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レースクイーンの分類としては、純粋にレースクイーンだけを生業とする者がいる一方で、学生やその企業の従業員が兼業で就業することもままある。また、タレントや俳優として名を成した者もしくは[[グラビアアイドル]]などでデビューした後に年契約でレースクイーンを務める、[[コスプレイヤー]]や[[ネットアイドル]]といった「アイドル予備軍」が参入する、など経歴や形態が多様化している。現役女子高生のレースクイーンといった低年齢化も進んでいる。 | レースクイーンの分類としては、純粋にレースクイーンだけを生業とする者がいる一方で、学生やその企業の従業員が兼業で就業することもままある。また、タレントや俳優として名を成した者もしくは[[グラビアアイドル]]などでデビューした後に年契約でレースクイーンを務める、[[コスプレイヤー]]や[[ネットアイドル]]といった「アイドル予備軍」が参入する、など経歴や形態が多様化している。現役女子高生のレースクイーンといった低年齢化も進んでいる。 |
2020年1月7日 (火) 10:18時点における版
レースクイーン(race queen)は、モータースポーツ(自動車、オートバイなどのレース)に参戦する各チームのスポンサーのコンパニオンであり職業美人である。主として20歳前後から30歳前後の女性が就いている。「RQ」と略される場合もある。
レース前配置(グリッド)を案内するため、レーサーの名前と番号が書かれたプラカードを持っている係員は、主催者が雇ったグリッドガール(Grid-Girl)である。
元々はレース主催者などに雇われた(選ばれた)数名の女性(例えば鈴鹿サーキットクイーン等)で、優勝者の表彰などレース運営の中で一定のシンボル的役目を担う者を指す言葉だったが、現在ではそれらの女性をサーキットクイーンと呼び、チームに雇われたキャンペーンガール(キャンギャル)をレースクイーンと呼ぶようになっている。また「レースクイーン」という用語は元々英語のPromotional modelのサーキット版というニュアンスで作られた和製英語で、英語では上記の「Promotional model」に加え「Paddock girls」などの名称が用いられている。
レースクイーンの分類としては、純粋にレースクイーンだけを生業とする者がいる一方で、学生やその企業の従業員が兼業で就業することもままある。また、タレントや俳優として名を成した者もしくはグラビアアイドルなどでデビューした後に年契約でレースクイーンを務める、コスプレイヤーやネットアイドルといった「アイドル予備軍」が参入する、など経歴や形態が多様化している。現役女子高生のレースクイーンといった低年齢化も進んでいる。
目次
歴史
1960年代後半に小川ローザらがサーキットでモデルとして活躍したのが起源といわれている。以後その形態にあまり変化はなく、開会式や表彰式のアシスタントとして従事する程度であったが、1984年に開催された日本最高峰のオートバイ耐久レース「鈴鹿8時間耐久ロードレース」で、一部チームのキャンペーンガールがチーム名のロゴマークを入れた水着を着て応援し、話題となった。
1980年代後半のバブル経済絶頂期に入ると、チームやスポンサー企業のロゴが入った極めて布地面積が少ないハイレグ・レオタードを身に纏った女性たちがサーキットに多数出現し、人気を博した。それ以降、このようなスタイルがレースクイーンの主流として定着した。特にオートバイのレーシングチームでキャンペーンガールを務めた飯島直子と岡本夏生の大ブレイクで、レースクイーンはサーキットを飛び出して様々な舞台へと進出するようになっていった。日本のレースクイーンは芸能界、人気タレントやアイドル特に映画女優への登竜門的存在となっている[1]。当時は日本以外の国では余り存在しておらず、レースクイーンは日本が発祥の地であると言われている[2]。
現状
現在はレースクイーン専門の芸能事務所が多数あり、その事務所がレースが行われない週末を利用してカメラ小僧向けのアマチュア撮影会を開催し、所属のレースクイーンをモデルとして出演させて収益を得る、といったことが行われている。そのため最近では、レースはスポンサーアピール以上に撮影会の開催の宣伝の場ともなっている(カメラ専門誌の広告にスタジオ主催の撮影会スケジュールが掲載されていることが多い)。
またメディアでは、つくばテレビの『エンタ!371』のほか、『ギャルズパラダイス』・『トップクイーン』など、紙媒体と連動した専門サイトがある。業態が変わって以降のつくばテレビは、レースクイーンの温泉紀行などの企画ものも含め、複数のコンテンツを持つ。
逆に「現役レースクイーン」の肩書き欲しさに、イベントコンパニオン関連の事務所(中でもパチンコ系のイベント会社)やアダルトビデオの制作会社(ソフト・オン・デマンドなど)が自社の資金でレーシングチームのスポンサーとなり、自社のコンパニオンやAV女優をレースクイーンに起用するといった例も見られる。特にAV女優をレースクイーンとしたソフト・オン・デマンドの例(2002年のフォーミュラ・ニッポンで山本清大をスポンサードした)では、当時プレスのみならずレース関係者、一般の観客の間からも激しい批判が起こった。
1990年代後半から、「レースクイーン・キャンギャル情報誌」を名乗る書籍(雑誌、ムック等)が雨後の筍のごとく次々と創刊されたが、『オートスポーツ』別冊として当初スタートした『ギャルズパラダイス』以外は大方ほんの数年で軒並み休刊・廃刊に追いやられている。
国内モータースポーツで一番動員力があるSUPER GT(旧全日本GT選手権)は注目度も高いため、年々レースクイーンの数も増加の一途をたどった。特に2003年には飽和状態が激化し、1レースで200名以上、1台のマシンに10名以上が立つチームも現れたことから、翌2004年以降は競技の進行を円滑に行うため「1台につき4名まで」という制限が主催者より課せられている。さらにシーズン直前には各チームのレースクイーンの着用するコスチュームの審査が行われ、過剰な露出が見られるものに対しては参加を認めない条項を課しており、シーズン中に規定に反する物に変えた場合は当該レースクイーンを外すことも定められている。他に、1シーズン中に参加するレースクイーンは登録しているメンバーのみとし、何らかの理由で人数が欠ける事態があっても欠員補充は原則認めないという規定が定められ、規制も厳しくなっている。
日本国外での状況
韓国、中国でも「レーシングガール」なる女性がサーキットに華を添えている。
欧米では「Paddock Girls」「Grid Girls」等の名称で、決勝レース時のダミーグリッドでの看板持ちなどに女性を起用することが多いが、これは基本的にレース主催者側が用意するもので、日本のレースクイーンのように各チームと契約してレース毎に帯同する形態とは異なる。ただ欧米ではこれらの女性についても「性差別の象徴」とみなして批判する意見があり、実際にFIA 世界耐久選手権(WEC)では2015年よりグリッドガールを原則廃止している[3](ただし富士スピードウェイで行われる日本ラウンドでは、2017年現在もグリッドガールが存在している[4])。
F1でも2015年ブラジルグランプリでは「女性だけを起用するのは不公平」との意見から「Grid boy and girl」として男女混在形式が導入されたほか[5]、2017年末にはWEC同様にグリッドガールを原則廃止すべきとの議論が巻き起こった(ただしドライバーやチーム関係者はこれに反対している)[6]。2018年1月にはF1が「現代の社会規範に適さない」としてレースクイーン(グリッドガール)廃止を発表した。このように、レースクイーン/グリッドガールに対する風当たりが強まりつつあるが、元レースクイーンの女優のケリー・ブルックは「これまで得た中で最高の仕事の1つでした。華やかに着こなし、明らかに見栄えの良いものでしたが、それを(何かに)利用されていると感じたことはありませんでした」と、コメントしている[1]。これではレースクイーンと結婚するミカ・サロのロマンスのようなケースが生まれなくなってしまうこともあり、懸念の声も広まっている[7]。
コスチュームの変遷
コスチュームのデザインは、同じチーム・スポンサーであっても毎年細部を含めて変更されており、その時代の流行が多く反映されている。
1980年代以前
サーキットのイメージガールである、本来のレースクイーンの活躍が見られた時期。
コスチュームはTシャツかタンクトップとホットパンツの組み合わせに、足元はブーツといういでたちが一般的。季節によって、丈の短いジャケットが加わる場合もある。たすきは必携で、時代やサーキットによっては、ミニスカートやティアラも見られる。
まだロングヘアはあまり見られない。
1980年代から1990年代前半
当時のエアロビクスブームの影響から、足ぐりの角度を極端に上げたハイレッグカット(ハイレグ)のワンピース型レオタードが主流となり、これにスポンサー名を直接プリントするか、またはたすきが用いられる。下には海外製を中心とした、ジャズダンス用のマチの見えない光沢のあるストッキングが組み合わされた。また、Tバックタイプのレオタードを着用するレースクイーンも多く見られた。
ピンヒールと大きな傘、そして当時流行の髪形(初期はレイヤー、その後ワンレンやソバージュ)とともに、レースクイーンの象徴的なスタイルとして強い印象を与えた。フェイスメイクは色黒、太眉が主流であった。
1990年代後半
ハイレグ路線から転換し、極端なミニスカートのワンピースが主流となる。スパンデックス素材で作成された体のラインがそのままに出るものから、徐々にエナメル素材(PVC)のものへと変化していった。
ワンピースの利点は布地面積が広いことであり、スポンサーロゴが大きくプリントされ、企業やチームカラーで色とりどりにデザインされた。大きな襟が付いていることも特徴的だった。
ハイレグに代わるセクシーさを求め、大胆なスリットを設けたり、バストの部分をくり抜き、谷間を強調するデザインが現れた。
2000年代初頭
大きな変化としてはワンピースからセパレートタイプへの移行が挙げられる。ウエスト部分を露出したアンダーバストまでの上衣(ホルターネック・チューブトップ・ハーフトップやキャミソールが中心)とミニスカートに、ブーツ(夏季はサンダル)、春や秋には七分袖丈の上着を合わせるというスタイルが主流となった。ワンピース時代と比べスポンサーロゴは小さくなったが、カラーリングの組み合わせが容易になった。
またパンツスタイルも採用されるようになり、長ズボン(スラックス)と短いホットパンツに大別される。この場合もサイドを網状にしたりカッティングしたりするなど大胆な露出が施されていた。
2000年代後半
引き続きセパレートタイプが主流となっているが、色や素材の違うパターンを織り込んで縫製された、細部にわたる複雑なデザインのものへと変化している。またショートパンツはローライズタイプが主流となっている。またアクセサリー・帽子・上着もチームによってさまざまに取り入れられている。さらにスポンサーによってはドレスやメイド服、セーラー服など、萌え系コスプレを意識したデザインも登場しており、露出一辺倒からの転換がうかがえる。
廃止
- 性差別に関するマナーは欧米は当然のごとく、ユーラシア・アジアでも非常に厳しくみられる傾向が21世紀に入り急激に強まっており、グリッドガールはその批判の先頭に立たされてきたこともあって、2018年1月31日、フォーミュラ1は「現代の社会規範にそぐわない」として2018年シーズンからグリッドガールの廃止を決定した[8]。グリッドガールに代わって「グリッドキッズ」を導入した[9]。グリッドボーイを試験的に導入したうえでの変更であった。
レースクイーンのイベント
レースクイーン出身タレント(50音順)
「Category:レースクイーン」も参照
その他のレースクイーン出身著名人
脚注
- ↑ 1.0 1.1 F1がレースクイーン廃止を発表!「現代の社会規範に適さない」 THE PAGE(ワードリーフ株式会社) 2018年2月1日
- ↑ 一挙蔵出し! Fニッポン・レースクイーン集 MSN産経ニュース 2012.12.29
- ↑ FIA世界耐久選手権のグリッド・ガールが今年から廃止に! - autoblog日本版・2015年4月8日
- ↑ 日本のトップレースクイーン8名が世界耐久選手権のグリッドを華やかに演出 - NewsWalker・2017年10月2日
- ↑ Verstappen also no F1 ‘grid boy’ fan - ThisisF1・2015年11月17日
- ↑ グリッドガール廃止説にドライバーたちが反対「F1から美しさをこれ以上奪わないで……」 - オートスポーツ・2017年12月18日
- ↑ (2018-02-04) 現役レースクイーン 「女性差別じゃなくて職業差別」 f1-gate.com [ arch. ] 2018-09-23
- ↑ (2018-02-01) F1、グリッドガール廃止 「現代の社会規範にそぐわず」 フランス通信社 2018-02-01 [ arch. ] 2018-05-26
- ↑ (2018-02-06) F1、グリッドガール廃止に代わって『グリッドキッズ』の導入を正式発表 オートスポーツWeb 2018-02-06 [ arch. ] 2018-05-26
関連項目
- イベント、会場のマスコット