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2008年12月24日 (水) 10:41時点における版
教会(きょうかい)とは、共通の信仰によって形成される人々の集まり。 または宗教活動の拠点となる建物。主に、キリスト教のそれを指してこの言葉が使用される。キリスト教系の教団の中で、会衆制を認める教派に属するものの間では会衆という呼び方をする場合がある。教会は1つにつき「1堂」「2堂」と数える。キリスト教ばかりでなく、浄土真宗、天理教などでも「教会」という。
キリスト教における教会
キリスト教において、信者の集まりである教会は、信仰上深い意味がある。キリスト教発生の初期から、「キリストの体(エフェソ 1:23)」、「キリストの花嫁」、「真理の柱(1テモテ 3:15)」、「聖霊の神殿(エフェソ 2:20-22)」などと一般に呼ばれてきた(括弧内は聖書の書物の名称、章および節の番号)。また教会は、女性としての表現が多かった。例えば、フランスの教会はローマの娘、ロシアの教会はコンスタンティノポリスの娘などと表現される。現在、教派によって認められている教会組織制度は以下に挙げる5つに大別される。
- 西方においてはカトリック教会および、聖公会(英国国教会)、復古カトリック教会、東方においては正教会その他の東方諸教会のように、叙任階級(ヒエラルキー)に秘跡という信仰的位置づけを認めるもの。(叙階または神品を参照)
- 秘跡としての意味はないが、監督制という叙任階級を設けるもの。
- 監督制のように監督(主教)はないが、長老という役職を設ける長老制。
- 監督制や長老制で設ける牧師以外の役職は一切認めない会衆制。
- そもそも、教会(会衆)は一切設けない無教会主義。
他に、ネストリウス派など主教に世襲制を設けるものがある。
また、信者が典礼に集う建物を指す場合もあるが、会衆制の教派はこの意味と区別するために会衆という別称を用いることがある。
聖書からの由来
教会は、新約聖書のギリシア語の名詞エクレシア(εκκλησία)に由来する。後期ラテン語訳のヴルガタ版では、ecclesiaと訳されている。古典ギリシア語において、エクレシアとは、規則に基づいて召集された市民会議または立法府などの「政治集会」を指していた。しかし、新約聖書などに使われるコイネー・ギリシア語では、ヘブライ語の「宗教会議」を意味する名詞カーハールの意味として使用さるようになった。実際に、コイネー・ギリシア語の七十人訳聖書では、カーハールをエクレシアで訳する例が存在する(詩篇 22:22(マソラ本文)、21:23(七十訳))。
このヘブライ語カーハールは、七十人訳聖書において名詞スナゴーゲー(συναγωγή)で訳される箇所がある(民数記 16:3, 20:4)。 スナゴーゲーは、通常にユダヤ教の会堂を意味する(マタイ 4:23 など)。しかし、スナゴーゲーは、信者の集いとしての意味で使用される例がわずかに残されている(ヤコブの手紙2:2)。このことにより、教会という語彙は、スナゴーゲーとして使用する場合、「信者の集い」と「典礼に使用する建物」と両方の意味を指すことがある。
ニカイア・コンスタンティノポリス信条における教会の定義
キリスト教の中で多くの教派が認めている(特に三位一体の教理を認める)信条の一つにニカイア・コンスタンティノポリス信条(ギリシャ語が原文)というものがある。その中で、「われは一(μία)・聖(αγία)・公(καθολική)・使徒継承の(または使徒的)(απόστολος)教会を信じ」という箇所がある。これに関する解釈は教派によってさまざまである。
教会が「一つ」というのは、信仰として成り立つ教会は唯一であるということで、教理の相違などにより分裂があってはならないという意味に他ならない。これは、エキュメニズムの動機にもなっている。
「聖」とは、教会に如何なる罪びとが存在しても、教会自体は神によって聖別されており、それが保つ秘跡や信仰に支障は起こらないという考えで、マタイ 13章の「毒麦の喩え」などが引用される。このような解釈は、ルター派教会や聖公会などにおいても共通していて、他の信条の中でも宣言されている。ただし、予定説を強調する改革派教会では、被洗礼者から構成される見える教会と、神に選ばれた予定者から構成される見えない教会とを定義し、後者の見えない教会が聖であると考える。
「公」とは普遍的という意味である。
「使徒継承」に関してはカトリック教会や正教会のような伝統的な教派と宗教改革以降のプロテスタント教会とで解釈が異なる。前者では、文字通りキリストの弟子である使徒の権威が現在の教会にも継承されているという意味で、特に叙階などの秘跡や聖伝が受け継がれていなければならないとする。正教会の場合、たんに歴史的な継承関係の継続にとどまらず、現在他の教会から教会と認められていない集団には使徒継承を認めない。一方カトリックには「有効/無効」と(教会法上)「合法/違法」の二つを分け、「有効だが違法」な継承という概念が存在する。たとえば破門された司教が新たに叙階を行った場合、それは有効ではあるが、ローマ教皇の承認を受けないため違法であるとする。 一方、後者のプロテスタント教会では、使徒たちの信仰、特に聖書の信仰が受け継がれいることと解釈する。これは、当時の宗教改革者により、名ばかりの「使徒継承」を謳いながらその内実が変質・腐敗していた当時のカトリックより「聖書に記された使徒等と同じ信仰」に生きることこそ「真に使徒的」と主張されたことによる。 「使徒的」教会の解釈を、「神からの遣わされた」人々と解釈する場合もある。
関連項目
- 教会堂(建築物としての教会)
- 聖堂の一覧 (キリスト教)
- チャペル
- 海外の日語・日本人教会一覧
新興宗教における教会
天理教や金光教のなどの教派神道をはじめとする新宗教においても、信者が集まる組織または建物を「教会」と呼ぶ場合がある。意義についてはそれぞれの項目を参照。なお、日本の地方によっては、「教会」という語がキリスト教の教会よりも、しばしば天理教その他の教会を指して使われる場合がある。(例えば、徳島県鳴門市にある教会前駅は駅前に天理教の教会がある。)
天理教における教会
教会には、大教会・分教会・布教所という階級がある。それぞれに所属教会数・信者数などの基準が設けられている。また、教会の中にも、階級がある。大教会の下に、幾つかの教会が所属している。さらにその教会にもまた幾つかの教会が所属している。このように天理教本部を頂点としたヒエラルキーを形成している。上級教会の命令に、下級教会は絶対に従わなければならない。いわば、封建社会である。
下級教会の教会長が末端信者からお供え(お金)を集め、上級教会に上納する。さらに、その教会は、所属する上級教会にお金を上納する。こうして、お供えが教会本部へと集められる。それはまるでネズミ講のようである。
よって上級の教会ほどお供えがたくさん集まり、自分の懐に入れられるお金を大きくなる。故に、裕福な暮らしが出来る。これが天理教における集金システムである。
昨今の教団内の不祥事・犯罪・金権体質に嫌気をさして、信者をやめていく人が増えている。最盛期に100万人いた信者が今では20万人にも満たない状況である。その為、教会を維持できないところも出ている。これを事情教会と呼ぶ。このような教会は約17,000ある教会の3分の2に及ぶ。抱える信者が激減し、細々と教会長が儀式を行っているところや、教会を返上するところもある。真柱は、事情教会の大幅な削減を打ち出している。それに反応したのが事情教会を抱える大教会である。削減されれば、ステイタスが下がり自分の教会が格下げされるからである。そのため、事情教会の信者の確保、事情教会への後継者の派遣など対策におわれている。
また、各教会には新規信者獲得数、修養科参加数、お供えなどのノルマが課されている。大教会が本部へ目標を申告する。そして、所属する教会へノルマを設定する。もし達成できなければ、教会長自らが修養科に参加しなければならない。
教会の後継者である子供達は、中学校を卒業すると、天理高等学校・天理教校学園高等学校に進学する。その後、天理教校を経て、25歳頃まで大教会に住み込んで働く。この間、俗世から切り離れ天理教の教えを徹底的に叩き込まれるのだ。このようにして将来の教会長を養成している。これは、子供が教会を継ぐ場合であり、このほかにも後継者になるための課程がある。しかし、10年も社会から切り離されて天理教だけの生活をしたが故に、一般常識のない教会長を生む結果となっている。cs:Církev cy:Eglwys da:Kirke de:Kircheeo:Eklezio es:Iglesia et:Kirik (pühakoda) fr:Église he:כנסייה id:Gereja it:Chiesa ko:교회 la:Ecclesia nb:Kirke nds:Kark nl:Kerk nn:Kyrkje pl:Kościół pt:Igreja simple:Church sv:Kyrka zh:教会