教会の危機
教会の危機(きょうかいのきき、英語:Crisis of the Church)は、ベネディクト16世教皇によると、特にカトリック教会の第2バチカン公会議以後の危機的な現象を指す。
曰く「この二十年間(1965~85年)がカトリック教会にとって決定的に不利であった、ということには議論の余地がない。公会議に続く結果は、ヨハネ23世やパウロ6世を始めとするみんなの期待を無惨にも裏切ったかに見える。キリスト教徒は、再び、古代末期以来かつてない少数派になってしまった。・・・公会議の教皇たちや教父達は、カトリック的な新たな一致を期待していたのに、---パウロ6世の言葉を借りて言えば---自己批判から自己破壊になりかねない不一致に直面した。・・・躍進をこそ期待したのに、結果的には衰退を見せつけられ、それは公会議の真の精神の権威を失墜させる自称 "公会議精神" の掛け声のもとで蔓延していった。」[1]
教会の危機については、 パウロ6世、 ヨハネ・パウロ2世、 ベネディクト16世が既に言及している。教皇の発言については、以下の記事本文を参照されたい。また、教会の危機の状況が存在していることについては、世界各国の客観的な統計の数字がそれを証明している。
目次
概説
1960年代から、カトリック教会では数万の司祭が司祭職を捨て、多くの修道者や修道女たちが還俗した。ヨーロッパやアメリカの特にカトリックの優勢であった国々では召命が激減し神学校や修道院が続々と閉鎖された。多くの小教区では司祭が不在で、修道会は以前経営していた学校、病院、その他の施設を放棄している。
NCR(National Catholic Reporter)によると、カトリック教会は、教会史上最大の危機を迎えている。[2][3]
信仰生活の危機
信徒の信仰生活の危機
西洋でのカトリック教会の教勢は全く衰弱している。フランス、イタリア、さらにスペインやアイルランドでも、主日にミサに参加する信者は、少数派に転落した。
- フランスにおいて、1958年には、35パーセントのフランス人たちが主日ごとにミサに与っていたが、2004年にはわずか5パーセントに低下している。1950年、90パーセント以上のフランス人が子供に洗礼を授けていたが、2004年には60パーセント以下が子供に洗礼を授けるのみとなっている。2003年の統計によると、カトリック信者の4人に1人が「罪というのは意味をなさない」と答えている。
- 2007年の統計によればフランスでは人口の半数のみが自分をカトリック信徒であると考えている。1994年には80%以上がカトリックであると答えていた。
- 2007年、アイルランドでも教会に来る信徒の数が減少している。[4]
- スペインでは、2010年現在の統計によると、カトリック信徒の3分の2がカトリック教会の儀式にはほとんど与ったことがないと答えている。[7]
- ドイツでは、3組に1組が結婚の5ないし10年後に離婚をし、その後再婚しようとするカトリック信者が増加している。1984年の統計によると、カトリックの強いドイツのチロル地方では、84パーセントが避妊に関する教会の教えを拒否すると答えている[8]。18歳から30歳の回答によると、避妊に関する教会の教えに全く同意すると答えたのは、1.8パーセントしかない。
- 1970年から1993年の間に190万人のドイツ人がカトリック教会から公式に離れた。その理由は彼らにとってカトリック教会が意味をなさないから、重要ではないから、であった。
- 2008年の1年間に121,155名のカトリックが教会を離れたと発表した。2006年には84,389名、2007年には93,667名であった。カトリック教会に新しく入信した信徒の数は、2007年に4881名、2008年には4388名に過ぎなかった。2007年と2008年の1年間に、28万名のカトリック信徒が減少した。同じ1年間で、小教区教会の数は 12,265 から 12,080 に減少した。また同じ間に、カトリック教会で婚姻する数は 49,393 から 48,841 に減少した。[9]
- 2010年、ドイツにある24司教区の統計によると、18万人がカトリック教会を公式に離れた。(2009年では、約13万人であった。)カトリック教会を公式に離れるドイツのカトリック信徒数は、2009年と比較すると40%増加したことになる。2011年現在ドイツでは2500万のカトリック信徒が教会に在籍しているが、以前は毎年1万名の信徒が教会を離れていた。
- 2007年、オーストリアのカトリック教会では2006年と比較すると信徒数が18%減少した。オーストリアにおいて、2004年に45,000人の信徒が、2005年には44,609人、2006年は36,645人が、法的にカトリック教会から脱会した。ウィーン大司教区は信徒の「大脱出(mass exodus)」の兆候が見られると述べている。
- アメリカ合衆国では、2008年だけで40万人がカトリック教会を離れた。1995年から2008年までに、廃止された小教区は1000以上あり、司祭の数は49,000人から40,000人に減少した。社会学者デイヴィド・カーリンは「カトリシズムはアメリカの至る所で衰退している」という。[17][18]
ラテン・アメリカにおいても、毎年カトリック教会は60万の信徒たちを失っている[19]。ラテン・アメリカでは急速なプロテスタント化が見られる。
2004年10月21日、ディエゴ・セヴァジョス(メキシコ)のレポートによると、バチカンは「ラテン・アメリカは、 "希望の大陸" から "心配の大陸" に変わった」と言う。その理由は、ラテン・アメリカの大量の信徒らがカトリック教会を離れているからである。この報道によれば、このペースは15年以内にカトリック教会を崩壊に導くであろうと言われている。[20]
2004年現在、ラテン・アメリカは全世界にいる10億7千万人のカトリック信徒たちのほぼ半数を抱えている。しかし司教聖省で働いているシプリアノ・カルデロンは、信徒の喪失は「痛々しい現実」であるという。[21]
カトリック教会においてミサ聖祭が、プロテスタントの聖餐式のようになると、多くのカトリック信徒らがプロテスタントの教会に移るようになった。
- 1990年、ブラジルでは3パーセントがプロテスタントであったが、2004年には16パーセントになり、毎年加速している。ブラジルでは2005年、1億人のカトリック信徒がいるが、毎年50万人が教会を離れている。福音派のプロテスタント諸教派は、1991年には人口の9%であったが、2000年には15.1%になっている。他方で、同時にカトリック信徒は83.7%から 73.7%に減少している。[22]
- メキシコでは、第2バチカン公会議以前と比べると2004年現在、10%の信徒が教会を離れた。[23]
- コロンビアでは、第2バチカン公会議以前には人口のほぼ全てがカトリック信徒であったが、2004年現在では3人に2人がカトリックであるという。[24]
- グアテマラでは、人口の3分の1がカトリック教会を離れ、ほとんどが福音派のプロテスタントになった。[25]
- コスタ・リカでは、2003年の調査によると、人口の77%がカトリック信徒であったが、1年後の2004年には71.3%に減少した。別の統計によると、52%がカトリック教会を「信じない」とし、44%が「信じる」と答えた。コスタ・リカの司教総代理によると、2004年現在、カトリック教会は毎日687人の信徒を失っている。[26]
聖職者の危機
セペール枢機卿(Cardinal Seper)は「教会の危機は司教たちの危機である」と言っている。[27]
- フランスでは司教たちがカトリック信仰を失っていることを示す発言が続いている。
- 元パリ大司教リュスティジェ枢機卿(Cardinal Lustiger)は、ユダヤ教徒たちはキリスト教に改宗する必要はないと公に教えている。
- 2003年、リモージュ司教、デュフール司教(Mgr Dufour)は、ミサの説教で「私たちは創造主が存在するのかよくわからない、それを科学的確実性で知るのではなく、信仰において知るだけだ」と教えた。(これは第1バチカン公会議の宣言に反している)。
- フランスで1975年に堕胎の法律が成立したのは、フランスの司教たちが沈黙を守り反対の声を上げなかったためである[28]。
- ポワチエのルエ司教は、コンドームを賞賛して「唯一の病気を防ぐ手段」として必要であると主張している。(これはヨハネ・パウロ2世、ベネディクト16世など教皇たちの教えと反している)
- レ・ユニオンのオブリ司教は、キリスト教的祝日を廃止することを説教した。
- アメリカ合衆国については、オコーナー枢機卿が、多くのアメリカの司教たちが「教皇を憎んでいる」と言っている。ガニョン枢機卿は「ほとんどのアメリカの司教たちは宣言されていない離教状態にいる(Most American bishops are in material schism)[29]」と言う。
召命の危機
司祭
統計によると、1962年から1972年の10年の間に、21320名の司祭たちが司祭職を放棄した。 2007年現在の統計によると、バチカンに報告されているだけでも、およそ35年の間に約7万人のカトリック司祭が司祭を辞め、そのうち約57,000名の司祭達が結婚して司祭職を放棄したと言われている。[30]
修道者の召命
- ケベックでは、1961年から81年にかけて、脱退、死亡、入会志願者減少などで修道女の数は、46933人から26294人に減った。44パーセントの減りようで、とどまるところを知らぬありさまであった。同じ時期に、入会志願者の数は98.5パーセントも激減した。残りの1.5パーセントの大部分は若い女性ではなく、"熟年召命者" である。「今後短い期間に(すくなくとも人間的観点からはまったくありえない傾向の逆転でもないかぎり)私たちの知っている女子修道生活は、カナダではただ記憶としてしか残らないだろう。」[31]
- ベネディクト16世は2006年11月5日、カナダ・ケベックの司教たちに次のように語っている。「司祭の数は、一部の地域で主日のミサを挙げられないこともある位減少している。このことは、教会生活における秘蹟の位置づけを、憂慮されるほど危うくしている[32]。」
- 2008年には会員数4800人以上の男子修道会が11あったが、そのうち8修道会での1961年と2007年との会員数は次の通りである[33]。
修道会名 | 1961年 | 2007年 | 増減 |
---|---|---|---|
イエズス会 | 34,687 | 19,216 | -45% ↓ |
フランシスコ会 | 26,151 | 15,256 | -42% ↓ |
サレジオ会 | 20,545 | 16,389 | -20% ↓ |
カプチン会 | 15,624 | 11,166 | -28% ↓ |
ベネディクト会 | 11,500 | 7,640 | -33% ↓ |
ドミニコ会 | 9,737 | 6,044 | -38% ↓ |
神言会 | 5,345 | 6,087 | +14% ↑ |
レデンプトール会 | 8,956 | 5,601 | -37% ↓ |
- 1970年から2007年までの全世界における司祭総数、修道者、修道女の総数の移行は次の通りである[34]。
World Data | 1970 | 1975 | 1985 | 1995 | 2000 | 2005 | 2007 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
司祭総数 | 419,728 | 404,783 | 403,480 | 404,750 | 405,178 | 406,411 | 408,024 |
修道士数 | 79,408 | 70,388 | 65,208 | 59,515 | 55,057 | 54,708 | 54,956 |
修道女数 | 1,004,304 | 968,526 | 917,432 | 837,961 | 801,185 | 760,529 | 746,814 |
世界におけるカトリック人口 | 6.536億 | 7.096億 | 8.520億 | 9.894億 | 10.45億 | 11.15億 | 11.47億 |
世界人口に対する比率 | 18% | 17% | 18% | 17% | 17% | 17% | 17% |
神学生
- フランスでは1950年代には毎年約1000名ほどの司祭が叙階されていたが、しかし1990年代では毎年100名程度しかない。
2009年現在、フランスの司教区所属の司牧中の司祭数は、9000名以下である。多くのフランス司教区では10年後には司牧可能の司祭の数は最大10名となる。神学生の数は2007年から750名以下となっている。2009年以後、司祭叙階の数は100名以下となるだろう。2025年には、フランスの司教区の三分の一は統廃合されているだろう[35]。
- ドイツでは1986年には、神学生と修道志願者の総計が727名あった。しかし、1996年には232名にとどまっている。
- アメリカ合衆国では、カトリック神学生の数は、1970年の28,819名に対し、2002年には4,719名に減少している[36]。
そこでアメリカのカトリック教会における司祭の叙階数は次のように減少を示している[37]。
区分 | 1965 | 2005 | 2006 |
---|---|---|---|
教区司祭 | 35,925 | 28,702 | 28,299 |
修道会司祭 | 22,707 | 14,137 | 13,495 |
合計 | 58,632 | 42,839 | 41,794 |
司祭叙階 | 994 | 454 | 431 |
- アイルランドのダブリン大司教区では、2009年以降、199の小教区教会で働く司祭の数がようやく足りるに過ぎなくなるだろう。2009年現在、ダブリン大司教区では、80歳以上の司祭が46名、35歳以下の司祭は2名しかいない。40歳以上の司祭の数は、40歳以下の司祭の数の10倍である。アイルランドでは二、三十年の間に司祭が無くなっているだろうと言われている[38]。
教皇たちの証言
- パウロ6世はすでに、1969年に教会が「自己破壊」をしていると言っていた[39]
- ヨハネ・パウロ2世は、ヨーロッパのカトリック教会の状況を「沈黙の背教 silent apostasy」と表現した。[40]
- ベネディクト16世は、信仰教義聖省長官であったとき、2005年聖金曜日の十字架の道行きで、カトリック教会を「沈みつつある船」に喩えた。[41] 更にまた、2009年3月に全世界の司教たちへの手紙の中で「地上の広大な地域で、信仰がもはや燃え尽きてしまう炎のように消え去ってしまう虞がある現代[42]」と表現している。
教皇の指摘する危機の原因
教皇ベネディクト16世は次のように分析している。
- 「私たちが今日経験している教会の危機は、「あたかも神が存在していないかのような」(etsi Deus non daretur)の原則に従って行われた改革の結果である典礼の崩壊が原因であると、私は確信しております[43]。」
- 「第二バチカン公会議後に起こったことは、全く違うことだった。発展の実りとしての典礼の場所に、捏造された典礼が来た。私たちは、数世紀にわたる成長と発展のオーガニックな生きている過程を捨てさり、その代わりに、丁度制作過程で起こるかのように、作り上げられたものを、平凡でその場しのぎの産物を置いた。ガンバーは、真の預言者の警戒と真の証人の勇気とを持って、この捏造(falsification)に反対した。そして、彼の信じられないほど豊かな知識をもって、疲れを知らずに私たちに真の典礼の生きる充満性について教えてくれた[44]。」
- 「古代教会の聖体秘跡書以来、何世紀も綿々とつづいてきたミサ典書の使用禁止は、典礼の歴史における断絶を意味するものであり、その影響は計り知れないもの」[45]
- 「実際に、新しいミサ典礼書が「典礼を創造的に行うこと」を正当化し、さらには要求しているとまで考えられたからです。この「典礼を創造的に行うこと」は、しばしば耐えがたいしかたで典礼をゆがめました。わたしは経験から述べています。わたしもあの希望と混乱に満ちた時期を体験したからです。そしてわたしは、典礼を勝手にゆがめることが、教会の信仰に完全なしかたで根ざした人々をどれほど深く傷つけたかを目にしてきました[46]。」
その他の証言
ラルフ・マッキナリは「第2バチカン公会議の何がうまく行かなかったか」で、カトリック教会が益々世俗化する現代社会の影響を受け、また批判勢力に曝された結果として、危機的状況にあることを次のような具体例を上げている。[47]
「聖職者のあるべき姿が曖昧となった結果、多くの聖職者が還俗し、信仰を棄てている。」
「司教区内で教皇との結びつきで最高位にある司教が聖職者の集まりでは他の聖職者と同等に扱われるようになった。聖書研究が教皇庁との縁を切った。」
「カトリック教徒が原罪意識を失い、結婚に関する道徳面の放縦と混乱がもたらされた。」
「典礼の改革は途方も無く受け入れ難い方向に進み、現代のカトリック教徒は地獄や悪魔を軽んじるまでになっている。」
オプス・デイのジョン・マックロスキー神父によると、カトリック教会は、聖伝へ戻ることによって数は少ないがもっと熱心で、福音宣教を促進する教会に変わるだろうと答えている。同神父によると、リベラルがカトリック教会を離れるので、教会の指導に従い、教会の禁止している避妊をせず大家族を作る聖伝に従うカトリック信徒たちが中核に残り教会を強めるだろう。その様な家庭の息子たちが将来司祭になっていくだろう。[48][49]
カトリック教会の性的虐待事件 も参照
日本における教会の危機
日本における現代の教会の問題点
2009年6月に開催された定例司教総会において、第1回『福音宣教推進全国会議』開催20周年に際して、この20年間の日本におけるカトリック教会の変化と現状の問題について岡田武夫東京大司教は次のようにまとめている[50]。
- 司祭、信徒、修道者の高齢化
- カトリック事業体の継続・運営の不安定化、困難化
- 16カトリック司教区の維持の困難さ
上智大学教授の光延一郎神父は2009年に次のようにコメントしている。「カトリック中央協議会が発表している教会現勢の統計資料(2007年度)によれば、この十年間、日本のカトリック教会に籍を登録している信者の教勢は、あらゆる項目において現状維持とも言いがたい「漸減」を示しています。(略)受洗者は年間七千人ほど。これも減り気味で、亡くなる方や行方不明を合わせると、どうしても総数は微減ということになります。(略)日本のカトリック教会は、少子化高齢化社会とともに、このまま再び「潜伏キリシタン」の時代に入るのでしょうか?」[51]
日本における召命の危機
1976年には日本に 1,966人いたカトリック司祭は、30年後の2006年には 1,523人になり減少の一方をたどっている。2007年には1,489人[52]、2008年には1,493人[53]、2009年には1,481人[54]となっている。
ペトロ岡田武夫 東京大司教は、2009年6月14日に「麹町教会堅信式説教」として、「実は今年も去年も教区の神学校に入った東京教区の神学生はいないのです。ということは3年連続、新入生がいないということになりそうです。司祭になる人が出てこないということは、大変重大な問題であります。」と述べている。 [55]
さらにまた麹町教会教会報2009年11月号は召命の危機の嘆きを響かせている。「現代、教会では司祭職を求めている人が少ないと言われています。人によっては召し出しが少なくなっているからと言い、別の人は、召し出しは今までのようにあってもそれに応える人が少ないのだとも言います。」[56] 「司祭と修道者の召し出しが少ないと、私たちはずっと嘆き続けています。何とか解決策を探そうとしているのですが、これといった方法も見い出せないまま行き詰りの状況に陥っています。」[57] 「近年、日本において召命は極端に減少しています。イエズス会も東京教区も、来年度新入生はゼロです。」[58]
司祭、修道者の高齢化の危機
東京教区の高齢司祭小委員会の1996年の発表[59]によれば、日本で働く司祭(1866人 そのうち日本籍司祭 996人 外国籍司祭 870人)の平均年齢は58.87才であった。
6年後の2003年6月1日現在、カトリック司教協議会秘書室広報の発表によると、日本における全司祭1732人(そのうち91人が海外で宣教または勉学中)の平均年齢は60歳、全修道士238人の平均年齢は61歳であり、司祭のうち60歳以上の司祭数は998人で全体の約57.6%であった。[60]
日本における成人洗礼の減少
2002年の成人洗礼の数は3889人であった。1992年をピークに減少傾向にあったが、2002年には56年ぶりに4000人を割った。[61] その後、2007年には3,658人[62]、2008年には3,472人[63]となってますます減少している。2009年には3,594人[64]であった。
出典
- ↑ ラッツィンガー枢機卿『信仰について』pp 40-41
- ↑ Catholics in crisis
- ↑ It’s “the largest institutional crisis in centuries, possibly in church history.”
- ↑ Church exodus levelling off in Austria, Ireland
- ↑ Dublin archbishop says Catholics not passing on faith to young people "We have to completely, radically change the way we pass on the faith," Archbishop Diarmuid Martin told Catholic News Service May 16. "Our parishes are not places where evangelization and catechesis are taking place." 18 percent of Catholics regularly attend Sunday Mass.
- ↑ Catholics in crisis
- ↑ Catholics in crisis
- ↑ Herderkorrespondesz, Marz 1984
- ↑ Katholische Kirche beklagt weiteren Mitgliederschwund
- ↑ German Catholic Church finds faithful leaving
- ↑ Austrian Churchgoers Quit in Record Numbers
- ↑ Departures from German Catholic Church soared in 2010
- ↑ More German Catholics quit Church over sex abuse CHURCH IN CRISIS
- ↑ BERLIN — Paedophile priest scandals in Germany contributed to a 40-percent rise in the number of Catholics leaving the Church last year, a report said Thursday, five months before a visit by the pope.
- ↑ Church exodus levelling off in Austria, Ireland
- ↑ A “Year of Departure”: German-speaking theologians call for reform By coincidence, today is not only a “Day of Departure” in Egypt. It is also the day on which 143 theologians from Austria, German, and Switzerland have signed a statement calling for a “Year of Departure” – for structural reforms in the Catholic Church in the wake of the sex abuse scandals. Thereupon followed a year that plunged the Catholic Church in Germany into an unequaled crisis. The deep crisis of our Church demands that we address even those problems which, at first glance, do not have anything directly to do with the abuse scandal and its decades-long cover-up.
- ↑ Catholics in crisis
- ↑ “Catholicism is in decline across America,” says sociologist David Carlin.
- ↑ 「対話のための教皇庁委員会議長」のフランク・ロデ神父の1993年の報告
- ↑ Catholic Church Losing Followers in Droves by Diego Cevallos
- ↑ The loss of Catholic faithful "is a painful reality that calls out dramatically to us as pastors of Latin American churches," said Cipriano Calderón, a member of the Vatican Congregation for Bishops and former president of the Pontifical Commission for Latin America.
- ↑ Catholic Church Losing Followers in Droves by Diego Cevallos
- ↑ Catholic Church Losing Followers in Droves by Diego Cevallos
- ↑ Catholic Church Losing Followers in Droves by Diego Cevallos
- ↑ Catholic Church Losing Followers in Droves by Diego Cevallos
- ↑ Catholic Church Losing Followers in Droves by Diego Cevallos
- ↑ in Georg May, Gefahren, die der Kirche drohen, St Andrae-Woerden, Mediatrix, 1990, p.27
- ↑ 2006年出版「フランス司教黒書」(Le livre noir des eveques de France, par Remi Fontaine)による
- ↑ http://maher-defender.org/Final/e9.htm
- ↑ PRETI CHE «ABBANDONANO», PRETI CHE «RITORNANO» - GianPaolo Salvini S.I.
En 40 ans, près de 70.000 prêtres ont quitté l’Eglisele père Gianpaolo Salvini s.j., signale : « Il n’existe pas de statistique fiable qui permette de connaître le nombre actuel de prêtres qui, ayant abandonné le ministère, se sont mariés ». Il livre cependant les chiffres officiels du Saint-Siège. En 40 ans, 69.063 prêtres ont quitté le ministère. - ↑ ラッツィンガー枢機卿 『信仰について』pp132-133
- ↑ DDRESS OF HIS HOLINESS BENEDICT XVI TO THE CANADIAN BISHOPS FROM THE ECCLESIASTICAL CIRCUMSCRIPTION OF QUEBEC ON THEIR «AD LIMINA» VISIT, Clementine Hall, Thursday, 11 May 2006日本語訳(山内智恵子訳)
- ↑ 「司祭年」を迎えて思うこと 青山玄(『ヴァチカンの道』第21巻第2号11ページ)
- ↑ Catholic Church Statistics
- ↑ ÉVÊQUES DE FRANCE : LEURS DIOCÈSES SE MEURENT MAIS LE "RÉSERVOIR" TRADITIONALISTE N'EXISTE PAS及びThe 'Traditional Reservoir' and the French bishops
- ↑ Springtime Decay by David L. Sonnier
Year Seminarians 1970 28,819 1975 17,802 1980 13,226 1985 11,028 1990 6,233 1995 5,083 2002 4,719 Index of Leading Catholic Indicators: The Church since Vatican II bt Kenneth C. Jones ISBN-13: 978-0972868808
- ↑ 信じられない減少する教会
- ↑ One priest per Dublin parish shortly, archbishop warns
- ↑ 同1969年に発行された『歴史に輝く教会』(南山大学)の「公会議後の諸問題」(pp.535-579)という題の論考は、教会における危機、エキュメニズムの危機、司祭職の危機、権威の危機、信仰の危機について語っている。
- ↑ (ヨハネ・パウロ2世の使徒勧告ECCLESIA IN EUROPA 9)
- ↑ 「主よ、あなたの教会は、しばしば、今にも沈みそうな船、あちこちからあいた穴から浸水してくる船のようです。あなたの麦畑もまた、よい麦よりも毒麦のほうが多いように見えます。あなたの教会の、汚れた衣や顔に驚かされます。しかし、それは私たち自身の汚れです。私たち自身、大きなことを言うたびに、大げさに振る舞うたびに、あなたを裏切っているのです。」「教皇ベネディクト16世 黙想と祈りによる十字架の道行き」(女子パウロ会)
- ↑ LETTER OF HIS HOLINESS POPE BENEDICT XVI TO THE BISHOPS OF THE CATHOLIC CHURCH
- ↑ ベネディクト16世 ヨゼフ・ラツィンガー著 里野泰昭訳『新ローマ教皇 わが信仰の歩み』春秋社 164ページ)
- ↑ ラッツィンガー枢機卿 ガンバー師の「ローマ典礼の改革」のフランス語版への「序言」
- ↑ ベネディクト16世 ヨゼフ・ラツィンガー著 里野泰昭訳『新ローマ教皇 わが信仰の歩み』春秋社 162~163ページ
- ↑ ベネディクト十六世(教皇ベネディクト十六世の全世界の司教への手紙1970年の改革以前のローマ典礼の使用に関する「自発教令」の発表にあたって
- ↑ 「第二ヴァチカン公会議の何がうまく行かなかったか」Dr. Ralph M. McInerny著(要旨)より引用
- ↑ Catholics in crisis
- ↑ The conservatives want a return to the Latin Mass and an end to challenges to the Vatican’s authority. A return to tradition would likely result in “a smaller but much more fervent and evangelizing church,” says the Rev. John McCloskey. The shrinkage would be only temporary, he says, since as liberals left the church, it would be strengthened by the core of tradition-minded Catholics who obey the church’s ban on contraceptives and rear large families. Such families would inevitably produce more sons, some of whom would enter the priesthood. Thanks to a conservative renaissance, says McCloskey, “the church in America may well be on the cusp of a more vibrant era.”ジョン・マックロスキー神父はアメリカ人のオプス・デイの司祭で、コロンビア大学(経済学)を卒業し、ウォール・ストリートで(シティバンクとメリル・リンチ)働いていた。1981年に司祭叙階。現在、ワシントンDCの信仰と理性研究所の研究所員(リサーチ・フェロウ)である。アメリカのエリートのサークルをターゲットに宣教活動をしている。
- ↑ カトリック山手教会月報2009年7月号(477号)(『ヴァチカンの道』第21巻第2号46ページ 野村勝美「思考の断片(30)より)
- ↑ 『今、日本でカトリックであることとは? 2007年上智大学神学部夏期神学講習会講演集』p 3 の「はしがき」より
- ↑ http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/data/st07/statistics2007.pdf
- ↑ http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/data/st08/statistics2008.pdf
- ↑ カトリック教会現勢17ページ
- ↑ 麹町教会堅信式説教 2009年6月14日
- ↑ カトリック麹町教会教会報 2009年11月号 サトゥルニーノ・オチョア S.J. 「司祭であるということ」
- ↑ カトリック麹町教会教会報 2009年11月号 ドメニコ・ヴィタリ S.J. 「刈り入れの主に祈り求めなさい」
- ↑ カトリック麹町教会教会報 2009年11月号 一粒会運営委員 松室康彦 「司祭召命活性化に向けて」
- ↑ 東京教区ニュースNo.138 1996/12 司祭評議会に発足した 高齢司祭小委員会について -その2-
- ↑ 日本:司祭の平均年齢60歳 止まらぬ高齢化「今後15年のうちに司祭数は半分から3分の1になると予測される」
- ↑ 2002年度「教会現勢」、成人洗礼は56年ぶりに4000人台割る
- ↑ http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/data/st07/statistics2007.pdf
- ↑ http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/data/st08/statistics2008.pdf
- ↑ カトリック教会現勢