三反園訓

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三反園 訓(みたぞの さとし、1958年2月13日 - )は、日本反原発運動家。鹿児島県知事(公選第19代)。

来歴

鹿児島県指宿市生まれ。鹿児島県立指宿高等学校早稲田大学教育学部卒業。

1980年テレビ朝日に入社し、政治部に配属される。日本社会党担当を皮切りに首相官邸自由民主党を担当し、自民党担当時代は金丸信安倍晋太郎の番記者を務めていた。その後は首相官邸や自民党、大蔵省外務省防衛庁担当のキャップを歴任し、その後はテレビ朝日コメンテーター(解説委員)に就任。

1990年代はニュースステーションの政治担当キャスターを務め、連日国会記者会館からリポートしていた。一時期はスポーツ部に所属し、テレビ朝日で放送されていた大相撲ダイジェストを担当して、水戸泉双羽黒ら人気力士の取材に駆け回っていた。

2015年12月31日、翌年7月の鹿児島県知事選挙に出馬する意向を表明し、2016年2月26日、正式に記者会見を開いて鹿児島県知事選への立候補を発表した。三反園の出馬表明により、先んじて鹿児島県知事選への出馬を表明していた九州電力川内原子力発電所薩摩川内市)の再稼働に反対する市民団体「ストップ川内原発!3・11鹿児島実行委員会」メンバーの候補は、自身の立候補を取り下げ、三反園の支援に回った。

鹿児島県知事選では、川内原発の再稼働を推し進めた現職の伊藤祐一郎知事による県政を批判し、「原発のない社会を作ろう」「ドイツにならい、鹿児島を自然再生エネルギー県に」等、脱原発を訴える選挙戦を展開。民進党社会民主党の県組織、反原発を訴える市民団体をはじめ、伊藤県政に批判的な保守系の鹿児島県議会議員の支持も受け、伊藤知事を破り初当選した。7月28日、鹿児島県庁に初登庁し、九州電力に対して川内原発の停止を求める考えを改めて表明した。

三反園は知事就任後、九州電力に対して川内原発の停止を求めたが、九州電力は断っている。

2016年9月 県議会

鹿児島県の三反園訓知事が就任して以来、初の県議会代表質問が9月20日、始まった。

三反園氏が九州電力川内原発(薩摩川内市)の即時停止を要請したことに対し、自民党県議団から「権限のない即時停止を、繰り返し要請し、九電に対策を迫る姿勢には大いに疑問を抱く」と批判の声が上がった。論戦初日、最大会派の自民党県議団から、堀之内芳平会長と瀬戸口三郎・政調会長が質問に立った。

堀之内氏は川内原発をめぐる九電との一連のやりとりについて尋ねた。

「即時停止の要請を行う前に、薩摩川内市はもとより、経済産業相や、原子力規制委員長と協議をすべきではなかったか」

堀之内氏は今後の対応も含めて、こう質問した。

これに対し三反園氏は「要請は私の選挙公約であり、県民代表としての対応である。先入観を持たずに、原発周辺を視察し、自分の目で確認して対応したかった」と答弁した。今後の協議についても「必要があれば意見交換を行いたい」と述べるにとどめた。

「先入観を持たずに」という三反園氏は、知事選で反原発団体と原発停止要請などに関する合意文書を交わした。半面、原発推進派や容認派の声を聞く姿勢を持たず、現段階では反原発派の意見だけを受け入れたといえる。

「(三反園氏には)異なった立場の意見にも耳を傾け、総合的に判断をしていく慎重な対応を求めたい」

質疑で堀之内氏がこう切り返すと、県議から「その通り」と同意の声が上がった。堀之内氏は議会終了後、「知事が最初に行くべきは、薩摩川内市長のところだった。自分の行きやすいところにしか行っておらず、偏った政治に見える」と三反園氏を批判した。

川内原発や、国のエネルギー政策に関する質問は、この日計9項目あった。三反園氏は、次のように従来の主張を繰り返した。

「県民の安全確保や不安解消にまず取り組み、将来ではなく、今から原発に頼らない社会を目指す」「原発を停止する法律上の権限がないことはご指摘の通りだが、県行政のトップの仕事は県民の安全安心を守ることだ」

そこには、資源小国・日本が、どのように脱原発を果たすのかなど、避けては通れないはずの具体論は、皆無だった。

県庁内に設置する原発問題に関する有識者委員会についても「構成や規模、人選について検討を進めている」と答えるにとどめた。 「回答が具体性に欠ける」。堀之内氏だけでなく、自民党県議団の議員からは、不満の声が噴出した。不満の背景には、三反園氏の姿勢がある。

鹿児島県議会51人のうち自民党県議団は37人を占める。しかし、知事就任後、県政の課題について意見交換する場は、今回の定例県議会まで設けられなかったという。

川内原発を含むエネルギー政策だけでなく、鹿児島県政にはさまざまな課題が山積している。だが、議会と対話をしないままでは、県政運営の停滞を招く。実際、自民党県議の1人は「政策を異にする部分はしっかりとノーを言える態勢でいく」と強調する。三反園氏は議会について、県政運営を行う上での「車の両輪」との認識を示す。

知事就任から約2カ月。この間、三反園氏は「対九電」の要請を繰り返し、メディアに露出した。一方、県政の両輪はうまく回るどころか、きしむ音が早くも聞こえてきた。

鹿児島県の三反園訓知事と県議会の初論戦では、原発以外にも、多岐にわたる県政課題が取り上げられた。特に、議員は知事選での公約について、実現に向けた財源や具体策を示すよう迫ったが、三反園氏は「検討」や「努力」を繰り返すばかり。「空手形をいっぱい切って、これからが大変だ」と議員から“同情”される始末だった。

三反園氏は、知事選でドーム球場建設を掲げた。この日も「イベントやコンサートにも使える3万人規模の施設を想定し、プロ野球キャンプの誘致なども図る。経済効果も期待できる」と強調した。ただ、財源については「考える」というだけだった。「さまざまな意見を聞き、県民の理解を得ながら実現へ向けて努力する」と述べた。

「指宿スカイラインの無料化」や「子ども医療費助成制度」などでも、財源について質問が相次いだ。三反園氏は「(指宿スカイラインの)早期無料化が必要と考えた次第」「市町村や医療機関と協議、本格的に検討する」と述べるのが精いっぱい。

その姿勢は財源の裏付けがないまま、過大なマニフェスト(政権公約)を掲げた旧民主党政権を想起させた。質問した自民党県議団の瀬戸口三郎氏も「財源について『検討する』というだけでは、議論の余地がない」とさじを投げた。

自民党県議団会長の堀之内芳平氏は「選挙に勝つためだけのマニフェストだった、というのが現在の偽らざる心境だ。手形をいっぱい切り、大変だと思うが、県議団としては粛々と知事提案を判断していきたい」と述べた。

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