mixi
mixi(ミクシィ)は、株式会社ミクシィが運営する、国内最大級のシェアを持つソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS)である。
目次
歴史
2004年2月にサービス開始。Gocoo(2003年12月開始、2005年6月終了)、GREE(2004年2月開始)と並び、日本では最も早い時期からサービスを展開していたSNSのひとつである。
サービス名の「mixi」は、公式サイトの説明によると、「mix(交流する)」と「i(人)」を組み合わせた造語で、利用者同士の交流が深まることを願って名づけられたもの。
参加方法
mixiは、既に入会している登録ユーザーから招待を受けないと利用登録ができない、完全招待制を採用している。招待制をとることで、ユーザーそれぞれの素性が明らかになり、健全で安心感のある居心地の良いコミュニティを維持するという目的で採用されている。
18才未満の者の参加については、利用規約で禁止されている。mixiは年齢制限が無ければ、「出会い系サイト規制法」に抵触する可能性があるためである。しかし、現在でもそのような利用者は後を絶たないのが現状である。以前はPCアドレスを持っていないと登録できなかったが、2006年12月4日より、携帯電話でも登録可能となった。ただし、従来どおり既に登録している人からの招待状が必要である。また、2007年3月27日よりPCのフリーメールアドレスでの登録には、携帯電話のメールアドレスが必要になった。2007年4月4日からは、ウィルコムの公式コンテンツとして登録されている。
利用者数
利用者数(アクティブユーザー数)は、2006年10月現在では520万人。月間PVは27億6631万。平均利用時間は3時間29分で日本ドメインでは2位となっている。また、ミクシィの調査によると、男女比率は男性が52.2%、女性が47.8%。年齢層で最も多いのは20~24歳の33.8%、次いで25~29歳が28.4%、30~34歳が17.6%。最終ログインが3日以内のユーザーの割合が70%をかつては占めていたが、アクティブユーザー率は少しずつ下がり、2007年5月現在は64%である。
機能
マイミクシィ
ユーザーごとにあるリストの名前。また、そのリストに登録された他のユーザー。略して「マイミク」とも呼ぶ。
事務局が想定しているのは、すでに友人や知人の関係にあるユーザー同士をリンクする使用法である。そのため、mixi内の表示で、マイミクシィを「友人」と言いかえている部分もある。実際には、mixi内で出会ったユーザー同士が、まずマイミクシィに登録するところから親交を深めていくという場合も多い。
マイミクシィに登録するには、まず、一方のユーザーが「マイミクシィに追加」のボタンから登録依頼をする。登録依頼を受け取ったユーザーが登録を承認すると、互いのマイミクシィに追加される。マイミクシィのリストからはずすには、どちらかが「マイミクシィの管理」ページから操作すれば可能。招待したユーザー同士は、ユーザー登録した時点でマイミクシィに登録されていて、3ヶ月間はマイミクシィをはずすことができない。
マイミクシィになると、閲覧制限された日記やアルバムの内容、プロフィールのうち誕生日や職業など一部の項目などを読むことができる特権が与えられる。マイミクシィの新規に執筆した日記のタイトルをリスト表示する機能、コミュニティの存在をマイミクシィに知らせる、同報メッセージの機能などもある。マイミクシィについて紹介文を登録する機能は、マイミクシィになったユーザーのキャラクターを他のユーザーに知らせ、信頼と親近感を与えて新しい関係を築くのに役立つ。
なお、マイミクシィ0人の状態になると、3日以内にマイミクを最低1人は作らなければ、強制退会となる。
足あと
ユーザーのページを他のユーザーが閲覧すると、「足あと」リストに閲覧したユーザーのニックネームが日付と時刻とともに追加される。一般には「アクセスログ」などと呼ばれる機能である。このリストの名称から、他のユーザーのページを閲覧することを、ユーザーのあいだで「足あとを付ける」と呼ぶこともある。同一のユーザーが頻繁に閲覧を繰り返した場合、1日のうちで1回のみ、直近の閲覧時刻がリストに残る。後述する「アクセスブロック」機能にIDを登録したユーザーは、それ以後、足あとリストに名前が残らなくなる。
mixi開設当初は閲覧のたびにリストに追加されていた。初期ユーザーのあいだで訪問を多数繰り返す「足あとつけ競争」が流行して、足あとのリストが特定のユーザーばかりになったり、サーバーが動作不良を起こすほど負荷がかかったりしたために、現在のような仕様に変わった。
ユーザー登録以降の通算の閲覧数がカウントされている。加えて、閲覧数が設定値に達した時点でmixiからメールが届く機能「足あとお知らせメール」がある。ネットには、mixiの開設以前から、たとえば500や2,000、10,000といった「キリ番(きりのいい番号)」にアクセスカウンターが達したときに「踏んだ(訪問した)」閲覧者に、ウェブマスターが特別の感謝をする習慣がある。この習慣を継承した機能が、足あとお知らせメールである。メールの届く閲覧数は、「設定変更」画面にて自由に設定することができる。
足あとは、自身の注目度や人気度を端的に表す指標であり、また、mixi内での人間関係を明示するものでもある。足あとリストからユーザーのページをたどることを、「足あとを踏み返す」と呼ぶユーザーが多い。足あとのリストから自分に興味のあるユーザーを発見することで、新たな関係が生まれることもある。
営業目的のユーザーが無差別多数の訪問を繰り返す、足あとリストへのスパム行為もある。営業目的の記載があるスパマーのユーザーページを閲覧させるために、足あとを踏み返す風習を悪用したものである。
日記
基本的な使い方は、いわゆる「ブログ」と同じである。日記の本文には、画像を埋め込むこともできる。コメントをつける機能もある。日記はいつでも修正でき、削除することもできる。コメントは、日記の主が削除できるほか、コメントをつけたユーザーが自分のコメントを削除することもできる。日記の公開範囲を、全ユーザー、友人の友人、友人のみの3段階から選択できる。楽天広場、はてなダイアリー、ドリコムブログなど、主なブログサービスを日記として使うこともできる。
mixiの参加者数は数百万に上り、また原則的に参加者による招待のみを認証要件として参加できるシステムであるため、日記の公開範囲を全ユーザーとした場合において、ブログの炎上と同様の現象が起こった例がある。このようなケースでは日記の記述内容等が外部に無断転載される事がある。日記の炎上を発端に、後述のコミュニティ乗っ取りがなされた例もある。
コミュニティ
2004年4月1日から提供開始の機能。掲げられたテーマに同調する者が集まり、掲示板などを利用する仕組み。コミュニティは、mixiのユーザーが誰でも自由に作ることができる。ただし、既存のコミュニティと類似するテーマでコミュニティを新設することは好まれない風潮がある。コミュニティを開設すると管理人になるが、コミュニティの他のメンバーに管理権を渡すことも可能。コミュニティ開設時に選択するカテゴリには、音楽や映画、アダルトなど約30ほどの種類がある。なおカテゴリをアダルトにした場合、コミュニティを閲覧しようとすると「このページから先はアダルト(成人向け)コンテンツが含まれています。」というメッセージが表示され、同意しない限りそのページにアクセスできないようになっている。
コミュニティでは、掲示板機能をトピックと呼ぶ。新しいトピックは、誰でも作成可能、もしくはコミュニティの管理人のみ作成可能のどちらかに設定できる(2006年9月18日より。それ以前は誰でも作成できた)。mixi全ユーザーが誰でも自由に参加できるようにすることも、コミュニティの管理人の承認制にも設定できる。承認制にすると、トピックをメンバー以外に非公開にすることもできる。
トピックのほかに、イベントとアンケートの機能がある。どちらも基本は掲示板。特定の期日を指定して、メンバーの中から参加者を募る機能があるのがイベント。択一式の回答をメンバーに求める機能があるのがアンケート。アンケートはプレミアム会員のみ作成することができる。
コミュニティは基本的に掲示板の集合体であるため、ネットの掲示板ではありがちのいざこざが起こることもある。紛争を回避するため、ユーザーをコミュニティから退会させたり、特定のユーザーを参加させない参加ブロック機能も備わっている。ブロックされたユーザーがコミュニティに参加しようとすると「(コミュニティ名)には参加できません」と表示される。なおこの機能は、一つのコミュニティにつき12ユーザー(mixiモバイル利用時は6ユーザー)であるほか、非公開でない限りトピックの閲覧も可能である。トピックやアンケートなどの作成を、コミュニティの管理人のみに限定することもできるようになった(2006年9月21日に追加)。
また最近になって、コミュニティリンク機能が作られた。これは関連性のあるコミュニティに直接行けるというものである。コミュニティリンクの追加は管理人のみ、参加者全員の中から選べる。初期設定は「管理人のみ追加可能」である。なおコミュニティリンクは拒否することができ、拒否されたコミュニティがコミュニティリンクに追加しようとすると「このコミュニティはコミュニティリンクを拒否しているため、追加することはできません。」というメッセージが表示される。
事務局の承認を明記した上で、企業や企業の代理人が自社製品・サービスに関するコミュニティを立ち上げることもある。開設数は100万件を超えた。なお、現存する最古のコミュニティは「音楽好き系mixi's」である。
アクセスブロック
mixi内には、商業利用を目的としたり、荒らし行為をする悪質ユーザーが少なからず存在する。そのため、それらのユーザーがページを見られないようにするアクセスブロック機能がある。1ユーザーにつき12ユーザーまでブロックできる。
これを設定すると、ページの閲覧だけでなく、メッセージの送信などその人とは一切コミュニケーションが取れなくなるだけでなく、そのユーザーの足あとにも残らなくなる。ブロックされたユーザーがブロックしたユーザーを見に行こうとすると見に行こうとすると「申し訳ございませんがこのユーザーのページにはアクセスできません」というページにリダイレクトされる。ただし、アクセスブロックされた側がその人をお気に入りに追加していた場合はアクセスはできないがお気に入りからは削除されず、ログイン時間などはすべて閲覧可能である。またこの機能を「キリ番を踏ませないため」、「そりが合いそうにない」、「荒らしはされていないがこの人には見られたくない」と言う本来の目的とは異なる主観的な理由で設定する者もいる(規約違反ではない)。
またかつてアクセスブロックに「0」を入れると自分は非公開の日記、コミュニティなどの閲覧が可能になる一方、すべてのユーザーがその人のページを見に行けなくなると言う事態になり、さらにその状態を解除できなくなる事態になり後に修正された。
カレンダー
月割りのカレンダー。ユーザーの予定を書き込めるほか、1週間分の天気予報と、マイミクシィの誕生日、イベントの開催を表示する機能がある。ユーザーが参加中のコミュニティにイベントが設定されると、イベントのタイトルが自動的に表示される。ユーザーがイベントに参加表明すると、青い旗が赤く変わる。
お気に入り
特定ユーザー・コミュニティーをブックマークする機能。マイミクシィと違い、相手ユーザーの承認は不要だが、自分のユーザーページ上で日記の更新などを表示させることはできない。システム上、相手ユーザーに自分の足あとを付けずにログイン後の経過時間を把握することが出来る。これは登録されている側がアクセスブロックを設定しても見ることができるため、問題になっている。
mixiニュース
2006年2月2日に追加された、ニュースの表示機能。トップページに最新ニュース6つを表示できる。ニュースを提供しているのは、読売新聞、毎日新聞、時事通信社、日刊ゲンダイ、CDジャーナル、ITmedia、Impress Watch、R25など。掲載されたニュースをもとに、ユーザーが日記を書くと、記事のページの「このニュースに関する日記を書いた人」欄からリンクが自動的に張られる機能がある。機能追加に伴うレイアウト変更で横幅が増えたため低解像度だとすべて表示しきれない、表示にはJavaScriptが必須で非対応のWebブラウザーで表示できない、などの批判がある。トップページに掲載の情報が増えたため、3カラムと2カラムの2種類のレイアウトがデザインされ、切り替えて使用できるようになった。
おすすめレビュー
自分の観賞した音楽や書籍、映画作品などについてのレビューを書くことができる機能。
レビューは作品ごとに見ることが出来る他、あるユーザーが書いたレビューを見ることもできる。さらに、レビューされた作品を、Amazon.co.jpやイープラスより、詳細情報の閲覧・購入をすることが可能。
フォトアルバム
以前はプレミアムユーザー(後述する有料会員)のみが使用できたが、2007年6月27日全ユーザーに開放された。有料会員は1GB、無料会員は100MBまで使用可能で1度に5MBまでアップ可能である。公開レベルは「友人までの公開」「全体に公開」「非公開」の3種類があり、非公開の場合は閲覧キーを指定し、閲覧キーを入れた場合のみ見ることができる。日記と異なりアルバムごとに公開レベルの変更が可能である。
動画
動画の投稿機能は、2007年2月5日よりプレミアムユーザー限定でサービスを開始した。同年6月に一般ユーザーに公開開始し、7月にはすべての一般ユーザーが利用可能になっている。1回の動画で5分までアップロードできる。最大容量はプレミアムユーザーが1GB、一般ユーザーが200MBである。
プレミアムサービス
一般ユーザーは無料で利用できるが、有料のプレミアムサービスに登録することによりフォトアルバムや、日記の容量増大、日記内の特定タグの使用、メッセージ無期限保存(通常は最後の送受信があってから60日分まで)、アンケートトピックの作成、公開などを行うことができる。またプロフィールページの写真の下の部分にmixi premiumのロゴが付く。
ミュージック
2006年5月22日にプレミアム会員向けに開始、同年6月28日には全ユーザーが利用できるようになった。Macintosh及びWindows用プログラム「mixi station」をインストールすることにより、パソコン内で自分が再生した曲名などをmixi上に表示できる。対応するプレイヤーソフトはWindows Media Player(Windowsのみ)とiTunesとWinampの3種類。なお、mixiが公式にWinampに対応したため開発が終了しているが、有志によって開発されたプラグインによってfoobar2000からもWinamp用のmixi stationをブリッジさせる形で利用することもできる(有志による開発なのでmixiからのサポートはない)。
2006年12月21日からは、iPodの再生履歴をアップロードできるようにもなった。また2007年3月22日からは、歌詞が公開されているものについては、歌詞も表示できるようになった。
アーティストのページは、Wiki方式になっておりmixiに参加してから30日以上経過していれば編集が可能である。
機能要望
mixiでは利用者から、どのような機能が欲しいかというのを要望できるようになっている。全ユーザーはその要望に対して賛否を唱えることができる。
受賞
- 月刊Yahoo! Internet Guide誌 Web of the Year 2005 年間総合大賞・特別賞受賞
- 2005年 日経優秀製品・サービス賞 審査委員特別賞
- Web of the Year 2005「年間総合大賞」
- Web of the Year 2005「話題賞:1位」
- Web of the Year 2005「コミュニティ部門:2位」
- 第3回Webクリエーション・アウォード「Web人賞」
- デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'04「Best Producer/ Director」
- 第19回デジタルコンテンツグランプリ「優秀賞」
- 2006年 ユーキャン新語・流行語大賞トップ10
公称登録者数
累計登録者数
退会者・多重登録者を含めた、発行ID数。
- 1万ID 2004年5月
- 5万ID 2004年7月21日
- 10万ID 2004年9月15日
- 25万ID 2004年12月16日
- 50万ID 2005年3月21日
- 75万ID 2005年5月28日
- 100万ID 2005年7月15日
- 200万ID 2005年11月17日
- 300万ID 2006年2月7日
- 400万ID 2006年4月16日
- 500万ID 2006年6月14日
- 600万ID 2006年8月18日
- 700万ID 2006年10月9日
- 800万ID 2006年12月5日
- 900万ID 2007年1月16日
- 1000万ID 2007年2月25日
※現在の発行ID数はmixiカウンターから確認することができる。
有効ID数
退会者を除いた実利用ID数。ただし、規約違反の多重登録者を含む。
- 100万人 2005年8月1日
- 200万人 2005年12月7日
- 300万人 2006年3月1日
- 400万人 2006年5月15日
- 500万人 2006年7月24日
- 600万人 2006年10月1日
- 800万人 2007年1月29日
- 1000万人 2007年5月20日
事件や問題点
有名人ユーザー
上場企業の社長、作家、タレントなど、広く名前の知られた人物も数多くmixiを利用している。中にはファンを集めたコミュニティをタレント自ら立ち上げてオフ会を開催するなど、積極的な利用もみられる。東方力丸など、仕事を得る為にmixiを利用している例もある。なお2006年11月29日の朝日新聞朝刊でmixiが紹介された際にサンプラザ中野がmixiに参加していることが書かれていた。
歌手の宇多田ヒカルが2006年4月11日に自身のウェブサイト上で、mixiの登録ユーザーであると公表したところ、mixi内の宇多田のページに多数のユーザーからメッセージが殺到し、宇多田は退会した。
週刊文春2007年2月8日号に高円宮承子女王がmixiなどのサイトのユーザーであることが報じられた。
一方で、有名人の名を騙るユーザーの存在がある(他人へのなりすまし行為は規約違反に当たる)。お笑い芸人のヒロシは自身の公式サイトで、mixiに参加しておらず、名を騙る偽者がmixiに存在している事を不快に感じていると発表した。結果、ヒロシに成りすましていた偽者は他のユーザーから批判を受けてmixiを退会した。また、アンガールズの田中卓志や波田陽区を詐称するユーザーも存在したが、こちらは所属事務所のナベプロが素早く対応し、両人のmixi参加を所属事務所が公式に否定すると、偽者は退会した。
チェーン日記
mixiではチェーンメールならぬ「チェーン日記」が急速に広まったがために混乱が生じる事例が発生している。
2006年6月、「特定のタイトルの日記のコメントすると、自分の日記にも自動的に投稿され、個人情報が漏洩する。ウイルスの一種であり、急速に増殖しているので、友人にも伝えてほしい」という日記が投稿された。この日記が掲載された直後に急速に同様の日記が投稿され混乱を来した。事務局では問題となった脆弱性を修正しており、また公式の告知で「この日記を広めないように」と注意を呼びかけた。
2006年9月、「ある写真家がロサンゼルスで行方不明になった。本人のmixiに家族がアクセスしているので、情報を持っている人は情報提供するとともに、この情報を広めてほしい」という日記が投稿された。これ以後日記やコミュニティのトピック、さらに個人ブログにも転載されたことから、ユーザーのあいだで情報が急速に広まり、写真家の日記のコメント欄には応援のメッセージで埋まり情報提供ができない状況となった。さらに一部の日記には家族の携帯電話番号も書かれていたため、家族に電話が殺到し、連絡をとるのに支障が生じる事態となった。なお、この写真家は2006年10月30日に遺体で発見された。