ハイター

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ハイターは、花王株式会社(本社 東京都中央区)が製造販売する白物衣類専用の液体塩素系漂白剤の商品名である。

また、同社の販売している全ての衣類・台所用の漂白剤と塩素系のトイレ用洗浄剤・カビ取り剤のブランド名の総称としても用いられている。

製品名の由来

ドイツ語の、heiter(ハイター)からきている。意味は(晴れた、澄んだ)である。漂白して、真っ白に仕上がると、気分も晴れ晴れしくなると言う意味にも受け取れて、名称に用いられた。

製品の歴史

1962年8月に発売された花王ブリーチが、この製品の前身である。当時の主婦達にとって、白物衣類染み抜きや黄ばみ黒ずみの洗濯は容易ではなかった。

この手間を省き、かつ汚れ落ちの効果もある漂白仕上げ剤として開発・発売されたのが、この商品であった。当時は衣類用だけでなく台所用にも使われた、その後も改良が続けられ、1966年7月に現在の製品名であるハイターとなった。

この間同業他社のライオン(当時のライオン油脂)が、ライオンブリーチを発売開始、その他各社も漂白剤の発売を始める。この中にはツムラ(当時の津村順天堂・ただし粉末)のハイアライの赤箱や、資生堂のホワイトアップも加わっていた。

その後衣料用の漂白剤としては、ベビーハイターやハイターE(その後香りハイターとなる)が別商品として誕生するも、1991年9月塩素系漂白剤の商品数絞込みで、姿を消した。

1990年代に入り粉末から液体となった酸素系漂白剤の需要が伸び、塩素系漂白剤の需要が伸び悩みとなる。これによりライオンが衣類用の塩素系漂白剤・ブライトの製造を中止することになる。

しかし近年に起こったO157などの食中毒や衣類を衛生的に除菌したいなどの衛生面の関心が高まってきたことから、製品としては一定の需要を維持している。

なお製品の正式名については、1990年代までは、花王ハイターだった。

製品成分

塩素系の次亜塩素酸ナトリウムが主成分。ほかにアルカリ剤として水酸化ナトリウム。液性はアルカリ性。酸性の洗剤と混ぜると塩素ガスが猛烈に発生してくるので危険。決して一緒に使ってはいけない。そのため、ラベルには「混ぜるな危険」の表示がしてある。アルカリ剤は容器中で次亜塩素酸ナトリウムの分解を防ぐためにある。強アルカリ性なので、必ずゴム手袋をして使う必要がある。

なお、よく勘違いされるが、酸性の洗剤と酸素系漂白剤は別物である。酸素系漂白剤と混ぜた場合には酸素ガスが発生する。ハイターの有効成分の次亜塩素酸ナトリウムや、酸素系漂白剤の過酸化水素は分解されてしまうために漂白力は大きく低下する。

用途

衣類の黄ばみ・黒ずみの漂白・除菌・除臭。また飲食物や血液、汗によるシミの漂白。木綿ポリエステルアクリルに使用できる。

水洗いできる白物の繊維類、襟や袖口が樹脂加工されているワイシャツブラウスについては、方法を守ることで可能。

過去に発売されていた商品

過去に衣類用塩素系漂白剤として発売されてたハイターブランドの商品は以下の通り。

ベビーハイター 
1968年9月発売。赤ちゃんのオムツ肌着など、衣類の漂白・洗浄・除菌用。ボトルは桃色で、末期は赤ちゃんの写真をラベル前面に付けていた。キッチンハイターとともに、洗浄成分配合だった。
ベビー用品を扱う一般の量販店では、ベビー用品コーナーに置かれている事もあった。1991年塩素系漂白剤の商品数の絞込みで発売中止。
ハイターE    
1984年11月発売。塩素系漂白剤は、塩素臭独特のニオイにより、多くの主婦達から「使用したいけど匂いがいやだ」と敬遠される傾向にあった。
そういうヤングミセスやベテランの主婦層向けに開発された商品である。
キャッチフレーズは(ツンとした匂いがしない)で、主に販売層を塩素系漂白剤を敬遠する、ヤングミセスをターゲットにしていたようである。
ボトルの色は白で発売当時は縦長ボトルだったが、後にハイターと同型のボトルになる。
1989年に改良された香りハイターが発売されて発売は中止、現在は業務用のみになる。
香りハイター   
1988年5月に発売、ハイターEを改良した製品で、匂いがツンとしないだけでなく、衣類用の塩素系の漂白剤としては初の香りつきの製品だった、香りはフローラルの香り、ボトルの色は白で、ラベルは背面に緑商品名記載部分外の円はハイターEと同じだった。
しかし1991年塩素系漂白剤の商品数絞込みで、ベビーハイターとともに発売中止に。

製品の宣伝広告

基本的には、新聞や雑誌広告・テレビコマーシャルで行われていた。

新聞雑誌広告

基本的には製品の新発売時や製品需要の伸びる時期に広告を入れる、実際に前身の花王ブリーチやハイターに名称変更後の時期が、汗をかきやすく黄ばみや汗ジミで衣類が汚れる夏場である点も、宣伝効果があったのではと思われる、新聞は半面広告、また新発売時には経済面の商品紹介のとこで紹介される、また雑誌は主婦向けの雑誌の広告のページに掲載されるのが普通、この場合メーカーの広告だけに比較的2ページで扱われる、さらにお洗濯を扱う特集でも商品名が載ることもある。

なお雑誌広告は 過去に日本広告主協会(JAA)主催の(消費者のためになった 広告コンクール)で 3回入賞をしている。

1969年度 最優秀賞「漂白だけが私の仕事ではありません」
当時、ライバルのライオンブリーチに対抗したのか、台所衛生や、浴室トイレの掃除に使用できる事を強調した広告になっている。
1970年度 優秀賞「汚れブラックリスト
洗剤がてこずっているこの厄介者たち」のサブコピーと共に、衣類に付いた汚れを、犯罪者に見立てて載せてている。
掲載されている衣類は、ワイシャツの襟と袖口、子供の服のポケット、子供の靴下、赤ちゃんのよだれかけ、白のシューズだった。
また洗剤では落ちないのは「汚れの色素」が原因と、強調している。
1987年度 優秀賞「消したい色 残したい色」
この時はワイドハイターとの共同広告で受賞、広告にも「洗剤では落ちないシミ黄ばみ花王のハイターグループ」と書かれている。
サブコピーは「柄物はクッキリと、白い物はより白く 漂白剤、上手に使えば衣類はいつも新しい」だった。
内容は、モデルの女性が、其々の商品に合わせた衣装をまとい、衣類に応じた使用法を解説している。
ハイターのほうは、女性は上から下までとベルトも白で統一している。また出てくる衣類と使用法は、次の通り解説されている。
靴下の黒ずみ(揉み洗いと浸け置き漂白を勧めている)。
ワイシャツの襟や袖の汚れ(漂白して樹脂加工部分が黄変したら、ハイドロハイターをと広告している)。
女性用下着の黄ばみ(ランジュキャミソールが出ていて、黄ばみの原因を解説しながら、二回に一度に洗濯時に、ハイター漂白を勧めている)。
ショーツに付いた生理の血液(女性雑誌の広告なので、前記と共に書かれている、お湯を使用せず水でつまみ洗いして漂白するようにと書かれている、漂白だけでなく除菌も出来ることを強調している)。
なおワイドハイター関連は、略する。

テレビコマーシャル

広告が入る時期等は、新聞雑誌広告と同じだが、製品の特殊性から塩素系のハイターのテレビコマーシャルは1974年以降は8本のみである(ハイター・ハイターE・香りハイター含む計)。

また1990年以降は酸素系漂白剤に力を入れているため塩素系ハイターのCMはない。

前期の6本は黄ばみの漂白を主にして採り上げていて、後期の2本はシミの漂白を主にしていた。

またTVとVTRの特長を生かして、汚れている布地に希釈したハイター液しみこませたものをアップに映して衣類の漂白されていくところを倍速にして見せていた(現在のこのような場面は3Dなどのイメージ画像を使用する)、この映像の初期のものにはシミ・黄ばみ・黒ずみの3種類があった。

またCMに出てくる人物設定としては、母親と子供が多くこれは子供達の、パンツ(男児ブリーフ女児ショーツ)やシャツを、清潔に真っ白に仕上げたいと言う形で製作された。ほかに前出のハイターEは新婚夫婦と若い奥さんの設定で、ヤングミセスをターゲットにした形、また香りハイターは母と娘と言う珍しい設定である。

なお1970年代のCMソングの歌手には、当時のCMソング歌手として活躍した、松本美音(現・ミネハハ)が、担当していた。

ハイターそのもののコマーシャルは、1974年と1976年と1989年に製作されている。

1974年製作
登場するのは子供4人で、4、5才の男の子と女の子だった。
CMの流れは、ハイターのボトルが出てきた後、子供たちがCMソングにに合わせて、下着などを着用していく物だった。
歌の最初は「パンツが真っ白、パンツが真っ白、穿いたかな、ハイター」で、子供たちはパンツ(男児ブリーフ女児ショーツ)をはくが、一人だけお尻を丸出しにしたままの子も居た。
さらにシャツ・短パン・靴下とはいていく、歌の締めは「ハイターでほら真っ白けだねー」だった。
最後にシミ・黄ばみ・黒ずみの漂白イメージが出てきて、「ハイター~」のコーラスでCMは終わる。
なお漂白の対象は強調されていないが、下着が出てくることから、黄ばみを対象としていたと思われる。
1976年製作
登場するのは2人の子供で、5才前後男の子と女の子だった。
CMの流れは、出だしが女性コーラスで、明るく「ハイターで漂白しましょ」と言うコーラスの後、子供達二人が下着を着用している場面に。
ここで母親の独り言のようなセリフが入る、ただし画面にはその姿は無い、母親いのセリフは「襟や袖口脇の下、肌着はいつも真っ白にして」と言ったとこで、画面の子供達はシャツとパンツ(男児ブリーフ女児ショーツ)姿で、はしゃぎ始め、少し子供の声もかぶりながら最後に、柔らかい口調で「着せたいですね」と言う、ここで子供達の声も強調される。
そして漂白のイメージ画像が、シミ、黄ばみ、黒ずみの順で映されて、最後に同じ女性のコーラスで「ハイターで芯から真っ白」となり、CMは終わる。漂白のイメージ画像には、シミ、黄ばみ、黒ずみの文字のテロップも付いていた。
またイメージのうち、黄ばみの物は後のハイターEの最初のCMで、使用された。
また母親のセリフからして、黄ばみの漂白を強調している様にも見える。
1989年製作
設定は母親と男の子2人で、男の子2人は兄弟の設定で、兄が小学校低学年位と弟が幼稚園位。子供2人となると、13年前の物に似ているが、今度は母親も登場し、別内容である。
CMの流れは、まず白のシャツ短パン姿の兄弟が、胸のところを隠しながら映し出される、「頑固なシミには、ハイター」のコーラスをバックに、シャツを見せると、食べこぼしのシミだらけ、短パンもよシミが付いている、兄はそのままだが、弟は短パンを脱いで、パンツ(男児ブリーフ)を見せる。
ここで母親が洗濯機の近くに立っている場面に、カメラに向かい、「洗剤だけでは、どーしても取れない」と言ってシャツを持ち、画面に向けてシミの残っているシャツを広げて、「頑固なシミ」、そして「これはもう、ハイターしかありません」と言うと、ハイターの大ボトルが映し出される。
そして、浸け置き漂白と漂白イメージの場面、漂白イメージは、前年製作の香りハイター同様、シミの物だった。
そして、兄弟達が着替える場面になる、いきなり画面には、裸で後姿で、ひざの所までパンツ(男児ブリーフ)を穿いている、2人が映し出される、そしてパンツをお尻いっぱいにまで上げて穿き、さらに軽くお尻を叩くしぐさをする、そしてシャツを着て、短パンを穿く、ここではお互いがバランスを崩し、2人のお尻がぶつかる、最後に座りながら靴下履き、頭を後ろに下げ足を上に上げる、この場面は、兄弟2人が歌う歌にあわせて展開された、歌は「真っ白パンツに、真っ白Tシャツ、真っ白短パン、真っ白ソックス」だった。
最後に母親が、顔の横に大ボトルを持ってきて、「真っ白漂白なら」と言い、コーラスの「ハイター」で終わる。
最後の場面のテロップで、(真っ白漂白なら ハイター)の文字の色が、青から白に変わる演出がなされた、おたかも漂白されていくイメージを、だしていた。
このCMでは、シミの漂白が強調されていた。
また最後にハイターとともに、姉妹品の香りハイターも紹介された。

ボトル・ラベルの変化

1966年の発売以来ボトル・ラベルも時代ニーズに合わせて変化している。

初期から1974年頃まで
花王ブリーチを引き継いで発売されたが、ボトルの色が白から現在も使用されているスカイブルーに変わる、キャップは引き続き濃い青色に、またボトルには(KAO BLEACH ハイター)と文字が刻まれていた、商品名は(花王 ハイター)と書かれている、また強化漂白剤とも書かれていた、なお当初は花王ブリーチのロゴも表示されていた。
1975年頃から1980年代中ごろ
この頃からボトル・ラベルが、現在の形に近いものが使われ始める、商品名は引き続き(花王ハイター)と表記、前ラベルの背面のカラー配置が縦に(白・青線・イエローグリーン・青線・白)だったのが、白を基本に商品名表示のところにイエローグリーン円は青とピンクで、現在とは逆の配置だった、ラベルの上に(石鹸や洗剤では落ちないシミ・黄ばみが消えて)の文字が入り、さらに右上にボトルと同じギザギザ囲みの中に(真っ白に)の表示が登場した、また注意事項の前面表示もこのときから実施された。
1980年代後半から1990年代
まず前ラベルのカラー配置が逆転した、背面にイエローグリーン円はそのまま商品名表示部分は白になる、ラベル上の記載から石鹸の文字が消え(洗剤だけでは落ちないシミ・黄ばみが消えて)になる、(真っ白に)の表示の形が青とマリンブルーのラインで書かれてるの細長い六角形の中に、白の背景のギザギザに変化する、注意表記は部分変更のみあった、後に塩素系商品の事故を防ぐ点から、1990年4月に前面の注意事項に(まぜるな危険)の表記が登場する、またラベル上の表記が再度変わり(洗剤だけでは落ちないシミ・黄ばみがスッキリ)に、また1989年頃に商品表示の部分の円が、上がピンクに下は青に変わる、またこの頃液体酸素系漂白剤のとの勘違いを防ぐため(白物衣類専用)の表示も加わる。
現在        
まずボトルは、形の変化は無いものの、液漏れ防止の観点から、注ぎ口に栓が付いている、計量キャップも注ぎやすいように広がっている、ラベルは(花王ハイター)の花王の文字と、(真っ白に)と書かれた六角形のギザギザ形、(洗剤だけでは落ちないシミ・黄ばみがスッキリ)の表記が無くなる、代わりに(真っ白に)の表記代わりにラベルの左上にピンクの円の中に(除菌)の表記が、(・・・シミ・黄ばみがスッキリ)の文字が商品名表示の所に移動、元(花王)の表記の所に(シミ黄ばみも真っ白に)と表記される。

一口メモ

  • 花王ブリーチから花王ハイターへの名称変更は、類似品に対抗するための変更だったそうである。
  • 海外でも花王製漂白剤が、現地生産又は輸出品で出ている、たとえば香港では、(KAO Bleach)のブランド名として売られている、なお中国語表記では(花王漂白水)となる、またラベルは1980年代に日本で使用されたラベルと同じである。また台湾花王では(新奇漂白水)として、発売されている。さらにタイでは、日本と同じハイターのブランド名で販売されている、但し表記はタイ語で表記され、下に(HAITER Bleach)と記載されている。なおタイでは、CMも放映されている。
  • 現在発売されている製品の容量は、小600ml・大1500ml・特大2500mlの三種類である。
  • 上記のうち2500mlは、1982年6月登場の商品で、小まめに使用する、家庭や会社向けに出された商品である。
  • 2500mlの製品にはイラストで注意表記と使える物が絵書かれているが、基本の注意の絵表記のほか、窓を開けて換気をする絵と、目がチカチカする時は目を洗う絵、こんなものにお使いくださいと書かれている下に、(肌着・パンツ・ソックス・シーツ・フトンカバー・枕カバー・・・)と書かれ、シャツ・パンツ・短パン・ソックスのイラストが書かれいる。
  • ハイターの前身の(花王ブリーチ)は、業務用として現在も発売されている。
  • 裏ラベルのシミの用途の所は、かっては(コーヒー・紅茶・果汁・しょうゆ・インク・血液などのシミの漂白)と具体的に書かれていたが、現在は(食べ物・飲み物・血液・汗によるシミの漂白)と簡略に表記されている。
  • 業務用では医療機関向けに、(病院用ハイター)が発売されている、容量は小と大の二種類である。 
  • 最近までラベルのハイターの文字の上に、花王と記されていたのは、花王ブリーチ時代からの名残とともに、類似品に対抗するため、自社ブランドを明確にするしるしであったと思われる、しかし近年ハイター=花王製品と定着したことと、シンボルマークの横に花王の文字が記される様になり、表示が取れたと思われる。逆に類似品の多い、キッチンハイターに、花王の2文字が入った。

主なハイターシリーズ

  • ハイター
  • ワイドハイターシリーズ(花王サイト内ではハイターシリーズとは分けて紹介されている)
    • ワイドハイター(衣類用粉末酸素系)
    • 液体ワイドハイター(衣類用液体酸素系)
    • ワイドハイター濃縮ジェル(旧称:ワイドハイター1/2)
    • ワイドハイターシミすっきり泡スプレー
  • ハイドロハイター(衣類用還元系)
  • キッチンハイター(台所用液体塩素系・粉末酸素系)
  • キッチン泡ハイター(台所用塩素系<泡状>)
  • キッチンワイドハイター - 現在は業務用のみ(家庭用はキッチンハイター粉末酸素系)
  • トイレハイター(トイレ用洗浄剤)
  • 強力カビハイター(浴室用カビ取り溶剤)

現在家庭用塩素系漂白剤を発売している同業他社

外部リンク

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