「赤舌」の版間の差分
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2018年2月22日 (木) 23:03時点における最新版
赤舌(あかした)は、『画図百鬼夜行 前編 風』(鳥山石燕、江戸時代)に登場する日本の妖怪。水門の上に、爪のある手と毛深い顔を持ち、黒雲に覆われた獣のような姿が描かれているが全身像は不明。開かれた口には大きな舌がある。
由来説[編集]
説明文が添えられていないため、どのような意図で創作されたのかは定かではないが、太歳(木星)の西門を守護する赤舌神との関係が示唆されている。『東北怪談の旅』(山田野理夫、1974年)には赤舌が青森県津軽の農村に現れて水争いを解決したという話が掲載されているが、これは水争いの伝承に赤舌が後付けされたものだと解されている。
『画図百鬼夜行』では水門から水が流れ出している様子が描かれているが、妖怪探訪家・村上健司は、石燕による一種の絵解きとの説を唱えている。それによれば、「赤」は「淦」(船底にたまる水)や「垢」に通じることから汚れを比喩しており、「舌」は「下」(心の奥を意味する)や諺の「舌は禍の門」(『口は禍のもと』と同意)に通じることから、赤舌とは一種の羅刹神であり、口が開いている限りは吉事に恵まれないことを意味した絵なのだという。
赤口[編集]
江戸時代の妖怪絵巻『化物づくし』『百怪図巻』『化物絵巻』『百鬼夜行絵巻』などには、この赤舌のモデルとされる「赤口(あかくち)」なる妖怪がある。こちらはその名が示すように、六曜の赤口をもとに創作された妖怪との説がある。
藤沢衛彦の詞書[編集]
藤沢衛彦は編書『妖怪画談全集 日本篇』(1929) で、石燕の画に
何物か至りて関口を開き悪業の田を流す其主怪こそ赤舌なり
–
というキャプションを添えている(ただしこの書のキャプションは藤沢の創作である)。