「第42回NHK紅白歌合戦」の版間の差分
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第42回NHK紅白歌合戦は、1991年12月31日にNHKホールで行われた、通算42回目のNHK紅白歌合戦。19時20分~20時55分および21時から23時45分にNHKで生放送された。
概要[編集]
- 審査員である若花田・貴花田の「若貴」兄弟がセリ上がりで登場して開会を宣言。この年以降、オープニングに趣向を凝らした大掛かりな構成・演出が採られるようになった。
- 前年に引き続き「歌い継がれるべき名曲を後世に残す」ことを紅白の新たな命題として掲げられ、懐かしい名曲・歌手が、この年のヒット曲や当代の人気歌手に混じって数多く紹介された。
- 学業専念のために芸能活動を引退した南沙織(写真家・篠山紀信との結婚は引退後)が、紅白では14年振りに復帰する。最初、歌手紹介の際に彼女のデビュー曲で大ヒットとなった「17歳」のメロディーが流れ、その後南本人が登場し「色づく街」を歌唱した。
- リバイバル・ブームで話題となった歌手が、それぞれ紅白に久々に復帰出場。欧陽菲菲が18年振り、美川憲一と山本リンダが17年振り、森山良子が16年振りに紅白に復帰した(美川は2007年現在も連続出場中)。美川はその人気再燃の契機を築いた物真似タレントのコロッケとのデュエットで「さそり座の女」を披露した。
- サザンオールスターズの原由子が、ソロで紅組から初出場した(グループとしては白組で過去3回出場)。着物姿でピアノ弾き語りにより「花咲く旅路」を披露した。
- 前川清も内山田洋とクール・ファイブ(グループで紅白は1982年まで11回出場)脱退後にソロ歌手として9年ぶりに紅白に復帰した(因みに前川も美川と同じく2007年現在も連続出場中である)。
- 和田アキ子はこの年の12月初期に肋骨を骨折するアクシデントで入院。その後に紅白選出が決まったが、回復が間に合うかどうかが懸念されていた。その後退院してなんとか紅白出場に間に合い、この回和田が紅組トリを務める。「あの鐘を鳴らすのはあなた」の歌唱終了後、無事歌い終えたことに安堵したのか和田の目には思わず涙が滲んでいた。これに対して白組の大トリには、世界的名曲であるとの理由で、この年に歌手生活20周年を迎えた谷村新司の「昴(すばる)」が選曲された。
- 紅組司会者の人選では、当初小泉今日子に打診が行われたという。この年ミリオンセラーの大ヒットとなった「あなたに会えてよかった」を披露させるという条件つきであったが、小泉との交渉は暗礁に乗り上げ、結局小泉の紅組司会・及び歌手として出場も白紙撤回となる。
- その後、紅組の司会は急遽浅野ゆう子が抜擢された。浅野は当時トレンディ女優として人気を博しており、その人気を背景としての抜擢となった。なお、紅白歌合戦本番時の浅野は鼻を骨折する怪我を負っていたが、その痛みに耐えながら気丈に司会を務めていたという。
- 浅野に対抗する白組司会には、過去6回紅白に歌手として出場し、司会経験も豊富な堺正章が満を持しての登場。総合司会には、1970年代~1980年代初頭にかけて白組司会者として紅白を牽引してきた大ベテランの山川静夫アナウンサー(当時は厳密にはアナウンサーではなく「理事待遇」の肩書であったが、テレビ出演時には引き続き「アナウンサー」という肩書で出演をしていた)が9年振りに登場し、随所で堺・浅野の司会をアシストするなど、例年以上に重厚な司会陣が抜擢された紅白となった。
- 初出場組はとんねるず、X JAPAN、SMAP、森口博子、海外からはショービジネス界の重鎮・アンディ・ウィリアムスや、日本におけるグループサウンズブームの火付け役であり根強い人気を誇るザ・ベンチャーズら計19組。この19組という初出場歌手数は前年の23組に次いで、史上2番目の多さである(2006年現在)。
- 「雨の西麻布」(1985年)以来、「出たい」と公言し紅白を狙って歌謡曲をリリースし続けたとんねるずが、日本歌謡大賞受賞曲「情けねぇ」をひっさげて、遂に紅白に初登場。歌唱時には、石橋貴明が白、木梨憲武が紅のかつらと足袋、それにビキニパンツのみをつけ、それ以外はボディーペインティングといういでたちで登場した。背中には、二人が並ぶと「受信料を払おう」と読めるメッセージが書かれていた。会場に爆笑と歓声が起こり、視聴者は度肝を抜かれた。
- ハウンド・ドッグは「ff(フォルティシモ)」の歌唱を要請されたが、「古い歌だから歌いたくない」と「BRIDGE~あの橋をわたるとき~」を要求。これは翌1992年2月にリリースの曲であったため、NHKが認めず、もめた末にハウンド・ドッグは出場を辞退し、代わりにバブルガム・ブラザーズが初出場を決めた(ハウンド・ドックはその後出場機会がなく幻の出場となっている)。当日メンバーのBro.KORNは歌い終わりで「Thanks to HOUND DOG!」と叫んだ。このほか、前述の小泉今日子への司会就任の打診の件も含め、出演者交渉につき前年に続いて難航を極めた紅白であったものの、その苦境をバネに注目を集める人選が数多く為された紅白でもあった。
- 第1部最後に出場者の一人であるさだまさしが作詞・作曲を手掛けたメッセージソング「Smile Again」を出場者全員で合唱するというコーナーが設けられた。
- 歌手紹介のテロップに装飾がなされるようになる。紅組の歌手紹介はオレンジ色のバー、白組は青色のバーに歌手名とイニシャル(グループ名がアルファベット表記の場合はカタカナ表記)が表示される。
- SMAPが歌唱中に表示されるはずであった歌詞テロップがトラブルにより曲の最後まで表示されなかった。
- 優勝は紅組。
司会者[編集]
演奏[編集]
- 三原綱木とザ・ニューブリード・東京放送管弦楽団(指揮 三原綱木)
- この回よりビック・バンドの演奏は奈落で行なうようになった
審査員[編集]
- 増井光子(多摩動物公園園長)
- 山崎豊子(作家。この年『大地の子』を発表。1995年にNHKでドラマ化)
- 秋山幸二(西武ライオンズ外野手)
- 芦原すなお(作家)
- 荻野アンナ(作家)
- 若花田勝(大相撲・前頭)
- 貴花田光司(大相撲・前頭)
- 緒形直人(俳優。翌年の大河ドラマ『信長 KING OF ZIPANGU』の主人公・織田信長役)
- 鷲尾いさ子(女優。同じく『信長 KING OF ZIPANGU』のお市の方役)
- 田中好子(女優。この年の連続テレビ小説『君の名は』の後宮悠起枝役)
- 小林由紀子・NHK番組制作局長
- 家族審査員(全国600家族)
出場歌手[編集]
ゲスト出演者[編集]
- 桂三枝(落語家。吉田栄作と森口博子の曲間、とんねるずの曲紹介、「紅白異種格闘技戦」)
- 徳田章アナウンサー(ラトビア・リガより中継)
- 間寛平(コメディアン。「引きずり女」)
- コロッケ(タレント。大月みやことチェッカーズの曲間および美川憲一の曲中)
- 上田早苗アナウンサー(長崎県島原市より中継)
- ショー・コスギ(俳優。「アクションショー」)
- ケイン・コスギ(俳優。同上)
- コント55号(コメディアン。Xと南沙織の曲間)
- 輪島直幸(『テレビ体操』指導。「頭スッキリ採点体操」)
- TOKIO(タレント。少年隊のバックダンサー)
- 島木譲二(コメディアン。「紅白異種格闘技戦」)
- 池乃めだか(コメディアン。同上)
- チャーリー浜(コメディアン。同上)
演奏ゲスト[編集]
- 山本直純(指揮。「SMILE AGEIN 微笑をもう一度」指揮)
- 前田憲男(指揮。森山良子指揮)
- リチャード・カウフマン(指揮。アンディ・ウィリアムス指揮)
- 羽田健太郎(ピアノ。アンディ・ウィリアムス伴奏)
- ケンタッキー・カントリー(カントリー・ミュージック)