「強要罪」の版間の差分
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強要罪(きょうようざい)とは、刑法で規定された個人的法益に対する犯罪。権利の行使を妨害し、義務なきことを強制することで成立する。保護法益は、意思の自由。「刑法 第二編 罪 第三十二章 脅迫の罪」に、脅迫罪とともに規定されている。
人を逮捕・監禁して第三者に行為を要求した場合には、特別法である人質による強要行為等の処罰に関する法律により重く処罰される。
条文[編集]
- (強要)
- 第223条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
- 2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
- 3 前2項の罪の未遂は、罰する。
強要罪が成立したケース[編集]
- いわゆる「押し売り」
- 建設業者が、宅地開発を許可しない県庁の課長の腕を掴んで、無理やり公印を押させた。
- 周囲を取り囲み、謝罪文を書かせた。
- 使用者が労働者に解雇か一身上の都合での退職を選べと選択を迫り、退職願(「会社都合」ではなく「一身上の都合」)を書かせた。
- 店員にクレームをつけ、土下座を強要。
他罪との関係[編集]
- 害悪を告知しても結果が発生しなかった場合は、脅迫罪ではなく223条3項により強要罪の未遂が成立する。
- 害悪を告知して人の財物等を強取した場合は236条により強盗罪が成立する。畏怖させて財物等を提供させた場合は249条により恐喝罪が成立する。
- その他、強姦罪、監禁罪などが成立する場合は、強要罪の成立は排除される。
- 多衆により強要行為を行なった場合には暴力行為等処罰ニ関スル法律が適用される場合がある。