ネズミ
ネズミ上科 | ||||||||||||
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240px ハツカネズミ | ||||||||||||
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ネズミ(鼠)とは、ネズミ目(齧歯目)ネズミ上科に属する哺乳動物の総称である。ハツカネズミ、ドブネズミなど、1,000種以上が含まれる一大グループを形成している。
ネズミのほとんどが夜行性で、よく人間が寝ている間に人間の食料などを食べたりするので、寝盗み(寝ている間にこっそりと人間の食料を盗む)が転じて、ネズミという名がついたといわれる。また、ネズミは齧歯類に特徴的な、一生延び続ける門歯をもつため、常に何か硬いものをかじって前歯をすり減らす必要性がある。もし、硬いものをかじらないまま放置しておくと、前歯が口をふさぐような形になり、食べ物が口に入らなくなってしまい、餓死してしまう。
繁殖力が旺盛であり、世界中のほとんどあらゆる場所に生息している。ネズミ上科のほとんどの種が、丸い耳、とがった鼻先、長い尻尾といった、よく似た外観上の特徴をもち、外観から種を見分けることは難しい。このため、頭骨や歯によって識別がなされている。
ハツカネズミなどのネズミは一度の出産で6~8匹生むことが出来、わずか3~4週間程度で性成熟し子供が産めるようになる。
目次
人間との関わり[編集]
歴史的には
- アリストテレスの『博物誌』では、ネズミの繁殖力の強さは説明できない問題であること、農作物に害をなすことが述べられている。また、ネズミは、塩を舐めているだけで、交尾をしなくても受胎するという俗説が紹介されている。
- 中世のヨーロッパでは、ネズミは不吉な象徴であり、悪魔や魔女の使いとみなされた。また、ペストなどの伝染病を運んでくると考えられていた(実際、ペストの媒介動物である)。
- 日本には、一部の地区でネズミは大黒天の使いであるとするネズミ信仰がある。正月などに家内安全、五穀豊穣を祈り、ネズミの通り道に餅などを供える風習がある。
歴史的には上記のような人間との関わりがあるが、現代社会においては、ネズミの仲間の中にはハムスターのようにペットとして飼育されたり、ハツカネズミなどのように実験動物として人間に貢献している種類もある。
また、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの3種は、イエネズミと呼ばれ、人間社会にとってもっとも身近なネズミである。病原体を媒介したり樹木や建物、電気機器などの内部や通信ケーブルなどをかじったりして人間に直接・間接の害を与える衛生害獣であり、駆除の対象となっている。
にも関わらず、ネズミはイヌやネコと並んで、物語や漫画、ゲーム、アニメなどの動物キャラとして登場することが多い。これはネズミが人間生活と非常に馴染み深いことと関係があると思われる。また、小さな体格でチョロチョロと動き回る所から、可愛らしいイメージで見られており、キャラクター化しやすいことも考えられる(他に現実とのギャップが激しい動物では、本来獰猛で、時に害獣でもあるクマなどが挙げられる)。
ネズミの駆除方法[編集]
代表的なものに以下のものがある。
- 粘着シート(「ごきぶりホイホイ」の大型版)をネズミの通り道と思われるところに仕掛ける。
- 内部に餌をセットした「ネズミ獲り」(かご型の捕獲器、わな、トラップ)を仕掛ける。
- 毒餌(殺鼠剤、猫いらず。主成分は黄リンやタリウム塩で猛毒だったが、現在は低毒性のクマリン系のものが使用されている)を置いて食べさせる。但し、最近では毒の耐性を持ったクマネズミも報告されている。
- ネズミに害を与えるという電磁波や超音波の放射装置を取り付ける(最近の実証実験では効果無しと言われている)。
- ネコをペットとして飼育する(但し、最近ではネコがキャットフードで飼われるため、ネズミの味を忘れ、追わなくなったともされる)。
分類[編集]
- ネズミ上科 Myomorpha
ネズミ上科以外の「○○ネズミ」[編集]
ネズミ上科以外にも「○○ネズミ」と呼ばれるネズミ目の動物は多く、広義にはこれらをネズミに含めることもある。
ただし、以下の亜目・下目・上科の分類には異説もある。なお、ネズミ上科はネズミ目ネズミ亜目ネズミ下目である。
- ホリネズミは、ネズミ亜目ビーバー下目である。
- テンジクネズミ(モルモット)は、ヤマアラシ亜目ヤマアラシ下目テンジクネズミ上科である。なお、時に「世界最大のネズミ」と称されるカピバラもこの上科である。
- チンチラネズミは、ヤマアラシ亜目ヤマアラシ下目チンチラ上科である。時にネズミとされるチンチラもこの上科である。
- アメリカトゲネズミ科(アメリカトビネズミ科とも。ギアラトゲネズミなど「○○トゲネズミ」の大部分を含む)は、ヤマアラシ亜目ヤマアラシ下目テグー上科である。
- デバネズミ、ヨシネズミは、ヤマアラシ亜目ヤマアラシ下目である。
ネズミ目以外の「○○ネズミ」[編集]
これらは、ネズミではない。
- トガリネズミ、ジネズミ、ジャコウネズミ(スンクス)、カワネズミはモグラ目(食虫目) トガリネズミ科、ハリネズミはモグラ目ハリネズミ科である。
- ハネジネズミはハネジネズミ目である。
- フクロネズミ(オポッサム)は後獣下綱有袋類オポッサム目、フクロトビネズミは有袋類フクロネコ目である。
- 「海鼠」は「ナマコ」と読む。
物語に出てくるネズミ[編集]
- 中国では、火山の火の中に「火鼠」がすんでいると信じられていた。竹取物語では、かぐや姫が求婚者の安部御主人(あべみうし)に対して、結婚の条件として、火鼠の皮衣(ひねずみのかわごろも)を入手してくるよう求めている(正体は石綿という説がある)。
- ドイツの民話、『ハーメルンの笛吹き男』で、ネズミはハーメルンの街を荒らす不吉な存在として描かれている。笛吹き男は笛の音によって、ネズミの群れをおびき寄せ、河で溺死させ退治した。報酬を出し渋る街の住民に怒った笛吹き男は、笛の音によって子供たちをすべてさらってしまう。
- ダニエル・キイスの小説『アルジャーノンに花束を』には、脳外科手術によって知能を増大させたネズミ、「アルジャーノン」が登場する。
- アニメ(カートゥーン)『トムとジェリー』では、ネズミのジェリーとネコのトムがドタバタを繰り広げている。
- ネズミのキャラクターで最もよく知られているのはミッキー・マウスだろう。初めて映画に登場したのはアニメーション『蒸気船ウィリー』(1928年)である。ウォルト・ディズニーが飼っていたネズミがモデルであるとされる。
- 漫画・アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の登場キャラクタにネズミ男がいる。
- イタリアの人形劇『トッポ・ジージョ』の主人公トッポ・ジージョはネズミである。
- ドイツのアニメ『「de:Die Sendung mit der Maus(マウスといっしょ)』(『だいすき!マウス』という日本版がNHK教育テレビで放映)』の主人公マウスはネズミである。
- 絵本『ぐりとぐら』の主人公「ぐり」と「ぐら」は野ネズミである。
- ゲーム・アニメ『ポケットモンスター』の人気キャラクター、ピカチュウやマリルはネズミがモチーフ。
- 村上春樹の小説、「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」、「羊をめぐる冒険」、「ダンス・ダンス・ダンス」における登場人物のあだ名。あだ名ではあるが作品中では一貫して「鼠」としか書かれない。主人公である「僕」の相棒。
- E.T.A.ホフマンの児童文学作品「くるみ割り人形とねずみの王様」にはネズミの女王・マウゼリンクス夫人が登場する。
- ゲーム『マッピー』の主人公はネズミがモチーフ。
- ゲーム『星のカービィ 参上! ドロッチェ団』の敵組織・ドロッチェ団はネズミがモチーフ。
ネズミにまつわる言葉・慣用句[編集]
- 大山鳴動して鼠一匹 - 大騒ぎをしたにも関わらず、大した収穫が得られないこと。
- 窮鼠猫を噛む - 追い詰められた弱者が、強者に対し必死に反撃すること。
- ねずみ算 - ネズミが等比級数的に急激に繁殖することから、和算で等比級数の計算のことを指す。
- ネズミ講 - ねずみ算的に会員を増やすことで利益を分配する無限連鎖講のこと。法律で禁じられている。連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)とは違う。
- 頭の黒い鼠 - 他人の私財を略奪するような悪人のこと。
- ただの鼠ではない - 気を許すことができないということ。「鼠=とるに足らないもの」という考えが下地にある。
- 鼠の尾まで錐の鞘 - どんな下らないものでも役に立つということ。
- 鼠が塩をひく - 取るに足らない些細なことであっても、放っておくといずれ重大な事態を招くということ。
- 家に鼠、国に盗人 - どんな世界でも害毒となる存在は必ずいるということ。
- 鼠に引かれる - 家にポツンと孤独でいる状態のこと。
- 袋の鼠 - 追い詰められて逃げることができない状態のこと。
その他[編集]
- ねずみは、十二支のひとつ。子を参照。
- ネズミ、ネズミ捕り - 検問の俗称
- 英語では、ハツカネズミなどの小型のネズミをマウス(Mouse,複数形はMice)、ドブネズミなどの大型のネズミをラット(Rat)と呼び分けており、日本語の「ネズミ」にそのまま相当する単語は存在しない。
- 和文通話表で、「ね」を送る際に「ネズミのネ」という。
- ドラえもんがねずみ嫌いなのは有名(自分の耳朶をかじられ失ったため)。
- 野球で「ネズミ」といえば、主に投手の利き腕の肘にできた遊離軟骨のことである。
- 鼠園 - 東京ディズニーランド(TDL)、東京ディズニーリゾート(TDR)の隠語。
関連項目[編集]
- マウス (コンピュータ)(ネズミから由来する)
- ネズミ咬傷
- マウスイヤー
- wiki:ネズミ