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2013年9月25日 (水) 22:47時点における版
高間 美花(たかま みか)とは、2011年7月に他店ホステス・福田益美さん(27)を殺害したホステスである。
事件概要
2011年7月21日午後10時過ぎ、京都府木津川市のアパートの一室で福田益美さん(27)の遺体が発見された。遺体を発見したのは、連絡の取れないことを不審に思った交際相手の25歳の男性だった。
その4日後の25日に、高間美花(27)が殺人容疑で逮捕された。高間が交際していた妻子持ちの男が通うクラブで、福田さんが指名されていたことによる嫉妬心からの犯行であった。
経緯
「女性はTシャツ短パン姿で血だまりのなか、居間でうつぶせに倒れていた。洗面所や風呂場などにも点々と血痕が付着し、室内には争った形跡があった。胸や腕に数ヵ所の刺し傷があり、その一部は骨に達するほど深く刺されていた。でも、直接の死因は、首にバスタオルが巻きつけられたことによる窒息死でした」
殺害されたの福田益美さん(27)は奈良市内の高級クラブ『M』の人気ホステスだった。その一方で、週1、2回、パチンコ店でも働いていたという。ずいぶん働き者だという印象が残る。福田益美さんは、名張おとめというキャンペンガールも務めていた。
捜査関係者は、高間との接点を打ち明ける。「事前に2人に面識はなかったと見られている。尾行するくらいだから、当然、高間は福田さんの自宅アパートの場所も知らなかったに違いない。 だがある一人の男を巡って、2人には接点があったのです」
その男とは奈良県内で建設会社を経営する37歳の若手社長。但し、建設会社とはいっても、売上金約2億円、従業員はわずか4名の零細企業だ。
高間美花はこの社長とかつて交際していた。彼女はそこで刃傷沙汰を起こしていた。「一昨年の10月のことでした。別れ話のもつれから、彼女がその交際相手を包丁で切りつけたのです。その男の血でアパートの玄関が真っ赤に染まり、大騒ぎになりました」(近所の住民)
現行犯逮捕された高間は、その後、執行猶予付きの有罪判決を受けたという。罪名は殺人未遂。だが田舎で、この事件は表沙汰にすることはなかった。最終判決は、懲役3年、執行猶予4年の判決を受けた。2009年、高間は懲役にならず、娑婆に出た。高間の親族は社長に付き合いをやめるよう要請。男性もいったん同意したが、その後、再び交際するようになったという。
「でも事件から2ヶ月後には、いまのアパートで生活をはじめるようになっていた。しかも、あんな事件を起こしたのに、切られた男の出入りは相変わらず。ポルシェ・カイエンやアルファードなどの高級車をアパート前に乗りつけていた。そういえば、2週間前にも、来ていましたよ。彼女の部屋は1階なので、寝転がってテレビを見ている男の姿が窓から見えました」
この建設会社の社長には妻と幼い子供がいる。
「その社長は高間の店の客でしたが、福田さんが勤めていた『M』の常連客でもあった。福田さんは社長と食事をし、店に同伴出勤していました。高間は店の外からその様子をジッと窺っていたのでしょうね。福田さんと社長は男女の関係ではなかった。でも社長との関係がうまくいかなくなった高間が、福田さんのせいだと一方的に憎悪を募らせ、犯行に及んだ可能性が高い。福田さんの携帯番号を入手したのは、社長の携帯を盗み見たのかもしれません」
「部屋の玄関や窓は施錠され、財布は手つかずで残されていた。警察は金品目的ではなく、福田さんに強い恨みを持つ者の犯行とみて、捜査を開始しました。ただ、犯人は当初からほぼ女だと絞り込んでいた。なぜなら、室内に残されていた犯人の靴跡のサイズが24~25センチで、男性としては小さかったからです」
福田さんがクラブ『M』を後にした21日の午前0時半過ぎ。赤い自家用車で出勤していた彼女は運転代行業者を利用し自宅アパートに向かった。その代行業者の車を高間美花はつけていた。
別の府警担当記者によれば「シルバーの軽自動車が帰宅する彼女を尾行していたのです。周辺のコンビニなどの防犯カメラにもそのクルマは映っていて、ナンバーからレンタカーであることが判明。簡単に、借主は割り出されました」
「逮捕の決め手となったのはレンタカーで尾行したことに加え、福田さんの携帯電話に彼女からの着信の記録が残っていたことです。福田さんは運転代行業者のクルマに乗りながら、午前1時ごろ、彼氏に電話をかけた。彼氏は電話に出なかったのですが、その直後、高間からの着信があり、会話をした形跡が残されていました」
今回の逮捕のキーとなったのは、「室内にのこされていた足跡」「防犯カメラに映っていた車のナンバー」「携帯の着信記録」の3点になる。
殺された福田益美さん
福田益美さんは三重県名張市出身で、中学、高校と新体操で活躍し、インターハイに出場したこともあった。誰からも好かれる女性だったという。高校卒業後、国交省の事務局で非常勤職員として働きながら、名張おとめというキャンギャルを2004年7月から2年間務めていた。
名張市・商工観光室の福井眞佐也氏に聞くと「面接を受けた10数名のうち、彼女を含めた5名が”名張りおとめ”に選ばれました。明るい性格で仕事も積極的にこなしていた。印象的だったのは、”新体操をしていたんです”と言って、面接のときに側転を披露したことです」
福田さんは”名張りおとめ”引退と同時に木津川上流河川事務所も退職。その後、派遣会社に登録し、パチンコ店で働くようになった。そしてパチンコ店で知り合った25歳の男性と交際を始め、近々、結婚する予定だったという。
殺人者・高間美花
一方、加害者の高間は壮絶な半生を送っていた。彼女の実家は、奈良県磯城郡の田畑に囲まれた住宅街にある。彼女の同級生がこう振り返る。
「美花ちゃんの父親は塗装業を営んでいるのですが、3回結婚して3回離婚している。最初の結婚のときの子どもが美花ちゃんだった。でも、彼女が生まれて5カ月で母親は出て行ってしまった。父親の暴力が原因だと聞いています。その後、彼女は祖父母のもとで育てられた。小、中学生のころの彼女はおとなしく、ヤンチャをするタイプではありませんでした」
ところが、「高校2年のころ、彼女は女の子を出産したのです。相手は数歳年上の男性でした。籍は入れたものの、すぐに離婚。美花ちゃんは娘が4歳くらいになるまで、祖父母と一緒に暮らしていました。でも、突然、彼女と娘は出て行ってしまった。今回、警察に捕まったとき、彼女は独り暮らしだったようですし、娘はどこかに預けているんでしょうかね」子どもは、別れた夫が養育しているようだという情報もある。
さらに、高間の知人がこう言う。「彼女は、身長165センチくらいあってスラッとした細身。普段、サングラスをかけることが多かった。ホステスだからでしょうけど、ブランド好き。性格は自分勝手なうえに負けん気が強かった。車を駐車場に停めるときだって枠なんてお構いなし。そんな彼女ですから、福田さんへの対抗心が抑えきれなかったのかもしれません」
高間は昨年12月にも福田さんに男性との関係を問い質したことがあった。この時、福田さんは「別につきあっている人がいる。男性とは仕事上の関係」と否定した。高間も納得したはずだった。それから7か月の後、当事件が起きてしまった。