中二病
中二病(ちゅうにびょう)とは、中学2年生ぐらいの年頃にありがちな、特別な存在を演じようとしている様を揶揄する表現である。
概要
言葉のあやとして名付けられたもので、実在の疾病ではない。また、正確には2ちゃんねる用語ではなく、タレントの伊集院光が自身のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』において提唱した概念とされている。同番組のリスナーから話題となり、インターネット世界においても瞬く間に認知されている。
主に中学生くらいの、外部からの刺激を過敏に受ける年頃にありがちな若気の至りで、自分を特別な存在であると思い込む現象を指している。中二病の最大の特徴は他者に自分を「一般人とは違う」と認識させることであり、そのために他者とは異なる行動をとりたがる。また、中二病患者は自分がそういった“症状”であるという自覚症状が無いことが多く、注目を集めたがる一方、逆に、そう指摘されることを極端に嫌う。
おおよそ、時間の経過に伴って一般常識を習得し、それらの症状は平癒する。『深夜の馬鹿力』や2ちゃんねるにおいて語られる中二病の症例報告の多くは、かつて自身が体現していたものを自嘲的に語っているものが多い。伊集院光は自身がまだ中二病を脱することが出来ていないというが、自覚している点で実際に罹患しているとは考えにくく、ネタの一環と考えられる。
“症例”は以下の通りとなる。
- 「大人は汚い」「サラリーマンにだけはなりたくねーよなぁ」「因数分解が何の役に立つんだよ」発言が出始める
- 売れたバンドを「売れる前から知っている」とムキになる
- 母親が何か言おうとしようものなら、その声にかぶるように「わかったよ!!」と言って聞かない。
- “本当の親友”探しを始めたりする。
- やればできると思っている。
- 母親に対して「プライバシーを尊重してくれ」と激昂。
- タバコも吸わないのにジッポーライターを持つ。
- 社会の勉強をある程度して歴史に詳しくなると「アメリカって汚いよな」と急に言い出す。
- 午前2時まで寝付けなくなる。
- 美味しさも分からずに格好だけでコーヒーを飲み始める。
- “苛立ち”がドアを叩くのが聞こえるようになる。
- 行き場の無いエロを筋肉トレーニングに費やす。
- 洋服のトータルバランスはそのままなのに急にジェルを使い出す。
- 曲も作れねーくせに作詞に手を出す
- プロに対して評価が辛い(しかし自分は経験ゼロ)。
- 小室哲哉・YOSHIKI・押尾学などに憧れるようになる
- 「僕は僕で誰かじゃない」と言い出す。
- 「ジャンプなんてもう卒業じゃん?」って言ってヤングジャンプに軟着陸する。
- ドラクエやファイナルファンタジーにハマり、ゲームプログラマーを目指すが、考えられる事は続編のちょっとしたイベントのストーリーやアイテムだけ。
- エロビデオを持っていることに対するすごい自慢。
- 環境問題に積極的になり、即絶望。
- ラーメンの美味い・美味くないを急に言い出す。
- 母親に「どこ行くの?」と聞かれて、「外」とだけ答えるようになる
- 赤川次郎辺りを読んだ程度で自分は読書家だと思い込む。
- やたらに低音を強調して音楽を聴く。
- 彼女との年齢差は何歳までかで熱論になる。
- 林間学校に来てまでタバコを吸う。
- プラモデルやプロ野球カードなどこれまで自分がコレクションしていた物が物凄く子供っぽく見えるようになり、急に処分する。
- 風呂場で髪を洗っている時、とりあえずリーゼントになった自分を見てみる
- ちょっとしたウケ狙いのキーホルダーを買いたくなる
- 自転車の乗り方に無駄なアクションが入る
- サングラスを買う
- 自分の家族を友達に見られたくないと思う
- NTT DoCoMoを無根拠に嫌う
- 著作権法の意味もよく分からないけど取り敢えずJASRACを批判しておく
- 音ゲーをやるようになる
- 周りを歩いてる人にガンを飛ばす
- 歌詞もわからん洋楽を聴き出し、それをMDにいれて大音量音漏れで周囲にアピールする
- 血液型占い、星座占いを本気で非難する
- ラ・ヨダソウ・スティアーナ
- リストカット(手首を刃物で切りつける自殺未遂)に憧れるが実際に切らず、手首に包帯を巻いて「俺リスカしたんだ」と吹聴してまわる
- 「かったりー」が口癖になる。
- 場も考えず大声でエロ単語(放送禁止用語)を発したくなる。
- 将来の夢が「サッカー選手」等から、抽象的に「ビッグになる」等に変わる。
- 自分は周りに対して特別な存在であると根拠もなく思い込む。
- 任天堂やポケットモンスターを「お子様向け」と称し、プレイステーションに傾倒する。
- つい最近まで見ていたアニメを指し、「あんなものを見ているのはクズ」等と言い出す。
- ドラえもんなどを嫌悪しだすが、大人向けだと思っているのはジャンプだったりする。
- エロ本やAVを大量に持っていることが、大きなステータスとなる。
- 無駄にエロ関連のものを学校に持ってきて、自慢したがる。
- バドワイザービールの空き缶(二口飲んで、飲みきれず後は捨てた)を本棚の上に飾る
概念の拡大
中二病という言葉の流行に伴って、「中二病」という語が指す事象が拡大されつつある。近年では中二病について語られる場合、経験者による自嘲として語る場合と、自信過剰な他者を指して揶揄表現として語られることが多い。後者の使われ方は厨房の多い2ちゃんねる各板にて恒常的に用いられ、しばしば「中二病=厨房」または「中二病=DQN」であると誤認識されている。
広義的に中二病を解釈すると、「中学二年生くらいに起こしそうな若気の至り、およびその罹患者」ということになり、2ちゃんねるやその他のメディアにおいての報告事例ごとにパターンが増加することとなる。若気の至りから起こす行動のひとつひとつを中二病だと決め付けているだけのことも多く、次第に若気の至りと同義語になるとも危惧されている。
邪気眼
少年漫画などの影響からか、自身が人智を超越した何らかの超能力を持っているように演じるものである。自身が超能力を持っていると思い込んでいるのではなく、他者から見て自身が超能力者であるかのように見られたいという動機から演じているものがほとんどである。
2ちゃんねるにおいて流行した中二病の報告例「邪気眼」からシリーズ化した現象で、漫画やゲームに影響されて形成されてきた罹患者たちの演じる設定、およびそれを実行した人物の末路などが失笑と同情を買い、好評を博すこととなる。同種の報告例が集まるとともに話題が活性化し、以後それに対しての検証・考察などが繰り広げられるまでに到っている。中二病を紹介するときに、この邪気眼のコピペが一例として用いられることが多い。
言語的派生表現
- 高二病
- 中二病経験者らが次に罹る症状で、中二病患者をあげつらい、彼らの一挙手一投足を馬鹿にするというものである。他者を貶めて自身が知的であると思い込むもので、実質的に天才型中二病と大差無い。拡大解釈すれば、『美味しんぼ』の海原雄山のような「通」と呼ばれる人種もまた高二病と言える。
- 少六病
- 邪気眼型中二病の派生と考えられている概念で、自身を少女漫画的な「不思議ちゃんキャラ」に見られるように演じるものである。真性の不思議ちゃんと違い、中二病と同じく他者に見られることを目的としているため、一般的には罹患している期間は長くない。腐女子版の中二病とも捉えられる。
- 厨二病
- 厨房とかけて厨二病と表記されることもある。
関連項目
外部リンク
- はてな の解説
- アンサイクロペディアの記事(注意:パロディサイトです。)
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