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*[[日隅一雄]]『マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのかー権力に縛られたメディアのシステムを俯瞰する』 [[現代人文社]]、2008年 ISBN 4877983716 | *[[日隅一雄]]『マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのかー権力に縛られたメディアのシステムを俯瞰する』 [[現代人文社]]、2008年 ISBN 4877983716 | ||
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*[http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080827/313571/ 「マスゴミ」と呼ばれ続けて] ・[http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080922/315231/ 続篇(友人座談会編)](ITpro) | *[http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080827/313571/ 「マスゴミ」と呼ばれ続けて] ・[http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080922/315231/ 続篇(友人座談会編)](ITpro) | ||
*[http://www.news-pj.net/npj/katsura-keiichi/20090503.html ネット時代とジャーナリズム不信の関係を考える(1)―北野誠「永久追放」事件などから見えてきた問題―](NPJ通信「メディアは今何を問われているか」桂敬一) | *[http://www.news-pj.net/npj/katsura-keiichi/20090503.html ネット時代とジャーナリズム不信の関係を考える(1)―北野誠「永久追放」事件などから見えてきた問題―](NPJ通信「メディアは今何を問われているか」桂敬一) | ||
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2023年4月5日 (水) 23:32時点における版
マスゴミとは、マスメディアを批判的に扱う際に用いられる蔑称(俗語・スラング)であり、インターネットスラングの一種である。
目次
概要
マスコミを批判・卑下する際に使用される用語であり、『マスコミ』と『ゴミ』のかばん語である。マスコミは一般的に「社会の公器」として報道を行う事を建前としており、特に大手のマスコミはそう表明するが故にある種特権的な立場に立っている。だが、同時に企業活動としては激しい視聴率競争に常時晒されている一面があり、社内・業界内での評価の対象となる高視聴率やスクープを目当てに取材活動やパフォーマンス表現がエスカレート・暴走する結果として特にモラル面の問題を半ば恒常的に抱えており、マスコミ自身が様々な不祥事という形で社会的話題を提供してきた事も事実である。 「マスゴミ」とは、この様な、
- 自称・他称している「社会の公器」としての理念に反した行為や不祥事
- 過去の問題の反省を生かす事ができない報道体制
- 自らも権力という責任ある立場であることに自覚的でない態度
などから、もはや存在が社会の利益にならないと信用を置かれず、特権を与えるに値しない存在=「ゴミ」同然の集団であるという揶揄の表現である。 問題として使われる事象としては次のようなものがある。
- 宮崎勤事件におけるおたくバッシングや椿事件などに代表される意図的な偏向報道やネガティブ・キャンペーンによる報道の公平性・中立性を無視した報道姿勢
- TBS不二家捏造報道問題や朝日新聞珊瑚記事捏造事件、毎日デイリーニューズWaiWai問題などに代表される捏造報道
- 自らの思想信条や主義主張と相容れなかったり、敵対勢力と見なす個人・政治家・団体などに対しては徹底的・執拗な批判を展開するが、自身或いは自らが支援する個人・政治家・団体の不祥事に対しては隠蔽・黙殺・開き直りかとも思われるような態度をとる
- 排他的体質を持つ記者クラブの構成(代表的な例としては、信濃毎日新聞の田中康夫に対するバッシングなど)
- 所沢ダイオキシン訴訟や松本サリン事件などの報道被害に見られる人権を無視した報道姿勢
- 新潟県中越地震やJR福知山線脱線事故などの際に見られた、報道ヘリの過剰な使用による救出活動の妨害及び周辺への騒音被害
- 大きな後ろ楯を持たない一般人や有名人に対しては容赦のない報道を行うが、権力やコネを持つと思われる政治家・官僚・大企業・宗教団体や宗教指導者・広告代理店・取次会社・大手事務所所属の芸能人、それに加えてタブーを持つとされる皇室や旧宮家関係者等の、利権・犯罪・不祥事・問題発言等を知りながら故意に報道しないと思われる事案が度を超えて多い(報道におけるタブー)
- フジテレビの王シュレット事件などに代表される意図的な俗悪番組による放送倫理を無視した放送姿勢。
以上のような事例から、ジャーナリズムの精神や理念を、現代のマスコミは軽視・無視、あるいは自ら放棄していると考える者もおり、マスコミと呼ぶに相応しくないと見なす傾向などから生まれた言葉であると思われる。
なお、備考となるが、「マスゴミ」という揶揄的表現がインターネットスラングの成立以前から存在している事も事実であり、古くは1966年の大映映画『野良犬』において、主演の田宮二郎扮する鴨居大介が、「おまえらマスコミやない、マスゴミや!」と怒鳴る場面が存在する。
2012年自民圧勝後のマスコミの反応
- 小選挙区制がうっぷん晴らしの装置になっているようでもあり悩ましい。ますますその場しのぎの国民受けに流れないか心配になる。
- 戦前の反省をふまえた、戦後日本の歩みを転換する。そうした見方が近隣国に広がれば、国益は損なわれよう。
- とりわけ、安倍氏ら自民党が自衛隊を「国防軍」に改称する9条改憲や、尖閣諸島への公務員常駐の検討など保守色の強い路線に傾斜していることは気がかりだ。海外にも日本に偏狭なナショナリズムが広がることを警戒する声がある。冷静に外交を立て直さねば孤立化の道すら歩みかねない。
- 有権者は白紙委任したわけではない。慢心にはしっぺ返しが待っている。
- 安倍自民党は勝利におごらず、野党の主張に耳を傾けて丁寧な国会運営に努め、地に足のついた政権運営を心掛ける必要がある。集団的自衛権の行使容認など、党の主張は一時棚上げすべきではないか。政治を機能させるための忍耐は、恥ずべきことではない。
- 今回、迷って1票を投じた有権者は自民に全権を委ねたわけではない。巨大与党の勇ましい決断は危うい。安倍総裁は自民党の公約が全面的に支持されたと受け止めるべきではない。
- 大勝した自民党の安倍晋三総裁は、そこをかみしめる必要があるだろう。改憲や外交・防衛政策での強硬姿勢は特に気になる。首相として失敗した過去もある。
- 国全体に堪える力が乏しくなり、選挙がうっぷん晴らしの場になっているのではないかと危惧する。
- 自民党が掲げた看板は「日本を、取り戻す」。経済や教育、外交、安心を取り戻すというが、それがなぜ「日本を」となるのだろう。
- 右翼の躍進は日本社会の右傾化の産物でもある。民主党政権発足に対する反作用でインターネットは「ネット右翼」と呼ばれる極右勢力に掌握された。
米元高官「米で『安倍首相で日本が右傾化』と言ってたのは、同氏を憎む朝日新聞の手法を輸入した人やメディア」
「安倍政権誕生となると、北京の論客たちはあらゆる機会をとらえて『日本はいまや右傾化する危険な国家だ』と非難し続けるでしょう。しかし『右傾化』というのが防衛費を増し、米国とのより有効な防衛協力の障害となる集団的自衛権禁止のような旧態の規制を排することを意味するのなら、私たちは大賛成です」
ブッシュ前政権の国家安全保障会議でアジア上級部長を務めたマイケル・グリーン氏が淡々と語った。日本の衆院選の5日ほど前、ワシントンの大手研究機関、ヘリテージ財団が開いた日韓両国の選挙を評価する討論会だった。日本については自民党の勝利が確実ということで安倍政権の再登場が前提となっていた。
CIAの長年の朝鮮半島アナリストを経て、現在は同財団の北東アジア専門の上級研究員であるブルース・クリングナー氏も、「右傾」の虚構を指摘するのだった。
「日本が右に動くとすれば、長年の徹底した消極平和主義、安全保障への無関心や不関与という極端な左の立場を離れ、真ん中へ向かおうとしているだけです。中国の攻撃的な行動への日本の毅然とした対応は米側としてなんの心配もありません」
確かに「右傾」というのはいかがわしい用語である。正確な定義は不明なまま、軍国主義や民族主義、独裁志向をにじませる情緒的なレッテル言葉だともいえよう。そもそも右とか左とは政治イデオロギーでの右翼や左翼を指し、共産主義や社会主義が左の、反共や保守独裁が右の極とされてきた。
日本や米国の一部、そして中国からいま自民党の安倍晋三総裁にぶつけられる「右傾」という言葉は、まず国の防衛の強化や軍事力の効用の認知に対してだといえよう。だがちょっと待て、である。現在の世界で軍事力増強に持てる資源の最大限を注ぐ国は中国、そして北朝鮮だからだ。この両国とも共産主義を掲げる最左翼の独裁国家である。だから軍事増強は実は「左傾化」だろう。
まして日本がいかに防衛努力を強めても核兵器や長距離ミサイルを多数、配備する中国とは次元が異なる。この点、グリーン氏はフィリピン外相が最近、中国の軍拡への抑止として日本が消極平和主義憲法を捨てて、「再軍備」を進めてほしいと言明したことを指摘して語った。
「日本がアジア全体への軍事的脅威になるという中国の主張は他のアジア諸国では誰も信じないでしょう。東南アジア諸国はむしろ日本の軍事力増強を望んでいます」同氏は米国側にも言葉を向ける。
「私はオバマ政権2期目の対日政策担当者が新しくなり、韓国の一部の声などに影響され、安倍政権に対し『右傾』への警告などを送ることを恐れています。それは大きなミスとなります。まず日本の対米信頼を崩します」
グリーン氏は前の安倍政権時代の米側の動きをも論評した。「米側ではいわゆる慰安婦問題を機に左派のエリートやニューヨーク・タイムズ、ロサンゼルス・タイムズが安倍氏を『危険な右翼』としてたたきました。安倍氏の政府間レベルでの戦略的な貢献を認識せずに、でした。その『安倍たたき』は日本側で同氏をとにかく憎む朝日新聞の手法を一部、輸入した形でした。今後はその繰り返しは避けたいです」
不当なレッテルに惑わされず、安倍政権の真価を日米同盟強化に資するべきだという主張だろう。
NHK会長発言「追及」された会見出席の記者たち(2014年2月)
慰安婦問題への言及などで議論を呼んだ籾井勝人NHK会長(70)の就任記者会見をめぐり、質問した記者の“犯人捜し”がネットの一部で白熱している。コメントを渋る籾井氏から一部マスコミが回答を無理やり引き出し、それを批判して辞任を迫った-との見立てが火を付けたからだ。だが、この会見、実際はどうだったのか。
「朝日新聞社に『進藤翔』記者はおりません」。
これは1月29日夜、朝日新聞社の公式サイトに掲載された「お知らせ」の見出しだ。発端は28日、匿名掲示板に投稿された「籾井会長に質問した記者は進藤翔(24)らしい」という書き込みだった。25日の会見後から、ネットの一部では記者の質問姿勢を問題視する声が上がると同時に、「慰安婦問題への見解を追及したのは朝日新聞記者」との臆測が広がっていた。「進藤翔」の名は同紙と結びつけられ、まとめサイトやツイッターを通じて拡散。「誘導」「執拗な質問」などと批判がわき起こった。
これを受けて朝日新聞社は29日、公式サイトで記者の在籍を否定。新聞社がネット上のデマを否定するのは珍しいが、同社広報部は本紙の取材に「社の判断です」とのみコメントし、詳しい説明はしなかった。
質問姿勢に賛否
会見は質問者が社名と姓を名乗る形で進行したが、慰安婦問題に対する籾井氏の見解について初めに質問したのは毎日新聞だった。その後、共同通信が発言の真意をめぐって籾井氏と応酬し、読売、朝日も関連質問をした。「シンドウ」と名乗った記者はいなかった。
「進藤翔」が否定されると、ネット上では「まとめサイトはデマの温床」などと虚報を流布した側にも非難が集中した。もっとも、記者の質問姿勢への賛否は分かれたままだ。「公的な立場に就く者に、歴史認識について聞いてみるというジャーナリストとして適切な行動だ」「誘導尋問みたいな質問、わざわざ陥れるような質問はどうなんだ、という批判はあってもいい」
見抜かれる「常套手段」
ネットで会見自体が映像で衆目にさらされるようになった昨今、記者個人への批判は以前より目立つようになっている。一昨年には、大阪市の橋下徹市長の囲み取材で市長の逆質問に窮したとして、毎日放送記者に厳しい意見が相次いだ。
籾井氏の場合、慰安婦問題についての考えを問われ、一度は「コメントを控えたい」と述べたが、続けて「いいとか悪いとかいうつもりはないが…どこの国にもあったこと」と発言。その後、発言の真意をただされ、籾井氏は「会長の職はさておき」と断りを入れつつも、自ら進んで持論を展開した。NHK会長が会見で同問題に踏み込めばマスコミが報じるのは明白で、その後釈明に追われた籾井氏に、その覚悟も準備もなかったのは確かだろう。
「トップとしての資質も問われそうだ」(26日付毎日新聞)といった表現で多くのマスコミが「問題化」を図った。ただ、こうした手法は「マスコミの常套手段」と見なされ、会見での質問の作法を含めて批判対象になる。さらにその批判を発信できる「メディア」を読者・視聴者が手にしていることを、マスコミは肝に銘じなければならないだろう。
「NHK会長、辞任を」マスコミ労組が声明発表(2014年1月)
NHKの籾井会長が就任会見で従軍慰安婦問題を「どこの国にもあった」などと発言したことについて、日本マスコミ文化情報労組会議は2014年1月29日、「公共放送の最高責任者としての資質に著しく欠ける」として、即時辞任を求める声明を発表した。
声明は「一連の発言は到底容認できず、海外でもNHKに対する信頼を失墜させた」と批判。安倍政権に極めて近い人物がNHK経営委員会に送り込まれたことなどが会長選任の背景にあるとして「経営委員会や安倍政権の責任も厳しく問いたい」としている。
人権団体アムネスティ・インターナショナル日本も「公共放送の会長職にある公人が、政治的な意図を持って事実を歪曲し、人権侵害の責任を否定した発言」とする抗議声明を発表。「謝罪と賠償をせずに事態を放置してきた」として、政府の姿勢も批判した。
止まらない視聴率低下・・・テレビ局はネットの普及によって圧倒的優位性を失った
テレビの総視聴率も低下するばかりだ。見る側がネットやスマホに時間を費やすようになったのだから、当たり前の現象である。1日に2~3時間もLINEに興じる中高生も珍しくない。
テレビ局側はまだ気付いていないフシがあるが、視聴率低下よりも大きな変化がある。テレビ局が視聴者に対して持っていた圧倒的な優位性の消失だ。ひとたび見る側の反発を買いそうな番組を流せば、たちまちネット上で批判され、下手をすると、番組の存続まで危うくなる。そんなとき、テレビ局側は圧倒的優位性を失ったことが分かっていないから、反発したり、うろたえたりする。
番組批判ばかりではない。インモラルな手段での収録が行われれば、それを知った人にネット上でたちまち告発される。もともとテレビ局と視聴者の関係は対等なのだが、視聴者が自分たちの声を発信する術を得たことにより、立場は完全にイーブンとなった。
ヤメ検の敏腕弁護士・落合洋司氏が5月末、ツイッターでTBS『アッコにおまかせ』のスタッフの夜郎自大ぶりを辛辣に批判したが、これもスタッフが自分たちの圧倒的優位性が失われたことに気付いていない表れだろう。
「テレビには皆が協力すべきもの、という、傲慢、独善的な、ねじれた考えが染み付いているのだろう。 電話してくる奴も、頭も人間性も、いかにも低レベル。馬鹿丸出し」(落合弁護士の5月31日のツイートより)
ヤラセの問題も同じだ。2013年10月、フジテレビ『ほこ×たて』のラジコン対決でヤラセがあったことが発覚し、番組は終了を余儀なくされたが、これも露見の端緒は対決に参加した人によるネット上での告発。しかし、テレビ局側はまだ自分たちに絶対的優位性があると思い込んでいるから、ヤラセ番組は後を絶たない。
ネット時代以前は、ヤラセは新聞や雑誌が暴くというのが通り相場だった。1992年に郵政省(現総務省)が虚偽放送として厳重注意したドキュメンタリー『奥ヒマラヤ禁断の王国・ムスタン』(NHK)のヤラセをスクープしたのも朝日新聞だ。外部の記者が察知し、記事化しなければ、ヤラセは露見しなかった。裏ではヤラセを暴こうとする記者と、隠そうとするテレビ局側の凄絶な攻防戦があった。
ところが、今や誰でも簡単にヤラセを告発できる。瞬く間にバレてしまう。それでもヤラセが一向になくならないのは、テレビ局側が視聴者側をいまだに侮っているからだろう。
テレビの現状を見つめているはずの民放各社の批評番組さえ、圧倒的優位性を消失に気付いていない。批評番組は自分たちで識者らを招き、主に自社番組を誉めてもらったり、あるいは辛口の言葉を投げ掛けてもらったりしているが、すでにネット上で視聴者側のジャッジは下されているのだから、現行のスタイルはほとんど意味を持たなくなっている。
低視聴率であっても良質の番組はネット上に賛辞の言葉が並び、どうしようもない番組はこき下ろされる。ところが、批評番組ではゲストが番組をボロクソに貶すのを見たことがない。
批評番組側が自分たちでゲストを選んでいるのだから無理もないが、これでは予定調和に過ぎず、残念ながらネット時代の視聴者の胸には響かない。
圧倒的優位性の消失をテレビ局側が認めていないから、テレビの最大の弱点である「一方通行性」も解消に至っていない。一方通行性とは、タイムテーブルに従っての番組視聴を義務付けていることだ。YouTubeやニコニコ動画、NTTドコモのdビデオなどと違い、テレビは見逃したらお終いである。
各局とも放送済み番組の動画配信を始めてはいるが、まだ利便性や料金面で難がある。PRも十分とは言えない。ラジオにおける「radiko」のようなネット上の同時配信も地上波にはない。ラジオは聴取率低下もあって、自分たちに優位性がないことを否応なしに気付かされている。
だから、テレビの動画配信より簡便なポッドキャストも導入して、リスナーの利便性を追求している。
パナソニックが2013年4月に発売した「スマートビエラ」のCMが、各局から締め出されたのもテレビ局側が自分たちに優位性があると思い込んでいる表れだ。スマートビエラはスイッチを入れた途端、番組画面とYouTubeなどのネットのコンテンツが並ぶ。これが、テレビ番組とネット情報の混同を招くとして問題視されたのだが、ネット普及率が9割の時代に両者の区別が付かないユーザーなどいない。
ましてスマートビエラを購入しようするくらいのユーザーが、商品特性が分からないとは思えない。これではテレビ局側が見る側の利便性を軽んじていると受け取られても仕方がない。
ネットをめぐる事件が起こると、報道・情報番組のキャスター、コメンテーターは競ってネットの危険性を訴える。まるでライバル叩きをしているように映る。
だが、手紙がコミュニケーション手段だった時代には文通を巡る事件が頻発していたのだ。技術の進化に罪はなく、ネットを責めているだけで事件を防げるはずがない。
テレビ局側が気付いてなかろうが、認めまいが、ネットの出現によってテレビの圧倒的優位性が消失したのは事実だ。時代には抗えない。これからは従来通りに番組の質が問われる一方で、不誠実な番組づくりは許されず、さらに見る側の利便性を優先的に考えることが迫られる。
テレビ局は免許事業である以外、ビールメーカーや自動車メーカーと変わらず、コンテンツ・メーカーに過ぎない。メーカーがユーザー本位で物事を考えず、成功を収められるはずがない。
関連項目
- マスメディア
- マスコミュニケーション
- メディア・リテラシー
- イエロー・ジャーナリズム
- マスコミ不信
- 報道しない自由
- 大本営発表
- 放送利権
- 報道
- 第四権力
- 報道被害
- テレビ離れ
- 偏向報道
- 虚偽報道
- ネガティブ・キャンペーン
- 一億総白痴化
- 東京放送
参考文献
- 日隅一雄『マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのかー権力に縛られたメディアのシステムを俯瞰する』 現代人文社、2008年 ISBN 4877983716
- 黒薮哲哉『新聞があぶない―新聞販売黒書』 花伝社、2006年 ISBN 476340458X
外部リンク
- 「マスゴミ」と呼ばれ続けて ・続篇(友人座談会編)(ITpro)
- ネット時代とジャーナリズム不信の関係を考える(1)―北野誠「永久追放」事件などから見えてきた問題―(NPJ通信「メディアは今何を問われているか」桂敬一)