けつばん
この項目では、『ポケットモンスター』における設定上のデータの名称について説明しています。特定の番号が欠けている事例については「欠番」をご覧ください。 |
けつばん(欠番、英名:Missing Number)とは、『ポケットモンスター 赤・緑』バージョンで、正常なデータが設定されている151種類のポケモンを除いた、多くのデータ空欄に付けられている名称。当然、本来はプレイヤーの目に触れるものではない。
英語版では「Missingno.」("Missing Number"(欠番)の略か)と表記される。関連用語として「カビチュウ」(『金・銀』においてアイテムの欠番に付けられている名称)が挙げられる。
この項目ではけつばん以外のポケモン名として表示される不正な文字列や、その他のバグによる裏技などについても触れ、バグに対する正しい知識を教える。
概要
名前の由来は、おそらくは開発する上での便宜的なネーミングで「欠番」の意味であると思われる。ミュウを作るバグ技を試し失敗したとき、ミュウの代わりに現れたり、ポケモン図鑑上に表示される事が多いので、バグ技とあわせて有名になった。
本来ミュウは幻のポケモンとされ、任天堂などが企画するイベントでしか手に入らない極めて珍しいポケモンとされたが、バグを発生させることによって強引に手に入れることができ、その方法が噂となって全国に流布していた事から「けつばん」の噂も広まっていった。
「けつばん」という種類がポケモンとして認められているわけではない。そもそも「けつばん」とは単一のポケモンを表すものではなく、データ領域の空き番号(欠番)の一部に付けられた名称である。しかし、ゲーム中においてはポケモンとして出現することは確かであるため、一部ユーザーからは非正規ながらもポケモンとして見なされる事がある。
特徴
本来のゲームではポケモンとして出現する事は想定されていないので、けつばんが発生する(けつばんが発生する程のバグを引き起こしてしまう)と、セーブデータが消えるなどの様々な不具合を起こす恐れがある。
しかしポケモン図鑑に載る、戦闘に出せるといったように、まれにまともなポケモンとして機能することからミュウに次ぐ第二の幻のポケモンなどと称された。図鑑では152番目にあたる位置(ステータス画面では「ナンバー000」の扱い)に表示されるので、『ポケットモンスター 金・銀』バージョンでチコリータがNo.152として登場するまでは「152番目のポケモンはけつばん」などと言われていた。
「けつばん」自体のデータは正式に設定されておらず、本来は無関係である他のデータの領域をポケモンのデータとして読みとっているため異常なデータとなっている。同じ「けつばん」でも複数種が存在するため、その姿はモザイクのような模様がでたらめに表示されたものであったり、透明で何も表示されなかったりと様々である。
鳴き声はサイドンの鳴き声で鳴くことが多いが、カブトやサンドパンの鳴き声の場合もある。進化もするが、ピッピになることが多い(英語版ではガルーラになることが多い)。『青』バージョンでも発生するが、鳴き声などに多少の差異(ポケモンの進化する効果音「ピロピロ」など)が見られる。なお、けつばんは『ポケモンスタジアム』においてはサイドンで表示される。
けつばん以外の異常なポケモン名
けつばんの代わりに別の異常なポケモン名、例えば「ィ゛ゃゾ┛」「アネ゛デパミ゛」という名前が現れる事がある(英語版では「'M」、正確には名前の前後に解読不能な記号が入る)。これらはそれぞれポケモンデータの先頭 (00) と後尾 (FF) に当たり、無関係のデータを名前として読みとっているためこのような名前になっている。この他にも数十種類の異常なポケモン名(「ヅ」「ふイ゛ヂ」「アノ゛」など、または空欄)が存在し、これらは「けつばん」と合わせて通称「バグポケモン」と総称されることがある。これらのポケモンは『赤・緑』のポケモン図鑑では通常ありえない番号(No.152など)に追加されることもある。また、これらのバグポケモンを『金・銀』に送ると金銀のポケモンに変わる場合がある。ただしデータ番号の違いから、ナンバーがそのまま対応しているわけではない[1]。このうち「アネ゛デパミ゛」の姿は一部のバージョンでは黒っぽいリザードンの姿であった。後に登場した色違いのリザードンも黒い体色であったため、「アネ゛デパミ゛」をモチーフにしたのではないかという説もある。 また、けつばんは、ピッピに進化することが多く、そのピッピに「つきのいし」を使うと、ピクシーに進化することもできる。 また、『金・銀』以降にはけつばんは登場しないが、同様の欠番扱いのポケモン名として「?????」「?」「ダメタマゴ」「バグたま」「タマゴ」などが存在する(シリーズにより姿が異なる)。
『ダイヤモンド・パール』では、瀕死にしたポケモン1体を手持ちの2番目に入れ、1番目のポケモン(任意)と合わせた2体を持ち歩いている状態でリッシ湖のほとりのレストランの客とダブルバトルをすると、2体目のポケモンが表示されるスペースに長方形のようなポケモン(名前なし、鳴き声はフシギダネ、技なし、HP0/0)が現れる。これも欠番扱いのポケモン名の1種と思われる。 (但しこの技はロムのバージョンによっては再現する事ができず、ポケモンを二匹以上連れてくる様に促され、ポケモンバトルができない事がある)
その他
アイテムや技の場合でも、異様な名前や効果をもったものが出現する場合がある。もちろんこれらの名称や効果は全て、製作者側が意図したものではなく、無関係のデータを参照してしまう事に起因する。ただし中には「データ上存在しているがゲーム中で入手不可」である没アイテムも存在する。このようなアイテムは大体は使用すると、フリーズの原因になる。例えば、『緑・赤』版での穴抜けアイテムや、「イ゛ぴま」、「ペゾ」、?????、バッヂ類など。中には、「いしはら」「やまぐち」「たじり」等スタッフロール内に含まれる文字が現れることもある。また、没アイテム「おじぞうバッチ」を使用したときに流れるBGMはそのもの悲しい雰囲気から「カラカラの歌」として有名になった。
わざ名やその効果に異常な表示が現れることもあり、名前が「わざマシン」でタイプが「おねえさん」「おやじ」「おなら」というわざなどが出ることがある。
他にも様々なバグが発生する。例としては、上記のようなアイテムが売っている店(通称「裏ショップ」)が出現したり、ワープによってゲーム開始直後に殿堂入りしたり、不具合によって乱れた「どうぐ」欄をいじることによって怪現象(「タマムシデパートのレジで釣り」「ハナダのどうくつの上に登る」「バッジ無しで波乗り」「タマムシデパートからワタルの横に移動」「相手トレーナーのポケモンをゲット」「一瞬で勝利」「一瞬でレベル100」「シオンタウンから東に行く」「ジョウト地方へ移動」等)が発生したりすることが挙げられる。また、ポケモンのアイコンが人間になることもある。
これらのバグは、開発環境が複雑な事情を抱えていたこと、デバッグをする時間やスタッフの人数不足(そもそもデバッガーが4人しかいなかった)、またプログラマーのポインタに関する初歩的なミスが原因とされている。
このように奇妙な動作をするバグが極めて多かった初期のポケモンは様々な都市伝説を生み出した。特定の複雑な条件を満たすことで行けるとされた「アジア村」等が代表格と言える。バグなどの知識に乏しい低年齢層がメインユーザーで、能力成長などでメーカー非公開の要素が多く、ブラックボックス的な雰囲気が強かった事も妙な噂を広める要因であったのだろう。
関連項目
参考
- ↑ 参考(外部サイト):Mirror of Pokemon Analysis (G&S) 内 - こんなことやってます~♪ - 「ィ"ヤゾはヤドンだった」の項。
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