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(社会構造としての問題、格差の元凶としての問題)
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また「日本の財界の者やそれと関係のある政治家たちが、企業経営者側の都合ばかりを優先し、経営者にとって都合のよい派遣労働者の割合が非常に増えてしまうように法律を変えてしまった。日本の雇用のしくみ、つまり日本人の社会の構造をこのようにしてしまったことに根本的な問題がある」「もはや"個々人の選択の問題"などといったことにとどまるものではなく、未来の展望を持つことを望んでいるのにどうにも持てない人々を大量に作りだしてしまう、社会構造としての問題だ」「こういう社会構造を放置しておくこと、苦しむ人々を放置しておくことは、社会や政府として問題がある」といった主旨のことは(特に2008年ごろ以降は)マスコミ(TV、新聞など)などでも時々言及されるようになっている。だが、問題は根深く、日本政府の対応(改善策)は遅々としてあまり進んでいない(2010年現在)。そうこうしているうちに、2010年6月には、やはり派遣労働者の立場から抜け出せなくなり苦境に陥った男性が[[マツダ]]で無差別殺人を起こすという事件が起きてしまった(マツダ本社工場での連続殺傷事件)。
 
また「日本の財界の者やそれと関係のある政治家たちが、企業経営者側の都合ばかりを優先し、経営者にとって都合のよい派遣労働者の割合が非常に増えてしまうように法律を変えてしまった。日本の雇用のしくみ、つまり日本人の社会の構造をこのようにしてしまったことに根本的な問題がある」「もはや"個々人の選択の問題"などといったことにとどまるものではなく、未来の展望を持つことを望んでいるのにどうにも持てない人々を大量に作りだしてしまう、社会構造としての問題だ」「こういう社会構造を放置しておくこと、苦しむ人々を放置しておくことは、社会や政府として問題がある」といった主旨のことは(特に2008年ごろ以降は)マスコミ(TV、新聞など)などでも時々言及されるようになっている。だが、問題は根深く、日本政府の対応(改善策)は遅々としてあまり進んでいない(2010年現在)。そうこうしているうちに、2010年6月には、やはり派遣労働者の立場から抜け出せなくなり苦境に陥った男性が[[マツダ]]で無差別殺人を起こすという事件が起きてしまった(マツダ本社工場での連続殺傷事件)。
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[[Image:派遣社員問題.jpg|600px|派遣社員問題]]
  
 
== 派遣事業の種別 ==
 
== 派遣事業の種別 ==

2010年11月21日 (日) 20:26時点における版

労働者派遣(ろうどうしゃはけん)とは、雇用形態のひとつ。事業主(派遣元という)が、自分が雇用する労働者を自分のために労働させるのではなく、他の事業主(派遣先という)に派遣して、派遣先の指揮命令を受けて派遣先のために労働させる事をいう。

この雇用形態の労働者のことを一般に派遣社員(はけんしゃいん)といい、雇用関係は派遣元と派遣社員の間に存在するが、指揮命令関係は派遣先と派遣社員の間に存在するのが特徴である。労働者保護の観点から、派遣できる業種、派遣期間の上限、派遣を業として行うための許認可制度など様々な規定が労働者派遣法により定められている。俗に人材派遣、もしくは単に派遣と呼ばれる事が多い。

派遣会社搾取

概要

雇用形態について、通常は雇用するために契約を結ぶ場合、雇用者と労働者二面的契約関係となるが、労働者派遣法によって認められた形態では「派遣元(派遣会社=実際の雇用者)と労働者(派遣労働者)」、「派遣先と労働者」、「派遣元と派遣先」という三面的契約関係となる。

また、賃金の流れは、派遣元は労働者を雇用し賃金を支払い、労働者は派遣先の指揮監督を受け労務を提供し、派遣先は派遣元に派遣費用を支払う仕組みとなっている。

※労働者派遣法が出来る以前は、このような雇用形態を「間接雇用」として職業安定法により禁止していた。(労働者の労働契約に関して業として仲介をして利益を得る事の禁止。)

派遣可能な業種や職種は、拡大している。当初はコンピュータ(IT=情報技術)関係職種(システムエンジニアプログラマーオペレータ等)のように、専門性が強く、かつ一時的に人材が必要となる13の業種に限られていたが、次第に対象範囲が拡大し、1999年の改正により禁止業種以外は派遣が可能になる。

業界ごとの動向を見ると、販売関係や一般業務の分野では、大手銀行製造業電気通信事業者などの主要企業が人材派遣会社を設立し、親会社へ人材派遣を行い業務をこなすケースがみられるようになった。製造業などでは業務請負として、一定の業務ごと派遣会社から人材を派遣してもらう場合も多い。コンピューター関連職種では、最新技術への適応が求められることや長時間労働(いわゆるデスマーチ)に耐えられかつ派遣単価が安い若年者を求める顧客(派遣先)が多い。反面、年長者になるにつれて最新技術に追いつけなくなったり、年長者であるが故に派遣単価が高くなるなど顧客から敬遠される傾向にあり、他業種への転向を余儀なくされるケースが少なくない。

社会構造としての問題、格差の元凶としての問題

派遣社員の状況については、退職した後の就業機会など希望して派遣社員としての働き方を選択する人間が多いとの調査結果もありはするが他に選択肢がないためやむにやまれず派遣社員となったケースも存在する。正社員の雇用が少ない中で、派遣社員の雇用が増えていることなどから、格差社会の元凶との指摘もさかんにされるようになっている。

だが、派遣業界側は「派遣社員が非正規雇用の8%しか占めていないことや、派遣と請負の混同などで現状を誤解した誤った認識である」などと主張した。

2008年2月8日の衆議院予算委員会で日本共産党の志位和夫が行った質問で、労働者派遣事業の現状の問題を取り上げた。質疑の詳細は志位和夫#日雇い労働と派遣に関する質問を参照。

なお、日雇い派遣については、派遣元企業あるいは派遣先企業での違法行為が相次いで発覚したため、2009年を目途に日雇い派遣事業を原則禁止する方向で厚生労働省が検討している。詳細は、日雇い#日雇い雇用の問題点を参照。

なお、秋葉原通り魔事件江東マンション神隠し殺人事件の加害者はそれぞれ派遣社員であった。このため、派遣社員が置かれている経済的基盤が貧弱なことによる犯罪発生が懸念視されている。

また「日本の財界の者やそれと関係のある政治家たちが、企業経営者側の都合ばかりを優先し、経営者にとって都合のよい派遣労働者の割合が非常に増えてしまうように法律を変えてしまった。日本の雇用のしくみ、つまり日本人の社会の構造をこのようにしてしまったことに根本的な問題がある」「もはや"個々人の選択の問題"などといったことにとどまるものではなく、未来の展望を持つことを望んでいるのにどうにも持てない人々を大量に作りだしてしまう、社会構造としての問題だ」「こういう社会構造を放置しておくこと、苦しむ人々を放置しておくことは、社会や政府として問題がある」といった主旨のことは(特に2008年ごろ以降は)マスコミ(TV、新聞など)などでも時々言及されるようになっている。だが、問題は根深く、日本政府の対応(改善策)は遅々としてあまり進んでいない(2010年現在)。そうこうしているうちに、2010年6月には、やはり派遣労働者の立場から抜け出せなくなり苦境に陥った男性がマツダで無差別殺人を起こすという事件が起きてしまった(マツダ本社工場での連続殺傷事件)。

派遣社員問題

派遣事業の種別

特定労働者派遣事業
派遣元に常時雇用される労働者(自社の社員)を他社に派遣する形態。届出制。
一般労働者派遣の業者に比べると、派遣先として対応する企業・職種の幅は狭いが、特定の事業所に対し技術者(主にコンピュータ・IT・エレクトロニクス機械設計関連)などを派遣するような業者が多い。
スキルアップのための講習会が充実しているところが多い。
一般労働者派遣事業
派遣元に常時雇用されない労働者を他社に派遣する形態。許可制。
臨時・日雇い派遣もこれに該当する。
一般的に「派遣会社」といえば、この形態の事業者が広く知られている。
スキルアップのための講習会を用意していないところもある。

法的制限