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ボタン(ポルトガル語: botão、英語: button、釦、鈕)とは、衣服、鞄、靴などに止め具として使用される服飾物である。語源はポルトガル語 botão が最も有力な説とされる。多くは実用性と装飾を兼ねるが、もっぱら装飾目的の「飾りボタン」もある。
日本は服飾用ボタン生産量で世界第3位である(テレビ東京『世界を変える100人の日本人』より)。
目次
素材[編集]
これらの素材を複数組み合わせて製作されるボタンもある。高級な素材を使っているからだけでなく、芸術性の高いデザインやアンティーク的な価値から高額で販売されるボタンもある[1]。
ボタンの耐久力[編集]
- 天然ボタンは割れやすく、熱に強い。
- クリーニングに出す時は予め話しておく必要がある。割高のクリーニングの時もある。
- プラスチックは熱に強く割れにくい。
- 希だが2つボタンや4つボタンの金属製のボタンはプラスチックと同じで熱や衝撃に強く、割れる心配がない。
- 丸は割れにくく、角や反り返ったボタンは割れやすい。
- 粗悪品は破損しなくても、変色・色落ちする場合がある[1]。
形[編集]
- 丸
- 四角
- 花
- 平型、ドーム型(金属ボタンやブレザーに多い)
- 変り種:キャラクターもの、動物もの、ほか
- 2つ穴、3つ穴、4つ穴、穴なし(足つき・足なし)など
- 最初は紐で引っ掛けて固定したが、のちに南仏でボタンホールが考案され、布と布を直接固定できるようになった。
- くるみボタン(金属を芯にして革や布でくるんだ足つきボタン。自宅で手軽に作れるくるみボタンの製作キットも販売されている)
種類[編集]
- スタッドボタン - ワイシャツの第2・3・4ボタンに取り付ける装飾用のボタン。
- カフスボタン - ワイシャツやブラウスの袖口に取り付けるボタン。
- ボタンカバー - ボタンに被せて使用する装飾用のボタン。
- コンチョボタン - ネイティブインディアンのシルバーアクセサリーをモチーフにしたボタン。
- タックボタン - ジーンズに用いる鋲のボタン、フロントボタンとして用いる。
- リベットボタン - ジーンズに用いる鋲のボタン、鉄、真鍮、銅、洋白銅などの金属が多い。
- トグルボタン - ダッフルコートの特徴的な円柱のボタン。木製が多い。
用途[編集]
- フロントボタン - ズボンやジャケット、シャツの正面にあるボタン。
- カフ・ボタン - 袖口にあるボタン。
- 打ち掛けボタン - ズボンの前面(フロント)に付いている,ジッパーに飛び出し防止のボタン。
- 重ねボタン(キッスボタン) - カフ・ボタンを重ね合わせたボタン。本切羽とは同時に出来ない。
- スナップボタン
- 前ボタン - 前面に付属している第一ボタン。
- 第一ボタン - ワイシャツやポロシャツに付属している、台襟で補強されている部分のボタン。
- 力ボタン - ボタンが取れないために用いる補強用のボタン。背広や外套のボタン裏に用いられることが多い。
- 拝みボタン(鼓ボタン、キスボタン、合わせボタン、つがいボタン、リンクボタン) - 背広やジャケットの第1・2ボタンの何れかに取り付ける両面、表向きのボタン。
- チェンジボタン(裏ボタン)
ボタンの大きさ[編集]
- ボタンダウンの衿先には9mm。
- 前身頃及び手口には10mm。
- 打ち掛けボタンは8mm~10mm。
- 力ボタンは8mm~10mm。
- カフス、カフリンクス、スタッドボタンには11.5mm。
- 開衿シャツ(オープンシャツ)やイタリアンカラーシャツの前身頃には11.5mm。
- 既製品には同じサイズで統一されることもある。
- 背広の前面のボタンは20mm、袖や内ポケットのボタンは15mm。
- 外套の前面のボタンは男性用は23mmから25mm、女性用は28mmから30mm。
- ズボンのボタンは18mmや20mm。
- スラックスのサスペンダーのボタンは15mmから18mm。
- ボタンの厚さは2mm~4mm程。
縫い方[編集]
- 平行縫い
- 真っ直ぐにボタンを縫う方法。
- クロス縫い
- 糸を重ねてボタンを縫う方法。ボタンが落ちにくい。
- 鳥足縫い(鳥足がけ)
- 鳥の足のように縫う方法。ボタンが落ちにくい。
洋服デザイン[編集]
洋服のデザインの中で、ボタンの数や配置は重要である(下記参照)。オリジナルボタンの製作や好みのボタンへの付け替えを請け負う店もある[1]。
歴史・語源[編集]
- 十字軍によって、イスラム社会から西欧社会に伝わった。
- 語源は、古ラテン語の"bottare"もしくは古ゲルマン語で「蕾」を意味する"boton"と言われている。後者の方の由来は、鋳造、または、打ち出しで作られた金属製のそれが、シワが付いているために蕾のように見えることから、とか、昔は本当に花の蕾を使っていたから、という説がある。
- 西欧の王侯貴族はボタンの装飾に凝り、金銀宝石までも使って豪奢なボタンを作らせ身につけた。それを一般市民も真似て、ついに奢侈禁止令が出たこともある。
- 日本ではアジア大陸で見られる青銅製ボタンの出土例があるものの、衣服のつなぎ止めには古来から紐結びが一般的で、埴輪の服装にも見られる。明治維新前後にポルトガル語の"botao"が伝来し、上からの洋装化に従って「ボタン」という言葉が普及していったと考えられる。ボタンが日本に入ってきた当初、一般民衆はボタンを根付として珍重していた。
- 日本で「ボタン」という名が用いられたのは、江戸時代中期だと言われている。故実家・伊勢貞丈(1717~1784年)の『安斎随筆』に"和蘭国にてはコノブと言ふ、ポルトガル国にてはブタンと言ふ、それを言ひたがえて日本にてボタンと言ふなり"と記されている。
ボタンにまつわる日本の文化[編集]
- 11月22日が「ボタンの日」として日本記念日協会により登録されている。同協会ホームページによると、1870年(明治3年)のこの日、日本海軍が欧州風のネイビールックを制服に採用し、金地桜花のボタンとその数(前面は2行各9個、後面は2行各3個)を定めたことに由来し、日本釦協会が申請した。
- 男子学生が卒業式に学生服の第二ボタンを好きな女子に渡す(あるいは女子が好きな男子の第二ボタンを欲しがる)風習がある。これは第二ボタンが心臓に近い=「ハートをつかむ」ためとも、軍服の名残で出征時に外して思い出として渡しても、第一ボタンに比べて服装の乱れが目立たなかったためとも言われている<。
- 「ボタンの掛け違い」(慣用句)