白くまくん

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白くまくん(しろくまくん)は日立製作所が開発し、2006年4月よりグループ会社の日立アプライアンスから発売している家庭用ルームエアコンの名称である。

概要[編集]

日立は1952年昭和27年)にウインドウ形ルームエアコン(EW-50)を日本で最初に発売している。その後、冷房能力が小さいものしか生産できなかったこと、宣伝不足、(今で言えば、車では高級車・空調機では非ヒートポンプ系空気調和機に相当する位)非常に高価であったことなどを理由に1954年(昭和29年)から一時生産を中止していたが、1958年(昭和33年)に「ウィンドウ型エアーコンディショナー」の名称で生産を再開した。翌年の1959年(昭和34年)には、現在の日立エアコンを象徴する「白くまマーク」を取り入れた。現在の名称である「白くまくん」が登場したのは1975年(昭和50年)からで、それから30年以上親しまれている。

歴史[編集]

記載の機種名は代表機種である。

  • 1952年 - 日本初のウインドウ型ルームエアコン(EW-50)を発売。
  • 1953年 - EW-50の性能をアップしたFW-50を発売。
  • 1954年 - 一時生産を中止する。
  • 1958年 - 生産再開。現在の構造に近いウインドウ型エアーコンディショナー(101-ML)を発売。
  • 1959年 - 100-WMの発売と共に、「白くま」マークを導入。単相100Vタイプの75-WMも発売し、初の2モデルとなる。
  • 1960年 - NWT-750を含む3機種を発売。この年から名称を「ルームクーラー」に変更する。
  • 1961年 - 日本初のヒーター付ヒートポンプ式冷暖房ルームクーラー(RW-600Hを含む2機種)を発売。
  • 1962年 - RA-752をはじめとする6機種を発売。内5機種はヒーターの取り付けを可能とした。
  • 1964年 - 全機種サーモスタットを搭載した新モデル(RA-754など)を発売。
  • 1965年 - 業界に先立ち、JIS表示の製品(RA-229など6機種)を発売。
  • 1967年 - 現在の主流となっているセパレートタイプ(RAS-288)を発売。また、世界初のドライ機能を搭載したRA-288Dを発売。
  • 1969年 - セパレートタイプに床置型モデル(RA-227F)を発売。
  • 1971年 - セパレートタイプにドライ機能を搭載。RA-226Dを発売。
  • 1972年 - 室外ユニットを低騒音化。また、室内ユニットでは今日の壁掛けタイプに近い横長タイプ(RAS-221DY)を発売する。
  • 1973年 - 現在の快適暖房の考え方を取り入れたRAS-225Hを発売。
  • 1974年 - 窓用縦型エアコン(RAV-189)を発売。
  • 1975年 - スリットフィンを採用した熱交換器によって省エネを図ったRAS-2201Yを発売。この年より愛称を「白くまくん」とする。
  • 1977年 - 世界初のIC制御モデル(RAS-2203SI)を発売。
  • 1978年 - 日本初のマイコン制御のエアコン「コンピューター白くまくん(RAS-2201WSL)」を発売。
  • 1980年 - 温・湿度センサーを搭載したRAS-2207WLLを発売。
  • 1981年 - ムーンライト計画の成果を生かした省電力モデル(RAS-1813DI)を発売。
  • 1983年 - 世界初の直流インバーターモデル(RAS-2223H)を発売。スクロール方式の圧縮機も初めて搭載する。
  • 1985年 - シルキーストライプのデザインを採用したRAS-2236Wを発売。
  • 1986年 - 「インテリジェント・エアコン 白くまくん(RAS-2253W)」を発売。
  • 1987年 - 圧縮機にトルク制御方式を採用したRAS-2258Wを発売。
  • 1988年 - エアコンにしゃべる能力を持たせた「はなせるエアコン白くまくん(RAS-2268W)」を発売。
  • 1990年 - マルチバランス・コンプレーサーを搭載した新「はなせるエアコン白くまくん(RAS-289AX)」を発売。
  • 1991年 - 室内ユニットをホソナガフォルムとした「ビッグフロー白くまくん(RAS-28YBX)」を発売。なお、このCMにハルク・ホーガンが登場。
  • 1993年 - 「うすピタ」室外機のRAS-289DXを発売。
  • 1994年 - 世界初・熱リサイクル方式の「カラッと除湿」を搭載したRAS-259EXを発売。従来より吸込口下の大きなアンダーランプ()で運転状況が分かりやすくなった。
  • 1995年9月 - 大きく吸って・大きくはき出す独自の「新呼吸流パネル」を搭載した1996年モデル、RAS-259GX/289GXを発売。翌年5月に単相200Vモデル(RAS-289GX2/369GX2/409GX2)並びに三相200Vモデル(RAS-289GX1/409GX1)を追加発売。このモデルからアンダーランプのデザインがドット状からライン状になった。
  • 1996年8月 - 「カラッと除湿の白くまくん 新呼吸流」にRAS-259HX/289HXを追加発売。
  • 1996年11月 - 運転状況に応じて、電圧の高さそのものを変化させることで、ハイパワーと省エネを両立させた世界初のPAM(パム)制御を搭載した1997年モデル「新呼吸流PAMシリーズ カラッと除湿の白くまくん 暖ちがい(RAS-2510HX/2810HX/3610HX)」を発売。
  • 1997年9月 - 暖房能力・省エネ・除湿力により磨きをかけた1998年モデル「PAMエアコン 白くまくん(RAS-2510JX/2810JX)」を発売。
  • 1998年9月 - 1999年モデル「快記録・PAMエアコン 白くまくん(RAS-2510KX/2810KX)」を発売。なお、このモデルから新呼吸流パネルを無くし、吸込口下のアンダーランプが3つから5つに追加した。
  • 1999年9月 - 本体とリモコンの双方向通信により、リモコンに現在の温度・湿度を表示する「快適おしえて機能」を搭載した2000年モデル「見る見る爽快 PAMエアコン白くまくん(RAS-2210LX/2510LX/2810LX/3610LX/4010LX2)」を発売。
  • 2000年1月 - 新形状の室内ユニットを搭載し、暑い夜にもう一度1時間だけ再運転する「ワンモアタイマー」を搭載した小部屋向けモデル「うすピタ・PAMエアコン白くまくん(RAU-22LX)」を発売。
  • 2000年10月 - 前面パネルが左右に開く「クリーン全開パネル」と「ターボPAM」を搭載した2001年モデル「全開PAMエアコン白くまくん(RAS-2210MX/2510MX/2810MX/3610MX/4010MX2/5010MX2)」を発売。同年11月には室内ユニットをワイドボディとした「全開S-PAMエアコン白くまくん(RAS-2820MX/4020MX2/5020MX2/6020MX2)」を発売。
  • 2001年11月 - 「クリーン全開パネル」を発展し、吹き出し口まで開く「一気に全開パネル」を搭載した2002年モデル「一気に全開PAMエアコン白くまくん(RAS-2210NX/2510NX/2810NX/3610NX/4010NX2/5010NX2)」を発売。
  • 2002年4月 - 生活家電部門を新会社の日立ホーム&ライフソリューションへ譲渡。
  • 2002年10月 - 「スムーズエアシステム」で風を顔に当てることなく温める2003年モデル「風革命フォルムPAMエアコン白くまくん(RAS-2210RX/2510RX/2810RX/3610RX/4010RX2/5010RX2)」を発売。
  • 2004年1月 - 世界初の「給・排・気流制御システム」で空気をきれいにして排出すると共に、室内ユニットに搭載された第二の吹き出し口「フレッシュエアウィンドウ」を搭載した2004年モデル「フレッシュ給排白くまくん Eシリーズ(RAS-E**S/E**S2)」を発売。この年より、「白くまくん」は7代目となる。室外機の外観を大幅に変更。
  • 2004年12月 - 「フレッシュ給排 白くまくん」の2005年モデルを発売。この代では主力のEシリーズ(RAS-E**T/E**T2)に加え、「ダブルアクセルシステム」を搭載した高機能タイプのSシリーズ(RAS-S**T/S**T2)と、ベーシックタイプのHシリーズ(RAS-H**T/H**T2)を加え、3シリーズとなった。また、2005年モデルより、運転時にパネルが開く構造になる。
  • 2005年12月 - IQ-PAMエンジンで省エネ性能を上げ、「花粉押し出し給気」と「ナノ&プラズマ空清」を組み合わせ、花粉対策性能を高めた2006年モデル「白くまくん 花粉押し出しの勝ち(RAS-E**V/E**V2)」を発売。
  • 2006年4月 - 日立空調システムとの統合により、日立アプライアンスに社名変更。
  • 2006年12月 - ルーバー・フィルター・通風路にステンレス素材を採用して内部を清潔にすると共に、「フィルター自動清掃機能」も搭載した2007年モデル「ステンレス・クリーン 白くまくん Sシリーズ(RAS-S**W/S**W2)」を発売。2007年2月には最上位モデルとしてイオン化されたミストによる脱臭機能を加えた「ミスト脱臭 ステンレス・クリーン 白くまくん Xシリーズ(RAS-X**W/X**W2)」を追加発売。
  • 2007年12月 - 2007年モデルのXシリーズのミスト脱臭機能を搭載し、室内ユニットは11年前のモデルとほぼ同じサイズに収めた、2008年モデル「ミストで清潔 ステンレス・クリーン 白くまくん Sシリーズ(RAS-S**X/S**X2)」を発売。この機種は平成19年度省エネ大賞とグッドデザイン賞をダブル受賞した。 また、2008年3月にはイオンミストで潤いを与える最上位機種「ミストでうるおい ステンレス・クリーン 白くまくん Xシリーズ(RAS-X**X/X**X2)」を発売。
  • 2008年11月 - イオンミストの増量・ステンレス素材の使用範囲拡大・幅798mmのコンパクト室内機を採用した2009年モデル「ミストでうるおい ステンレス・クリーン 白くまくん Sシリーズ(RAS-S**Y/S**Y2)」を発売。この機種は前モデルに引き続き、2年連続でグッドデザイン賞を受賞した。翌月には、Sシリーズを上回る省エネ性能を実現した2009年モデルの「Xシリーズ(RAS-X**Y/X**Y2)」を順次発売。特に、RAS-X40Y2はトップクラスの省エネ性能を実現した。
  • 2009年2月 - エアコン内部にステンレス素材を採用、新しいインバーター制御技術の採用とS/Xシリーズで採用されている「エコみるみるセンサー」も搭載し、省エネルギー法2010年度目標基準を達成(RAS-E50Y2を除く)したセミハイグレードモデル「みるみるセンサー ステンレスクリーン・白くまくん Eシリーズ(RAS-E**Y/E**Y2)」を発売。同時にスタンダードモデルのMシリーズにもステンレス素材を採用した新モデル(RAS-M**Y/M**Y2)を発売し、Lシリーズを除く全てのシリーズが内部ステンレス仕様に。
  • 2009年11月 - 人の動きに合わせて省エネ運転を行う「エコ運転」・「エコ・エリア運転」を搭載した2010年モデル「イオンミスト ステンレス・クリーン 白くまくん Sシリーズ(RAS-S**Z/S**Z2)を発売。

製品ラインナップ[編集]

ルームエアコン[編集]

  • ミストでうるおい ステンレス・クリーン 白くまくん(Xシリーズ)
通風路・ルーバー・フィルターにステンレス素材、静音設計の波型ファンに銀イオンを、熱交換器にチタンを、左右風向板にメタルコーティングを採用し、「ステンレスプラズマ空清」を搭載した独自の「ステンレス・クリーンシステム」で徹底的に清潔。また、無給水でイオンミストを放出することで潤いを保つ。2009年モデルのSシリーズを上回る省エネ性能とモダンリビングに調和するデザインを採用したプレミアムモデル。
  • イオンミスト ステンレス・クリーン 白くまくん(Sシリーズ)
通風路・ルーバー・フィルターにステンレス素材、静音設計の波型ファンに銀イオンを、熱交換器にチタンを採用し、「ステンレスプラズマ空清」を搭載した独自の「ステンレス・クリーンシステム」で徹底的に清潔。無給水で「イオンミスト」を放出することで肌にうるおいを与える。さらに、活動量・湿度・居場所を見張って温度をコントロールする「エコみるみるセンサー」による「エコ運転」機能に加え、リチウム電池とソーラーパネルを搭載し、乾電池が無くてもリモコン操作できる新開発の「リチウム&ソーラー・リモコン」を手元に置くことで周囲の温度を自動制御して省エネに貢献する「エリア・エコ運転」機能も搭載。全モデルで幅798mmのコンパクト室内機を採用し、買い替え需要にも対応するハイグレードモデル。
  • みるみるセンサー ステンレス・クリーン 白くまくん(Eシリーズ)
通風路、ルーバー、フィルターにステンレス素材を採用し、「ステンレスプラズマ空清」を搭載した「ステンレス・クリーンシステム」で徹底的に清潔。また、活動量や湿度を見張って温度をコントロールする「エコみるみるセンサー」を搭載したセミハイグレードモデル。白くまくん他機に比べ、比較的大型。CMには草刈麻有を起用。
  • ステンレス・クリーン 白くまくん(Mシリーズ)
通風路、ルーバー、フィルターにステンレス素材を採用した「ステンレス・クリーンシステム」で徹底的に清潔。フィルター自動おそうじ機能を搭載し、省エネルギー法2010年度目標基準もクリア(RAS-M50Y2を除く)したコンパクト室内機採用のスタンダードモデル。
  • 白くまくん(Lシリーズ)
「ステンレスプラズマ空清」を搭載したシンプルモデル。このシリーズのみ、2007年モデルの継続販売で、2009年12月現在、RAS-L28W(冷房能力2.8kw)1機種のみである。

ハウジングエアコン[編集]

  • ピタッとすっきり 白くまくん
インテリアになじむラウンドフォルムのフラットデザインの化粧パネルを採用した一方向天井カセットタイプのハウジングエアコン。グッドデザイン賞受賞。
  • SZシリーズ - ステンレスフィルター自動清掃・カラッと除湿・イオンミストを搭載した高機能タイプ。
  • Zシリーズ - ツーバイフォー住宅にも対応するベーシックタイプ。ステンレスフィルターとチタン熱交換器を採用。
  • 暖房エアコン 寒さ知らず 白くまくん
室外機の熱交換器を2つに分割したことで、霜取り運転中でももう一方の熱交換器で暖房運転を続けることにより、ノンストップ暖房を実現した独自の「デュアルバイパス暖房方式」を採用したハウジングエアコン。
  • 床置タイプ - 床面直吹き出しで足もとからパワフルに部屋全体を温める。新たに、イオンミスト機能が搭載された。
  • 壁掛タイプ - ビッグルーバーとジェットルーバーで温風を床面に届けて足もとをしっかり温める。通風路・ルーバー・フィルターにステンレス素材、静音設計の波型ファンに銀イオンを、熱交換器にチタンを採用し、「ステンレスプラズマ空清」を搭載した独自の「ステンレス・クリーンシステム」で徹底的に清潔。イオンミスト機能も搭載されている。

白くまくんについて[編集]

初代白くまくんは1975年に実写版で登場。2003年12月に誕生した父子クマで7代目、手がけたのはデザイナーの大木理人、CM曲作曲は中島靖雄、母クマが見えないのは同窓会でアラスカに里帰り中、というウラ設定もある。ちなみに、KDDI/沖縄セルラー電話auブランド向けに納入している携帯電話のうち、「W62H」以降の全機種に「白くまくん」のEZケータイアレンジコンテンツがプリセットされている。

なお、2007年からは「ステンレス・クリーン 白くまくん」のシンボルキャラとして、ステンレスボディを身にまとった「ステンレス小ぐまくん」も登場している。

備考[編集]

同社のパッケージ空気調和機は『システムフリーZ』のブランド名で販売されている。

外部リンク[編集]