浅川嗣彦
浅川 嗣彦(あさかわ つぐひこ、1971年10月25日~)とは、東北大学理学部物理学科の助教授である。
「科学哲学第二」のレポートを期限までに提出しない学生との攻防が話題となった。
人物
- 生年月日:1971年10月25日
- 所属:東北大学
- 部署:大学院理学研究科 物理学専攻 量子基礎物理学講座 素粒子・宇宙理論分野
- 職名:助教
- 学位:理学(物理学・宇宙物理学)(京都大学)
- 最終学歴:京都大学大学院理学研究科後期博士課程、理学博士
- 主な職歴:京都大学基礎物理学研究所、理化学研究所、Niels Bohr研究所(研究員)、東北大学大学院理学研究科(助教)
- 研究テーマ:超弦理論の数理物理学的側面を非可換幾何学などを用いて研究
- 研究分野:物理学 / 素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理 /
- 趣味:スキー、バスケットボール
- URL:http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/bfd0ea2358aa9cad1ab3d7e5523379df.html
経歴
- 1996年 - 京都大学理学部
- 2001年 - 京都大学理学研究科 物理学・宇宙物理学
- 2001年 - 2004年 京都大学基礎物理学研究所 日本学術振興会特別研究員(PD)
- 2004年 - 2007年 独立行政法人理化学研究所 基礎科学特別研究員
- 2007年 - 2008年 ニールスボーア研究所 仁科記念財団海外派遣研究員
- 2008年 - 2009年 北海道大学大学院理学研究院 北海道大学大学院理学研究院研究員
所属学協会
科学哲学第二のレポート期限について
告 5/15 理学部物理学教室 浅川
「科学哲学第二」のレポートは、5/31 までに1号館1階の浅川のレターボックスに提出すること。 このレポートを提出しない学生には、単位は出ません。
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告 6/3 理学部物理学教室 浅川
期限を過ぎて提出されたレポートは、いかなる理由があろうとも 受けつけません。 締切を過ぎてもまだ私のレターボックスに「科学哲学第二」のレポートを入れる者が居ますが、 5/31 の午後 5:00 以降に投函されたレポートは全て破棄しました。
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告 6/4 理学部物理学教室 浅川
「5/31 まで」と書いたら「5/31 の午後 5:00 まで」の意味です。 こんなことは社会常識です。
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告 6/5 理学部物理学教室 浅川
他の教官が午後 12:00 まで受けつけていても、関係ありません。 反例を幾つ挙げようと、定量的に述べなければ意味がありません。
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告 6/8 理学部物理学教室 浅川
なぜその熱意を使い、もっと早くにレポートを作成しないのか理解に苦しみますが、 とりあえず午後 12:00 まで受けつける教官が 過半数であることは理解しました。 よって、6/15 の午後 12:00 まで「科学哲学第二」のレポート提出期限を延長します。
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告 6/10 理学部物理学教室 浅川
「6/15 午後 12:00 まで」ではなく「6/16 に浅川がレターボックスを開けるまで」ではないか、との意見がありましたが、 これらは全く違います。必ず 6/15 中に提出するように。
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告 6/12 理学部物理学教室 浅川
私のレターボックスに猫の死骸を入れたのは誰ですか。
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告 6/13 理学部物理学教室 浅川
「私がレターボックスを開けた瞬間に波動関数が収束し、内部状態が定まるので、レターボックスを開けるまではレポートが提出されたかどうか分からない」
と主張したいことは分かりました。
今回は、提出場所を1号館302の浅川研究室前のレポート提出用ボックスにします。 この箱は、6/15 午後12:00 にシュレッダー へと自動的に切り換わるので、シュレーディンガーの猫の問題は発生しません。
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告 6/16 理学部物理学教室 浅川
いいかげんにしなさい。午後12:00 は「グリニッジ標準時」ではなく「日本標準時」です。 これは常識以前の問題です。
普段は日本時間で生活しているくせに、レポート提出時だけグリニッジ時間を求めるなど言語道断です。
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告 6/18 理学部物理学教室 浅川
信じ難いことですが、「科学哲学第二」を受講する学生の過半数がグリニッジ標準時で生活していることが分かりました。
夜型にも程があるとは思いますが、とりあえずレポートの提出は6/30 の午後12:00 GMT まで待ちます。
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告 6/22 理学部物理学教室 浅川
時間の連続性についての疑義は受けつけません。どうやらベルグソンの時間論を曲解している者がいるようですが、 主観的時間がどうあれ、 7/1 の後に 6/30 が来ることはありません。
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「それで、確かに君は 6/30 中にレポートを提出したというんだね?」
浅川助教授は皮肉っぽい口調で生徒に尋ねた。
「ええ、ギリギリでした」
まだ若い学生が無邪気に答える。
「だが、君のレポートは私の手元には無い。君は時間を間違えたのではないかな?」
「いいえ、日に 0.1 秒も狂わない、正確な電波時計を使っていますから。
先生のレポートボックスこそ、時刻を間違えたんじゃないですか?」
「冗談だろう。GPS補正で ±5 ミリ秒の精度で合わせてある」
「それで、24:00 GMT ちょうどにシュレッダーに切り換わるわけですね?」
「そうだ」
「うーーん。あ、そうだ。多分うるう秒の差ですね」
「うるう秒?」
「ええ。グリニッジ標準時、正確には協定世界時と言いますが、これは太陽の公転周期から計算する平均太陽時と違い、 原子時計によって計られることになっています。 この協定世界時と実際の天文時刻との差を縮めるため、12/31 や 6/30 などの午後 24:00:00 に、閏年の2月29日と同様の1 秒を挿入することがあるんです。 いやあ、このうるう秒の間に僕はレポートを提出して、先生のシュレッダーが動作したんですね。 困っちゃうなあ。学生のレポートはもっと大切に扱ってくださいよ」
学生は目をキラキラさせながら答える。
科学哲学第二のレポートは、まだ集まりそうにない。