ハロフク
ハロフクとは、日本最大級のギャルサー「ハローDJ Fukuiプロジェクト」のこと。
代表の福井 雅啓(ふくい まさひろ、43歳)が、中高生女子と性行為をする目的で作った団体である。福井は2012年7月に逮捕された。
目次
「A」「K」「B」でランクづけ、最高位は福井の「F」。ギャルを食いものにした「ハロフク」成功方程式
「読者モデルにしてあげる」-。
こんな言葉で少女を誘って、わいせつな行為をしたとして、ギャルサークル代表と称する男が、児童福祉法違反容疑で警視庁少年育成課に逮捕された。日本最大級のギャルサー「ハローDJ Fukuiプロジェクト」(通称、ハロフク)代表を務めていたのは無職、福井雅啓(43)。
渋谷系ギャルらの間では「雑誌に出してくれる人」などとカリスマ的存在だったという。
「ハロフクに入りませんか」少女に出した偽名メール
2011年3月上旬、福井容疑者はインターネット上で、当時、中学3年で14歳だった少女のブログに目をとめた。髪の毛を茶色に染めた、いまどきの「ギャル」。その“かわいらしさ”にひかれた福井容疑者は、早速、メールを送った。
「初めまして。ゆきです。ハロフクに入りませんか。入ると雑誌撮影に参加できます」
自分の素性は明かさず、まずは「ゆき」という架空の女性を名乗ってギャルサーに勧誘したのだ。その“策略”は当たった。少女は、多くの読者モデルが所属するハロフクに憧れており、「ゆき」にすぐに返信した。すると、福井容疑者は、今度は「ゆき」から依頼されたように装って、自分の素性を明かして少女に電話をかけた。
「雑誌の撮影会があるからおいでよ」
さらに、再び「ゆき」を装って「福井さんと3人で食事をしよう」とメール。少女は、食事の誘いにのってしまった。
「俺に気に入られたら、モデルになれるよ」
2012年4月、少女との約束の場所に現れたのは、当然、福井だけだった。少女は「ゆき」が来ないことに疑問を感じながらも、福井にごまかされて居酒屋について行った。
「俺はハロフクの代表。俺に気に入られたら、モデルになれるよ」
2人で飲食をしながら甘い言葉をささやく福井。居酒屋を出た後は、近くに駐めておいた車の助手席に乗せ、さらにこう言った。
「俺が気に入った子なら、ハロフクのDVDが見られる。だからホテルに行こう」
その言葉に少女は、さすがにためらったが、こう思い直した。「ここで断ったらモデルになれない」。着いた場所は横浜市港北区のホテル。福井は、部屋に入ると、少女にDVDを見せた。そこには、雑誌モデルとして活躍するハロフクのギャルたちが写っていた。興味深そうにDVDの映像を見る少女に、福井はささやいた。
「こういうのに出たいだろ。モデルになりたいだろ。俺と付き合うと、出るだけじゃなくて、目立つところで出られるよ…」
この夜の“報酬”だったのだろうか。少女はその後、実際に雑誌モデルとしてデビューした。しかし、秋には嫌になり、福井の慰留にもかかわらず、2012年に入って脱会。その後、事件が発覚した。
福井の逮捕容疑は、2011年4月、同区のホテルで少女にわいせつな行為をしたという内容。調べに対し、福井は容疑を認め、「ブログの写真を見て気に入った」などと動機を供述したという。一方、少女は、捜査員に「会う度に体ばかり求められるのでいやになった」などと話したという。
ピラミッド型組織「A」「K」「B」でランクづけ
大学卒業後、定職にもついていなかった福井がハロフクを設立したのは平成11年。当時はまだ、ギャルが集まる「ギャルサークル」という言葉は、あまり広がっていなかった。しかし、東京・渋谷のクラブなどに出入りしていた福井は、人脈を生かして少女をモデルとして雑誌などに紹介することで、会員を増やした。ギャル系雑誌やDVDだけでなく、ファッションショーやダンスショーにも会員を出演させた。
少女たちの流行の発信地として知られる東京・渋谷の商業ビル「109」に集まる渋谷系ギャルたちが会員の中心だったが、ネットなどで徐々に有名になり、会員は北海道から鹿児島まで全国に拡大。会員として登録された人数は8,500人超にもなった。
福井は、お気に入りのギャルを特別扱いするなどして会員をランク付け。ピラミッド型組織をつくりあげた。最高ランクは福井の名前の頭文字を取って、「F」。以下、人気アイドルグループの名前などを引用した「A」「K」「B」「研究生」と続く。最下位のランクは「支部」と呼ばれた。
「F」や「A」などのメンバーは上位ランクで、雑誌モデルにしてもらえたり、ファッションショーに目立つ順番で出演できたりするなど、“特権”が与えられていた。さらに、ランクとは別に、「イメージガール」「全国総合統括」「広報統括」などの役職が設けられ、「ブログの写真は4カ月ごとに更新すること」など、ルールを決めた「ハロフク10カ条」まで制定していた。
目的は?広まっていた悪い評判
ハロフクのトップに“君臨”していた福井。しかし、会員料は無料で、ギャルサー自体で金銭的メリットを得ていたわけではない。少年育成課の調べでは、少女を雑誌などに紹介して報酬を得ていたほかは、ときおりクラブにDJとして出演した際、出演料を得る程度で、実質的には無職。ハロフクがもうかるビジネスになっていた可能性は低いとみられる。
自宅は川崎市多摩区長沢で、現在でも未婚で、両親と同居していた。
ハロフクを築き上げた理由は、いまのところ、はっきりしないが、渋谷のギャルたちの間では、「ギャルを頻繁に誘っているのではないか」という評判が立っていた。ネット上のブログには、「ハロフクってやばいよ。やめなよ」などと書き込まれたこともあった。
福井の逮捕も、18歳未満の少女を働かせていた違法キャバクラを摘発した警視庁が、少女らからこうした情報を入手したのがきっかけだった。
同課では、ほかにも同様の被害がなかったか捜査を続けている。「もし、ギャルサークルを利用して、少女を食い物にしていたとしたら、悪質ではないか」。捜査員は、こう話した。
“教祖”のオヤジDJが逮捕!闇だらけの巨大ギャルサー「ハロフク」の断末魔
7月12日、全国で8,500人以上のメンバー数を誇る巨大ギャルサークル「ハローDJ フクイプロジェクト」(以下、ハロフク)の代表である福井雅啓(まさひろ)(43歳、通称“DJFukui”)が児童福祉法違反の容疑で逮捕された。「雑誌に出られる」と女子中学生を誘い、わいせつ行為を行なっていた。
このニュースを聞いて、まず頭をよぎるのは「今どきギャルサー?」という疑問。ギャル雑誌ライターK氏に聞いた。
「ギャルサーブームの全盛期は6、7年前。それ以降は急激に数が減りましたが、現在でも渋谷を中心にいくつものギャルサーが活動しています。その大半は数十人程度の規模なのですが、1999年に福井が立ち上げたハロフクは特殊で、1万人近いメンバーが在籍していました。全国の主要都市を中心に20以上の支部があり、また、その支部に数人から数十人規模のギャルサーが下部組織的にたくさん登録していたんです」
個人で直接加入しているギャルも多いが、ハロフクは中小規模ギャルサーの集合体という側面も持っていたようだ。
「福井は渋谷界隈で長年DJをやっていただけあり、『egg』をはじめとした複数のギャル雑誌の編集部にコネがあったのは事実。実際、福井の“お気に入り”としてプッシュされたギャルは、読者モデルとして誌面に登場していましたからね」(K氏)
髪型や服装で若く見せようとしていたものの、「見た目はただのオッサン」(K氏)という福井には余罪の可能性もある。
週プレは、今年3月までハロフクに所属していたという19歳のギャルに話を聞いた。
「福井が食ったのは報道されたコだけじゃないよ。もう数えきれないぐらいのハロメン(ハロフクのメンバー)が食われちゃってるし! 福井は超ロリコン野郎だからターゲットは中2から高2ぐらい。東京支部には現役メンバーが400人以上いたんだけど、ガチでそのうちの100人は食われてるんじゃないかって勢いだったし」
400人中100人とは恐ろしい数字。しかし、イケメンでもない中年の福井容疑者が、なぜそんなに大きな力を持つようになったのだろう?
「ハロメンはチーム分けされてて、上からチームF、チームA、チームK、チームB、研修生ってピラミッド式になってるの。研修生からスタートしてチーム入りするのが一番大変で、その昇格の権限は全部福井が握ってるんだよね。もとからかわいいコとかは普通に昇格していけるんだけど、そうじゃないコは福井とエッチしてチーム入りするってのが暗黙の了解みたいになってた」(元ハロフクギャル)
AKB48を模したチーム名でランクづけし、ギャルたちの功名心を煽り、自らはその集団の“教祖”として君臨していた。
「福井がさらにあくどいのは、ハロメンからカネも巻き上げてたってこと!載るスペースの大きさによって値段は変わるんだけど、ギャル雑誌の撮影に参加するのに1回につき数万円から30万円、福井に払わなきゃいけないんだよね。完全にボッタクリ。ルックスがいいコとか福井とエッチしたコはタダで載れるんだけど、私なんか今までで合計100万円ぐらい払って載せてもらってたんだよ。私の友達なんか福井とヤッた上にカネも払わされてたし。マジ最悪っしょ!!」(元ハロフクギャル)
まさにやりたい放題だった福井容疑者。だが、激怒するこのギャルを尻目に、最上位チームのチームFに所属していたハロメンのブログを見ると、福井容疑者の逮捕後にもかかわらず、「(福井に)感謝ですょお。いまでもハロフク好きですもん」「(雑誌に出られたのは)すべて福井さんのおかげなの」といった書き込みが多数見られ、いまだに福井をあがめるメンバーも少なくない。