ピーエーワークス
株式会社ピーエーワークス (英：P.A.WORKS Co.,Ltd.) は、アニメーションの企画・制作を主な事業内容とする日本の企業。P.A.は「Progressive Animation」の略である。
目次
概要・沿革[編集]
2000年11月10日、堀川憲司がビィートレインの取締役・制作プロデューサーを経て富山県東砺波郡城端町[1]で越中動画本舗株式会社を設立。2002年1月1日に株式会社ピーエーワークスに商号変更した。設立の経緯は、堀川が家族との約束から富山へ戻る際、地元に制作会社を探しても見つからず、自らスタジオを立ち上げたのだという[2]。
設立時、行政側から社屋として廃病院を改築した建物の斡旋[3]やケーブルテレビを利用としたブロードバンド環境整備などの支援を受けている。また、社員寮を整備して社員の福利厚生の向上に取り組んでいる。
富山本社には作画およびCG制作部門があり、演出・制作は東京事務所（東京P-10スタジオ。東京都小平市一橋学園駅地区）に置かれている。テレビゲームのムービーパートの制作のほか、テレビシリーズではビィートレイン、プロダクション・アイジー制作作品のグロス請けを主とし、2008年の『true tears』が初の元請制作となった。大都市圏以外の地方に本拠地を置きながら、アニメーションの元請制作を手がける能力を持っている数少ない企業である。
コンピューターゲームメーカーであるレベルファイブと取引があり、同社のパブリッシャー参入作品である『レイトン教授と不思議な町』の劇中アニメの制作を担当した。以降も、続編のアニメパートや、当社としては初の長編アニメ映画も手がける。
2016年10月頃より所属アニメーターが自身のTwitterにおいて、支払明細書を掲げた上で同社の雇用条件や賃金に対して、内部告発する事件が発生。
作品履歴[編集]
テレビアニメ[編集]
制作元請[編集]
いずれも地元・富山県内の民間テレビ局でも放送されている。
- 初のPAW制作。富山では1クール遅れ
- 東京進出、富山初の期間内週遅れ放映
- チューリップテレビ進出、同時に富山での同時期放送達成、3大都市圏以外（福岡）に初進出、放送エリアも18都府県と一番広かった。
- 富山のみの放送
- 花咲くいろは（2011年）
- 富山全民放局コンプリート、石川に初進出
- 富山が全国最速放送を実現、関西U局初進出、テレ東系初進出
- TARI TARI（2012年）
- 日本一のアニメ局、テレビ愛知に初進出
- RDG レッドデータガール（2013年）
- 有頂天家族（2013年）
- 凪のあすから（2013年）
グロス請け[編集]
- クレヨンしんちゃん（制作元請：シンエイ動画、各話制作協力、1992年 - ）[4]
- あたしンち（制作元請：シンエイ動画、各話制作協力、2002年 - ）
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX（制作元請：Production I.G、各話制作協力、2002年 - 2003年）
- スクラップド・プリンセス（制作元請：ボンズ、各話制作協力、2003年）
- 鋼の錬金術師（制作元請：ボンズ、各話制作協力、2003年 - 2004年）
- 攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG（制作元請：Production I.G、各話制作協力、2004年）
- お伽草子（制作元請：Production I.G、各話制作協力、2005年）
- ツバサ・クロニクル（制作元請：ビィートレイン、各話制作協力、2005年）
- IGPX（制作元請：Production I.G、各話制作協力、2005年）
- スパイダーライダーズ 〜オラクルの勇者たち〜（制作元請：ビィートレイン、各話制作協力、2006年）
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society（制作元請：Production I.G、パート制作協力、2006年）
- 精霊の守り人（制作元請：Production I.G、制作協力、2007年）
- DARKER THAN BLACK -黒の契約者-（制作元請：ボンズ、各話制作協力、2007年）
- RD 潜脳調査室（制作元請：Production I.G、各話制作協力、2008年）
劇場アニメ[編集]
- クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃（制作元請：シンエイ動画、協力、2005年）
- 劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者（制作元請：ボンズ、パート制作協力、2005年）
- クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!（制作元請：シンエイ動画、協力、2007年）
- レイトン教授と永遠の歌姫（オー・エル・エムと共同制作、2010年）
- 花咲くいろは HOME SWEET HOME（2013年）
ゲーム[編集]
- レイトン教授と不思議な町（アニメーションパート制作、2006年 - 2007年）
- レイトン教授と悪魔の箱（アニメーションパート制作、2007年）
- レイトン教授と最後の時間旅行（アニメーションパート制作、2008年）
- ひぐらしデイブレイクPortable（OPムービー制作、2008年）
- レイトン教授と魔神の笛（アニメーションパート制作、2009年）
- レイトン教授と奇跡の仮面（アニメーションパート制作、2011年）
その他[編集]
- 富山観光アニメプロジェクト「泣かせる空に会いたい 立山の恋人編」[5]
- 富山観光アニメプロジェクト「泣かせる海に会いたい 海辺の友情編」[6]
- 富山観光アニメプロジェクト「泣かせる味に会いたい 五箇山のおじいちゃん編」[7]
- 万能野菜 ニンニンマン（2011年）文化庁委託事業 平成22年度若手アニメーター等人材育成事業（若手アニメーター育成プロジェクト）
- 北陸銀行CM（2011年） - 五箇山や金沢城、福井県立恐竜博物館に並んだ子供達の写真がイラストへと切り替わる。
- マイの越中万葉体験記(2012年) - 高志の国文学館内上映用アニメ。
- 恋旅〜True Tours Nanto（2013年） - 南砺市限定でスマホ等で視聴可能[8]。
関連人物[編集]
アニメーター[編集]
演出家[編集]
事件・不祥事[編集]
所属アニメーターによる内部告発[編集]
2016年10月頃より所属アニメーターが自身のTwitterにおいて、支払明細書を掲げた上で同社の雇用条件や賃金に対して、批判的なツイートを連発。この人物が公開した給与のうち、もっとも高額だったのは2016年10月支払分の6万7569円だった[9]。それらが注目されて、ネット上の各所に情報が拡散される事態となった。本人は自分と同じような不幸な新人を増やさないためにこのような行動に踏み切ったとツイートしている。事態を重く見た同社は11月4日にHP上にて声明を発表し、騒動によって関係者に迷惑をかけたことを謝罪した[10]。尚、同アニメーターは既に退職しており、自身のTwitterも削除されている。
脚注[編集]
- ↑ 城端町は2004年に市町村合併により南砺市の一部となっている。
- ↑ 『アニメージュ』vol.358 2008年4月号、徳間書店、117頁 - 堀川憲司の発言。
- ↑ 南砺市起業家支援センター 2012年5月24日閲覧。
- ↑ グロス請けは2007年放映分のみ参加。
- ↑ 富山観光アニメプロジェクト「泣かせる空に会いたい 立山の恋人編」 2012年5月24日閲覧。
- ↑ 富山観光アニメプロジェクト「泣かせる海に会いたい 海辺の友情編」 2012年5月24日閲覧。
- ↑ 富山観光アニメプロジェクト「泣かせる味に会いたい 五箇山のおじいちゃん編」 2012年5月24日閲覧。
- ↑ 恋旅〜True Tours Nanto
- ↑ “年収100万円未満…アニメ制作現場、超絶ブラックで崩壊の危機か…離職率9割、人材使い捨て常態化”. Business Journal 2017.01.04
- ↑ “この度の弊社スタッフのSNSの投稿につきまして”. ピーエーワークス
