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ヤード・ポンド法は、2014年現在では特にアメリカ合衆国を中心に使用されている単位系である。世界の国々の中で、メートル法(又は国際単位系)を用いずに、ヤードポンド法を用いている国は、アメリカ合衆国のほかは、ミャンマー、リベリアのみである[1]。ただしリベリアでは民間主導でメートル法への移行が行われ、今日ではヤード・ポンド法はほとんど使用されていない。ミャンマーでも、2013年に、メートル法への移行を準備していると宣言された[2][3][4]。
日本では少数の例外(後述)を除き、計量法により使用が禁止されている。
目次
概説[編集]
「ヤード・ポンド法」という名称は、長さはヤード、質量はポンドを基本となる単位としていることによる日本での名称である。英語では、1824年に基本が定められ、当時の大英帝国を構成する各地で使われたことからImperial unit(帝国単位)と呼んでいる。アメリカ合衆国で使われている単位系はU.S. customary unit(米慣習単位)といい、歴史的経緯により同じ単位名称でも値が異なるものもある。本項では、イギリスの帝国単位とアメリカ合衆国の米慣習単位の両方について説明する。
日本における使用制限[編集]
日本では、1909年にヤード・ポンド法の使用が認められた。1921年に使用が禁止されたものの、戦後、再び使用が認められた。1959年1月1日より計量法により原則としてメートル法のみを使用することとなり、尺貫法とともにヤード・ポンド法の使用は禁止された。
ただし、例外として次の5つについては、当分の間、ヤード・ポンド法の使用が認められている[5][6]。
- 輸出されるべき計量器(計量法9条2項)
- 航空機の運航に関する取引・証明(計量法附則5条2項1号)
- ヤードポンド法で表記されて輸入された商品[7]で、法定計量単位を併記したものの取引・証明(計量法附則5条2項2号)
- 日本国内の合衆国軍隊・国際連合軍隊に属する者が用いる場合(計量単位令6条1項2号)
- 自衛隊が武器の一部として使用する計量器(計量単位令12条1号ロ)
歴史[編集]
ヤード・ポンド法は、西洋で古代から使われ変遷してきた単位の延長線上にあるものである。すなわち、イギリス以外のヨーロッパ諸国でも、かつてはヤード・ポンド法と発祥を同じくする、それと似たような単位(ただし名称は言語により異なる)を使用していた。それらの国は早いうちにメートル法へ完全移行したため、20世紀までには、ヤード・ポンド法およびそれに類する単位系を常用する国は、主要国ではイギリスとアメリカ合衆国を残すのみとなった。
イギリス[編集]
イギリスの帝国単位は、1824年の度量衡法 (Weights and Measures Act) によって初めて法的に定義され、以降改正が加えられた。この単位系はイギリスの当時の植民地および英連邦諸国でも使われたが、この時13植民地は既にイギリスから独立、アメリカ合衆国となり英連邦にも入っていなかったため、イギリスの度量衡法は導入されていない。
初期のメートル法と同様、19世紀のイギリスではヤード・ポンドの原器を用いていたが、1897年の度量衡法改定でメートル法との対応を加え、1m = 39.370113インチとした。ポンドは翌年に0.45359243kgとした。
イギリスとアメリカ合衆国とで基本となる単位の値にわずかな違いがあったため、1958年にカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、イギリス、アメリカの6か国による国際協定が結ばれ、国際単位系(メートル法)の単位によって定義された同じ値(1ヤード=正確に0.9144メートル、1ポンド=正確に0.453 592 37キログラム)を採用した[8]。イギリスでは、上記の国際協定による定義は、1963年の度量衡法によって法定された。
イギリスでは1995年に国際単位系(SI)に移行し、ヤード・ポンド法の単位は一部を除いて2000年から使用を禁止しているが、現在でも「反メートル法運動」という、メートル法使用に反対する人たちがいる (Anti-metric movement)。道路標識・車の速度計(イギリス向けに限らずアメリカ・カナダ向けも)や燃料計・小売り販売などでは現在も両方の表示が普通である。
アメリカ[編集]
アメリカ合衆国は、1875年に締結されたメートル条約の原加盟国であり、以降、法律上はメートル法を公式の単位系としている。ヤード・ポンド法をcustomary unit(慣習的な単位)と呼んでいるのはそのためである。
しかし、メートル条約加盟から1世紀以上も経過している今日でも、アメリカ合衆国では一般にはヤード・ポンド法の方が広く使用されている。1992年以降、日常的に使用する単位をメートル法(国際単位系)へ移行するための政府の取り組みもあるが、法的にはヤード・ポンド法の使用は禁止されていない。商品のラベルをメートル法のみで記すことは、ニューヨーク州以外では認められている[9]。アメリカ合衆国では、今でも、メートル法への移行に反対する運動がある。
はじめアメリカ合衆国はイギリスと同じ標準を使っていたが、1893年以降はメートル法を元に、1ヤードを1200/3937mと定義し直した。このためイギリスとアメリカで多少の数値の違いが発生することになった。1959年以降は国際ヤード・ポンドの値を採用したが、古い値は測量用に残されている(測量フィート)。
その他の国[編集]
カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・アイルランドなど、従来ヤード・ポンド法を使っていた国々は、1970年代以降メートル法に移行した。しかしカナダではメートル法の表示を先にする限りヤード・ポンド法の併記も認めており、移行は実質的に頓挫している。ギムリー・グライダーの燃料切れはカナダにおける移行の失敗を象徴する事件である。
第二次世界大戦から冷戦期にかけて世界の超大国としての地位を確立したアメリカ合衆国が、いまだにヤード・ポンド法を使用しているため、メートル法に移行した国の多くでもアメリカ合衆国の強い影響下にある分野(スポーツ、軍事、航空・宇宙など)に限定してヤード・ポンド法の使用を公式・非公式に認めざるを得なくなっている。また、それ以外の分野についてもヤード・ポンド法の単位が使用されていたり、メートル法であってもヤード・ポンド法の単位の整数倍の値が使われていたりする。
単位[編集]
長さ[編集]
ヤードが基本単位とされているが、実際にはフィートを元に組み立てた単位の方が多い。アメリカ合衆国では、フィートには国際フィートと測量フィートの2種類があるが、ロッド、チェーン 、ハロンは測量フィートにのみ基づく単位であることに注意。
- 1バーリーコーン (barleycorn) = 1/3インチ = 約8.467 mm
- 1インチ (inch, in, ″) = 1/12 国際フィート = 正確に 25.4 mm
- 1フィート (foot, feet[10], ft, ′) = 1/3ヤード = 正確に 304.8 mm
これは「国際フィート」と呼ばれる。
- 1測量フィート (survey foot, survey feet[11], ft) = 1200/3937 m = 約 304.800 609 601 219 mm
- 1ヤード (yard, yd) = 3 国際フィート = 正確に 0.9144 m (定義)
- 1ロッド (rod) = 16.5 測量フィート = 約 5.029 210 058 m
ロッドは、ポール(pole)又はパーチ(perch)とも呼ばれる。
- 1チェーン (chain) = 4ロッド = 66 測量フィート = 約 20.116 840 234 m
- 1ハロン (furlong) = 10チェーン = 660 測量フィート = 約 201.168 402 337 m
- 1マイル (mile, ml) = 1760ヤード = 5280 国際フィート = 正確に 1609.344 m = 正確に 1.609 344 km
これは「国際マイル」と呼ばれる。
面積[編集]
長さの単位の平方(平方フィート、平方マイルなど)が使用されるが、それとは別の定義による以下の単位がある。
- 1ルード (rood, ro) = 1ポール×1ハロン = 1210平方ヤード (yd2) = 正確に 1011.714 1056 m2
- 1エーカー (acre, ac) = 1チェーン×1ハロン = 4ルード = 4840平方ヤード (yd2) = 正確に 4 046.856 4224 m2
容積[編集]
ガロンを基本の単位とする。ヤード・ポンド法では、液体用(液量ガロン)と穀物用(乾量ガロン)で異なるガロンを用いている(乾量単位・液量単位を参照)。さらに、イギリスとアメリカではガロンの値が異なる。イギリスでは液体用と穀物用の単位を統一しているので、全部で3種類のガロンがあることになる。さらに、それぞれのガロンの分量・倍量単位として、同じ名前の異なる単位が存在することになる。さらに紛らわしいことに、日本の計量法はまた別の独自の定義をしている。
以下に示すのは英ガロンによる値である[12] 。
- 1液量オンス (fluid ounce, fl oz) = 1/5ジル = 正確に 28.413 0625 mL
- 1ジル (gill) = 1/4パイント = 正確に 142.065 3125 mL
- 1パイント (pint, pt) = 1/2クォート = 20液量オンス = 正確に 568.261 25 mL
- 1クォート (quart, qt) = 1/4ガロン = 正確に 1.136 5225 L
- 1ガロン (gallon, gal) = 正確に 4.546 09 L
- 1ペック (peck) = 2ガロン = 正確に 9.092 18 L
- 1ケニング (kenning) = 2ペック = 正確に 18.184 36 L
- 1ブッシェル (bushel) = 8ガロン= 2ケニング = 正確に 36.368 72 L
- 1ファーキン (firkin) = 9ガロン = 正確に 40.914 81 L
- 1キルダーキン (kilderkin) = 18ガロン = 2ファーキン=正確に 81.829 62 L
- 1バレル (barrel) = 36ガロン = 正確に 163.659 24 L
- 1ホッグズヘッド (hogshead) = 54ガロン = 正確に 245.488 86 L
- 1クォーター (quarter) = 8ブッシェル = 64ガロン = 正確に 290.949 76 L
米液量ガロンでは以下のようになる。
- 1液量オンス = 正確に 29.573 529 5625 mL
- 1パイント = 1/2クォート = 16液量オンス = 正確に 473.176 473 mL
- 1クォート = 1/4ガロン = 正確に 946.352 946 mL
- 1ガロン = 231立方インチ(定義)= 正確に 3.785 411 784 L
- 1バレル = 31.5ガロン = 正確に 119.240 471 196 L
原油の計量に国際的に用いられるバレルは、42米液量ガロン(正確に 158.987 294 928 リットル)である。
以下は、日本の計量法における定義である(計量単位令 別表第7[6])。英国、米国の法定の定義とは異なることに注意。また、計量法では「液量」ではなく「液用」を用いている。
- 1 米液用オンス = 正確に 29.5735 mL
- 1 英液用オンス = 正確に 28.4134 mL
- 1 ガロン = 正確に 3.785 412 L
質量[編集]
ポンドを基本単位とする。質量の単位には常衡・トロイ衡(金に用いられる金衡)・薬衡の3つの系統がある。普段用いられるのは常衡による単位であり、トロイ衡・薬衡については「トロイ」「薬用」を単位名称の前につける(常衡であることを明示する場合には「常用」をつける)。どの系統でもグレーンの値は同じであり、ポンドがその何倍であるかが異なる。薬衡は今日ではほとんど用いられておらず、トロイ衡もトロイオンス以外は用いられていない。
ハンドレッドウェイトは100ポンドであることに由来する名称だが、イギリスでは間にストーンが挿入されたため、1ハンドレッドウェイトは112ポンドとなっている。アメリカでは今でも100ポンドである。その上のトンの値の違いは、ハンドレッドウェイトの違いによるものである。区別のため、イギリス(英トン)のものはlong/gross、アメリカ(米トン)のものはshort/netが単位名称の前につけられることがある。
- 1グレーン (grain) = 正確に 0.064 798 91 g
- 1ドラム (drachm) = 1/16オンス = 正確に 1.771 845 195 3125 g
- 1オンス (ounce, oz) = 1/16ポンド = 正確に 28.349 523 125 g
- 1ポンド (pound, lb) = 7000グレーン = 正確に 0.453 592 37 kg(定義)
- 1ストーン(英)(stone) = 14ポンド = 正確に 6.350 293 18 kg
- 1クォーター(英)(long quarter) = 2ストーン = 28ポンド = 正確に 12.700 586 36 kg
- 1クォーター(米)(short quarter) = 25ポンド = 正確に 11.339 809 25 kg
- 1ハンドレッドウェイト(英)(long hundredweight) = 4クォーター = 112ポンド = 正確に 50.802 345 44 kg
- 1ハンドレッドウェイト(米)(short hundredweight) = 4クォーター = 100ポンド = 正確に 45.359 237 kg
- 1トン(英)(long ton) = 20ハンドレッドウェイト = 2240ポンド = 正確に 1016.046 9088 kg
- 1トン(米)(short ton) = 20ハンドレッドウェイト = 2000ポンド = 正確に 907.184 74 kg
単位系[編集]
ヤード・ポンド法はメートル法同様、度量衡である。一方、メートル法の中にMKS単位系やCGS単位系などさまざまな単位系があるように、ヤード・ポンド法の中にもさまざまな単位系が(理論上は)ありうる。
ただしヤード・ポンド法の単位系はメートル法のようには混乱しておらず、基本的にFPS単位系(fps単位系)だけが使われている。そのため、度量衡と単位系をメートル法ほど厳格に区別する必要はない。
FPS単位系は、長さにフィート (foot)、質量にポンド (pound)、時間に秒 (second) を使う単位系である。組立単位はそれらを乗除して作られる。
ただしFPS単位系のバリエーションとして、質量のポンドに代えて力のポンド重を基本単位にする重力単位系がある。
なお、ヤード・ポンド法の長さの単位は伝統的にヤードが基準とされているが、FPS単位系での長さの基本単位はフィートである。メートル法の中にセンチメートルを基本単位とするCGS単位系があるように、この2つは違ってもいいのである。
MKS単位系やCGS単位系は電磁気を扱うためにさまざまな拡張がなされた(国際単位系もその延長上にある)が、FPS単位系にはそのような拡張はない。そのためヤードポンド法には基本的に電磁気の単位がなく、ヤード・ポンド法を使っていても電磁気に関してはメートル法を使ったり、「ボルト毎フィート」のような単位系をまたがった組立単位を使うことになる。
日本でヤード・ポンド法が使われている分野[編集]
※正式には日本国内の商取引でインチやフィートなどの単位は使えないため、テレビ受像機などの商品などへの記載は「42型」などという表記をしている。
電気製品[編集]
- IC、LSI、関連電子部品(端子間隔でインチを単位としているものとミリメートルを単位としているものが混在している)
- テレビ受像機、ディスプレイモニタ(ブラウン管や液晶などの表示部の対角寸法でインチ)
- 固体撮像素子(その呼びに相当する大きさの撮像管の撮像面サイズ)
- ディスクメディアの媒体の直径。12 in = 304.8 mm、10 in = 254 mm、8 in = 203.2 mm、7 in = 177.8 mm、5.25 in = 133.35 mm、3.5 in = 88.9 mm、2.5 in = 63.5 mm、1.8 in = 45.75 mm など。ただし、CDの 120 mm はメートル法である。
- 磁気テープ(媒体幅でインチ。長さの単位ではフィート)。たとえばVHSはハーフインチ (1/2 in = 12.7 mm)。
- コンピュータ関連の、コネクタなど多くの構成部品
- 19インチラック
自動車[編集]
その他の工業製品[編集]
- 一部の食品の容量および重量。1 US pt = 1/8 US gal ≒ 473.176 ml は、アイスクリームや牛乳などにおいて、アメリカ占領時代の名残として沖縄に多くみられる。ジュース、ビールなどの350 cc 缶(アメリカンサイズ)は 12 fl oz ≒ 354.88 ml に由来。またバターで重量約1ポンドを包装したものが「ポンドバター」等という名称で売られている。
- 映画用フィルム(媒体の長さをフィートで表す。幅はミリ)
- 写真用フィルム(4×5インチカメラ・フィルム、8×10インチカメラ・フィルム)
- 印刷関係(用紙のサイズ、ドットピッチ (dpi) 等)。
- トイレットペーパーのサイズ。標準的な幅 114 mm ≒ 4 1/2 in、内径 38 mm ≒ 1 1/2 in。
- 軌間(鉄道の線路の幅)。イギリスから持ち込まれた技術なので、ごく一部を除きフィートが基準になっている。標準軌 = 1435 mm ≒ 4 ft 8 1/2 in、狭軌 = 1067 mm ≒ 3 ft 6 in。
- ジーンズなどのウエストサイズ(cm表示ではあるが、基本的にサイズは1インチ = 2.54 cm刻みで変えられており、それらをcmの近似値に換算表示している)
- 拳銃の口径(100分の1インチ=0.254mmを単位として、100分の40インチ=40口径などと表現する)
- 油圧などの流体用配管・継手にインチねじが用いられている。呼びサイズは8分の1インチ刻みで 1/8、1/4、3/8 等々と表記される。
スポーツ[編集]
- ゴルフやアメリカンフットボールでの距離の単位(ヤード)。
- ボウリングでのボールの質量の単位(ポンド)。
- 陸上競技でのハードルの高さやレーンの幅、砲丸投等の重さ。
- ルアーフィッシング、フライフィッシングでのルアーの重さや長さ、竿(ロッド)の長さ、糸(ライン)の強度等。
- 陸上競技の長距離走の一部レースにおける「10マイルロードレース」などの距離設定。
- 一部自転車ロードレースの距離設定。「サロベツ100マイルロードレース」など。
- 日本の競馬
- 野球における球場のダイヤモンドにおける距離設定、使用するボールの重量など(フィート基準で決定、日本国内ルールではメートルに換算、表示)。さらにMLBはもちろん国際試合であっても、野球選手の身長や体重といった個人プロフィールがヤード・ポンド法で記載されることが多い。
- プロボクシングの階級別体重制限(ポンド)、およびボクシンググローブの重量(オンス)。
- バスケットボールの床面からゴールリングまでの高さ。(10フィート=3.048m)
- サッカーのフィールドの距離設定、およびペナルティキックもしくはフリーキックの際の、キッカーと他選手との間の最少距離(現在はメートル法に換算し記載されているが、元々の設定単位はヤードもしくはインチ)。
- テニスラケット、バドミントンラケットのガットを張る際のテンション(張力)(ポンド単位)
- ビリヤードにおける各用具の重量、サイズ(メートル法換算されているが元々の設定はヤード・ポンド法)
- アーチェリーやクロスボウの弓の張力を表す単位(ポンド)や構成部品の長さ(インチ)
その他[編集]
- 航空交通管制(飛行機の飛行高度をフィートで表示)
- アメリカを発着する民間航空機の荷物重量制限(キログラムでも表示されるが、本来ポンド単位で決められている重量制限をキロ近似値換算したもの。50ポンド→23kg 70ポンド→32kgなど)
- 打楽器の鼓面の大きさ。(cmで表記されている物もあるが、インチ換算すると、きっちりした数字になるものもある。20cm→8インチ、51cm→20インチなど)
- パイプオルガンのパイプの長さ(レジスターのピッチ表示にフィートが使われている)。ここから、チェンバロ(ハープシコード)のレジスター表記にも用いられる(8', 4', 稀に16', 2')。
航空会社のマイレージプログラムは陸上マイルではなく海上マイル(海里)を使用しているので、ヤード・ポンド法とは直接関係ない。
脚注[編集]
- ↑ The World Factbook APPENDIX G :: WEIGHTS AND MEASURES, "At this time, only three countries - Burma, Liberia, and the US - have not adopted the International System of Units (SI, or metric system) as their official system of weights and measures."
- ↑ Metrication in Myanmar Last modified on Monday, 03 March 2014
- ↑ Myanmar to adopt metric system ELEVEN, 10 October 2013
- ↑ Metrication in Myanmar Metric views, Posted on 2014-03-04 by derekp
- ↑ [1] 計量法第9条第2項(適用除外)、附則第5条(ヤードポンド法による計量単位)
- ↑ [2] 例外(取引又は証明の使用が認められる場合) 1.ヤードポンド法による計量単位について、 掲載産業省 産業技術環境局 計量行政室
- ↑ [3] 表7 輸入された商品で、法定計量単位を併記することで、ヤードポンド法による計量単位を使用可能な商品
- ↑ [4]PDF Louis E. Barbrow and Lewis V. Judson,"Weights and Measures Standards of the United States A brief history", 1976, Appendix 5. The United States Yard and Pound, Refinement of Values for the Yard and the Pound, pp30-31.
- ↑ () US Metric Association [ arch. ] 2014/07/07
- ↑ footの複数形
- ↑ footの複数形
- ↑ [5] RELEVANT IMPERIAL UNITS, CORRESPONDING METRIC UNITS AND METRIC EQUIVALENTS The Units of Measurement Regulations 1995
関連項目[編集]
- エア・カナダ143便エンジン停止事故 - メートル法との混乱によって生じた事故。
- マーズ・クライメイト・オービター - メートル法との単位換算の設計ミスで、誤って火星大気圏内に突入し破壊された探査機。
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