「パタリロ・ド・マリネール8世」の版間の差分
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*上述の環境から友人と呼べる存在もいなかった為、友情問題に関しても免疫がない。基本的に他人との対等なつき合いに慣れていないともいえる。 | *上述の環境から友人と呼べる存在もいなかった為、友情問題に関しても免疫がない。基本的に他人との対等なつき合いに慣れていないともいえる。 | ||
*実母であるエトランジュとの関係も、妙によそよそしいところがある。バンコラン・マライヒ・タマネギ部隊の前では、パタリロは「自然な振る舞い」が出来るのだが、エトランジュの前では「猫をかぶってしまう」。 | *実母であるエトランジュとの関係も、妙によそよそしいところがある。バンコラン・マライヒ・タマネギ部隊の前では、パタリロは「自然な振る舞い」が出来るのだが、エトランジュの前では「猫をかぶってしまう」。 | ||
− | * | + | *如何に膨大な知識を有するパタリロも、年齢的には子供であり、精神的に弱い部分もある。過去、自らの意志で航空宇宙局のロビー少尉を死に追いやった事があり、その際は、生まれてはじめて心の底から泣いた。ロビー少尉は自分の生命エネルギーと引き換えに病人を治す特殊能力を持っていたが、某国の戦争を止めるために必要不可欠な存在であるアントニウス枢機卿を救わなければ戦争により何万人もの人命が失われると知り、パタリロは危篤状態の枢機卿を救うために断腸の思いでロビー少尉の命を犠牲にする決断を下したのである。なお、この回はアニメと漫画で若干展開が異なっている。アニメでは、ロビーはパタリロとバンコランの会話を聞いており、ロビーが自らの意志で枢機卿を救い死亡。アニメでは、パタリロは最後に「宇宙飛行士になって月へ行きたい」というロビーの夢を奪ってしまった事に対する償いとして、「ロビー1世号」と命名したロケットにロビーの遺体を乗せて宇宙へ飛ばしてやった。 |
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2011年11月30日 (水) 17:42時点における最新版
パタリロ・ド・マリネール8世は漫画『パタリロ!』に登場する架空の人物で同作品の主人公である。
目次
声優[編集]
人物[編集]
本作の主人公であり、物語の舞台であるマリネラ王国の若き国王。通常は単にパタリロ、もしくは殿下(国王なのに陛下でない理由は後述)と呼ばれる。
プロフィール[編集]
- 誕生日は4月1日
- 年齢は10歳(1973年生まれだが無視されている)
- 身長140cm
- 体重36kg(身長・体重は初期のデータであり、その後随時変化している)
- 血液型RH+-ヌルα型
- 宗旨は真言宗智山派
- 守護星はハレー彗星
- 背後霊はパタリロ7世
来歴[編集]
マリネラ大学文学部家政学科卒業。専攻は応用物理学。卒業論文は『ゴキブリホイホイにおける茶羽根ゴキブリの生存の可能性』(評価は三重丸)。
父である先王ヒギンズ3世の死を受けてマリネラ王国国王に即位した。
国王の他に、造幣局長を兼任している。
大量に蓄積された宿便を排泄して宮殿内に充満させた事件により、後世の伝記作家から黄金王と諡された。
宮殿の地下室にて無数のゴキブリを飼育(本人は共存と主張)しており、人類初の名誉ゴキブリ市民。
容姿[編集]
髪は白髪で、ズングリムックリな体型が印象的。漫画第1話では普通の子供の体型だったが第2話以降急速にデフォルメされ、序盤のうちに「ズングリムックリ」が定着した(赤ん坊の顔と同じとも言える)。その顔から「へちゃむくれ」「つぶれ餡饅(肉饅)」「顔面殺虫剤」とも(とろろあおいに似ていて端正で凛々しいという好意的な意見もある)。7年後には絶世の美少年になるらしい。
顔立ちは同作者の作品「ルル亀!」の亀右ェ門と同じだが、亀右ェ門が四角い骨格であるのと異なり、パタリロ8世の方が肉付きが良い。
常に着用している服は帯革を締め負革を掛けた軍服(一説にはマリネラ陸軍の軍服であるといわれている)であり、一流ブランドのオーダーメイド品から町の仕立て屋に仕立てさせたものまで数え切れないほどの数を所有している。
性格[編集]
国王に即位したが、「陛下」という敬称を嫌い(「陛下」→「へいか」→「へ、いか」→「屁、以下」と聞こえるため。また、それを理由に部下が呼ぶ時に「へ、いか」と区切って遊ぶため、陛下と聞くと廊下を連想するためとも)、部下には「殿下」(でんか→出んか! とも聞こえるので嫌がってはいるが)と呼ばせている(なお、外部の関係者も同様に「殿下」と呼ぶが、国民は陰では「つぶれ肉饅」と呼んでいる)。
極めて多趣味だが、特に他人をからかうのが好きで、『人をおちょくる50の方法』などを愛読。友人のジャック・バンコランや部下のタマネギ部隊の隊員の神経を逆なでする言動をとる。ただし、他人をからかうのは好きであるが、本当に困っている人は放っておけず、命がけでタマネギ部隊や国民(あるいは全人類や地球)を守ったり国王の権力を持って温情のある計らいを見せたり、タマネギ333号が戦争の脅威から世界を救ったことよりも自分の命と引き換えに人造人間を救った気高い行為を理由に333号を永久欠番にするなど国王の名に恥じない正義感と指導力の持ち主でもある。しかし照れているのか普段は近付くのが危険な程、悪ふざけに精を出し度々手痛いしっぺ返しを喰っている。また、自分に害をなすと思われる人物の抹殺を依頼したり、時にはゲームを装って自らの手で死に追いやることもためらわない冷酷さも持ち合わせる。先述の外見もあって、どこまで真面目でどこまで冗談か分からない扱いにくい人物である。
国王自身の行為が原因による焼失、崩壊でマリネラ王宮は数回建て直されている。国王専用機も火災・墜落した例が複数ある。
モットーは「質より量」と「単刀直入」
守銭道の信奉者。ある小さな事件から守銭道は犯罪につながると悟り、貯金道へ改めると語ったものの、その後の経緯を見る限り、改まったようには思えない(本人はタイムワープを悪用した銀行強盗歴あり)。金銭に対して異常なまでに貪欲で、本人曰く金儲けが趣味と言い切るほど。特に小銭には過敏な反応を示す。ダイヤモンド産業で相当な収入があるものの、細かい小銭儲けにそれ以上の精を出す性分である。また自身を商人であると自負して行動しており、タマネギに対する辞令でも代表取締役国王という肩書きを使用したこともあることから、マリネラを1つの企業と考えている節もある。
一人でいるときもギャグを飛ばすことを忘れないギャグ体質であり、多くの関係者がこの体質を伝染させられている。なぜか年上の男性に伝染することが多いが、美少年や女性にはその傾向はない。
漫画3話では未成年者ながらに酒をのんでいることを腹違いの兄(ボニー・クライド・アイゼンバッハとは別人で、実際は王位簒奪を狙った偽者)に明かしているほか、しばしば飲酒の描写がなされている。酒癖は非常に悪い。
萩尾望都の作品『ポーの一族』などでも引用される『マザーグース』の一節から取った、『クックロビン音頭』を時折踊る。同曲はアニメ版後期のエンディングにもなった。
能力・弱点[編集]
最初は黒目を自由に動かせる程度だったが、連載と共に身体能力は超人化していった。
- 視力は5.0(自己申告)。記憶したものを目から映写することも可能、見た物をそのまま覚える写真記憶術は言わずもがな。一方で複雑な書類を読もうとすると目がストライキを起こすという。嗅覚や聴覚は野生動物並み。根来流手裏剣術を修得している(余談だが根来流忍者で有名なのは砲術)。ぬらりひょん拳法の使い手でもある。
- 記憶力は極めて高いが、身体を逆さにしてつるしておくと記憶がこぼれ落ちるとされる。
- 巡航速度で走行中の自動車にさえ、特技のゴキブリ走法で易々と追い着く。人間の血液のほかに、昆虫のような体液も流れている。遠心分離機以上の回転能力も有する。口から超音波を発してコウモリよろしく濃霧の中でも全速力で移動することが可能である。
- ギャグシーンとは言え刺されようと突かれようと撃たれようと全く平気で、「誤って濃縮ウランを飲んだ時も下痢をしただけで済んだ」というタマネギの証言もある。トラフグを生で食べ、フグ毒(テトロドトキシン)にやられそうになったこともあるが、アルタイルの薬売りにより助かっている。とり憑こうとした物体Xを逆に吸収した際にXの再生能力を身に付けており、不死身に近い肉体を持っている。また死神に取り憑かれているが、「財産に執着しているかぎりは死なない」という。
- 胃腸の機能は強力で、飲み込んだ硬貨を溶かしてしまうほど。悪霊を飲み込んで消化した事もある。排泄物もあらゆる栄養を吸収し尽くして「フリーズドライ状態(本人曰く)」で出て来るという。また根性で消化するという荒業を駆使し、フードファイトの国際大会で準優勝(ダイヤを売りつけるためにわざと負けた)するほどの大食(医師により正常人の10倍の25000kcalまでしか食べさせてくれないと愚痴をこぼしている。また、一日で豚500頭を一人で食したこともある)。そのせいか、10歳にして成人病を多数併発しており、常時大量の薬を服用している。このため、薬のバランスが崩れると異常を来し、身体が誤動作を始める。食欲が災いして「餓鬼」や豚の霊、「ぬっへっほ」にとり憑かれた経験もある。なお、ある事件で宇宙人に囚われた際には、約1ヶ月間飲まず食わずで放置されていたが、衰弱はしていたものの体調には全く問題は無かった。
- 内臓が気まぐれを起こし体内を移動することがある上、薬剤の効き方も気まぐれなため、正規の教育を受けた医務官を発狂させたこともある。
- 「人間コンピュータ」と呼ばれる思考を高速化して計算する特技を有し、その頭脳はスーパーコンピュータ以上の性能を持つ。天才的な科学者でもあり、自我を持つロボットや電送機など、通常の科学の常識を超える発明品を多数世に送りだしている。通称「発明パタちゃん」。「国際発明家団体連絡協議会」(国発団連協。本部はジュネーヴ)の会員で、時々会合や会報(月刊)で発明品を発表しており、弟子入り志願者が訪れた事もある。
- 自国基幹産業の宝石に関して造詣が深く、宝石鑑定のエキスパートで世界でもトップクラスの鑑定眼を持つ。
- 外国語に堪能で何度も来日し、身分を隠し東京都内で生活した事もある。84ヶ国語で「今何時ですか」と訊ねる特技も持つ。猫・ネズミ・ゴキブリ・バイキン・未来人の言葉も理解し喋ることができ、空飛ぶ正義の味方スーパーキャットや、その兄の間者猫といった猫の親友もいる。
- 「世界名探偵友の会」の会員でもあり、優れた推理能力を持っており、様々な事件を解決してきた。実は一度人を(誤って)殺したことがあり、その天才的な頭脳で何とか誤魔化そうとするが、バンコランやマライヒに因りバレそうになり、逃走。しかし、すぐに真犯人を見つけ何とか自分が無実であることを確信・証明したのである。
- 「世界歯周病撲滅友の会」会員。
- 気分や状況に応じて変装する事がある。主なものは、フリッツ・フォン・マンテル教授(あるいは博士)やシバイタロカ博士やパタコランなど。単なる扮装ではなく人格にも影響を与え、例えばシバイタロカ博士になると金銭欲がなくなるとされている。初期は博士の姿で宝石泥棒(未遂)をしようとしたこともあったが、最終的には、パタリロとシバイタロカ博士の人格は完全に分離し、パタリロは博士に変装している間の記憶がなくなり、博士も「あなたはパタリロの変装した姿である」と指摘しても冗談だと思うぐらいである。連載初期には隠密行動をとるために変装をしたこともあり、変装後の姿と容姿がよく似た少年が事件に巻き込まれたこともある。
- 時間跳躍(タイムワープ)や時間停止などの超能力を備える(ダイヤ鉱山での発破に巻き込まれた際、身に着けた)。ただしこの効果は「時間のみの移動」と「時間と場所の移動」の2パターンが描写されている。時間停止を利用して犯罪を重ねた事もあったが、能力をテログループに利用される事件があり使用を止めている。
- 能力なのか性格なのか判じかねるところであるが時々話の筋を完膚なきまでに脱線させる秘境異次元ごっこを敢行して周囲の人間を巻き添えにしてしまう事がある。これによってページ数が稼げる、というメリット(?)がある。
- 本人には自覚がないが陶芸に関して天才的な才能を持っており、人間国宝の地位をあやうくさせたことがある。
- 生涯に3度脱皮するらしい。最初の脱皮の際には剥がれかけてゆるゆるになった外皮のせいで容姿が絶世の美少年に見えた。
以上のように不死身で弱点などなさそうであるが弱点はある。
- バンコランには「熱湯をかけるとゴキブリの様に即死する」と言われている。
- 怪談は聞くのも苦手らしい。
- 特殊な環境(学校で同世代と接するはずの時期を大学の研究室で過ごし、卒業後も歳の離れたタマネギ部隊がもっとも身近な存在である)で育ったため、同世代の異性に免疫がない。
- 初恋の相手である従姉妹のミリオネア公国王女マデリーンに似た容姿の女性に強く惹かれる傾向にあるが、現在までマデリーンをはじめ女性達は別の男性と結ばれたり、両思いかと思えば実は女装好き少年であったりと恋愛ではろくな目に合っていない。
- ニューハーフも苦手。バー「東カリマンタン」に勤務するホステス(?)とダンスチーム「ゲロガデルシスターズ」には特に強い拒絶反応を示す。これはダンスチームとの出会いのエピソードが強烈なトラウマとなっているためで、それまではニューハーフに対する苦手意識は特に持っていなかった。
- 上述の環境から友人と呼べる存在もいなかった為、友情問題に関しても免疫がない。基本的に他人との対等なつき合いに慣れていないともいえる。
- 実母であるエトランジュとの関係も、妙によそよそしいところがある。バンコラン・マライヒ・タマネギ部隊の前では、パタリロは「自然な振る舞い」が出来るのだが、エトランジュの前では「猫をかぶってしまう」。
- 如何に膨大な知識を有するパタリロも、年齢的には子供であり、精神的に弱い部分もある。過去、自らの意志で航空宇宙局のロビー少尉を死に追いやった事があり、その際は、生まれてはじめて心の底から泣いた。ロビー少尉は自分の生命エネルギーと引き換えに病人を治す特殊能力を持っていたが、某国の戦争を止めるために必要不可欠な存在であるアントニウス枢機卿を救わなければ戦争により何万人もの人命が失われると知り、パタリロは危篤状態の枢機卿を救うために断腸の思いでロビー少尉の命を犠牲にする決断を下したのである。なお、この回はアニメと漫画で若干展開が異なっている。アニメでは、ロビーはパタリロとバンコランの会話を聞いており、ロビーが自らの意志で枢機卿を救い死亡。アニメでは、パタリロは最後に「宇宙飛行士になって月へ行きたい」というロビーの夢を奪ってしまった事に対する償いとして、「ロビー1世号」と命名したロケットにロビーの遺体を乗せて宇宙へ飛ばしてやった。
モデル[編集]
名前の由来は「パタパタと走り回っているキャラクター」。この『パタ』に名前らしくするために『リロ』をつけ『パタリロ』とした。
当初はパタリロ、ヨタリロ、マッタリロという三つ子が登場する話にする予定であったが、作者は「同じ顔を三人分描くのは手間がかかる」と考え三つ子の設定を没にした。
ヨタリロとマッタリロは後に名前を流用した別デザインのキャラクターとしてそれぞれ一度登場した。
外伝でのパタリロ[編集]
- パタリロ!の時代劇版
主に呉服問屋越後屋の主人波多利郎(ぱたりろう)として登場する。ただし、別キャラクターとして初期の「猫間天狗」の他、忠臣蔵の大石主税、新撰組の沖田総司、そして人事師(ひとごとし)波多利郎として登場した事がある。それに伴い他の面々もそれに応じた別の名前のキャラクター(外見は同じ)として登場した。(例:バンコラン→大石内蔵助、近藤勇)
『家政夫パタリロ!』『奥様はパタリロ!』『ビストロ温泉パタリロ!』[編集]
アラファト家政婦派遣協会に所属する家政夫越後屋波多利郎(えちごやぱたりろう)。 親の借金を月10万円で1万年以上かかって返済するために歳をごまかして働いている。
『パタリロ源氏物語!』[編集]
陰陽寮に仕える陰陽師の一族である賀茂家の領袖賀茂波多利郎度摩利音羅(かものぱたりろどまりねら)。
『パタリロ西遊記!』[編集]
孫悟空の役を演じている。