日本語防衛論
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日本語防衛論(にほんごぼうえいろん)は、津田幸男の著書。日本に広まる英語帝国主義への批判と、英語帝国主義への対抗策としての政治的戦略を述べる。2011年4月に小学館から発刊された。
特色
津田幸男は『英語支配の構造』(1990年)など、英語帝国主義を批判する書籍をいくつも著しているが、本書はそれらの先行する諸書とは異なり、「国語(日本語)」を守ることが「国防」の基礎であることを強調し、「日本語防衛論」を展開している。著者は序文でまず以下のように説いている。
戦後、日本人は「愛国心」と「防衛意識」を完全に失ってしまいました。それを回復しようとして、私はこの「日本語防衛論」を書きました。日本語を愛すること、護ること。これが日本を愛する、護る第一歩です。日本の国防にはまず日本語の防衛が必須です。アメリカをはじめとした諸外国はいいます。「日本語は大きな障壁だ。日本人はもっと英語を使うべきだ」と。しかし、日本語は日本の基盤です。私たち日本人は「日本語人」なのです。日本語のない日本など考えられません。そして、日本語は外国の影響に対する防波堤でもあります。英語をはじめとした諸外国の影響をはねのけるのが日本語です。日本語は日本をそして日本人を護っておりそして日本語を護ることにより日本と日本人は護られるのです。(後略)
– 同書4p~5P
目次
近年の日本での英語に関する話題をあつかった第一部と、著者の構想する政治的戦略を説く第二部からなる。第一部に1~5章をもうけ、第二部に6~11章ならびに「平成鎖国戦略」と題した終章をおく。
第一部:英語ストレス大国・日本の現状
- 第1章:日本語は亡びるのだろうか?――英語の充満と日本語の後退
- 第2章:英語社内公用語化の衝撃――「英語オンリー」か「日本語プラス英語」か?
- 第3章:英語が格差を生み出している――英語が「上位言語」、日本語が「下位言語」
- 第4章:英語教育の早期化と英語による英語教育――「英語が主、日本語が従」への道
- 第5章:国際英語――「第二の英語」の脅威
第二部:言語防衛論
- 第6章:言語防衛論――なぜ日本語を護るのか
- 第7章:日本では日本語を使おう――言語防衛戦略その一
- 第8章:日本語本位の教育の確立――言語防衛戦略その二
- 第9章:日本語を国際語にする――言語防衛戦略その三
- 第10章:「日本語保護法」で日本語を護れ――言語防衛戦略その四
- 第11章:日本語をもっと宣伝せよ――言語防衛戦略その語
- 終章:「平成鎖国戦略」――日本の主体性を貫け!