写真に収まる2人。
山の中で遺体となって見つかった秋田市の飲食店従業員・伊藤 理香子さん(22)と、死体遺棄の疑いで逮捕された秋元麗奈(21)。秋元を知る人は「いい子だったよ。すごく元気ないい子だったよ。小さい時からわかるから」と話した。
この事件で、秋元と同じ死体遺棄の疑いで逮捕されているのが、秋元と交際関係にあった、店長・神山達也(26)。警察は1日、神山を伊藤さんの遺体が見つかった現場に同行させ、遺体を遺棄した時の状況をくわしく調べた。
伊藤さんのものとみられるブログには、たびたび2人で食事に出かけたり、一緒に海外旅行をしていたことがつづられていた。ブログには「きのうは、りりあ(秋元)とデートしてから、一緒に出勤しました」とつづられていた。
2人が通っていた美容室のスタッフは「(伊藤さんは店で)お姉さん的存在。『ナンバー1の表紙になったんだよ』みたいな、自分アピールの強い子。(秋元は)明るくて活発な子だと思う。(伊藤さんと秋元は)すごく仲良かったですね」と話した。
しかし、事件直前、2人の間に亀裂が生まれた。伊藤さんと秋元を知る人は「(5月)20日前後に、(伊藤さんと秋元容疑者が)けんかして、警察沙汰になった、この通りで」と話した。事件直前、伊藤さんと秋元は、路上でけんかをして、警察が駆けつける騒ぎになっていたという。
3人を知る人は、「(神山が)店の子に手を出しているとは聞いていました」、「(伊藤さんと秋元は)それまでは仲良かったかもしれないけど、たぶん、もめて...」と話した。
仲の良かった2人の間に、何が起きていたのか。
殺害現場は勤務先の飲食店とみられていて、秋元と神山は、5月23日午前10時から正午までの間に、遺体を遺棄したと供述している。
逮捕の女、犯行直後「車売れる?」とメール
5月、秋田市内の山中で、飲食店従業員の女性が遺体で見つかった事件で、逮捕された女は、遺体を遺棄したあと、「車売るってばすぐ売れる?」と知人男性にメールを送っていた。
5月29日、秋田市内の山中で、飲食店従業員・伊藤 理香子さん(22)が遺体で見つかった事件で、死体遺棄で逮捕されたのは、同僚の秋元麗奈(21)と、店長の神山達也(26)だった。その後、秋元が遺体を遺棄したあとの行動が明らかになった。
秋元が知人男性に送ったメールには、「車売るってばすぐ売れる?」と書かれていた。
メールの日付は5月23日午後3時27分で、秋元は、伊藤さんの遺体を、「同じ日の午前10時から正午までの間に遺棄した」と供述していることから、犯行直後に送ったものとみられている。
知人男性が「どうして、そんなに急いで売りたいのか」と返信すると、秋元からの連絡は途絶えたという。遺体を運んだ車を手放すことで、証拠隠滅を図ろうとしたと考えられるが、一方で、逃走資金が必要だったのではないかとの見方もある。
裁判
1審秋田地裁(2014年7月)
殺人と死体遺棄の罪に問われた当時の店長、神山達也(27)と同僚従業員、秋元麗奈(22)の両被告の裁判員裁判第4回公判が25日、秋田地裁(福士利博裁判長)で開かれた。神山は被告人質問で、伊藤さんの遺族に土下座して謝罪した。
神山は殺害状況について、睡眠導入剤の影響でソファでうつぶせになって眠っていた伊藤さんの首を背後からビニールひもで絞めると、伊藤さんが抵抗して立ち上がったが、さらに絞め続けて殺害した-などと答えた。
秋元については「いちずな乙女心をもてあそんだ面もあるので、私に全てを背負わせてほしい」と擁護。
弁護側から「遺族に対して言いたいことはあるか」と問われると、「私が何を言おうと決しておわびにはなり得ないと思っている。私には、理香子さんのことを忘れず手を合わせることしかできない」と述べた。
さらに、被害者参加人として検察官席の隣に座っていた伊藤さんの母に向かって「大変申し訳ございませんでした」と、ひざまずき、頭を床につけて謝った。
被害者参加弁護士の質問に対しては「死ぬことでしか償えないと思っております」などと答えた。
起訴状によると、両被告は昨年5月23日未明、秋田市大町のキャバクラ「レジェーラ」店内で伊藤さんの首をビニールひもで絞めて殺害し、日中に遺体を同市太平八田の山中に捨てたとしている。
神山は起訴内容を認め、秋元は殺害を幇助しただけと一部否認している。
「殺さなければリイの思うつぼ」取り調べ映像を法廷で再生
秋田市のキャバクラ従業員、伊藤理香子さんが殺害された事件で、殺人と死体遺棄の罪に問われた当時の店長、神山達也(27)と同僚従業員、秋元麗奈(22)の両被告の裁判員裁判第6回公判が29日、秋田地裁(福士利博裁判長)で開かれた。
検事による取り調べの録画映像が証拠として採用され、裁判員らに再生された。
録画映像は、秋元が死体遺棄容疑で逮捕された翌日の昨年5月30日のもの。傍聴席には音声だけが流された。
それによると、秋元は当時、「殺すしかなかった」「殺害は2人で決めた」「睡眠薬の使用は自分が提案した」などと殺害の共謀性を供述。「後悔していないか」との問いに「まあね」と述べていた。
「なぜ殺さずに2人で逃げなかったのか」と聞かれると、「そしたらもったいなくない?そしたらリイ(伊藤さんの源氏名)の思うつぼじゃん。リイはうちらを潰したかったんだもん」と答えていた。
このほか録画には、秋元が「おなかすいた」と訴えるなど、取調室での生々しい声が残されていた。
録画再生に先立って秋元は弁護側の被告人質問に対し、「神山さんに見せるため録画していると思った」「神山さんの罪を軽くするため、自分の役割を大きく見せる嘘をついた」などと説明。「取り調べの可視化という言葉を知っているか」との問いには「知らないです」と話した。
秋田のキャバクラ女性殺害、2被告に実刑判決
秋田市で昨年5月、キャバクラ店の女性従業員が殺害された事件で、殺人と死体遺棄の罪に問われた同店の元店長神山達也(27)(秋田市)と元従業員秋元麗奈(22)(同市)の裁判員裁判の判決が2014年8月5日、秋田地裁であり、福士利博裁判長は神山に懲役17年(求刑・懲役20年)、秋元に同13年(同15年)を言い渡した。
福士裁判長は判決で、神山について「動機は逆恨みで計画的な犯行」と指摘。ほう助の罪にとどまると主張した秋元についても「殺害を容易にするため睡眠薬を準備するなど重要な役割を果たした」とした。