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『レディ・ガンナー(Lady Gunner)』は、角川スニーカー文庫から発行されている茅田砂胡作の長編アドベンチャー小説。イラストは草河遊也。
目次
世界観[編集]
架空世界の大陸の1852年(おおよそ地球の西部開拓時代に相当)が舞台。作品の要部を握るのが、任意で動物への形態変化が可能な異種人類(後述)。変身能力を持たない人類(東大陸から渡ってきた人々の子孫)は無形種(ノンフォーマー)、侮蔑的にはステロタイプと呼ばれる
異種人類 (アナザーレイス)[編集]
普段は人間(無形種)と同じ姿をしているが、自分の意思で特定の動物に形態変化(トランスフォーム)し、その能力を持つ人間型種族。人間側の学者の推測によれば、進化の過程で無形種と分岐した人類らしい。
それぞれ、家系ごとに特定の動物への変身能力をもち、それに準じた特殊能力を持つ。その種類は最新刊までに確認された限り、鳥類、哺乳類、爬虫類(鳥類では隼、鷹、鷲、白鳥、鶴、梟、ペンギン。哺乳類は獅子、虎、豹、猫、狼、コヨーテ、ジャッカル、狐、熊、馬、山羊、鹿、犀。爬虫類では蛇、鰐、蜥蜴が確認できる)通常はいずれか一種に変身できる。種族ごとに特定の臭いがあり、アナザーレイス内ではかぎ分けることが可能。
純血種と混血種[編集]
通常アナザーレイスは同種間でのみ交配可能とされるが、人間(無形種)はどの種との間にも子孫を設けることが出来、その子供は(混じりけなしの純血種に対して)混血種(インシード)と呼ばれる。純血種が変身能力を保持するのに対し、混血種はアナザーレイスの血を引くというだけで、変身や特殊能力はなく、無形種となんら変わりない。種族ごとの臭いはあるが、それををかぎ分けられるのは純血種のみ。 また同種間でないと子供が生まれないアナザーレイスだが、稀な例外として『猫』と『豹』など近縁の種同士で子供が生まれることもあり、「ブリジアン」と呼ばれる。親以上の能力と複数の種族の能力を持つが、繁殖能力を欠く一代雑種となる。
ただしこれはあくまで「そうであろう」という一般常識であり、実際には複数の種族の能力を併せ持つインシードや、繁殖可能なブリジアンが作中に登場する。
人間との関係[編集]
人間と異種人類はある種の緊張状態にあり、国家レベルでは友好を掲げているが、個人レベルでは互いに好意的な者も強い隔意を持つ者もある。人間側は(時には一国の上層部内部にも)異種人類への軽侮や憎悪を抱く者も一部あり、組織的な境界侵犯や人体実験じみた行為が行われることもある。一方異種人類側は、基本的には自分たちの生活を脅かされなければそれ以上の攻撃的な意思はなく、積極的に人間社会で活動して社会的成功を収めたり、結婚して子孫(インシード)を残す者もあり、社会全体においてインシードも無視できない程になっている。ただ中には犯罪に従事する異種人類もあり、身体能力の高さや人間側では識別手段がない事が問題になっている。人間が異種人類に対して使う差別用語として、「人獣(マンビースト)」や「けだもの風情」などがあり、逆に人間に対しては「ステロタイプ(時代遅れ)」、「薄め液(人間の血を混ぜて純血性を奪うことへの皮肉)」があるが、これらを人前で発言するのは社会的な礼儀を欠いた行為であるとされている。
各種族の正式表現[編集]
正式には異種人類は「アナザーレイス」(純血種と同意語)、「混血種(インシード)」、人間は「無形種(ノンフォーマー)」と互いに呼ぶ。また、異種人類は苗字を持たないが(名前の前に≪猫≫の~や≪蛇≫~など種族名をつける)、人間社会で暮らす場合は無形種の習慣に合わせて氏名を付属している。
特殊事例 [編集]
通常、人間の血が入ると異種人類としての変身能力は失われる。片親の血筋として容姿に特徴(●●のような目とか、××のような雰囲気という抽象的な物)が出たり、種族特有の臭いがする程度。
今作の主要人物である異種人類のうち3名はインシードで、本来ならば変身などの特殊能力は持たないはずのだが、『なぜか』純血種と同様か、それ以上の能力をもっている。原作が完結していないため詳細は不明だが、作中では「最初に形成された常識の方が間違いだったのではないか」と述べられている。
西大陸[編集]
作品の舞台となる大陸。物語開始の約500年前(1300年代)、「東大陸」全域が水没するという天変地異が発生。それを逃れて船で西大陸にたどり着いたのが人間(無形種)の祖先であり、異種人類(アナザーレイス)はこの大陸の原住民である。異種人類たちは無形種を好意的に迎え、大陸の東部を彼らの居住地として譲渡した。
物語の120年前(1732年)に異種人類と人間の全面戦争が勃発した。人間側が一方的に異種人類の領域に侵攻したものだが、特殊能力を生かした異種人類の撹乱に対処できず、結局こてんぱんにのされている。戦後の協議で、人間国家と異種人類領域の境界が正式に定められ、大陸を分断するグエン山脈東側の沿岸全域が人間国家、西側が異種人類の領域となっている。但し、異種人類側が地形図および、地図の作成を拒んでいるため、地形は不明である。人間の国家は、「バナディス」「ヴィルドナ」「エルディア」「ゲルスタン」「ローム」「クレスト」の六ヶ国があるが、異種人類の領域には国家が存在せず、種族単位の群れで暮らしている。各国代表会議などには、各種族の代表が出席する。
また、話のみであるが「北大陸」という場所も存在している。ただし、ここについては人間・異人種ともに伝説に伝わるのみで、実際に見た者はない。
言語[編集]
無形種社会での言語(各巻の目次にウィンスロウの頭文字である「W」があるため英語だと思われる)はすべて共通であるが、異種人類社会では種族固有の言語があるようだ。ただし各種族の族長や高位にあるものは、無形種の言語を心得ている。
通貨[編集]
人間国家にのみ、貨幣が使用されている。国ごとにデザインが違い、それぞれ、「バナディス金貨」や「ゲルスタン銀貨」などと呼称される。バナディスでの通貨単位は「パウンド」であり、ゲルスタンでは「シルリン」であるが、他国の通貨単位は未だ不明。ちなみに、紙幣は存在しない。
登場人物[編集]
2007年時点で、各3シリーズ毎に登場する者と、各巻に登場する人間・異人種を登場順に表記。
主要登場人物[編集]
- キャサリン・ウィンスロウ(ノンフォーマー)
- 今作の主人公。バナディスの外務補佐官の令嬢。14歳。道理の曲がったことや、不正に対しては激しい嫌悪を示す。その大胆な性格故に旅行先や移動先では、必ずといっていいほど何らかの事件に巻き込まれる(事件が起こることを予想した上で、旅行に出たこともある)。幼い頃に母親を亡くしており、父親と数人の召使いと共に暮らしている。勘が鋭く(感応力テストではC+評価だったが、「レディガンナーの大追跡」中で更に高いレベルである可能性が示唆されている)大抵の物事の推察ができる。
- いつでもメイドのニーナと行動しており、キャサリン曰く「メイドであり親友」。また射撃術に長けており、作中では大口径のリボルバー(特徴などからコルトM1848だと思われる)を難なく扱う(この為、作名であるレディ・ガンナーは彼女を示す)。「レディガンナーの冒険」の際ケイティに声をかけられ、彼らを雇う事になる。
- ニーナ(ノンフォーマー)
- キャサリンの身の回りの世話を長年(おそらく10年程)する、古典的な普通の女性。キャサリンのパートナー的存在であり、その献身ぶりからは彼女との仲をうかがわせる。アナザーレイスは少し苦手。得意技は、物凄い大音量の悲鳴。ちなみに年齢を聞いてはいけないらしい。
- ≪猫≫のケイティ(インシード)
- 4人組用心棒の紅一点。祖父の一人が人間である≪猫≫の混血。そばかすの散った、かわいらしい顔立ちの少女だが、金茶色の猫の瞳を持っている。頭部のみ変化できる他は形態変化しない。金にうるさく、4人組の金庫番でもある。小振りのナイフを愛用しており、靴底の中やチョッキの裏側などに隠し、戦闘になると超人的な速さで敵に刺す。≪猫≫故に非常にのんびりしており、匪賊などに襲われたとしても軽く倒してしまう。余談だが、ケイティ(Katie)とはキャサリン(Katherine)の愛称である。ただし、「ケイティ」が愛称かどうかは不明。
- ≪ごちゃまぜ≫のダムー(インシード)
- 本名は≪万能≫のシャールダムーン。4人組用心棒の1人。≪ごちゃまぜ≫のネーミングの由来は、父方母方ひっくるめて≪獅子≫や≪馬≫などの数種の混血であり、自分でも詳しくわからないかららしい。癖のあるこげ茶色の長い髪を、無造作に高い位置で結う。また、上半身は裸に袖のない上着を着て、帯でそれを締めており、足元は、裸足に編み上げサンダルのような奇妙な履物を履く。かなりの実力者で、数人に襲われても数分で倒す。形態変化後は白い≪獅子≫のような姿になり、また、状況に応じて、その背に翼を生やすこともある。ワイルド系美少年といった容姿だが大食漢で、ひとたび目の前に食糧が出されても数秒でたいらげる。何故か黒いパンツを愛用している(変化時のみ)。
- ≪蜥蜴≫のベラフォード(インシード)
- 4人組用心棒の美青年。豊かなテノールの声を持つが、女言葉を熱心に使う。その為に、ダムーからは「おかま」と呼ばれている。≪鳥≫と≪蜥蜴≫の混血で、形態変化時は上半身のみに羽毛と翼を生やす。≪蜥蜴≫の混血故に腕などを切断されたとしても、くっつければ瞬く間に再生する。また、≪鳥≫の視力も持ち合わせる。黒蛇鞭とよばれる鞭を武器として使用する。変化時の姿が人の目を引くものであったために、奇抜倶楽部や異種人類の撲滅を目指す会などに追われる羽目になる。
- ≪竜≫のヴィンセント(純血種)
- 通称「役立たずのヴィンス」。4人組用心棒の最年少。まっすぐな金髪に青い瞳を持つ、王子のような容姿で、礼儀正しい。また、身の危機がある時のみ念動力という一種の超能力を使える。しかし、それとは裏腹に役立たず。北大陸の住人であり、≪竜≫の純血種だが、北大陸にいたころ祖父に危険だと判断され、形態変化を抑止するチョーカーをつけられ、用心棒らに引き渡された。用心棒の中ではダムーだけがチョーカーをはずせる。ちなみに、第一巻においては「変人」という設定が存在した。
- エリオット・ウィンスロウ(ノンフォーマー)
- 36歳。バナディスの外務補佐官であり、キャサリンの父親。温厚な性格で、怒ることなど滅多にない。童顔であるため、ひげを生やすことで威厳を見せようとしている。バナディスの首都、グレンフィールドの一等地に住居を構えている。異種人類には好意的。
第1巻 レディ・ガンナーの冒険[編集]
- ≪蛇≫のヘンリー(純血種)
- 人間名「ヘンリー・アンダーソン」。蛇の青年。べラフォードの遠い親戚で、変化時には全長25メートルの網目錦模様の大蛇となる。誰もが惚れる美青年だが、大抵のノンフォーマーからは見ただけで卒倒しそうになる。人型でいる時と変化時における外見の余りのギャップに、ニーナは「詐欺です」という言葉を繰り返した。仲間達からは「哲学者」などと呼ばれる。
- アンジェラ・ルビンスタイン(インシード)
- ヴィルドナ社交界で、最も注目を浴びている美女(?)。マクシミリアン公にフランツを紹介され、婚約させられそうになる。「冒険」の際はキャサリンと対峙し、ライバルとなった。また、礼儀の成っていない輩などに対しては徹底的に攻撃する。(混血の割合は曽祖父の代に1人(8分の1))
- フランツ・ヨーゼフ(ノンフォーマー)
- キャサリンの幼馴染で17歳。マクシミリアン公の次男で、アナザーレイスの女性と結婚を決めていたが、父親の自己中な行為からアンジェラと婚約を予定させられる。しかし、キャサリンの活躍によりその事態は回避された。
- マクシミリアン公爵(ノンフォーマー)
- フランツの父親。ヴィルドナで500年の歴史を持つ名門家であり、議会にて絶大な発言力を持つ。アナザーレイスを「マンビースト」と蔑称で呼ぶタイプの人間。近年資金繰りが難航しており息子の結婚の際も相手をアンジェラ(ルビンスタイン家は名門の為)に決め、資金の調達を図ろうとするが、キャサリンの告発により公の場で失脚する。
第2巻 レディ・ガンナーの大追跡[編集]
- ヴィルヘルム・フォン・ブラウン男爵(インシード)
- ゲルスタンのリヒターハウスに住まう冷酷な森林貴族でボッシュ村の領主。アナザーレイスが大嫌いで領内の村人に対しても、アナザーレイスの入出の禁止を徹底している。10歳の息子がおり、その家庭教師がインシードだったことに激怒。彼女の身ぐるみを剥がし自分の狩猟場の森に放置して、猟犬に狩らせた後、遺体を砕いてその犬に与えるという蛮行を行った。それがきっかけで、殺害した家庭教師の親族によって森に放置され失踪(描写からは死亡が確実)。その後、ゲルスタン政府の情報操作により、「病死」と公表された。
- 曾祖母が≪白鳥≫のアナザーレイスであった事を知らず、自らがインシードであった事を知らなかった。
- ロベルト・フォン・ブラウン大佐/アロイシャス・モラン(インシード)
- ゲルスタンの陸軍大佐。また、ヴィルヘルム・フォン・ブラウンの弟。ベラフォードの情報収集の為、「アロイシャス・モラン」という偽名を使って、ウィンスロウ邸に訪れていた。普段は陸軍省のあるエレンバーデンに住んでいる。
- フリードリヒ将軍(インシード)
- ゲルスタン陸軍の将官であり、ロベルト・フォン・ブラウンの上官。また、「異種人類撲滅を目指す会」のゲルスタン代表。無抵抗の相手に容赦なく制裁を加える傲慢な人物。ゲルスタン軍内で私設部隊を作成しており、変化するインシードを捜索する際には、ボッシュ村とりヒターハウスに投入し制圧したが、その後のリヒターハウス崩落時には脱出する事ができなかった。アナザーレイスを極端に嫌っており、「下賤な生き物」呼ばわりしていたが、ダムーにより≪狼≫の混血である事が発覚した。
- エルリッヒ伯爵(インシード)
- ツヴァイゲン州のドゥーゼン城に住まう貴族。「奇抜倶楽部」のひとり。
- ≪鰐≫のミュリエル(純血種)
- 人間名はミュリエル・スウェン。幼馴染の従姉妹を探すためにボッシュ村に来ていたが、魔女狩りの対象となり、リヒターハウスに投獄されていた。変化時には、全長6メートルの≪鰐≫になる。
- マルティナ・バロア(インシード)
- ミュリエルの従姉妹。フォン・ブラウン男爵の息子であるコンラートの家庭教師をしていた。しかし、男爵に自分が混血だと知られ、殺害される。また、その遺体はバラバラにされ、犬の餌にされるという余りにも無残かつ残虐な方法で処理された。
- コンラート・フォン・ブラウン(インシード)
- フォン・ブラウン男爵の10歳の息子。マルティナに好意を抱いていたが、父親にマルティナを中傷しろと指示されやむなく従ってしまう。マルティナ死亡後は、彼女の遺髪を使って墓を造ろうとしていた。リヒターハウス襲撃時はダムーに父親とともに死ぬか、ひとりで生きるか問われ、ひとりで生きる道を選ぶ。
- ≪あいのこ≫のパトリック(ブリジアン)
- ≪猫≫と≪豹≫のブリジアンの青年。普段は無愛想だが、内面は多感で熱情的。ブリジアンという特殊な立場であるために同胞が一人もいないという孤独感に苛まれている。奇抜倶楽部のメンバーに変化するインシードの存在を問われ、用心棒らの事を話してしまい、解剖目的でドゥーゼン城に招かれる(無論、本人は知らなかった)。また、前述したブリジアン繁殖不能を絶対的に信じており、妻の妊娠を聞き、「それはおれの子じゃない」などと暴言を連発してしまったために妻に半殺しにされる(その後復縁した)。
地名・国名[編集]
- 北大陸
- 存在を確かに確認できていない幻の大陸。噂などによれば西大陸よりも先進した文明があると思われている。
- 東大陸
- かつて人間のみが生活していた大陸。約500年前に突然の自然災害により水没した。正式コメントは無いが、読者の間では、この大陸名はアベルドルンではないかと推測はされている。
- バナディス共和国
- 人間国家で唯一グエン山脈の西側にある国。首都はグレンフィールドという港町ボランと直結する経済・学問・物流の重要拠点であり名門グレンフィールド大学もここにある。また、西部の郊外にあるチェスタムコートなる田舎町では、極秘の国際代表会議がおこなわれる。地名や人名、文化など精通する点が多く見られるのでモデルはイギリスだと思われる。
- ヴィルドナ
- バナディスに最も近い国家。王政であり首都はヴィレン。港からは「セント・ヘレナ号」という定期船も往復している。最西端には重要都市ルワナがある。
- ゲルスタン共和国
- 国土の多くが森林に覆われ、ビルテ河が流れる。「ライエ」や「ツヴァイゲン」などの州がある。歴史ある建造物が多い。またヨーロッパ系(特にドイツ名)の名前が多数登場するためモデルはドイツではないかと思われる。
- エルディア王国
- 気候は温暖であり猛獣や闘士を戦わせる闘技場が有名。性差別が激しく、皇太子選出の際も女子を産めば追放される異端国家。スペインをモデルにしていると思われる。
- ローム王国
- ゲルスタン国境と隣接し、フロレンティアなど景観の美しい都市が多い国家。名門ルノーブル大学もこの国にある。フランスがモデル。ちなみに、フランスには「グルノーブル」という地名がある。
- クレスト共和国
- 沿岸国家のひとつで王政を廃止して共和制をとった国家。現段階では登場していないため詳細は不明。
- デューター半島
- バナディスとヴィルドナの間にまたがる半島。両国をおよそ500キロで結びグエン山脈経由よりも近いが、鉄道はおろか道路すらまともに通っておらず、旅行者を襲撃し生計を立てる人間の匪賊が横行している危険地帯であり、異種人類の町が点在するのみである。異種人類らには「アド」と呼称されている。
- キーロウ
- ヴィルドナにある土地。マクシミリアン公の住居がある。
- シェーファーの森
- ゲルスタンのライエ州に属するフォン・ブラウン男爵が統治する森林地帯。またボッシュ村という村も存在する。異種人類の徹底排除が推し進められており、国家の法律が通用しない異端の地。
組織[編集]
- 人獣撲滅を目指す会
- 非公式に各国の下級判事や警察署長、軍の将校などの人間至上主義者で構成され、異種人類の絶滅を掲げている。また、異種人類のメカニズム解明なども行っている。しかし、その内の数名がインシードである。
- 奇抜倶楽部
- 森林貴族のフォン・ブラウン男爵、鉄道王のシュタイナー、石炭王のハインケル、銀行家のフォーゲル、貿易商のヴェンダース、果樹園主のバーンホーフ、エルリッヒ伯爵の7人で構成される倶楽部。名称の「奇抜」とは珍しいもの、他より優れたものという意味である。それぞれが決められた題目のものを陳列するのが主な活動であるが、最近では「アンティーク」などに代わり、「珍しい動物」や「変化するインシード」などに変わってきている。
- 国際代表会議
- 文字通り各国、各種族の代表が総勢6人ずつ出席する極秘会談。それぞれ議論を交わすのが主である。
TIPS[編集]
- 第一巻のカバーイラストはキャサリンが拳銃を手前に構えているというものだったが、構えているのはどう見ても自動拳銃(コルト・ガバメント?)である。本作の時代設定は1852年で、世界初の自動拳銃はボーチャードピストルの1893年からである。但し、本編には登場していないため、製作時のミスだと思われる。
既刊一覧[編集]
- レディ・ガンナーの冒険 2000年4月7日初版発行。ISBN 404423101X
- レディ・ガンナーの大追跡(上) 2002年1月1日初版発行。ISBN 4044231028
- レディ・ガンナーの大追跡(下) 2002年2月1日初版発行。ISBN 4044231036
- レディ・ガンナーと宝石泥棒 2003年3月1日初版発行。ISBN 4044231044
- レディ・ガンナーと二人の皇子(上) 2004年3月1日初版発行。ISBN 4044231052
- レディ・ガンナーと二人の皇子(中) 2005年1月28日初版発行。ISBN 4044231060
- レディ・ガンナーと二人の皇子(下) 2006年3月31日初版発行。ISBN 4044231079